本当は大人?

(商品市況概況)
「著しいセンチメントの悪化」
 昨日のコモディティ価格は軒並み下落している。北米の自動車産業の業績の先行きに不透明感が高まる中、各国株価の下落が持続しており市場参加者のセンチメントが著しくベア転しているためである。このコラムで採り上げている価格パフォーマンス(年初からどれだけ価格が上昇したか)で、パフォーマンスがプラスなのはとうとう米国債だけとなってしまった。世の中に最も回避したかった「デフレのリスク」が高まっていることの証左であろう。このコメンタリーで「ダウンサイドへのセンシティビティが低下してきている」と説明したが、個々まで株価の調整が進とやはりこの限りではない。
 
 現在の市場は以前の「価格が上がりすぎている」時の全く逆の状態となっており「価格が下がりすぎている状況」である。このまま価格低迷が継続すれば市場規模の縮小と相俟って不況が長引くことが予想される。次に考えねばならないのは価格の著しい下落によって生産者が大幅に生産を絞り、景気が悪化する中で現物を調達できなくなるリスクであろう。

(経済関連ニュース)
新日本石油、日鉱HDと統合。
・Q308豪GDP 前期比+0.1%(前期改定+0.4%)、市場予想+0.2%。
・10月ユーロ圏小売高指数 前年比▲2.1%(前月改定▲1.4%(速報比+0.2%))、市場予想▲1.5%。
・米MBA住宅ローン新生指数 前週比+112%の857.7、借換指数 前週比+203%の3,8028、購入指数 前週比+38%の361.1。FRBMBS買い入れ政策発表でローン金利が急低下したため。
・11月米ADP民間雇用者数 ▲250千人(前月改定▲17.9千人(速報比▲2.2千人))、市場予想205千人。
・Q308米非農業部門労働生産性確定値 前期比年率+1.3%(速報比+0.2%)、市場予想+0.9%。
・Q308米非農業部門労働単位労働コスト指数 前期比年率+2.8%(速報比▲0.8%)、市場予想+3.6%。
・11月非農業部門総合景況指数 37.3(前月44.4)、市場予想42。
・英中銀 政策金利を1%引き下げ2%に。ECBも政策金利を0.75%引き下げ、2.50%に。
・ECBトリシェ総裁「世界とユーロ圏の需要は長期にわたって低迷する見込み。2009年はマイナス成長に」
・米週間新規失業保険申請者数 前週比▲21千人(前週改定530千人(速報比+1千人))、市場予想540千人。
・10月米製造業受注 前月比▲5.1%(前月改定▲3.1%(速報比▲0.6%))、市場予想▲4.5%。
FRBバーナンキ議長「米政府は住宅差し押さえの回避に努力をすべきだ。住宅ローンの買い上げや借り上げ奨励策を強化したほうがよい」

