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(商品市況概況)
「価格があるものが売られる環境に」
 昨日のコモディティ価格は軒並み下落した。各国の金融システム安定化策が奏功し、金融危機は回避されたものの昨日発表された各国の経済統計が景気の悪化を指し示すものばかりであったことから「実態経済」に焦点が当たり、株価が暴落。株価の下落を受けて商品需要も落ち込むことが予想されることから軒並み価格を切り下げることとなった。貴金属ですら、昨日は下落している。
 よくよく落ち着いて考えてみると、現在の状況は春先の「景気は後退するがリセッションは回避され、来年以降に景気が回復するのでは」と議論されていた頃の状況に戻ったといえる。ただし経済環境はそのときよりも悪化しているのだが。春先は金融システム不安は未だ取り沙汰されていなかったが、リーマンブラザーズが破綻したことによって「景気悪化に加えて金融システム危機」が市場の課題となった。現在はこの金融システム危機は一旦回避されたので、ある意味「落ち着いて」景気悪化を市場価格が織り込み始めているといえる。当面は株価動向が全てのコモディティ価格のトレンドを形成するための材料となろう。

(経済関連ニュース)
・8月日本鉱工業生産確報 前月比▲3.5%(速報比変わらず)、前月改定+1.3%。
・9月日本首都圏マンション販売 前年比▲53.3%の2,427戸。13ヶ月連続の減少。
・9月独CPI改定 前年比+3.0%(速報比変わらず)。
・9月ユーロ圏インフレ率改定 前年比+3.6%(速報比変わらず)。
・9月英失業者数 前月比+31,800人の939.9千人(前月改定35,700人(速報比+3,200人))、市場予想+36千人。
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比+5.1%の489.3、借換指数 前週比+12.5%の1,514.2、購入指数 前週比▲0.3%の313.5。
・9月米生産者物価指数 前月比▲0.4%(前月改定▲0.9%)、市場予想▲0.4%。コア指数 前月比+0.4%(前月改定+3.6%)。
・9月米小売売上高 前月比▲1.2%(前月改定▲0.4%(速報比▲0.1%))、市場予想▲0.7%。
・ニューヨーク連銀製造業景況指数 ▲24.6(前月改定▲7.4)、市場予想▲10.0。
・インド中銀 預金準備率を1.0%引き下げ、6.5%に。
バーナンキFRB議長「リーマン救済で当局に選択肢はなかった。十分な担保を有しておらず、かつ米財務省に資金提供の権限がなかったため」

・ドルは対ユーロで上昇。欧州経済の悪化懸念が強まる中、再びドルが物色されることとなった。というよりは、引き続きドル需給が逼迫していることが背景にあると見られる。ドルは対円では下落。結局欧州・米州マーケットがガタ落ちになったため、キャリートレードアンワインドで円が買い戻された。
日本株は小幅上昇。金融危機の最悪期は脱したとの見方から買いが入った。しかし前日の米国株の下落を受けて引け間際までは軟調な推移となっていた。米株は暴落Again。金融システム危機は回避されたものの、昨晩発表された経済関連統計が景気悪化を指し示すものばかりであったことから欧米株全般に失望売りが広がった。一難去ってまた一難である。
穀物市場サマリー)
・大豆価格は下落し、年初来安値を記録した。欧米経済統計が悪化し、各国株価が暴落したことが材料視された。金融システム不安は一旦回避されたが、景気自体に焦点が当たり始めているため。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。
・トウモロコシ価格は下落し、年初来安値となった。材料は他のコモディティと同様、世界景気の悪化と株価の暴落が材料。イールドカーブはパラレルに低下している。
・小麦価格も下落。イールドカーブの形状はパラレルに低下。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は小幅続落。ドル需給のサイドの逼迫などからドルが上昇したため軟調な推移となったが、景気悪化が世界的なものになる可能性が極めて高い中、再び安全資産(本当に安全かどうか良く分かりませんが...)としての金のニーズが高まったため、小幅な下落に留まった。
 今後については、1990年台以降、最も急速な速度で進行するドル高が金価格の下押し材料になることが予想されるが、米景気の悪化と金利の引き下げ観測の強まりもあってこのままドルが一本調子で強含むことは考えにくく、一定の下支え効果をもたらすと予想する。当面は上にも、下にも行きにくい相場展開になるのではなかろうか。
 NY銀は大幅に下落。景気悪化が鮮明になる中、工業品である銀は貴金属ではあるが下落圧力にさらされ易い。"
 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが137,672(前週比 ▲3,354)、ショートが26,059(前週比 +2,819)となったことから、ネットで111,613(前週比 ▲6,173)となった。銀はロングが28,882(前週比 ▲3,354)、ショートが11,783(前週比 +2,819)となったことから、ネットで18,595(前週比 +113)となった。
"・NYプラチナは大幅反落。金融クライシスは一旦回避されたものの、昨晩発表された経済統計が悪いものばかりであったことから景気減速、需要減少の懸念が強まり+地母再び1,000?を下回ることとなった。
 急速に進行するドル高と経済状況の悪化を受けて、プラチナ価格を前回見通しから修正した。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考える。世界経済への影響が大きい米景気の悪化、GM、フォードといった自動車産業の景況感悪化に反映される自動車販売の減少に伴う触媒需要の減少観測を受け、このコラムで指摘してきた需要減少のリスク要因の影響が大きくなってきている状況であるためだ。引き続き、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えているが、供給不足は地上在庫で相殺されることとなろう。長期的な観点に立った場合、米当局が環境面に配慮しディーゼル車の使用を推進、普及率を引き上げる見通しであり、AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。
 NYパラジウムも下落。今後パラジウムの価格は軟調に推移すると考えているが、中期的には地合いは改善すると見ている。環境規制の高まりから引き続きプラチナ・パラジウムの需要は堅調に推移すると見られるためである。しかしながら、チューリッヒ、ロシア、その他の地区の地上在庫が各々8百万オンス、10百万オンス、2百万オンス程度あると見られることや、ドルが上昇サイクルに入っていることが価格の上昇を抑えることになろうか。"

