(商品市況概況)
「軒並み下落」
昨日のコモディティ価格は軒並み水準を切り下げた。各国株価が下落しておりそもそも地合いが良くない中、今回の景気後退の震源地である米国の住宅関連統計が悪化したことから地合いが悪化し、水準を切り下げる動きとなった。
昨日に関しては相当悪材料が重なったのだが、「余り下がらない」という印象を受ける。価格下落が進むと必ず「限界生産コスト」が議論され、コスト割れ生産者の供給減少懸念が取り沙汰されるようになる。当然価格が下落し限界コストに近づけば生産が減少するため価格を押し上げることになるのだが、私個人の印象であるが、現在の価格水準は(コモディティにもよるが)概ね「短〜中期的な」均衡価格に達したとの印象を受ける。その観点からすると、一時期のパニック的な売り相場はそろそろ終わりを迎え、しばらくはボラティリティの低い相場展開が続くことになるのではなかろうか。
とは言っても折々発表される経済統計や企業決算は厳しい内容のものが多く、物価の下落→生産コストの低下を通じて、更なる下落の可能性も否定できない。
(経済関連ニュース)
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比▲6.2%の398.6、購入指数 前週比▲13%の248.5、借換指数 前週比+2.6%の1,281.2。
・10月米CPI 前月比▲1.0%(前月改定±0.0%)、市場予想▲0.8%。コア指数 前月比▲0.1%。
・10月米住宅着工 前月比▲4.5%の79.1万戸(前月改定82.8万戸(速報比+1.1万戸))、市場予想78万戸。住宅着工許件数 前月比▲12%の70.8万戸(市場予想
・10月米住宅着工許可件数 前月比▲12%の70.8万戸、市場予想77.4万戸。
・10月FOMC議事録 2009年半ばまで経済が縮小する可能性。追加利下げが必要になる可能性を指摘。「経済成長に必要ならあらゆる措置を取る」
・ドルは対ユーロで上昇。米欧の経済環境に大きな変化はなく、むしろユーロ金利の方が高く米金利の先々の引き下げの可能性がFOMCで指摘されているものの、ドル建資産の下落を受けた現金化の動きが再び加速したと見られ、ドルは対ユーロで上昇することとなった。対円では大幅に下落。米景気の悪化に伴う株価の急落で地合いが悪化、キャリートレードのアンワインドも含め、相対的に強いと見られている円が買われたようだ。
・日本株は続落。金融機関決算の悪化を受けた景気の先行きの悪化観測から、金融株を中心に幅広く売られた。米国株は大幅下落。米経済統計の悪化を受けて金融機関株が安く、迷走しているビッグ3の影響で自動車関連株が売られ、ダウは8,000?を割り込んだ。
(穀物市場サマリー)
・大豆価格は上昇後、下落した。取引序盤は他の商品と同様に値ごろ感からジリ高の展開であったが、NY株が米統計を受けて下落したことやその一方で需給要因でドル高が進行していることが端的に嫌気されたようだ。しかし引き続き10日移動平均線を挟む展開となっている。イールドカーブは期先の下げ幅が大きい。
・トウモロコシ価格も上昇後、下落。トウモロコシ固有の材料で相場が動いた、というよりは株価や為替の動向が相場を動かしたと見ている。決め手になる材料が乏しい中、10日移動平均線を挟んで小動きが続いている。イールドカーブの形状は略変わらず。
・小麦価格は上昇後、下落。大豆・トウモロコシと同様、取引序盤はジリ高の展開であったが、30日移動平均線で頭を抑えられたこともあって、NY時間の後場の株価の大幅下げを受けて水準を切り下げる動きとなった。ドル高進行も売り材料となった。イールドカーブの形状は略変わらず。
(非鉄金属関連ニュース)
・NY金は小幅上昇。夜間に発表された米住宅関連統計が悪化したことを受けてドルが大幅安となり、一時30日移動平均線を上回って上昇したが、その後基本的なドル需給の逼迫からドル高が進行したことから地合いが悪化し、結局行って来いで10日移動平均線まで水準を切り下げて引けることとなった。
今後については、1990年台以降、最も急速な速度で進行するドル高が金価格の下押し材料になることが予想される。欧州景気も悪化し、同時にドル需給の経常的な逼迫がドル高をもたらしているためだ。ドル/ユーロ相場と金価格の一次回帰分析の結果、現在の価格はドル安に転じない限りは概ね140?程理論値から高い状態である。よってこのままのドル/ユーロ水準が続くのならば金価格は600?〜620?まで下落する必要がある。同時にETFの残高も減少しており、相場の下押し材料となると予想される。当面はリスク資産からの撤退の動きを受けて下値を探る動きが続くことになろう。
NY銀は下落。金と同様、ドル安の進行を受けて一時強含んだものの、工業品としての色彩が強い銀はその後の株の大幅下落を受けて水準を切り下げる動きとなった。とはいえ、10日移動平均線を挟んで比較的小動きとの印象である。"
先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが116,351(前週比 ▲1,815)、ショートが52,392(前週比 +2,421)となったことから、ネットで63,959(前週比 ▲4,236)となった。銀はロングが30,913(前週比 ▲1,815)、ショートが11,287(前週比 +2,421)となったことから、ネットで18,686(前週比 ▲2,454)となった。
・NYプラチナは下落。昨日のJMのブルなレポートや米住宅着工の悪化を受けたドル安の進行で一時強含んだものの、その後の米株の大幅下落を受けて地合いが悪化し、結局前日比マイナスで引けることとなった。結果的に10日移動平均線を挟む展開が続いている。
