私は老けている-その1

(商品市況概況)
「米国連休前にポジション調整か」
 昨日のコモディティ市場は軒並み下落した。グスタフの影響で堅調に相場は推移していたのだが、夜間に発表された各国の経済統計がさほど良いものではなかったことから前日から続くドル高トレンドを受けてドル資産が売られることとなった。米GDPが好調だったのに、それほど強い価格上昇にならなかったのか?に対する答えは、欧州地区の景気減速に伴う需要減少観測が台頭しているためである。米GDPの好調は減税などの効果による部分も大きく、更にQ308以降力強い回復にならない可能性が高く積極的な買い材料となりにくい。その中での欧州地区の景気減速懸念であるため、ドル高の進行がより商品相場を押し下げることになったと考えている。
 最近の相場は欧州の経済統計〜米国の経済統計を受けて大きく変動するためアジア時間の流動性が低い。来週の米国休日は市場参加者が限定されることから教科書的には価格が大きく振れやすい展開になると見るが、そもそも取引自体が見送られて静かな月曜日になるのではなかろうか。

(経済関連ニュース)
・Q208インドGDP 前年比+7.9%(前期+8.8%)、市場予想+8.0%。2004年以来の低い伸びに。
・Q208マレーシアGDP 前年比+6.3%(前期+7.1%)、市場予想+6.0%。
・7月米個人消費 前月比+0.2%(前月改定+0.6%)、市場予想+0.2%。実質個人消費支出 前月比▲0.4%。
・7月米PC価格指数 前月比+0.6%(前月+0.7%)。PCEコア価格指数 前月比+0.3%(前月改定+0.3%)。
・8月シカゴ購買部協会製造業景況指数 57.9(前月50.8)、市場予想50.0。輸出の伸びにより製造業の景況感が改善。雇用は不冴え。
・8月米消費者マインド指数確定 63.0(速報比+1.0、前月確定61.2)、市場予想62.0。
・米地銀インテグリティ・バンク(資産規模11億?)が破綻。米銀行の破綻は10件目。
農林水産省は、輸入小麦価格を10%引き上げ。変動相場制を廃止してから4回連続の引き上げに。

・ドルは対ユーロで小幅続伸。米経済統計は玉虫色で、景気減速が続いていることは略間違いなさそうな内容であるものの、ユーロのドルに対する相対的な割高感から調整が続いている。ドルは対円では下落している。
日本株は大幅に上昇し、13,000円台を回復した。前日の米GDPが予想を大きく上回る内容であったことが好感され、金融や輸出関連株といった銘柄が上昇、相場の牽引約となった。上海、インドその他の先進国株も前日の米GDPを好感した買いが入り大幅な上昇となっている。しかし米国株は下落している。夜間の統計でじっしつベースの個人消費支出が前月比マイナスとなったことや、デルの決算が市場予想を下回ったことが嫌気された。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は小幅下落。特段の新規材料がない中、月曜日の米国休場を控えて積極的な売買が控えられたようだ。結局30日移動平均線ではサポートされて引けている。イールドカーブは期先が小幅低下している。
CFTC Non-Commercialポジションは、ロングが大幅に減少したことからネット買い越し幅は前週比▲7,928の65,923枚となっている。インデックスファンドの買い越しは前週比+36枚の140,604枚となっている。
・トウモロコシ価格は下落。International Grains Councilの見通しで、今年のトウモロコシの生産は774百万Mtと、前月見通しの759百万Mtと大きく上方修正されたことが嫌気された。またグスタフの影響に伴う降雨による土壌改善期待も相場の押し下げ材料となった。引き続き30日移動平均線ではサポートされている。イールドカーブは期先が低下している。
 CFTC Non-Commercialポジションは、ロング・ショートとも大幅に縮小し、ネット買い越し幅は前週比▲6,174枚の159,289枚となっている。インデックスファンドの買い越しは前週比+771枚の351,145枚。
・小麦価格は下落。International Grain Councilの生産見通しが、前回の662百万Mtから672百万Mtに上方修正されたことや、一大生産国であるオーストラリアの降雨による土壌改善期待も相場を下押しした。この6営業日連続の下落で30日移動平均線を割り込んでしまったため、8月5日の安値である7.46?が意識されることになろう。イールドカーブは期近が低下している。
 CFTC Non-Commercialポジションは、ロング・ショートとも減少し、ネット買い越し幅は▲226枚の6,432枚、インデックスファンドのポジションは+1,072枚の179,326枚となっている。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は下落。ドルが対ユーロで続伸したことが嫌気され、売られた。夜間に発表された米経済統計はまちまちで、米景気がゆっくりと減速していることを確認するような内容であったことからファンダメンタルズへの影響は今までと変らないと考える。足許、CFTC Non-commercialのポジションは欧州経済統計が悪化を始めた8月ごろから急速に買い持ちポジションを縮小している。ヒストリカルに見ても高水準にあった投機筋の買いポジションの解消売りが相場をベアな物にしている。
 足許、ユーロ圏の景気が鈍化し始めていることに伴いドルの行き過ぎた下落が修正され始めているため、金は軟調な推移となっている。同時に地政学的リスクの高まりや、米景気の後退懸念に伴う恒常的にドルの水準が安いことといった材料を受けて安全資産であり、市場規模のうちの半分近くが投機資金である金は、質への逃避で物色されることから大幅な下落とはなっていない。同時に金価格の上昇が宝飾品需要を落ち込ませている可能性が高く上値を追いきれないのも事実であろう。よって、ドルの行き過ぎた下落が修正される局面に入っていることも考慮し、弊社は金価格の見通しをニュートラルに引き下げている。これは今までこのコラムで主張していたように「当面高値で安定推移」との見方と整合するものである。尚、金価格とユーロドルの一次回帰分析の結果は、金価格=1,065.3×ユーロ-738.51となっており、現在の価格は略この一次回帰線上にある。
 NY銀は小幅上昇。ドルの上昇を受けて金価格が下落する中、銀も総じて軟調な推移となった。引き続き金と同様に10日移動平均線を割り込むには至らず。

