肘掛戦争-その1

(経済関連ニュース)
・6月ユーロ圏サービス業景気指数速報 49.5(前月50.6)、製造業景気指数49.1(前月50.6)、総合指数49.5(前月51.1)、市場予想各々 50.5, 50.2, 50.7。
・6月独Ifo企業景況感指数 101.3(前月103.5)、市場予想102.5。2006年1月以来の最低水準。

・ドルは対ユーロで上昇。欧州時間に発表された欧統計が予想外の悪化となったことから、ここ数日間のユーロ上昇もあって手仕舞い売りに押された格好。これに伴い円は対ドルで下落、対ユーロで上昇している。

日本株は大幅続落し、14,000円を割り込んだまま。素材高や先々の景況感悪化懸念を受けて、金融・輸出関連株が売られた。アジア株も軒並み下落。上海A、Sensexとも大幅な下げとなった。原油相場の反発等がコストプッシュインフレを引き起こすとの見方が更に強まり景況感が悪化したためと見られる。米国株は総じて軟調原油がサウジの増産発表にも関わらず効果が薄いとして上昇したことからエネルギー関連株は上昇したものの、先々の景況悪化懸念から金融中心に軟調な推移に。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は続落。米中西部の乾燥気候が遅れていた作付けを進めるとの期待感から売られた。この結果長らく維持してきた10日移動平均線を割り込んで下落している。ドル高の進行も一定の売り材料となったようだ。

・トウモロコシ価格は反発。洪水の影響で作付が遅れ、今年の米トウモロコシ生産が前年比▲10%の117.35億Buに減少し、在庫が13年来の最低水準になると見られることから買い戻しが入った。USDAは収穫見通しを3.2%引き下げ、148.9Bu/エーカーとした。この結果、週末維持していた10日移動平均線を回復して引けている。当面トウモロコシの地合いはファンダメンタルズ要因で堅調であろう。

・小麦価格は前日比変わらず。今年の穀物年度の小麦生産は66.2MMt(前年比+18.0%)となる見込みであることから以前と異なり地合いは軟調である。しかしながら石油製品価格の上昇が収穫率を低下させるとの見方もあり結局前日比大幅マイナスで寄り付いた後、10日移動平均線レベルまで買い戻されて引けている。

非鉄金属関連ニュース)
・金は急落。押収時間に発表された欧州経済統計の悪化を受けてここしばらく進んでいたドル安基調が再びドル高に転じたことから売りを誘った。CFTC Non-Commercialポジションもロング幅が縮小したとはいえ、依然として高水準な買い越し幅を維持していることから手仕舞い売りが入りやすかったようだ。但しこの下落でも短期的なサポートラインである10日移動平均線を維持しており、本日に関してはこのレベルを下抜けるか否かがポイントとなるが、サウジの増産でも原油価格が下落しなかったことから金も下支えされる可能性が高いと考えている。
 著しい金価格の上昇が宝飾品需要を落ち込ませている。WGCの発表によればQ108の宝飾需要は前年比▲21.5%の454.4Mtに、世界最大の金消費国であるインドの需要は前年比▲50%の102.1Mtに落ち込んでいる。このことは価格上昇が需要を減少させることの証左であり、著しい価格上昇に伴う需要減少の可能性は視野に入れておくべきである。足元年内のFRBによる金利引き上げが予想される中、ドルのトレンドが反転する可能性が高く、金は相対的に割安に推移することとなろう。しかしながら、米国の実質金利はマイナスの状態に突入していること、構造的なバランスがドルにとってはマイナスに働き易いことからこのドル高→金安のシナリオは長期間続かないと考えている。尚、今のところ一次回帰分析の結果では現在のドル価格は比較すると引き続き割安なレベルにあるため、テクニカルな買いは入り易い(金価格=1,255.2×ドル・ユーロ-1,023.8)。
 銀価格も急落。同様に予想外の欧州経済統計の悪化を受けてドル高が進行したことから、17.5?のチャートポイントを上抜けできていなかったこともあり、急落となた、しかし下値は依然から意識されている16.5?でサポートされた。Choppyではあるがここ数週間続いている16.5〜17.5?のレンジを脱するには至っていない。