急速に進行するドル高と経済状況の悪化を受けて、プラチナ価格は大幅に調整してきた。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考えているものの、現在の水準は売られすぎであると考えられる。プラチナ生産の70%を占める南アの電力問題は4-5年解決の目処が立っていない。一方でアジアを中心とした自動車需要は比較的堅調に推移すると見られ、環境面から米国もプラチナの消費を増やさねばならない(AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。)。こうした環境下、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えており、供給不足が地上在庫で相殺されると期待されるものの信用不安が高まる中供給途絶のリスクは高いと考えておくべきだろう。但しこのシナリオのリスクは自動車需要が予想を上回ってさらに悪化した場合である。
NYパラジウムは大幅に下落。NY時間のドル安進行後も10日移動平均線を上抜けできなかったことから、そもそもチャート的にも一目均衡表の雲厚く、テクニカルに大幅な下げとなった。
今後パラジウムの価格はジリ高の展開になると考える。環境規制の高まりから引き続きプラチナ・パラジウム需要が高まりな需給の改善観測が根強い上、チャート的には10日移動平均線が30日、50日移動平均線を下から上に抜けており、チャート的にも買いサインが出ているためだ。しかしその上の雲は極めて厚く250?を上回っての上昇は考えにくい。また、チューリッヒ、ロシア、その他の地区の地上在庫が各々8百万オンス、10百万オンス、2百万オンス程度あると見られることや、ドルが上昇サイクルに入っていることが価格の上昇を抑えることになろうか。
・10月国内アルミ在庫 253.5KMt(前月比▲2.1KMt)、丸紅調べ。
・WBMS 1-9月の銅生産は26.8KMtの供給超。
(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油+1.6MB(市場予想+1.0MB)、ガソリン+0.5MB(±0.0MB)、ディスティレート▲1.5MB(+0.7MB)、稼働率+0.3%(±0.0%)。
・IEA田中事務局長「石油市場の需給は改善したが(緩和)、気候の変化やストライキといった不足に繋がる別の問題が生じる可能性がある。」
(非鉄金属)
昨日の銅価格は下落した。WMBS発表の1-9月の銅需給が供給超になったことや、ドル高の進行、各国株式の大幅下落、米住宅着工の悪化といったマイナス材料の積み上がりにより水準を切り下げることとなった。しかしながらこれだけの悪材料がつみあがっているにも関わらず下値は堅いとの印象である。ファンダメンタルズに立ち返れば、コンセントレートの継続的な不足や中国の需要が高い固定資産投資に見られるように堅調であることや、信用市場の収縮に伴う鉱山案件の資金調達難等から供給サイドも安泰ではないことから需給は中長期的にはタイトになると予想されるものの、景気の先行きの不透明感が強まっていることから低い水準で不冴えな展開が続いている。LME在庫は+1,475Mt増加、(FSCは5.5日)、(キャンセルワラント率は1.6%)。売買高は7,308枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期中を中心に低下している。C-3(Cash vs 3M Fwd)は49?コンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。
昨日の亜鉛価格は下落した。売り材料は銅と同じく、株の大幅下落とドル高の進行、経済統計の悪化である。しかし銅と同じく「下値が堅い」印象を受ける。足許、10日移動平均線〜30日移動平均線の比較的狭いレンジでのもみ合いが続いている。これは足許の価格下落で多数の生産者がコスト割れになっていると予想されることや、価格の大幅下落で売られすぎの水準にあると考えられている一方、景気悪化で需要も鈍化しているためである。当面は狭いレンジでのもみ合いが続こうか。LME在庫は▲175Mt減少、FSCは5.7日(キャンセルワラント率は1.6%)。売買高は3,377枚。イールドカーブは期先を中心に全ゾーン低下。C-3は11?コンタンゴと前日と変わらず。
昨日の鉛価格は下落した。株の下落やドル高の進行、迷走するビッグ3の動向、といったマイナス材料を受けて10日移動平均線を頭に冴えない相場展開となった。しかしLME在庫の継続的な減少に反映されるファンダメンタルズの強さから、比較的堅調な推移が続いている。景気が悪化したものの、電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要は旺盛であると見られ、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズは強相対的に強いことが鉛価格を高止まりさせており、比較的堅調な推移となっている。LME在庫は▲400Mt減少、(FSCは1.8日、キャンセルワラント率は10.3%。)。売買高は1,430枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン低下し、ベアスティープニングしている。C-3は18?コンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。
