お盆?

(経済関連ニュース)
・Q207インドGDP 前年同期比+9.3%(前期+9.1%)、市場予想+9%。
・8月ユーロ圏景況感指数 110(前月111)、市場予想110.3。予想を上回る低下。
・8月ユーロ圏CPI速報 前年比+1.8%(前月+1.8%)、市場予想+1.8%。
・7月米個人消費支出 前月比+0.4%(前月改定+0.2%(速報比+0.1%))、市場予想+0.3%。
・7月米PCEコア価格指数(除エネルギー) 前月比+0.1%、市場予想+0.2%。インフレ動向は落ち着いている様子。
・8月米消費マインド指数確定 83.4(速報比+0.1)、市場予想82.5。先行指数は73.7(速報比▲0.4)。
・8月シカゴ購買部協会指数 53.8(前月53.4)、市場予想53.0。
・7月米製造業受注 前月比+3.7%(前月改定+1.0%(速報比+0.4%))、市場予想+3.3%。除く輸送用機器 前月比+2.4%(前月▲0.4%)。

バーナンキ議長講演要旨
「市場混乱の影響阻止へ、必要に応じて行動する。流動性供給のための新たな対応の準備は整っている」
「継続的な信用収縮は経済成長を阻害する恐れがある。先行きの経済の不透明感は金融政策にとってチャレンジである」
「最もタイムリーな経済統計を注視している。金融のストレスは住宅ローン問題を越えて拡散している。過去の統計は通常よりも役に立たない」

非鉄金属関連ニュース)
・Golden Dragon Precise Copper Tube Groupは、100百万?を投じてメキシコの生産を増加、銅管の総生産量を320KMtから500KMtに増産する計画。

(エネルギー関連ニュース)
ConocoPhillips Wilhelmshaven製油所(260KBD、ドイツ)、クラックマージンの縮小を受けて稼働率を引き下げていたが、数日のうちにフル稼働に。

(商品市況概況)
「上昇」
 週末の商品価格はおおむね上昇して引けた。最大の材料であるバーナンキ議長の講演で、利下げの可能性が否定されなかったことから株価が上昇し、株上昇によるセンチメントの好転を受けて軒並み買いが入った。
 但し、FRBが実際に利下げに踏み切るかどうかは来月のFOMCを見てみなければなんとも言えず、バーナンキ議長も「最新の統計を注意深く調べる」「過去の統計は役に立たない」ちコメントしており、今後発表される統計の内容、特に住宅関連統計の内容次第では再び株価が大幅に下落する可能性は否定できない。安直な利下げや大量な資金供給は、住宅バブル退治の妨げになってしまうためFRBは引き続き非常に難しい舵取りを要求されることとなろう。言いたいことは、サブプライムローン問題が完全に解決するまでにはまだまだ時間がかかる見込みで、経済統計や中小ファンドの破綻のタイミングで株価が下落し、商品価格も連れ安になる可能性は高い、ということだ。今のところ市場は年末までに25bpごと、3回の利下げを見込んでいるが、どこのタイミングで利下げが実施されるかが次の焦点になろう。今状態であれば、9月末の四半期決算を乗り越えられないファンドや金融機関が出てくる可能性も否定できず、10月に大きな相場の方向転換があるかもしれないため、要注意である。

