リトミック

(商品市況概況)
「ドル高の進行も商品相場の下押し材料に」
昨日のコモディティ価格は概ね下落している。ドルが対ユーロで強含んでいることが材料だ。昨日、米民間雇用統計が発表され、市場予想よりも好調な内容であったことから急速にドル高が進行、同時に金融機関の資金繰り不安からドルが調達しにくくなっている模様で、テクニカルにドルが対ユーロで強含んでいることもドル高を誘発、欧州にも金融不安が拡大、ECBによる利下げも視野に入りつつある中、ドルは急速に上げ足を強めている(実体経済は急速に悪化しているのだが...)。 こうした環境下、コモディティ価格は通貨・政治・実態経済・商品固有のファンダメンタルズの4要因で変動しているのはこのコラムでコメントしている通りであるが、足許最も影響が大きいのが、政治と通貨の影響であろう。少なくとも年内は商品価格には下押し圧力がかかり易い。
 「結局下がりましたね」ということを言われることが増えたが、株が大幅に下落し経済が悪化する中でのこの商品価格の水準である。依然として水準は高いと考えておくべきであろう。そしてさらに景気が悪化した場合には株の下落よりも遅い速度で商品価格は調整することになると見ている。足許、さらに下落するか、反発するかの境に差し掛かっていると言える。

(経済関連ニュース)
・9月中国製造業購買担当者指数 51.2(前月改定48.4)。
・8月独小売売上高指数 前月比+3.1%(前月改定▲1.0%(速報比+0.5%))、市場予想+0.5%。
・9月ユーロ圏製造業景気指数改定 45.0(速報比▲0.3)。
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比▲23%の455.4、購入指数 ▲11%の304.8、借換指数 ▲35%の2,043.3。
・9月米ADP民間雇用者数 前月比▲8千人(前月改定▲37千人(速報比▲4千人))、▲50千人。
・9月米ISM製造業景気指数 43.5(前月改定49.9)、市場予想49.5。
・8月米建設支出 前月比変わらず(前月改定▲1.4%(速報比▲0.8%))、市場予想▲0.5%。
・米GEに対しバフェット氏30億?の優先株取得。

・ドルは対ユーロで大幅上昇。信用収縮を背景としてドルが調達しにくくなっており、ドル需要が高まったためと見られる。夜間発表されたADP雇用統計が市場予想を上回ったことからドルが買われ、その後のISM製造業指数の悪化により再びドルが売られ、その後ドル需要の高まり(前述)を受けて再度ドルが買われるという地合いであった。ドルは対円では下落している。
日本株は大幅に下落。米金融安定化法案否決の影響で、金融不安が拡大、金融株や不動産、輸出関連株等幅広く売られた。米国株は急反発。米議会による金融安定化法案の否決から一転、市場の影響の大きさを見た米議会もさすがに法案を可決するであろうとのみ方から買い戻しが優勢となった。但し、引き続き政治がボールを握っている状態に変わりはない。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は上昇。ドル・ユーロや原油の動向に影響を受ける相場展開であったが、単収報告が市場予想を下回る水準であったことなどのファンダメンタルズ材料も相場を押し上げた。とはいっても殆ど前日と水準変わらない中、通貨の変動でレンジワークであったといったほうが適当だろう。イールドカーブは略全ゾーンパラレルに上昇している。

・トウモロコシ価格は下落。大豆と同様、ドル・ユーロ動向に振らされる展開であった。イールドカーブは期先の下げ幅が大きい。
・小麦価格は下落。そもそもドル高が進行している中、ロシアやウクライナの生産が増加(各々穀物生産が+27%、+69%になる見込み)するとの見方が地合いを悪化させた。とはいっても為替動向を受けて一昨日の価格の範囲内でのレンジワークであったとの印象。イールドカーブは全ゾーン小幅低下。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は上昇。ドルの急速な上昇といったマイナス材料はあったものの、金融不安が払拭されない中安全資産としての金物色の動きが継続、狭いレンジでもみ合い推移した。引き続き、金融安定化問題が片付いておらず、政治的な問題の解決に相場が左右され易いのはコメントしたとおりであるが、今回の法案否決によって次回の修正案がどの段階で提出され、どの段階で可決するかが不透明になってしまったため、ドル安と安全資産への逃避の動きから当面堅調な動きになろうか。
 NY銀も上昇。ドル高や原油安に押される局面もあったが、金が上昇したことを受けた買い戻しが優勢となり結局前日比プラスで引けている。