・プラチナ価格は大幅続落。2,100?ラインをトライしながら上昇していたがこの水準を上抜けできなかったこと、昨晩の欧州経済統計の悪化でドルが強含んだことが材料。但し南アの生産状況の不安定さから大幅な下落とはなっておらず、50日移動平均線でサポートされて引けている。今週は大型の経済統計の発表が目白押しであり、経済統計を受けてボラタイルな展開が予想される。
 中期的な見通しについてプラチナは、為替・ファンダメンタルズの両要因で堅調な推移になると考えている。2008年の需給は711キロオンスの、2009年に関しても458キロオンスの供給不足になると考えられ、年内については米金利低下を背景としてドル安傾向が持続すると見られるためである。価格上昇に対するリスクシナリオは、プラチナ価格が上昇し、代替品としてパラジウムが代用品として利用されるリスクであろう。今のところディーゼル車向けに用いられているパラジウムは全体の10%程度であり、これは将来的には25%程度まで上昇すると考えている。
 パラジウム価格も下落。昨晩は端的にドルの上昇による手仕舞いによるもの。ここ数週間、ロシアの戦略備蓄枯渇懸念を受けて大幅に水準を切り上げてきたが結果的に480?が当面の上値として意識されそうだ。但しこちらも大型の経済統計を控えて今週はワイドなレンジでのもみ合いになると見ている。

(エネルギー関連ニュース)

