週末に思うこと

 今日は週末、会社に入れないので自宅から。
 しかし、すごいことになっている。すべての価格が付いているものの価格が下落していく。いや、下落していくというより溶けていく、という表現のほうが適切かも知れない。今まで経済を支えてきた金融システム自体が崩壊の危機にさらされているからだ。こんな中ではコモディティの価格も下落して当然である。しかし、それにしてもコモディティの価格は下落していない。価格の急落と信用収縮の影響で、先々の生産が減少する可能性があるためである。景気悪化に伴う需要減少と同時に供給ができなくなって需給がひっ迫する可能性があるという、非常にいびつな状況が発生しつつある。

 実体経済に影響はない、とのコメントも見かけるのだがその「実態経済」自体が現在の金融システムの上に成り立っているということを忘れてはならない。今まっさきにすべきことは、金融機関の経営を安定化させ、金融機関の信用創造機能を復活させることなのだ。簡単にいえば各国の金融機関に資本を注入することである。金融機関の経営責任問題は金融システムが復活してから行えばよい。今はそんなことを言っている場合ではないのだ。
 比較的経営が健全である日本の金融機関も、欧米の金融システムが混乱している以上影響を受けないはずがない。なので、防衛的に日本の金融機関の経営を支える枠組みを早急に整えるべきである。預金の全額保護を打ち出している国もあるようであるが、これも足並みがそろわなければ「全額保護の国への資金流出が加速」する事態を引き起こしかねない。制度のゆがみが生じると、個人・機関投資家ともアービトラージ取引が加速し、現在の流動性が保障されていない市場環境では、個々の市場の崩壊をもたらす危険性があるからだ。

 「心配しすぎて、何もなければそれでよい」ぐらいの気持ちで現在のクライシスに対応していく必要があるのではないだろうか。いずれにしても、冷静に対応していくことがわれわれに要求されている。