ザッハトルテ

(商品市況概況)
「整理整頓」
 昨日のコモディティ価格は軒並み反発した。株価の反発やOPECの減産観測を受けて原油価格が上昇したことなどが材料となったようである。とはいっても、価格の大幅な下落によって割安感が出てきたため、実需家が実需ヘッジで買いに来ている、という印象である。
 現在の市場は「いろいろなものが元にあった場所」に戻る相場展開である。株や債券、コモディティも元を正せば現金でありひとまずこれを現金に戻す動きが発生している。現金化するということは端的に言えば売られるということだ。そしていくつかの国が破綻し始めていることから外貨で資産を保有することは現金であったとしてもリスクであるため、自国通貨に戻す、という動きが起きているわけである。今回の場合、こうした状況が止まるためには少なくとも今回のクライシスの発信源である米国の金融機関の不良債権処理と経営安定が進捗することが不可欠であり、引き続き政治や当局がボールを握っている状態である。
 整理整頓の過程では、なくなったものや足りないものが明らかになっていくため、さらに追加的な財政支出が必要になってくる可能性は高かろう。

(経済関連ニュース)
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比▲17%の408.1、借換指数 前週比▲24%の1,158.8、購入指数 前週比▲11%の279.3。
・米週間新規失業保険申請者数 前週比+15千人の478千人(前週改定463千人(速報比+2千人))、市場予想468千人。
・Q308韓国GDP速報 前期比+0.6%(前期改定+0.8%)。

・ドルは対ユーロで大幅に上昇。欧州景気の悪化と、資産現金化の過程でドル需給が逼迫していることが背景。ドルは対円で大幅に下落。グローバルキャリートレードアンワインドもさることながら、比較相対感で他国通貨よりも強い円が選好されているようだ。
日本株は大幅に下落した。前日の欧米市場の株価急落を受けて輸出関連株や金融関連株が売られた。商品価格の大幅な調整を受けて資源関連株も売り込まれた。米国株は反発。エネルギー価格が反転上昇したことや、価格水準自体の低さに着目した買いが入った。
穀物市場サマリー)
・大豆価格は上昇した。原油価格がOPECの減産観測で上昇していることや、一部の生産地が降雪の影響で収穫を遅らせていることなどが材料視された。しかし、10日移動平均線で頭を抑えられて引けている。基本的にハーベスト・プレッシャーで売り圧力がかかり易い時期でもあり、上値余地は限定されている。イールドカーブは期近を中心に上昇。
・トウモロコシ価格も上昇。大豆と同様、株価の反発や下落やエネルギー価格の反発、生産地の降雪が材料視された。しかし、基本的にはハーベスト・プレッシャーの影響で10日移動平均線を上回れずにいる状態。イールドカーブはパラレルに小幅上昇している。
・小麦価格も上昇。原油価格の上昇、株価の上昇、等が背景。イールドカーブはパラレルに小幅上昇。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は続落。ドル対ユーロで大幅に上昇したことが端的に材料視されている。個別の材料は特にない。ここまでの下落で主要なチャートポイントは全て下抜け、10日移動平均線が各種移動平均を全て上から下に抜ける状態となっているが、10日移動平均線からの下方乖離も大きく買い戻し余地がないわけではない。
 今後については、1990年台以降、最も急速な速度で進行するドル高が金価格の下押し材料になることが予想されるが、米景気の悪化と金利の引き下げ観測の強まりもあってこのままドルが一本調子で強含むことは考えにくく、一定の下支え効果をもたらすと予想する。当面は上にも、下にも行きにくい相場展開になるのではなかろうか。
 NY銀は上昇。ドルが対ユーロで強含んでいることから堅調な推移となり、株価の反発もあって引けに掛けては買い戻しが入り前日比小幅プラスで引けている。しかし依然として10日移動平均線を上回って上昇する力強さはない。"
 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが131,093(前週比 ▲6,579)、ショートが24,268(前週比 ▲1,791)となったことから、ネットで106,825(前週比 ▲4,788)となった。銀はロングが28,140(前週比 ▲6,579)、ショートが11,218(前週比 ▲1,791)となったことから、ネットで18,546(前週比 ▲1,473)となった。