クウェートは来年半ばまでに300KBDの増産。
・サウジ クルサニヤ油田で産油開始(生産能力500KBD)。

(商品市況概況)
「皆で頑張れますか?」
 昨日のコモディティ市場はまちまちであった。エネルギーは週末の産油国・消費国会合でサウジの増産が発表されたものの、ここまでの価格上昇が消費国の旺盛な需要によるものであることから「効果は限定的」との見方から逆に買いが進み、上昇した。結局のところ本当に価格を下げたいのならば、産油国が増産し、消費国が補助金を撤廃し、太陽電池等の新エネルギーに政府が補助金を出し、取引所の投機家への証拠金を引き上げる、といったことが同時に起きなければ難しいといえる。でも、それは無理だろう。となると、景気悪化に伴う需要の減少ないしは頭打ちで、供給が需要を上回る状態になるまで待つしかない、ということになる。そのためにはもう少し時間が必要であろう。いずれにせよ可及的速やかに価格を引き下げる有効な手立ては本当に価格を下げたいと「皆が頑張る」しかないのだろう。非鉄金属は欧州統計の悪化で概ね下落、穀物も一服感がありまちまちであった。貴金属はドル高の進行で急落している。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。前日までの堅調地合いを維持し、取引序盤から8,500?の節目を目指して上昇していたが、欧州経済統計の悪化を受けて域内需要が減少するとの見方が強まったことやドル高が進行したこと、8,500?の節目を上抜けできなかったことから下落に転じた。但し安値では買い意欲も旺盛で引けにかけては下げ幅を削る展開となった。CFTCのNon-Commercialポジションを見るに、ロングポジションが拡大、ショートポジションが縮小、ネットロング幅を拡大している。Comex銅のポジションは長らくネットショートの状態であったが、上昇サイドにBetしている投資家が多いようだ。LME在庫は▲875Mt減少、(FSCは2.4日)、(キャンセルワラント率は8.6%)。売買高は7,021枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブの形状は略変わらず。C-3(Cash vs 3M Fwd)は165?バックと前日と変わらず。
 昨日の亜鉛価格は下落した。取引序盤は前日の流れを受けて上昇し高値をトライしたが、欧州経済統計の悪化に伴うドル高の進行や、ここ数日連れる動きとなっている銅価格の急落を受けて下落に転じた。しかしながら最終的には10日移動平均線のサポートラインを維持して引けている。下値は1,800?で堅い一方、上値は2,000?を上抜ける材料も少なく、狭いレンジでのもみ合いが継続している状況だ。昨日に関してはLME在庫の減少は余り材料視されなかったようだ。LME在庫は▲750Mt減少、FSCは4.5日(キャンセルワラント率は4.9%)。売買高は2,554枚。イールドカーブは期近が下落しベアスティープニング。C-3は321?バックとバック幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は下落した。銅や亜鉛と同じく取引序盤は堅調な推移であったが、銅価格の下落や欧州経済統計の悪化に伴うドル高の進行を受けて下落に転じ、水準を切り下げ一時10日移動平均線を割り込んだ。しかしながら引けに掛けては銅が買い戻しで下落幅を削ったことから鉛にも買い戻しが入り、10日移動平均線を回復して引けている。亜鉛と同様、1,800?が下値として意識されている状況。LME在庫は▲725Mt減少、(FSCは4.0日、キャンセルワラント率は4.2%ここ数週間でキャンセルワラント率は上昇している。)。売買高は761枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きく、ベアフラットニング。C-3は20?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のアルミ価格は上昇した。週末の堅調地合いを引き継ぐ形で上値をトライする動きとなったが、欧州経済統計の悪化に伴うドル高の進行や欧州・米国でのLME在庫の大幅増加もあって下落に転じた。しかしながら週末開催された産油国会議でのサウジの増産方針が逆に材料で尽くしで原油相場の上昇材料となり、エネルギー価格が堅調に推移したことから買い戻しが優勢となり、下げ幅を削り、結局前日比プラスでひけることとなった。やはりアルミ生産コストに直結するエネルギー価格の上昇は買い材料となる。株が調整色を強めていることから、(基本アルミは高値で推移する、という我々の見通しに変更はないものの)ここまでの高騰は長く続かないと見る。LME在庫は+5,950Mt増加、(FSCは9.4日)。(キャンセルワラント率は4.0%)。売買高は7,046枚。イールドカーブの形状は略変わらず。C-3は49?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は下落した。取引序盤から不冴えな展開となり、じりじりと水準を切り下げる動きとなり、その後の欧州経済統計の悪化とドル高の進行で地合いは更に悪化、下値として意識されていたコストイーブン価格22,000?をとうとう割り込んでしまった。BHPの豪鉱山の停止で今年度の需給逼迫の可能性が出てきているにも関わらず完全にベアな地合いに入ってしまった。今回の下落でPig Ironとの比較感で意識される22,000?を割り込んでしまったことから一層下げ圧力が強まる可能性が高まってきた。本日はこの水準を維持できるか否かが大きなポイントとなるが、ここを更に割り込んだ場合明確なチャートポイントがないため、きりの良い20,000?が意識されることとなろう。LME在庫は▲126Mt減少、(FSCは10.9日)、キャンセルワラント率は2.5%。売買高は1,064枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。C-3は165?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は上昇した。当面の上値と思われていた50日移動平均線のチャートポイントを上抜けしたことから上げが加速、一気に23,000を超える上昇となってしまった。やはりインドネシアや中国からの輸出減少が需給を逼迫させているようである。錫に関しては欧州経済指標の悪化やドル高の進行は殆ど材料視されていない。本日は50日移動平均線を上抜けしてしまったこと、そもそも生産国の生産動向が不安定な中LME在庫の減少傾向に歯止めが掛からず地合いは堅調である。LME在庫は▲80Mt減少、(FSCは0.0日)、キャンセルワラント率は16.17%。売買高は258枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇している。C-3は20?バックとバック幅を縮小した。