(非鉄金属)
 週末の銅価格は上昇した。欧米で発表された経済統計が比較的落ち着いた内容であったことや、注目のバーナンキ議長の講演で利下げが否定されなかったことから株価が上昇したことが材料。これにより銅価格はジリ上がりとなり、30日移動平均線レジスタンスラインいっぱいまで上昇して引けている。LME在庫は+500Mt増加、(FSCは2.8日)、(キャンセルワラント率は5.4%)。売買高は7,282枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近が上昇。C-3は76?バックとバック幅を拡大した。 今後については引き続き主要金融市場動向に振らされる展開になると考えている。注目のバ議長講演では今後の市場混乱に対して積極的に対応していく方針が確認されたが、これは逆にサブプライムローン問題が完全に解決していないこと意味し、ファンドや金融機関の9月末の四半期決算から来年にかけて、この問題は市場の材料として継続することになると見られる。よって、下落圧力がかかる中、ファンダメンタルは依然として強いことから非常に不安定な相場展開が続くことになろう。売買材料を整理すると以下の通りである。まずは買い材料であるが、1つ目は、主要消費国中国の需要が高水準なGDPや固定資産投資、鉱工業生産を背景として需要サイドが堅調に推移する見込みである事、2つ目は生産国のストライキ懸念が継続していること、3つ目はLME在庫水準の低さである。このように供給サイドに関する問題は根本的に解決していない。売り材料を整理すると、1つ目は繰り返しになるが、株価動向が不安定な事から投機筋も積極的に商品市場に手を出しにくい環境にあることである。また株価の低迷が長期化し、景気が減速した場合に「悪い形での」価格下落を引き起こす可能性があるため予断を許さない。2つ目は短期的に中国国内の供給が需要を上回っている可能性があること(7月の輸入統計では精錬銅・銅製品の輸入量が再び前月から減少しているが、前年比では引き続きプラスが継続しており、経済成長に裏打ちされた長期的な需要の増加トレンドは維持しているものの、短期的には供給不足が解消されている可能性があることを示している)、3つ目は、中国当局の利上げ姿勢が持続している事である。但し預金の上げ幅を大きく、貸し出し金利の上げ幅を小さくした事から、景気をゆっくりと冷ましたいとの中国当局の意向が伺われ、実際に需要減少を促すまでには暫く時間を要しよう。尚、9月オプションの建玉は8,000?コールが1,239枚、7,800?コールが895枚、7,500?プットが720枚、7,400?プットが538枚となっている。

 週末の亜鉛価格は上昇した。銅と同様、バ議長講演を受けた株価上昇によるセンチメントの好転による買いが入り、上昇した。今のところ心理的な節目である3,000?の下値は固い状況である。これにより亜鉛価格は上昇し、10日移動平均線を小幅上回って引けた。LME在庫は▲250Mt減少、FSCは2.0日(キャンセルワラント率は10.3%)。売買高は3,738枚。イールドカーブの形状は略パラレルに全ゾーンが上昇。C-3は5?バックとバック幅を拡大した。 今後については引き続き主要金融市場の動向に振らされ、不安定な相場展開になると考えている。金融当局の対応によって金融危機は回避されている状況であるが、やはり株価が調整すると敏感に反応しやすい環境であり、サブプライムローン問題の根が深いことが露呈している。しかしながらファンダメンタルの売買材料を整理してみると、中期的には買い材料が多い。1つは中国のQ207のGDPが予想を上回る大きな伸びとなった事から引き続き中国国内の亜鉛需要は車の防蝕向けに旺盛であると見られること、2つ目はこの旺盛な需要を背景として中国政府が亜鉛輸出の増加に歯止めをかけるべくリベート撤廃、亜鉛の輸出関税の引き上げを実施したこと、3つ目は亜鉛の在庫水準が低く有事のバッファが少ないこと、である。しかしながらサブプライムローン問題は実はこれからが本番であり、このマイナス材料が存在する以上は上値ではしっかりと売りが入らざるを得ない。また、中国当局が加熱する経済を冷やす目的で金利上げを行ったことも、中長期的な需要の減少を引き起こす可能性がある。尚、長期的には大半のメタルと同じく年後半に向けての下落を予想している。3,000?を切る水準までの下落の可能性は低いと見ていたが、3,000?を下回るタイミングでFRBの金融政策の変更があったため、当面は2,990?が下値の目途となろう。まとめれば、短期的には下落、中期的には上昇、長期的には低下、ということである。但し、今回の株安が長期化した場合、実需の減速を伴って価格が下落し、価格低下が長期化する恐れもあるため要注意である。目先の上値は節目の3,200?、下値の目途は上記の通り2,990?、セカンドサポートは昨年6月20日にマークした2,810?を挙げておきたい。尚、価格の目途となりやすい9月オプションは3,500?コールが535枚、3,400?コールが600枚、3,500?プットが1,225枚、3,400?プットが1,030枚、3,000?プットが669枚となっており、依然として下落への警戒感が強い。

