チーズダブル

(商品市況概況)
「欧州地区の景気減速懸念」
 昨日のコモディティ市場は軒並み下落した。まず欧州時間に発表されたLME在庫が(種類にもよるが)、欧州地区での増加が目立った上、ユーロ圏小売業景気指数や独失業者等が市場予想よりも悪い内容であったことから今まで余り取り沙汰されてこなかった「欧州地区の景気減速に伴う需要減少懸念」が台頭し、下落した。しかしその後、グスタフのメキシコ湾入りが確実になる中原油価格が上昇し、殆どのコモディティがこれにつれる形で上昇。その後の米GDPの好調を受けてドル高が進行し、引けにかけては売られることとなった。
 なぜ米GDPが好調だったのに、それほど強い価格上昇にならなかったのか?に対する答えは、欧州地区の景気減速に伴う需要減少観測が台頭しているためである。米GDPの好調は減税などの効果による部分も大きく、更にQ308以降力強い回復にならない可能性が高く、積極的な買い材料となりにくい。その中での欧州地区の景気減速懸念であるため、ドル高の進行がより商品相場を押し下げることになったと考えている。ここから年末に掛けては「供給途絶のリスク」を念頭に置く必要がある、とコメントしてきたが欧州地区の「需要」に関して再考する必要性が更に高まってきたといえよう。

(経済関連ニュース)
・8月ユーロ圏小売業景気指数 47.7(前月改定46.0)。
・8月独失業者数 前月比▲4万人の320万人(前月改定▲2万人)、市場予想▲1万人。失業率は7.6%。
・米週間新規失業保険申請者数 ▲10千人の425千人(前週改定435千人)、市場予想425千人。
・Q208米GDP改定値 前期比年率+3.3%(速報比+1.4%)、市場予想+2.7%。純輸出を差し引くと略ゼロ成長に。
・7月日本鉱工業生産速報 前月比+0.9%。予想外のプラス。
・7月日本失業率4.0%(前月改定4.1%)。

・ドルは対ユーロで反発。夜間発表されたGDPが市場予想を上回る内容であったことが材料視された。対円でもドルは上昇した。
日本株は小幅上昇。小動き。夜間の米GDP発表を控えて積極的な売買が手控えられた。米国株は大幅上昇。金融不安や不動産不安で景気敏感株が売られていたが、夜間発表された米GDPが一昨日の米耐久財受注に続いて好調な内容であったことから買いが入った。

穀物市場サマリー)
・大豆価格はげ下落。コーンベルト北部での降雨や、グスタフの影響による降雨に伴う土壌改善期待から軟調な推移となっていたが、米GDPが好調な内容であったことから引けに掛けて買い戻しが優勢となり下げ幅を削った。結局30日移動平均線ではサポートされて引けている。イールドカーブは全ゾーン略パラレルに低下している。
・トウモロコシ価格は下落。コーンベルト地区での降雨や、グスタフによる降雨で土壌改善期待が高まったことから、下落し10日移動平均線を割り込んだ。しかしながら30日移動平均線ではサポートされている。しかしながら米GDPが好調であったことから引けに掛けては下げ幅を削る展開であった。イールドカーブは全ゾーン小幅低下。
・小麦価格は下落。欧州での生産増加見通しを受けて米国輸出が減少、米国内需給が緩和する可能性が高いことやドル高が材料視された。引けに掛けては大豆・トウモロコシと同様GDP自体の数字が好調であったことから下げ幅を削る展開となっている。この5営業日連続の下落で30日移動平均線を割り込んでしまったため、8月5日の安値である7.46?が意識されることになろう。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は小幅上昇。ハリケーン・グスタフの勢力が強まったことから原油価格が上昇していたが、夜間に発表された米GDPが予想を大きく上回る水準であったことからドルが急速に強含み、金の上げ幅を削る展開。しかし引き続き10日移動平均線を下回るには至っていない。
 足許金価格のトレンドは変化している。米国のみならずユーロ圏の景気が鈍化し始めていることに伴うドルの行き過ぎた下落が修正され始めているためだ。同時に地政学的リスクの高まりや、米景気の後退懸念に伴う恒常的にドルの水準が安いこと、株式市場のパフォーマンスの悪化、といった材料を受けて安全資産であり、市場規模のうちの半分近くが投機資金である金は、質への逃避で物色されることから大幅な下落とはなっていない。同時に金価格の上昇が宝飾品需要を落ち込ませている可能性が高く(WGCの発表によればQ108の宝飾需要は前年比▲21.5%の454.4Mtに、世界最大の金消費国であるインドの需要は前年比▲50%の102.1Mtに落ち込んでいる)上値を追いきれないのも事実であろう。よって、ドルの行き過ぎた下落が修正される局面に入っていることも考慮し、弊社は金価格の見通しをニュートラルに引き下げることにした。これは今までこのコラムで主張していたように「当面高値で安定推移」との見方と整合するものである。もし金の見通しをベアに転換するには今しばらくドルのトレンドを経済統計とともに見定める必要があろう。
 NY銀も小幅上昇。金価格の上昇を受けて水準を切り上げていたが、GDPを受けた金の下落につれる形で水準を切り下げた。こちらも金と同様に10日移動平均線を割り込むには至らず。