(エネルギー)
 昨日の原油価格は上昇後、下落して引けた。週末ジッダで開催された会合でサウジの増産が発表されたが、これに反発するOPEC諸国も多く「効果は限定的」との見方から材料で尽くしで逆に買われた。結局のところ産油国の増産、消費国の消費減少が同時に発生しないと価格を引き下げることは足許困難であることが浮き彫りとなった。しかしながらその後、欧州経済統計を受けたドルの上昇を受けて引けにかけて下落し、上げ幅を削る展開となった。増産よりもドル高の方が価格下押し効果が大きいのはなんとも皮肉である。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン上昇している。Brentは上昇後、欧州経済統計の予想外の悪化を受けて急落、その後WTIが堅調推移していることから買い戻しが優勢となったが、ドル高の進行が継続したことから引けに掛けては上げ幅を削る展開となった。イールドカーブは期近の上げ幅は欧州経済統計の悪化もあって限定され、期先の上げ幅の方が大きい。直近限月の騰落率はWTIが+1.0%、Brentが+0.8%。
 石油製品も上昇。RBOBは欧州統計を受けたドル高の進行で原油が調整色を強めたことから一旦下落、その後原油が持ちなおしたことから再び引けにかけて上昇しドル高の進行はあったものの高値でのもみ合いとなった。イールドカーブは期近の上げ幅が大きいが略全ゾーンパラレルに上昇している。チャート的には10日移動平均線を維持して引けている。直近限月の騰落率は+0.6%。ヒーティングオイルもボラタイルな展開。欧州経済統計の悪化を受けて急落するもその後も原油価格が堅調に推移したことからか戻しが優勢となり、ドル高の進行で引けに掛けて売られて上げ幅を削る動きとなった。結果的に50日移動平均線でサポートされている形となっている。イールドカーブは期先の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+0.6%。ICEガスオイルも同様の相場展開。欧州統計発表後に急落、その後原油価格が堅調に推移していることもあって上昇したが、引けに掛けての原油の下落で上げ幅を削った。イールドカーブの形状は略全ゾーンパラレルに上昇。直近限月の騰落率は+0.9%。

(ひとりごと)
エスカレーターは、どうも「大阪地区だけ」左側のようです。
詳細はまた後日解説します。

さて。

この前飛行機に乗ったら
一番嫌いな真ん中の席であった。
真ん中の席が好きな人はあまり居ないと思うが
やっぱりあの席って、不平等ですよね。
だって、通路側か、窓側ならば誰からも後ろ指刺されずに肘掛を1つ独占できる。
ところが肘掛は3人掛けの席で4つしかない。
1人頭1.3個しかないのだ。
あの、小さな幅の狭い肘掛を2人で共有することはまずありえない。
となると、肘掛争奪戦が無言のうちに始まることになる。
まず、通路側と窓側は上記のとおり、既得権益の端っこの肘掛を独占する。
これはやむを得ない。
問題は真ん中の2つの肘掛だ。
個人的には「1つもう独占しているだから、私に譲ってくれても」と思うのだが
そうすると2つを1人で独占することになり、あまりに図々しい。
なので、両側に座っている人の体の傾き加減を見ながらどちらの肘掛を1個使わせてもらうか選択するのだ。
こちらに傾いている場合にはその肘掛を使うことは出来ない。
だって、僕、気が小さいから。
こうすればなんとなく皆納得感を持ちつつ、旅を楽しめるはずだ。
が、しかし。
この前飛行機に乗ったときにはそうは行かなかった。
右側は比較的高齢のおじさん。
このおじさんとは荷物を上の収納に入れるところからバトルが始まった
おじさんの荷物は鞄が1つと大きなお土産の袋が1つ。
当然、そこの収納には私も荷物を入れたい。
が、しかしである。
私が同じところに座ることが分かっているにも関わらず
私にチラッと一瞥をくれた後
全ての荷物を収納に入れてしまった。しかもぎゅうぎゅうに。
「ちょっとその小さいのは足元においていいんじゃないの!?」
と思ったが早いか、おじさんは窓側に座ってしまった。
やむなく私は離れたところにある別の収納に荷物をしまう。
席に戻ってくると、当然おじさんは窓際の肘掛を独占
嗚呼。
(続く)