 週末の鉛価格は下落した。LME在庫の減少やキャンセルワラント率の上昇もあってアジア〜欧州時間にかけては堅調に推移していたものの、NY時間に入って突如水準を切り下げ、一目均衡表と30日移動平均線が重なるラインまで水準を切り下げた。特段材料がなかったことから週末を控えたポジション整理の売りが入ったものと考えられる。LME在庫は▲150Mt減少、(FSCは1.1日)在庫水準の低さやキャンセルワラント率の高さ(キャンセルワラント率は11.6%)を背景に、ファンダメンタルは非常に強い。売買高は1,475枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下した。C-3は61?バックとバック幅を縮小した。 今後については引き続き主要金融市場の動向に振らされ、不安定な展開が継続すると考えている。鉛をめぐるファンダメンタルは非常に強いものの、今回のサブプライムローン問題は実はこれからが本番であり、この材料がある限りは上値ではそれなりに売りが入ると見られ、レンジワークになると予想する。但し、もし、株価が長期的に安定しない場合、実需の減少を通じて価格に下押し圧力がかかる可能性もあるため要注意ではあるが。ファンダメンタルは繰り返しになるが、非常に強い。中国が鉛の輸出関税を引き上げたことに伴い、中国からの輸出が7月以降も、豪を初めとする大手生産者の生産障害になんら進展が見られないことや、自動車バッテリー向けに使用される中国での需要が引き続き旺盛であると考えられる事(7月までの中国の商用車・自家用車販売は引き続き堅調)、LME在庫水準が依然として低いこと(FSCは1.1日に)、カーバッテリー向けに使用される鉛は代替品が存在しないことなど、極めて強い買い材料が目白押しである。よって金融市場の混乱、という波乱材料がなければ基本は上値を試し易い環境にあることは忘れてはならない。本日は先週末のバ議長講演で利下げが否定されなかったことから、強含み推移することになると考ええいる。価格の節目となりやすい9月オプションの状況は、3,500?コールが300枚、3,000?コールが650枚、3,200?プットが518枚、3,000?プットが500枚となっており、上昇への警戒感が強い。

 週末のアルミ価格は小幅上昇した。LME在庫の減少もあって取引序盤は強含み推移していたが、鉛と同様NY時間に入ってから突如水準を切り下げた。特段新規材料がなかったことから週末を控えたポジション整理の売りに押されたものと考えられる。但し足元10日移動平均線をサポートラインとして比較的落ち着いた相場展開となっている。LME在庫は▲1,200Mt減少、(FSCは8.3日)しているが、需給は他非鉄金属と比べてタイトではない。(キャンセルワラント率は2.9%)。売買高は5,721枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇。C-3は57?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。 今後については、主要金融市場動向に一喜一憂の展開が予想され、引き続き不安定な状態が続く事になると見る。バ議長講演では利下げが否定されなかったことから危機的な状況は回避できるものと見られるが、逆にそこまで強い対応を余儀なくされるほど事態は深刻であるとも言え、株価の下落をきっかけとする下落圧力は残存すると考えている。9月のファンドや金融機関の四半期決算がひとつの山になるだろう。また、ファンダメンタル的にもベアな要素が多い。1つ目は最大消費国中国が投資抑制を目的として今後も利上げを実施する可能性があること、2つ目は中国国内の企業在庫水準が以前に比して増加している可能性が高く、LME在庫の水準もFSCベースでは低くないこと、3つ目は原材料であるアルミナ価格が低下を始めたことが挙げられる。一方で買い材料は、1つ目は中国の固定資産投資や鉱工業生産等が引き続き堅調であること、2つ目はエネルギー価格が需要期を迎えて堅調に推移していること、が挙げられる。このほかの売買材料としては、生産量回復後の価格支配力維持の観点から大手生産社の大型合併が始まっている事を挙げておきたい。期先で売りヘッジをしていない企業と、している企業が合併した場合、通常はヘッジをしない方針に変更されるケースが多いからだ。こうした合併の動きも期先での売りヘッジの動きを鈍化させ、イールドカーブコンタンゴ化させる可能性がある(かつて原油市場で見られたように、高い価格水準で全ゾーンコンタンゴになる可能性はある)。尚、7月の中国の輸出入統計では、前月比ベースではネット輸入が増加、前年比ベースでは減少しており、短期的にはブル、中長期的にはベアな内容であった。
 本日も株価次第であるが、10日移動平均線のサポートラインを維持したこと、バ議長講演を経て株価が大幅に反発していることから本日は強含み推移すると見ている。尚、下値の目途は昨年9月にマークした2,405?を挙げておきたい。価格の節目となりやすい9月オプションの状況は、2,750?コールが3,153枚、2,700?コールが725枚、2,700?プットが1,200枚、2,650?プットが4,450枚、2,450?プットが930枚となっており、依然として下落への警戒感が強い。