・ドルは対ユーロで下落。欧州中央銀行が利下げを行ったものの、米国の更なる金利引下げの可能性が高まっていることや米国経済の更なる落ち込みを懸念してユーロが強含んだ。ドルは対円では小幅下落。
日本株は下落。米自動車メーカーの再建問題解決に時間がかかる中、関連業種や輸出関連株が売られた。米国株は下落。米GMの格下げ等が嫌気された。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は続落。株の調整が継続sh手いる上、週間輸出成約高が前週比大幅なマイナス(先週から半分に)となったことが域内需給を緩和させるとの見方が強まったため。但しキリのよい800セントのレベルを割り込むことはなかった。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。
・トウモロコシ価格も下落。同様にUSDA発表の輸出統計での輸出量減少や、株価の調整といったマイナス材料を受けて水準を切り下げる動きとなった。目先3?の節目を目指して水準を切り下げる動きが続いている。イールドカーブは略パラレルに低下。
・小麦価格は大幅に下落した。USDA発表の貿易統計で輸出量が半分に減少したことや景気悪化に伴う株価の低迷で、冴えない動きとなった。イールドカーブは略パラレルに大幅に低下。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は小幅下落。デフレ圧力の高まりを受けて、金価格は下落することとなった。
 今後については、1990年台以降、最も急速な速度で進行するドル高が金価格の下押し材料になることが予想される。欧州景気も悪化し、同時にドル需給の経常的な逼迫がドル高をもたらしているためだ。ドル/ユーロ相場と金価格の一次回帰分析の結果、現在の価格はドル安に転じない限りは概ね140?程理論値から高い状態である。よってこのままのドル/ユーロ水準が続くのならば金価格は600?〜620?まで下落する必要がある。同時にETFの残高も減少しており、相場の下押し材料となると予想される。当面はリスク資産からの撤退の動きを受けて下値を探る動きが続くことになろう。
 NY銀も下落。デフレ圧力が強まる中、株価も下落したことから銀も調整を余儀なくされた。"
 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが115,014(前週比 +3,951)、ショートが33,142(前週比 ▲13,092)となったことから、ネットで81,872(前週比 +17,043)となった。銀はロングが24,915(前週比 +3,951)、ショートが10,756(前週比 ▲13,092)となったことから、ネットで14,484(前週比 ▲8,653)となった。

・NYプラチナは下落。北米自動車産業を中心に景気の減速懸念が強まる中、触媒需要の減少観測が強まり小幅調整した。
 急速に進行するドル高と経済状況の悪化を受けて、プラチナ価格は大幅に調整してきた。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考えているものの、現在の水準は売られすぎであると考えられる。プラチナ生産の70%を占める南アの電力問題は4-5年解決の目処が立っていない。一方でアジアを中心とした自動車需要は比較的堅調に推移すると見られ、環境面から米国もプラチナの消費を増やさねばならない(AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。)。こうした環境下、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えており、供給不足が地上在庫で相殺されると期待されるものの信用不安が高まる中供給途絶のリスクは高いと考えておくべきだろう。但しこのシナリオのリスクは自動車需要が予想を上回ってさらに悪化した場合であるが、政策の遅れなども手伝いその可能性が出てきた。
 NYパラジウムも小幅下落。今後パラジウムの価格はジリ高の展開になると考える。環境規制の高まりから引き続きプラチナ・パラジウム需要が高まりな需給の改善観測が根強いためだ。しかしその上の雲は極めて厚く250?を上回っての上昇は考えにくい。また、チューリッヒ、ロシア、その他の地区の地上在庫が各々8百万オンス、10百万オンス、2百万オンス程度あると見られることや、ドルが上昇サイクルに入っていることが価格の上昇を抑えることになろうか。