・NYプラチナは反発。1,000?の心理的節目に近づくレベルでは安値拾いの買い意欲も旺盛であり、反発した。しかしながらドルが対ユーロで大幅な上昇となる中、上げ余地も限定されることとなった。本日も1,000?を挟む攻防が予想される。
 中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考える。世界経済への影響が大きい米景気の悪化、GM、フォードといった自動車産業の景況感悪化に反映される自動車販売の減少に伴う触媒需要の減少観測を受け、このコラムで指摘してきた需要減少のリスク要因の影響が大きくなってきている状況であるためだ。また、米金融安定化法案が否決されたことでさらに金融機関を中心に業況の悪化が予想される。南アフリカの生産が不安定なことはもはや材料にならなくなってきている。しばらくは経済の混乱が続くと見られることから軟調な推移gあ続こうか。
 NYパラジウムも反発した。金・プラチナの上昇に連れる形に。今後パラジウムの価格は軟調に推移すると考える。プラチナ価格が自動車向け需要の減少観測とドル高の進行で下落しているため、代替品として需要が減少すると見られるためだ。また、非常に多い地上在庫(弊社見積もりではチューリッヒに8百万オンス、ロシアに10百万オンスの地上在庫があると見ている)が、価格の上限を押さえることとなろう。

三菱マテリアル、カナダのシミルコ銅山再開発で、Copper Mountain社と合意。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油+4.7MB(市場予想+2.8)、ガソリン+0.9MB(▲2.1MB)、ディスティレート▲2.4MB(▲1.5MB)、稼働率+5.6%(+5.5%)。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。ドルが対ユーロで強含んでいることが端的に材料視されている。また米経済統計の悪化といったマイナス材料もあって下げ幅を拡大した。足許、米金融安定化法案の行方が不透明な上、欧州金融機関の決算悪化観測、実体経済の悪化懸念といったマイナス材料を受けて軟調な推移が続いている。コンセントレートの継続的な不足や中国の需要が高い固定資産投資に見られるように堅調である等のファンダメンタルズの強さもあって下値は堅いと見ていたが、予想だにしない金融危機の広がりが実体経済に悪影響を与えていることが明白になる中、しばらくは下落圧力が強まることになると考える。相場の先行きは短・中期的には政治にゆだねられている。LME在庫は+450Mt増加、(FSCは3.8日)、(キャンセルワラント率は2.2%)。売買高は13,191枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン低下し、フラットニングが進行している。C-3(Cash vs 3M Fwd)は20?バックとバック幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は下落した。銅と同じく、経済統計の悪化やドル高の進行が嫌気されたが、コスト割れ生産者の生産削減観測が下値を支える材料になっていると見られ、下げ幅は限定された。コスト割れの生産者が増加していると考えられることから1,600?を下回る水準までの下落を想定していなかったが、政治を巡って想定していなかった事態が発生しているため、この水準を割り込む可能性も短期的には視野に入れざるを得ない。LME在庫は▲100Mt減少、FSCは4.6日(キャンセルワラント率は3.4%)。売買高は4,759枚。イールドカーブは期先を中心に低下している。C-3は20?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の鉛価格は下落した。取引序盤は前日比プラスで寄り付いたのだが、経済統計の悪化やドル高の急速な進行といったマイナス材料を受けて地合いが悪化、LME在庫の減少といったプラス材料はあったものの、昨日の非鉄金属のベアな地合いには抗えず、水準を切り下げる動きとなった。これにより先月複数回トライしていた1,750?ラインを割り込んだ。今後も景気の悪化とともに自動車向け需要が減退すると予想される一方で、在庫の減少が続いていることから現状水準での高止まりが続くことになると考えていたが、想定しない事態になっているため、しばらくは政治動向を睨みながら神経質な展開になりそうだ。目先、8月15日の安値である1,626?が意識されることになると考える。LME在庫は▲150Mt減少、(FSCは2.7日、キャンセルワラント率は3.4%。)。売買高は2,177枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニングしている。C-3は22?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は下落した。