 週末のニッケル価格は大幅に上昇した。LME在庫がまとまったロットで増加したものの、バ議長講演で株価が上昇したことや、Q407以降のニッケルステンレスの需要が増加するとの見方が強まりつつあることが材料である。今のところ10日移動平均線をサポートラインとしてしっかりの展開が続いている。LME在庫は+840Mt増加、(FSCは6.1日)、キャンセルワラント率は4.5%。売買高は1,888枚。イールドカーブは全ゾーン上昇している。C-3は250?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。 今後については、サブプライムローン問題が解決しない中、不安定な状態が続くと考えている。但しニッケルは現在、どちらかといえばLME在庫の増加基調が継続していることに象徴されるファンダメンタルが売買材料とされている可能性が高く、上昇幅は限定されると考える(ニッケル在庫は少ない、と考えていたがFSCも5日を回復しており危機的状態は脱している)。また、中国国内での銑鉄使用増加や、クロム系ステンレス(ニッケルを必要としないステンレス鋼)への移行といったマイナス材料もあり、下値を探り易い地合いになっていると考えるべきである。ただし、一連のサブプライムローン問題発生の過程においてもニッケル価格は25,000?を大きく割り込むことがなく、徐々に期先の価格が上昇していることも鑑みれば25,000?を安値としてイールドカーブコンタンゴ化する可能性が出てきた。しばらくは株価動向に一喜一憂の展開が継続すると見られるため3Mは不安定な相場展開になると考えられる一方、この間にイールドカーブの形状がどう変化して行くか、ということが最も重要であろう。
 小職が目標に挙げていた昨年8月の25,350?を一旦割り込み、株価の安定とともにニッケル価格は短期的には下値を固めた感がある。サブプライムローンに端を発する信用収縮の問題が完全に解決したわけではないため予断を許さない状況が続くと見るが、当面は8月16日につけた24,800?が下値の目途となろう。中期的にはLME在庫が春先から12月末まで増加の傾向をたどりやすいことを考えると、年末に掛けて再び下値を探り易い地合いであると言えるが、銑鉄への移行やクロム形ステンレスへの移行も、ニッケル価格が低下するまでの繋ぎの色彩が強く、ニッケル価格が低下すれば再びニッケルが消費される可能性は高いと考えていることから下値も限られ、中〜長期的には価格は回復するものと見ておいたほうが良い。次の下値の目途は昨年7月にマークした21,800?を挙げておきたい。"

 週末の錫価格は上昇した。LME在庫が大幅に減少したことから、インドネシアの輸出の回復に遅れが見られる中上昇することとなった。LME在庫は▲415Mt減少、(FSCは14.5日)、キャンセルワラント率は13.86%。売買高は350枚。イールドカーブは期近が上昇、期先が低下しツイストする形でフラットニングしている。C-3は100?コンタンゴと前日と変わらず。 今後については、各国金融政策とそれを受けた株価動向を受けて不安定な相場展開が続くと考えている。錫は特に流動性が低い事から値を飛ばし易い。但し、インドネシア生産者からの輸出体制が完全に復帰しているわけではないこと(小規模生産者の生産回復にはまだ時間を要する見込み)、インドネシア政府の金属関連商品の輸出関税強化の可能性から基本的には需給はタイトになりやすく、何もなければ上値を試し易い地合いにあると考えておくべきである。しかし、他非鉄金属に比べるとまだFSCの水準も高く、サブプライムローン問題が解決しない中、特殊な材料が出ない限りは上値も限られると見る。

(エネルギー)
 週末のNY原油はバ議長講演を受けた株価の上昇をきっかけとして予想通り上昇することとなった。この上昇によりWTI一目均衡表の雲の上限をついに上抜けすることとなった。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇している。Brentも同様に上昇し、30日移動平均線レジスタンスラインを小幅上抜けして引けている。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇。
 石油製品も上昇。RBOBは限月交代日であることもあり、期近のみ下落し期先は上昇している。チャート的には以前から指摘している30日移動平均線と50日移動平均線の間でのレンジとなっているため、50日移動平均線レジスタンスラインが上値重かった。イールドカーブは期近のみ低下、期先は上昇。ヒーティングオイルは上昇。50日移動平均線レジスタンスラインを上回って寄り付いた後、水準を小幅切り上げて引けた。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇。ICEガスオイルも上昇。イールドカーブは期近が上昇し、ブルスティープニングしている。