・NYプラチナは大幅に下落。ドル高の大幅な進行が地合いを悪化させた。プラチナ価格は10日移動平均線を上値として軟調な推移が続いている。
 急速に進行するドル高と経済状況の悪化を受けて、プラチナ価格は大幅な低下が続いている。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考える。世界経済への影響が大きい米景気の悪化、自動車産業の景況感悪化に反映される自動車販売の減少に伴う触媒需要の減少観測を受け、このコラムで指摘してきた需要減少のリスク要因の影響が極めて大きくなってきている状況であるためだ。引き続き、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えているが、供給不足は地上在庫で相殺されることとなろう。長期的な観点に立った場合、米当局が環境面に配慮しディーゼル車の使用を推進、普及率を引き上げる見通しであり、AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。
 NYパラジウムは下落。大手生産者の一時生産停止による供給減少等の問題もあるが、ドルの大幅な上昇を受けてもみ合い推移した結果前日比プラスとなった。今後パラジウムの価格は軟調に推移すると考えているが、中期的には地合いは改善すると見ている。環境規制の高まりから引き続きプラチナ・パラジウムの需要は堅調に推移すると見られるためである。しかしながら、チューリッヒ、ロシア、その他の地区の地上在庫が各々8百万オンス、10百万オンス、2百万オンス程度あると見られることや、ドルが上昇サイクルに入っていることが価格の上昇を抑えることになろうか。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油+2.7MB、ガソリン+2.7MB、ディスティレート+0.3MB、稼働率+1.0%
OPECヘリル議長「減産の規模にかんしては合意していないが減産は必要」
・イラン ノザリ石油相「OPECは市場の均衡を図るべき」
・サウジ ヌアイミ石油相「誰が減産なんて言ったんだ。価格は市場で決まる」