・NYプラチナ価格は上昇。原油価格の上昇を受けた貴金属価格の上昇を受けて水準を切り上げていたが、その後のGDPを受けてドルが対ユーロで強含んだことから上げ幅を削る展開。しかしGDPが強かった、ということで実需の回復観測も台頭、下げ幅は限定された。
 中期的な見通しについてプラチナは、堅調な推移になると考えていたが、自動車向け需要が一時的にでも減退すると見られることから今までの強気姿勢は維持できないと考えている。世界経済への影響が大きい米景気の悪化観測の高まり、GM、フォードといった自動車産業の景況感悪化に反映される自動車販売の減少に伴う触媒需要の減少観測を受け、このコラムで指摘してきた需要減少のリスク要因の影響が大きくなってきている状況。また、ドルがユーロ圏経済の鈍化懸念を材料にして反転上昇していることもプラチナ価格の下げ要因となりえる。
 価格上昇に対するその他のリスクシナリオは、プラチナ価格が上昇し代替品としてパラジウムが代用品として利用されるリスクである。今のところディーゼル車向けに用いられているパラジウムは全体の10%程度であり、これは将来的には25%程度まで上昇すると考えている。しかしながらここまで価格が低下してくるとその動きも鈍化することとなろう。また地上在庫の多さがこうした不足分を補うと見られることから、結局のところ生産不足分は相殺されニュートラルになる可能性があることも相場の下押し材料となりえよう。しかしながらやはり南アの生産状態が電力価格の上昇やその他のコストの上昇等で不安定であることから、アップサイドのリスクは意識せざるを得ないだろう。しかしそのリスクは以前に比して格段に低下していると考える。
 NYパラジウム価格も小幅上昇。
 今後パラジウムの価格は軟調に推移すると考える。プラチナ価格が自動車向け需要の減少観測とドル高の進行で下落しているため、代替品として需要が減少すると見られるためだ。また、非常に多い地上在庫(弊社見積もりではチューリッヒに8百万オンス、ロシアに10百万オンスの地上在庫があると見ている)が、価格の上限を押さえることとなろう。"

(エネルギー関連ニュース)
・Shell、メキシコ湾の油田プラットフォームから400人の従業員を退避させる。熱帯暴風雨グスタフのメキシコ湾進入で。更に本日270人、明日600人を退避の見込み。
・熱帯暴風雨「グスタフ(カテゴリー2)」26日中にもハイチに上陸の見込み。メキシコ湾への進入の可能性。
※グスタフの進路はこちら→ http://www.nhc.noaa.gov/