・上海銅、亜鉛はリミットまで下落。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計市場予想 原油+2.6MB、ガソリン+3.0MB、ディスティレート+0.5MB、稼働率+2.9%
・ハリケーン「オマー」、勢力を強め、プエルトリコ南を通過中。カテゴリー2に。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。金融危機は回避されたものの、昨晩発表された経済統計が悪いものばかりであり、実体経済の悪化観測が相場を大きく押し下げることとなたった。前日の価格上昇の過程で10日移動平均線を維持できなかったことや、各国株価が暴落したこともセンチメントを大幅に悪化させたようだ。今後は事業法人の悪化懸念で公的資金の使用が取り沙汰されることになろう。引き続き、政治要因が相場を撹乱することになると考える。ファンダメンタルズに立ち返れば、コンセントレートの継続的な不足や中国の需要が高い固定資産投資に見られるように堅調であること、価格の下落と景気の悪化に伴う供給者の供給不足発生の可能性など、需給がタイトなままである可能性が高いことは忘れてはなるまい。LME在庫は▲175Mt減少、(FSCは4.0日)、(キャンセルワラント率は6.0%)。売買高は9,664枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近を中心に大幅に低下し、ベアスティープニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は74?バックとバック幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は下落した。経済統計の悪化と、日本を除く全ての株式市場が暴落したことがセンチメントを大幅に悪化させ、亜鉛も水準を大幅に切り下げることとなった。この下落により1,400?の心理的な節目を再び大きく下回っている、今後に関しては、金融危機が一旦回避はされたものの、足許の価格下落で多数の生産者がコスト割れになっていると見られ、一定の価格下支え効果が期待されるものの、株価が暴落している環境下センチメントは良いとは言えずしばらくは下値余地を探る展開にならざるを得ないだろう。亜鉛は供給不足に陥るのは2010年頃からと予想している。LME在庫は+150Mt増加、FSCは5.0日(キャンセルワラント率は2.9%)。売買高は4,547枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン低下している。C-3は42?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は下落した。LME在庫の減少等で一時強含む局面はあったが、欧米経済統計が悪化していることを受けて各国株価が暴落する中、結局鉛も連れ安となった。しかし、このコラムで指摘しているが、車の保有台数が増加していることや、電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要が旺盛であり、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズが強く、株等の周辺材料が落ち着けば買いが入り易い非鉄であるのも事実である。LME在庫は▲575Mt減少、(FSCは2.6日、キャンセルワラント率は13.9%。)。売買高は1,314枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。C-3は8?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は下落した。取引序盤は前日の上昇を受けて強含んだのだが、各国株価が暴落したことや、エネルギー価格の下落、LME在庫の米国での極端な増加を受けてアルミ価格はとうとう2,200?を下回ってしまった。結局、現在のコモディティ市場は1にも2にも株価動向である。今後は金融クライシスは一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。また、生産者の価格下落リスクヘッジのための期先の売りが予想されるため、カーブはフラットニングすると考えている。引き続き、政治・金融当局対応を巡って神経質な相場展開にならざるを得ない。