・NYプラチナ価格は小幅上昇。前日のGDP統計が好調であったこともあって堅調な推移が続いているが、ドル上昇に伴う貴金属全体への売り圧力は大きく、小幅な上昇に留まった。
 中期的な見通しについてプラチナは、堅調な推移になると考えていたが、自動車向け需要が一時的にでも減退すると見られることから今までの強気姿勢は維持できないと考えている。世界経済への影響が大きい米景気の悪化観測の高まり、GM、フォードといった自動車産業の景況感悪化に反映される自動車販売の減少に伴う触媒需要の減少観測を受け、このコラムで指摘してきた需要減少のリスク要因の影響が大きくなってきている状況。また、ドルがユーロ圏経済の鈍化懸念を材料にして反転上昇していることもプラチナ価格の下げ要因となりえる。
 価格上昇に対するその他のリスクシナリオは、プラチナ価格が上昇し代替品としてパラジウムが代用品として利用されるリスクである。今のところディーゼル車向けに用いられているパラジウムは全体の10%程度であり、これは将来的には25%程度まで上昇すると考えている。しかしながらここまで価格が低下してくるとその動きも鈍化することとなろう。また地上在庫の多さがこうした不足分を補うと見られることから、結局のところ生産不足分は相殺されニュートラルになる可能性があることも相場の下押し材料となりえよう。しかしながらやはり南アの生産状態が電力価格の上昇やその他のコストの上昇等で不安定であることから、アップサイドのリスクは意識せざるを得ないだろう。しかしそのリスクは以前に比して格段に低下していると考える。
 NYパラジウム価格も小幅上昇。今後パラジウムの価格は軟調に推移すると考える。プラチナ価格が自動車向け需要の減少観測とドル高の進行で下落しているため、代替品として需要が減少すると見られるためだ。また、非常に多い地上在庫(弊社見積もりではチューリッヒに8百万オンス、ロシアに10百万オンスの地上在庫があると見ている)が、価格の上限を押さえることとなろう。