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。取引序盤は値ごろ感から買いが入ったものの、急速にドル高が進行したことが嫌気され、4,000?を割り込む展開となった。しかし、NY時間に掛けて株が反転したことや値ごろ感から買い戻しが優勢となり、結局行って来いとなった。ファンダメンタルズに立ち返れば、コンセントレートの継続的な不足や中国の需要が高い固定資産投資に見られるように堅調であること(世に言われているほど、中国の経済指標が悪いとは思わない)から需給は中長期的にはタイトになると予想されるものの、足許の株価の急落等がセンチメントを悪化させている状態。LME在庫は+1,500Mt増加、(FSCは4.1日)、(キャンセルワラント率は1.6%)。売買高は13,201枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期先を中止に低下しベアフラットニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は24?バックとバック幅を拡大した。
 昨日の亜鉛価格は上昇した。ドル高の急速な進行を受けて下落していたが、NY時間の株の反発を受けて上昇した。チャート的にも10日移動平均線からの乖離が大きく割安感があったためと推察される。今後に関しては、足許の価格下落で多数の生産者がコスト割れになっていると予想されることから、一定の価格下支え効果が期待されるものの、実態経済の悪化観測を受けて株価が暴落、加えてドルが需給要因などで上昇している環境下センチメントは良いとは言えず、しばらくは下値余地を探る展開にならざるを得ないだろう。亜鉛は供給不足に陥るのは2010年頃からと予想している。LME在庫は+3,050Mt増加、FSCは5.3日(キャンセルワラント率は2.7%)。売買高は7,376枚。イールドカーブはパラレルに上昇している。C-3は32?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の鉛価格は上昇した。取引序盤は軟調な推移となったもののLME在庫の減少等を受けて小幅上昇、その後ドルが強含んだことから再び下落に転じたが、NY時間の株の戻りを受けて買い戻しが入り前日比プラスで引けることとなった。景気悪化の影響で鉛も調整しているが、LME在庫の減少が顕著であること、キャンセルワラント率も上昇していること、車の保有台数が増加していることや、電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要が旺盛であり、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズが強く、比較的堅調な推移となっている。LME在庫は▲750Mt減少、(FSCは2.3日、キャンセルワラント率は18.5%。)。売買高は2,409枚。イールドカーブは期近を中心に上昇している。C-3は10?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のアルミ価格は上昇した。取引序盤は前日の株価の下落を受けて下落したが、2,000?割れの水準では安値拾いの買いも入り底堅く推移。その後OPECの減産観測で原油価格が反発したことやNY時間の株価の上昇もあって前日比小幅プラスで引けた。今後は金融クライシスは一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。また、生産者の価格下落リスクヘッジのための期先の売りが予想されるため、カーブはフラットニングすると考えている。引き続き、政治・金融当局対応を巡って神経質な相場展開にならざるを得ない。LME在庫は+3,475Mt増加、(FSCは13.3日)。(キャンセルワラント率は1.1%)。売買高は11,410枚。イールドカーブの形状はほぼ変わらず。C-3は54?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のニッケル価格は下落した。10,000?を割り込んだことから取引序盤は買いが入ったものの、LME在庫の大幅増加やドル高の急速な進行もあってNY時間にかけてじりじりと水準を切り下げる動きとなった。完全に下落トレンド入りしてしまっている。LME在庫は+834Mt増加、(FSCは14.5日)、キャンセルワラント率は1.2%。売買高は1,629枚。イールドカーブは略パラレルに低下。C-3は177?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の錫価格は上昇した。取引序盤は上昇、その後のドル高の進行で下落、NY時間の株上昇を受けて上昇、という他の非鉄金属と同様の相場展開となった。LME在庫の減少傾向は継続しており、キャンセルワラント率も25%まで上昇しており、インドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中需給はタイトであるといえ、一本調子の価格下落には余り賛同できない。しかし、不安定な株価動向や経済統計の悪化等の影響で下落に歯止めが掛からず、結局軟調な推移となってしまっている。LME在庫は▲125Mt減少、(FSCは4.7日)、キャンセルワラント率は25.15%。売買高は616枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。C-3は225?バックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は上昇した。株価下落や世界景気の可能性が高まる中、大幅な調整を続けていたがこれに歯止めを掛けるべく(というよりも、余剰生産分を調整する)OPECの減産観測が相場の反発材料となった。もし2.0MBDまでの削減を行うと恐らく価格が逆に下落(価格高騰に伴う需要の更なる減少&スペアキャパシティの拡大)する可能性もあり、逆に1.0MBDでも余剰分の相殺にはならないことから、恐らく1.5MBDが堅いセンではなかろうか。。イールドカーブはパラレルに上昇している。Brentは期近の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率はWTIは+1.6%、Brentは+2.1%。
 石油製品はまちまち。RBOBは原油価格の反発を材料に小幅上昇した。特段新規の個別材料があったわけではないのだが、昨晩に関してはもみ合い推移の結果前日比プラスであった、というのが正確かも知れない。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇。直近限月の騰落率は+0.4%。ヒーティングオイルは小幅もみ合いの結果、期近のみ前日比小幅下落。イールドカーブは期近を除けば略パラレルに上昇している。直近限月の騰落率は▲0.3%。ICEガスオイルは小幅上昇。イールドカーブは期近の下げが大きい。直近限月の騰落率は▲0.4%。

(ひとりごと)
今日はザッハトルテ
ザッハトルテの素晴らしいのは、あのガツンとしたチョコレートの味である。
有難うガーナ。

で。

シュークリームのところでも説明したが、このお菓子にはやはりクリームが欠かせない。
砂糖のあんまり入っていない生クリームが。
そもそも濃い味のケーキの甘さを緩和させるために、さらに高脂肪のクリームで緩和するという

ある意味逆転の発想。
われわれの仕事にも応用できそうな、あの発想が素晴らしい。
メリットを引き出すために取る反対サイドのリスク、と言うのがわれわれデリバティブに生きる人間の発想の源泉であるが
あえて同じサイドのリスクを大幅に取ることで、食べ味のパフォーマンスをさらに引き上げているところがなんとも良い。

で。

さらに、である。
その甘さに若干アクセントを付けるために塗りこんであるジャム(店にもよります)がまた素晴らしい。
これもご多分に漏れず甘いのだが、凄く甘いくせにすっぱいところが甘い生地とクリームにマッチするのだ。
この糖質ゼロの世の中に、ここまで自虐的な気持ちにさせるお菓子が他にあるだろうか?
と、思いながら食べていると1個の大きさが小さいのであっという間に食べ終わってしまう。
そう、食べていたのも気づかないぐらいに早く。
もし、お店で出てくるザッハトルテが今の1.5倍ぐらいの大きさだったら、今の隆盛は望めなかっただろう。
あ、また食べたくなってきた。
でも、ザッハトルテ出しているお店って、少ないんですよね。なぜか。
どのお店が美味しいんだろうか。