昨日のアルミ価格は下落した。ドル高の進行、株の大幅下落、住宅関連指標の悪化、エネルギー価格の小幅下落、といったマイナス材料を受けて水準を切り下げる動きとなった。コスト割れ生産者が増加している可能性が高いことから下値も限られているものの、これだけのマイナス材料が重なるとさすがに下落は免れ得なかったようだ。今後は金融クライシスが一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。ただし、コストベースで見た場合、限界レベルを下回るレベルまで価格が下がっていると見られることから買い戻しが入り易い地合いであるのも事実だろう。また、中国がアルミ製品の輸出税を引き下げる見通しであることが、域内需給の緩和要因になることは要注意である。LME在庫は+81,975Mt増加、(FSCは15.5日)。(キャンセルワラント率は0.9%)。売買高は7,223枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニングしている。C-3は50?コンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。
昨日のニッケル価格は下落した。材料は株安とドル高である。しかしながら10,000?の節目が近づいていることから、他の非鉄と同様に余り下落しなかった、というのが正直な印象である。やはりコストベースを下回る、ないしは近づくレベルではそれなりに買いが入る、ということの証左であろう。当面は、限界コストと見られる11,000?、心理的節目である10,000?を意識しながら比較的狭いレンジでの取引が続くことになると考える。LME在庫は+480Mt増加、(FSCは15.7日)、キャンセルワラント率は0.8%。売買高は1,008枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。C-3は137?コンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。
昨日の錫価格は下落した。前日比マイナスで寄り付いた後、シンガポール・マレーシア・韓国でで在庫が大幅に増加したこと(2営業日連続)と、株価の下落、ドル高の進行といった周辺材料が重なり、大幅な下落となった。インドネシアや中国の生産輸出状況が徐々に改善し始めている可能性が出てきたことから、今後はまず、中国の輸出入統計に注目する必要があろう。とはいえLME在庫の水準は低く、需給はタイトであり今後も下値は堅いと見ておいたほうがよい。LME在庫は+225Mt増加、(FSCは3.7日)、キャンセルワラント率は3.14%。売買高は665枚。イールドカーブは手前の需給緩和で期近の下落幅が大きく、ベアフラットニングしている。C-3は90?バックとバック幅を縮小した。
(エネルギー)
昨日のNY原油は結果的に下落した。価格水準株の低さから安値拾いの買いが入り原油価格は上昇していたが、夜間に発表された米在庫統計で原油在庫が予想を上回る増加となったことから下落に転じた。また、NY株が経済統計の悪化を受けて大幅に下落したことを受けてセンチメントが悪化、引けに掛けて下げ幅を拡大することとなった。経済環境の悪化にもかかわらず進行したドル高も地合いを悪化させたようである。イールドカーブは期近が下落、期先が上昇しコンタンゴがさらにディープになってきている。直近限月の騰落率はWTIは▲1.5%、Brentは▲0.9%。
石油製品も下落。RBOBも株の下落、原油の下落が地合いを悪化させた。米在庫統計で市場予想を若干上回る在庫増加となったことも下げ材料となった。イールドカーブは期近を中心に低下している。今のところ10日移動平均線が上値として強く意識されており、下値はキリの良い100セントがサポートとして意識される展開。直近限月の騰落率は▲2.8%。ヒーティングオイルは統計発表を控えてジリ高の展開となり、その後の統計発表を受けた原油の下落の影響で水準を切り下げた。しかし在庫統計では予想を上回る在庫の減少が確認されたことから下げ幅は限定され、結局前日比プラスで引けている。イールドカーブは期先の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+0.1%。ICEガスオイルは下落。イールドカーブは期先の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率は▲2.1%。
(ひとりごと)
今朝はとっても機嫌が悪い。
仕事の都合で早く出社して、レポートを早く書き上げなければならなかったのに
とある情報端末のアップグレードが強制的に行われて
もう40分もインストールを勝手にやってる
しかも、エクセルを閉じろ、とか
コンピューターを再起動しろ、とか
全く勝手だ
と、怒ったところでインストールが早くなるでもなく。
仕方なく待つしかない。
いつもよりも1時間半も早く出社したのに...
と、ぐちぐち書いていたらインストールが終った。
結局まるまる1時間。
昨日、あんまり寝てないのに。
ああああああああああ、ストレス。
さて。
そろそろ忘年会のシーズンですよ。
今日から急に寒くなったので、そろそろ鍋の季節ですよ。
不思議なもので、「年末に食べる鍋」と「新年に食べる鍋」だと、全然趣が違う。
個人的には年末に食べる食べ物の方が、何でか知らないけど美味しく感じる
なんていうんですかね。
土曜日と日曜日だったら、土曜日の方が好き
みたいな。
そうなのです。
人は(私は?)この先まだ何かある、と思える状態で楽しむ方が好きなのです。きっと。
なので、年末は盛り上がるのですよ。
あ、そういえばウチのカミさん、街を歩いている酔っ払いを見るのが好きだったな...
今日は朝から期限が悪いので、飲んで帰るか。