 本日の原油相場はバ議長のコメントを受けて株価が上昇していることもあり、上値を試す展開になると考えている。しかしながら繰り返しになるが、サブプライムローン問題が解決しない中、株価の変動を受けて不安定な相場展開が続くことになろう。サブプライムローン問題の本番はこれからであり、また今回の住宅ローン問題を背景に9月末の四半期決算を乗り切れないファンドがいくつか破綻する可能性もあり得ることから10月が相場の転換点になる可能性が高い。
 ファンダメンタル的には、北海油田からの生産減少、OPECは9月11日の総会で生産を据え置く可能性が高いこと、ナイジェリアの情勢不安から供給は十分でないこと、石油製品在庫の水準は極めて低い事から需給は引き続きタイトである。ガソリン在庫水準はFSCベースでは依然として過去5年の最低水準を下回るレベルであり、十分な在庫があるとは決していえない。また、イラン問題はまだ解決していておらず、下火になったが地政学的リスクは残存している。北朝鮮問題に進捗が見られた場合、重油等の人道支援が行われる可能性が高く、こちらは問題の進捗が域内需給の逼迫要因になり得ると考えている。
 CFTCの統計では、原油はロングポジションが減少する中、ショートポジションが増加している。信用不安の交代を受けて投機筋が新たにポジションを取り始めている可能性が高い。RBOBはそろそろ需要が減少してくることもあって、ロング・ショートともポジションクローズが先行した。その一方でこれからの主役であるヒーティングオイルは在庫水準の低さももあって、ロングポジションが増加している。
 短期的な在庫水準の指標となる米国のガソリンのサプライカバーは過去5年の最低水準を下回っている状態で、石油製品市場の需給はタイトな状況が続いている。先週の統計でも明らかになったように、石油製品の需要が堅調である一方、石油製品の供給体制は脆弱である。稼働率が上がらないことが石油製品在庫の水準が増加しない最大の要因であるが、原油価格の高騰を受けてクラックマージンが縮小していることから、製油所の稼働率を引き上げにくい環境にあることがその背景にある。ガソリンのFSCは20.0日しか存在せず、ドライブシーズンを耐えうる在庫は確保できていない(過去5年最低の水準は20.9日)。稼動率が上がらない以上、得率引き上げによる増産が必要であるが、現在のガソリンの得率は限界的な水準(60%近辺)まで上昇しており、得率引き上げによるガソリンの増産も難しいといえる。よって必然的に米国は国内製品供給を海外からの輸入に頼らざるを得なくなるが、同様の理由で欧州でも製油所の稼働率を引き上げにくい状態にあるため、非常にボラタイルな展開になろう。ヒーティングオイルも同様の理由で輸入に頼らざるを得ない状況になると考えられる。
 このように石油製品供給は増やしたくとも増やしにくい環境が続いており、当面下ねは限られることになろう。石油製品価格が下落するとすれば、サブプライムローン問題の拡散による消費の減少であるが、統計を見る限りでは今のところ明確な需要の減少は確認されていない。
 原油供給に関しては、Non-OPECサプライの減少(北海地区からの産油量減少)の影響が効いてきており、安泰ではない。OPECは9月11日にウィーンで開催される総会で増産の意向はなくおそらく生産は据え置きとなろう。稼働率が上がりにくい環境にあることから原油が足りない、ということはないと考えられるがひとたび稼働率が上昇した場合には現在の生産レベルでは原油供給は不十分であるといえる。尚、需要増加の顕著な中国であるが、中国の農村部の都市化に起因する石油需要の増加は当面継続する可能性が高く(世銀等の見通しでも2007年の中国のGDP成長見通しは9%台を維持)、大幅な税制の変更等がなければ急速に需要が減少することはないと見ている。
 尚、価格の目途となりやすいWTI10月オプションの建玉状況は、80?コールが25,440枚、75?コールが16,563枚、70?コールが10,787枚、76?プットが6,396枚、73?プットが7,057枚、70?プットが13,678枚となっている。

(ひとりごと)
今、諸般の事情で働いていないのだが
この前秋葉原に買い物に行って帰ってきたら
道でばったり甥っ子と会った(小学校3年生)

甥「まだお休みなの?」
私「うん、まあね」
甥「まだお盆なんだね」
私「...うーん。お盆じゃぁ、ないんだけどね」
甥「ふーん。いいなぁ」

小学生って、可愛いですね。
本当のことを言うのが非常にためらわれた瞬間であった。

予告していたとおりですが、9月4日〜6日までブログの更新お休みします。