取引序盤は前日比プラスで寄り付いたものの、原油の下落や急速なドル高の進行、経済統計の悪化といったマイナス材料を受けて、昨年から割り込み切れない2,400?の攻防ラインを試す動きとなった。足許気になるのが期先の下落である。徐々にフラットニングが進行している状態。将来は中国からのアウトフローが減少する懸念もあって、下落局面では安値拾いの買いも入りやすく一本調子の下落にはならないだろうとのスタンスであったが、今まで想定していなかった事態が政治主導で発生しているため、下落余地が広がっていると考えられる。当面、政治主導で予断を許さない状況が続くことになろう。LME在庫は+200Mt増加、(FSCは12.0日)。(キャンセルワラント率は1.3%)。売買高は10,310枚。イールドカーブは期先の下落が大きい。C-3は44?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のニッケル価格は上昇した。昨日早朝の米金融安定化法案否決を織り込む形で寄り付きから16,000?ラインを割り込み軟調な推移となり、LME在庫の増加やドル急騰もあってさらに下値を試す動きとなったが、米議会の法案再可決期待から株が戻したことを受けて買い戻しが入り、寄り付き比ではプラスで引けた(但し前日比は大幅なマイナス)。LME在庫は▲36Mt減少、(FSCは13.0日)、キャンセルワラント率は2.0%。売買高は798枚。イールドカーブは期近を中心に大幅に全ゾーン低下している。C-3は240?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の錫価格は上昇した。需給のタイトさを映じて前日比大幅プラスで寄り付いた後、ドル高の進行や米経済統計の悪化を受けて地合いが悪化、一時10日移動平均線を割り込むまで水準を切り下げたが、引けに掛けては買い戻しが優勢となった。そもそもインドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中(インドネシアは悪化)、ファンダメンタルズを材料にしっかりとした推移が続くと考えているものの、世界各地に金融不安が拡大し、実体経済も悪化していることから下げ余地を探る展開にならざるを得ないだろう。LME在庫は▲135Mt減少、(FSCは5.5日)、キャンセルワラント率は7.46%。売買高は327枚。イールドカーブは全ゾーン略パラレルに上昇している。C-3は60?バックとバック幅を縮小した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は下落した。夜間に発表された米ADP民間雇用統計が市場予想よりも大幅に良い内容であったことからドル高が進行し、原油価格は急落、その後発表された在庫統計では原油在庫の増加(主に輸入の増加によるもの)が確認されたことからさらに水準を切り下げた。しかし、石油製品在庫のFSC水準が低いことが需要の減少にも関わらず先々の需給がタイトになるとの見方を強めその後の米経済統計を受けたドル安の進行を受けて、統計発表後に買い戻しが優勢となった。一部レポートでメキシコ湾の生産が再開するとの見方が強まり価格が下落、と書いてあるのを見たが、昨日の原油在庫の増加は輸入の増加によるものでありメキシコ湾の生産回復によるものではない。結果、原油価格は10日移動平均線を上値に、90?を下値とするレンジが続いている。イールドカーブは略全ゾーンパラレルに低下している。Brentもパラレルに低下している。直近限月の騰落率はWTIは▲2.2%、Brentは▲3.1%。
 石油製品も下落。RBOBは在庫が市場予想とは裏腹に増加したことから統計発表直後に原油と同様、大幅に水準を切り下げた。特に需要の減少が顕著であり、在庫増加に寄与した。その後は原油の戻りを受けて上昇して引けている。イールドカーブは略全ゾーンパラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲5.6%。ヒーティングオイルも下落。こちらもRBOBと同様、在庫統計発表直後に下げ幅を拡大したが、その後のドル安進行に伴う原油の買い戻しで下げ幅を削った。イールドカーブは全ゾーン低下している。直近限月の騰落率は▲0.6%。ICEガスオイルは期近のみ上昇。イールドカーブは期近を除いて全ゾーンパラレルに低下。直近限月の騰落率は+0.4%。

(ひとりごと)
子供がリトミックに通っている。
どんなところか行ってみたいのだが、平日なのでちっともいけない。

で。

カミさんが気を遣って、ビデオを撮ってきてくれたので見てみた。

まあ。

親に似たのか、なんともちゃっかりしている。
というのも、大体皆お母さんと一緒に来ているのだが
どうも、ずうずうしくも、それぞれのお母さんのひざの上に順番に座って回っているのだ。
当然、その母親の子は「といてよ〜」と怒っているのだが、お構いなし。
当然、カミさんにも怒られるのだが、お構いなし。

大丈夫なんだろうか。このままで。
と、心配になったが
まだ、無邪気で許される年齢なので、大目に見てやるか。