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。LME在庫の増加(欧州)等で取引序盤から軟調な推移となっていたが、原油価格の上昇を受けて水準を切り上げ、その後の夜間の米GDPを受けたドルの強含みを受けて急速に上げ幅を削り一時10日移動平均線を割り込むに至った。しかしながら、GDP自体の数字が良かったこともあって下げ幅は比較的限定されたとの印象である。世界景気の悪化観測が意識され需要要因で価格が下落するという経済にとって好ましくない形での下落が続いていたが、昨日は欧州圏の経済統計の悪化とユーロ弱含みを受けた欧州域内需要の減少が主な下落の要因であったと考える(LME在庫も欧州で増加しているし)。引き続きコンセントレートの供給懸念は根強く、中国の固定資産投資や鉱工業生産の水準の高さを鑑みれば底堅く推移することになると考えている。LME在庫は+2,200Mt増加、(FSCは3.3日)、(キャンセルワラント率は7.0%)。売買高は7,612枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。C-3(Cash vs 3M Fwd)は63?バックとバック幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は下落した。ユーロ圏の統計が思わしくなかったことを受けてそもそも軟調な推移であったが、原油価格の上昇を受けてNY時間にかけて上昇、その後の米GDPが好調であったことからドルが上昇したため、亜鉛も下落に転じた。しかしながら米GDPの数値自体が良いこともあって下げ幅は限定され、30日移動平均線でサポートされることとなった。亜鉛は需要が強いというわけではないが、大生産国であるはずの中国の輸入が前年比で増加傾向を辿っており、生産調整が継続する可能性があることから底堅い推移が続いている。LME在庫は▲200Mt減少、FSCは4.8日(キャンセルワラント率は4.1%)。売買高は4,638枚。イールドカーブは期先を中心に低下し、ベアフラットニング。C-3は22?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は下落した。前日までの流れを受けて取引序盤から100日移動平均線を試す展開となっていたが、ユーロの弱含み等を受けて下落に転じた。しかしながら極めて下げ幅は限定されている中国からの精錬鉛のアウトフローは明確に減少し始めており、7月の統計ではとうとう中国は精錬鉛の純輸入国に転じてしまったことも相場の下支え材料となっている。LME在庫は+125Mt増加、(FSCは3.5日、キャンセルワラント率は15.4%。)。売買高は4,309枚。イールドカーブはパラレルに低下している。C-3は1?バックとバック幅を縮小した。
 昨日のアルミ価格は下落した。取引序盤は欧州地区でのアルミ在庫の大幅増加を受けて軟調な推移となったが、その後の原油価格の上昇を受けて再び上昇。しかしながら米GDPが好調であったことからドルが買われ、アルミも下落に転じた。米GDPが好調であれば価格は上昇するのでは?と考えられるが、むしろ「欧州経済の減速に伴う需要減少懸念」の方が相場の圧迫材料として影響が大きかったと見る。足許のトレンドを鑑みれば、現在のコストベースと考えられる2,600?程度までの下落はあってもおかしくない地合いであるがやはり2,800?を下回るレベルでは安値拾いの買いが入りしっかりするとの印象で。LME在庫は+5,600Mt増加、(FSCは10.2日)。(キャンセルワラント率は2.0%)。売買高は11,095枚。イールドカーブの形状は期近を中心に全ゾーン低下している。。C-3は50?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のニッケル価格は下落した。取引序盤から、LME在庫の欧州地区での大幅増加を受けて軟調に推移していたが、原油価格が上昇したことからNY時間にかけて上昇、その後ドル高の進行を受けて下落した。しかし、Xstrataがドミニカでコスト上昇とニッケル価格の下落を背景に生産調整を行うとの報道等の需給要因を受けて50日移動平均線でサポートされている。ニッケルに関しては引き続き堅調に推移するであろうとの弊社見通しを小職は支持するが、どうも中国のステンレス需要が弱含み推移すると見られることに加えて、欧州景気が減速する可能性が高まってきたことからやはり上値は限られよう。LME在庫は+270Mt増加、(FSCは11.0日)、キャンセルワラント率は1.4%。売買高は875枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン低下。C-3は70?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の錫価格は下落した。欧州経済統計の悪化やドル高の進行が売り材料視され、略一貫して水準を切り下げる展開となった。LME在庫の減少といった価格にとってのプラス材料は、昨日の欧州景気減速懸念とドル高に打ち消されてしまったようだ。但し、中期的な上げ相場が終焉を迎えたと考えられるものの、インドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中(インドネシアは悪化)、やはりファンダメンタルズを材料にしっかりとした推移が続くことになろう。LME在庫は▲65Mt減少、(FSCは5.7日)、キャンセルワラント率は5.73%。売買高は210枚。イールドカーブは全ゾーンほぼパラレルに低下している。C-3は30?バックとバック幅を縮小した。

(エネルギー)
 昨日の原油価格は上昇後、下落。熱帯暴風雨グスタフのメキシコ湾進入の可能性が極めて高くなってきたことから取引序盤から堅調な推移とがなっていたが、夜間に発表された米GDPが市場予想を上回る好調な内容であったことからドル高が進行、利食い売りに押される形で原油は価格水準を切り下げた。しかしハリケーンリスクが残存する中下げ幅は限定され、10日移動平均線でサポートされて引けている。FSCを5年平均レベルに維持するオペレーションが持続していることから、ハリケーン等による生産減少は端的に原油買い材料となりえる。イールドカーブは期近を中心に下落している。Brentも期近を中心に下落。直近限月の騰落率はWTIは▲2.3%、Brentは▲1.8%。
 石油製品も下落。RBOBも夜間のGDPを受けたドル高の進行で原油価格が急落したことから、連れ安となった。但し、先々のリファイナリの避難に伴う生産減少観測もあり、FSCを5年平均を維持するオペレーションを続けている以上現状のハリケーン買い材料となりえる。イールドカーブは期近の下げが大きい。直近限月の騰落率は▲1.5%。ヒーティングオイルも下落。こちらもRBOB同様、30日移動平均線を目指して強含んだ後、原油価格の下落を受けて10日移動平均線まで水準を切り下げた。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率は▲2.5%。ICEガスオイルも下落。イールドカーブは期近が低下。直近限月の騰落率は▲0.9%。

(ひとりごと)
私、カレーライスを食べるときにチーズをかける派である。
そう、家でも外でも。

家で食べるときは「死ぬわよ」とカミさんに言われつつ、たくさん掛ける。
誰も俺を止めることはできない。

が、しかし。

外でカレーを食べるとき、トッピングでチーズを入れてもらうようにしているのだが
どうも通常の人間がカレーに投入するチーズの量は、私の想像をはるかに下回る量であるらしく
非常に不満なのだ。

なので、外でカレーを食べるとき、不満で不満で、というか物足りなくて仕方がなかった。
Myチーズを持ち歩こうかと思ったぐらいである。

と、あるとき、近所のカレースタンドに昼飯を食べに行ったところ、思いついた。
そう。トッピングチーズをダブルで入れてもらえばいいのだ、ということを。
何で思いついたかというと、たまたま前日に提案資料で「数量が倍になります」っていう資料を作っていたためだ。
これにより、私の不満は解消し心地よく外でもカレーを食べられる環境になった。

相当夜遅くまで提案資料を作っていて、疲れきっていたのだが
早くも提案の効果が自分に現れたのだ。
いや、デリバティブっていいものですよね。

え?違いますかそうですか。