(エネルギー関連ニュース)
・グスタフの影響によるメキシコ湾の生産減少は、8月29日時点で86KBD(1.3MBDの6.62%)となっている。
・イタリア国営アリタリア航空が破綻。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。上海在庫が北京オリンピック終了の影響に伴う企業活動の再開の影響で大幅に減少したものの、足許市場の焦点が集まりつつある欧州地区のLME在庫が大幅に増加したことが端的に嫌気され、水準を切り下げた。この結果一昨日前に割り込んだ10日移動平均線を下回り、心理的な節目である7,500?を下回ることとなった。世界景気の悪化観測が意識され需要要因で価格が下落するという経済にとって好ましくない形での下落が続いていたが、足許、欧州圏の経済統計の悪化とユーロ弱含みを受けた欧州域内需要の減少が更に相場の頭を重くしている。引き続きコンセントレートの供給懸念は根強く、中国の固定資産投資や鉱工業生産の水準の高さを鑑みれば底堅く推移することになると考えている。LME在庫は+3,325Mt増加、(FSCは3.3日)、(キャンセルワラント率は6.7%)。売買高は7,711枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近が低下、期先が上昇。C-3(Cash vs 3M Fwd)は42?バックとバック幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は上昇した。LME在庫、上海在庫ともに減少したことから堅調な推移となったが、ドルが更に強含んだことから地合いが悪化、NY時間に掛けて再び売られることとなった。しかし今週の安値である1,750?に近づくレベルでは安値拾いの買いニーズも強く、結局前日比プラスで引けることとなった。亜鉛は需要が強いというわけではないが、大生産国であるはずの中国の輸入が前年比で増加傾向を辿っており、生産調整が継続する可能性があることから底堅い推移が続いている。LME在庫は▲575Mt減少、FSCは4.8日(キャンセルワラント率は3.9%)。売買高は4,317枚。イールドカーブは期先を中心に上昇し、ブルスティープニング。C-3は19?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の鉛価格は下落した。LME在庫がキャンセルワラント率を維持しながら再びアジア地区で減少したことから堅調な推移となっていたが、欧州時間からニューヨーク時間に掛けてのドルの上昇を受けて鉛は地合いを悪化させ、50日移動平均線を目指して低下し、一目均衡表の雲の上限でサポートされて引けている。中国からの精錬鉛のアウトフローは明確に減少し始めており、7月の統計ではとうとう中国は精錬鉛の純輸入国に転じてしまったことも相場の下支え材料となっている。LME在庫は▲1,625Mt減少、(FSCは3.4日、キャンセルワラント率は14.6%。)。売買高は1,572枚。イールドカーブは略パラレルに低下している。C-3は6?コンタンゴとバックからコンタンゴに転じた。
 昨日のアルミ価格は下落した。上海在庫の小幅減少やLME在庫の減少といったプラス材料はあったものの、ドルが前日に続いて強い地合いを維持したことや、ハリケーングスタフの進入にも関わらず原油価格が安定して推移していたことから、アルミは力なく水準を切り下げることとなった。やはり「欧州経済の減速に伴う需要減少懸念」の方が相場の圧迫材料として影響が大きくなっているようである。足許のトレンドを鑑みれば、現在のコストベースと考えられる2,600?程度までの下落はあってもおかしくない地合いであるがやはり2,800?を下回るレベルでは安値拾いの買いが入りしっかりするとの印象で。LME在庫は+1,250Mt増加、(FSCは10.2日)。(キャンセルワラント率は2.0%)。売買高は13,099枚。イールドカーブの形状は期先を中心に全ゾーン低下している。。C-3は50?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のニッケル価格は下落した。一目均衡表の雲の下限に頭を抑えられ、取引序盤から軟調な推移となった。ドル高が進行していることも売り材料となったようだ。しかし50日移動平均線のサポートを確認した後に反発し、下げ幅を削って引けている。ニッケルに関しては引き続き堅調に推移するであろうとの弊社見通しを小職は支持するが、どうも中国のステンレス需要が弱含み推移すると見られることに加えて、欧州景気が減速する可能性が高まってきたことからやはり上値は限られよう。LME在庫は▲138Mt減少、(FSCは10.9日)、キャンセルワラント率は1.9%。売買高は1,169枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン低下。C-3は60?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の錫価格は下落した。欧州経済統計の悪化やドル高の進行が売り材料視され、前日同様に水準を切り下げる展開となり、200日移動平均線のサポートを再びトライすることとなった。中期的な上げ相場が終焉を迎えたと考えられるものの、インドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中(インドネシアは悪化)、やはりファンダメンタルズを材料にしっかりとした推移が続くことになろう。LME在庫は前日比変わらず。(FSCは5.7日)、キャンセルワラント率は5.39%。売買高は197枚。イールドカーブは全ゾーンほぼパラレルに低下している。C-3は60?バックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
 昨日の原油価格は上昇後、下落。グスタフのメキシコ湾進入の可能性が極めて高くなってきたことからメキシコ湾内のプラットフォームからの退避が相次いでおり、取引序盤は堅調な推移となり30日移動平均線をトライしたのだが、ドルが対ユーロで強含んだことや来週月曜日のNY休日を控えて積極的なポジションテイクも見送られたものと考えられ、結局10にch移動平均線を割り込んでしまった。下は200日のサポートが堅いものの、上値は30日移動平均線が強く意識されている状況。米国の需要が減少する中、更に上値を追うのは難しいようだ。しかし、FSCを5年平均レベルに維持するオペレーションが持続していることから、ハリケーン等による生産減少は端的に原油買い材料となりえる。イールドカーブは期先を中心に下落している。Brentも期近を中心に下落。直近限月の騰落率はWTIは▲0.1%、Brentは▲0.1%。
 石油製品も下落。RBOBもドルが対ユーロで強含んでいることから軟調な推移となった。しかし週半ばに発表された米在庫統計で在庫の水準が過去5年平均レベルを下回っていることからハリケーンへの警戒感は強く、下げ幅は限定された。イールドカーブ原油同様期先の下げが大きい。直近限月の騰落率は▲0.1%。ヒーティングオイルも下落。こちらもRBOB同様、30日移動平均線を目指して強含んだ後、原油価格の下落を受けて10日移動平均線まで水準を切り下げた。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率は±0.0%。ICEガスオイルも下落。イールドカーブは全ゾーン略パラレルに低下。直近限月の騰落率は▲0.2%。