LME在庫は+55,875Mt増加、(FSCは12.7日)。(キャンセルワラント率は1.0%)。売買高は13,966枚。イールドカーブは略パラレルに低下。C-3は61?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は下落した。その他のコモディティと同様、株価の暴落がニッケルにも下押し圧力として作用した。LME在庫が比較的まとまったロットで減少しているが昨日のマーケットに関して言えば焼け石に水。結局終始だらだらと水準を切り下げる動きとなった。LME在庫は▲222Mt減少、(FSCは13.0日)、キャンセルワラント率は2.2%。売買高は1,186枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。C-3は225?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の錫価格は下落した。各国株価の暴落で寄り付きは前日比マイナスで寄り付いたが、LME在庫減少や前日までの強い流れを受けて一旦10日移動平均線を試す動きとなった。しかしながら欧米の経済統計の悪化に伴い各国株が下げ幅を拡大、これによってセンチメントが大幅に悪化し、錫価格も10日移動平均線を上値に水準を切り下げざるを得なくなった。インドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中需給はタイトであるものの、株価の著しい下落に歯止めが掛からず、結局軟調な推移となってしまっている。LME在庫は▲65Mt減少、(FSCは5.2日)、キャンセルワラント率は6.57%。売買高は213枚。イールドカーブはパラレルに低下している。C-3は15?バックとバック幅を縮小した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は下落した。金融危機は回避されたものの、発表された経済統計が景気の悪化を指し示すものばかりで、各国株価が暴落したことがセンチメントを悪化させ、原油価格も大幅に押し下げることとなった。裏でハリケーンオマーの発生といった買い材料はあるものの、現在の市場の方向性は完全に株価動向が握っているといえ、株価の反転上昇ないしは安定がなければ原油価格には強い下押し圧力がかからざるを得ない。弊社が見直し後のコストの下限と考える70?は完全に視野に入りつつあり、下げ余地は限定されると言いたいのだが、株が止まらない以上はこの水準を下回る可能性は十分にあるといえる。イールドカーブは期近を中心に低下している。Brentも下落している。直近限月の騰落率はWTIは▲5.8%、Brentは▲5.6%。
 石油製品も下落。RBOBは欧州時間の早い段階から下落に転じた。欧州経済統計の悪化と株価の下落が材料視された。それでもさほど価格が下がらなかったのは米在庫水準が低いからなのだが、NY時間にはいってから発表された米小売統計が悪化したことから輸送需要の低下観測が台頭、RBOBは大幅に水運を切り下げることとなった。イールドカーブは期近を中心に低下している。直近限月の騰落率は▲6.1%。ヒーティングオイルも下落。下落の理由は略RBOBと同様である。イールドカーブは期近の下げが大きい。直近限月の騰落率は▲3.3%。ICEガスオイルも下落。イールドカーブは期近の下げが大きい。直近限月の騰落率は▲5.9%。

(ひとりごと)
フリスクのコマーシャル、ありますよね。
いろいろなパターンがあって結構好きなコマーシャルなのだが
これも見ていて思うのだが

フリスクってああやって食べるんだ」

ってこと。

だってですね、フツーフリスクのケースを利き手で開けて(右利きなら右手)左手に出してそれで口に運びますよね。
友達に「フリスクいる?」って聞かれて「じゃあ」って言ってもらうと
だいたい4、5粒出てきてしまって、手の上にのっちゃったのを「返すよ」っていおうかと思っても手の上に乗ったのを返すのもなんなので
0.1秒ぐらい悩んでいると「あ、いいよ食べちゃって」みたいに言われて

「ああ、こいつ、おれのフリスクあんなに食べちゃったよ」

なんて思われてるんだろうな、なんて思いながら5粒(おそらく内容量の10%程度だと思う)一気に口に運んで

「口に入れすぎた」

と後悔する類の食べ物なのである。
しかしあんなやり方で1粒食べるとは思ってもいなかった。
外国人は他人に1粒あげる時も口を開けさせて、ああやってあげるんだろうか。