(ひとりごと)
銀行で働いていた時のこと。
入りたての頃は窓口に配属された。

私が働いていた銀行は金融債を販売していたので、定期預金の代わりに窓口で金融債の販売をするのが仕事である。
入りたてのある日のミーティングで「もっとお客様と仲良くなろう」というキャンペーンをすることになり
今の銀行窓口では考えられないが、なるべくお客様と会話をするように、という方針になった。

まぁ。

今では営業長くなったので、知らない人とでも長時間しゃべれるようになったのだが
会社に入りたての1年生が、次々やってくるお客さんとそうそう楽しく話ができるものでもない。

とはいっても。

班の方針(私がいた銀行は課、ではなく班という呼び名であった)ので、できる限り頑張って話をするようにしていた。

で。
ある日のこと、50前後のおばさまが窓口に来たのでなんか話しなくちゃと思い、日本人、いや世界の会話の定番である天気の話から切り出してみた

私「毎日雨が多くてうんざりしますね」
客「ええ、毎日よく降るわね」
私「こんなに雨が多いと、洗濯物が乾かないんですよね」
客「そうねぇ。乾かないわよね。」
私「今日も洗濯物を取り込み忘れたので、ちょっと心配なんですよね」
客「あらっ。お一人なの」
私「ええ、寮で一人です」
客「まぁ、かわいそうに。『単身赴任』なのね」

私「え?」
客「お子さんも一緒に東京にいらっしゃるのね」
私「え、いや、まぁ...そうなんですよ。」
客「まぁそうなの」
私「久しぶりに会うと、パパ、パパって言うんですよ...顔を忘れないといいんですが」
客「今おいくつなの?40歳ぐらいかしら」
私「え、あ...今年で40になりました...」


神様すみません。
お客さんを満足させるために、生まれて初めて嘘をつきました(多分)。
相当悲しい嘘である。

...って、俺まだ23歳だっての!!
40歳はないでしょう。まだ今でも40になっていないのに。
思えばこの頃から営業マンの苦悩が始まったのかもしれない。