・Vale、1,300人を解雇、5,500人が有給休暇。
・Vale,カナダの複数の口座でのオペレーションを停止。需要の減少で。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油▲0.5MB(市場予想+0.9MB)、ガソリン▲1.5MB(+1.5MB)、ディスティレート▲1.7MB(+1.0MB)、稼働率▲1.8%
・Shell Pernis製油所で火災。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。ECBトリシェ総裁の景気後退発言を受けてセンチメントが悪化、欧州中銀の利下げは織り込み済みの中、需要減少観測を背景として水準を切り下げる動きとなった。ファンダメンタルズにも徐々に変化が見られている。先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはないものの、足許の中国の需要が鈍化し始めている可能性が高まってきている。中期的には中国政府の経済対策の影響で価格は上昇すると考えるが、主要企業の決算期である12月を越えるまでは厳しかろう。LME在庫は+200Mt増加、(FSCは5.8日)、(キャンセルワラント率は1.4%)。売買高は9,900枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近を中心に低下し、ベアスティープニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は22?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は上昇した。アジア周りで在庫が急増したものの、ドル安の進行やコスト割れ生産者の生産抑制の動きを受けて安値拾いの買いも入り水準を小幅切り上げる動きとなった。生産者がコストわれの状態になっていると考えられることから下値も限られ、しばらくは現状レベルでのもみ合いとなろう。LME在庫は+3,150Mt増加、FSCは6.3日(キャンセルワラント率は1.3%)。売買高は3,407枚。イールドカーブは期先の上げ幅大きく、ブルスティープニング。C-3は2?バックとバック幅を縮小した。
 昨日の鉛価格は上昇した。前日の大幅下落によって1,000?ラインを割り込んでいたことから、一旦買い戻しが入った格好。景気が悪化したものの、電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要は旺盛であると見られ、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズは強相対的に強い。しかしながら、足許、中国が課してきた精錬鉛の輸出関税が撤廃されるのではとの憶測記事が市場参加者を疑心暗鬼にさせており、じりじりと値を下げる動きとなっている。LME在庫は▲175Mt減少、(FSCは1.8日、キャンセルワラント率は2.7%。)。売買高は1,413枚。イールドカーブは略パラレルに上昇。C-3は14?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のアルミ価格は下落した。原油価格の調整が持続していることや、株価の大幅下落、北米自動車産業の落ち込みといったマイナス材料が重なり、力なく水準を切り下げる動きとなり、とうとう1,600?を割り込むこととなった。今後は金融クライシスが一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。ただし、コストベースで見た場合、限界レベル(1,750?程度)まで価格が下がっていると見られることから買い戻しが入り易い地合いであるのも事実だろう。ただ、中国がアルミ製品の輸出税を引き下げる見通しであることが、域内需給の緩和要因になることは要注意である。LME在庫は+19,500Mt増加、(FSCは16.9日)。(キャンセルワラント率は0.8%)。売買高は7,328枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。C-3は45?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のニッケル価格は上昇した。株の下落や金融当局の先行き経済へのネガティブな発言を受けてセンチメントは悪く、ニッケル価格はジリ下がりの展開となっていたが、Valeの生産調整や昨日は10月24日の安値である8,850?を意識した買い戻しが入り小幅高となった。LME在庫は+810Mt増加、(FSCは16.7日)、キャンセルワラント率は2.2%。売買高は1,068枚。イールドカーブは期近を中心に上昇している。C-3は120?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の錫価格は上昇した。個別の新規材料に乏しい中、LME在庫の減少やドル安の進行もあって買い戻しが入った。インドネシアや中国の生産輸出状況が徐々に改善し始めているようであり、アジア域内の錫在庫は増加傾向にある。とはいえLME在庫の水準は低く、需給はタイトであり今後も下値は堅いと見ておいたほうがよい。イールドカーブバックワーデーションの状態であることを見るに不況下においても需給が逼迫していることが伺える。LME在庫は▲10Mt減少、(FSCは4.5日)、キャンセルワラント率は7.63%。売買高は191枚。イールドカーブは略パラレルに上昇している。C-3は148?バックとバック幅を縮小した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は続落。景気悪化懸念でドル安が進行したものの、米自動車産業の業績悪化懸念を受けて株価が大幅に調整、デフレ圧力が強まる中、原油価格も調整を余儀なくされた。株価の調整が続く中、市場参加者のセンチメントもベアに傾いており、大幅な下落が続いている。しかしながら先々の供給懸念(上流部門への投資不足に伴う景気回復時の需給逼迫懸念)を受けて期先は引き続き高止まりが続いており、極端なコンタンゴが持続している。直近限月の騰落率はWTIは▲7.7%、Brentは▲8.1%。
 石油製品も下落。RBOBも下落したが、100?の節目を大きく割り込むには至っていない。クラックスプレッドがネガティブな状態が持続しており、原油対比で更なる下落余地は限定的との見方は根強い。イールドカーブは期近を中心に低下している。直近限月の騰落率は▲8.0%。ヒーティングオイルも下落。こちらも株価の大幅調整といったマイナス材料を受けて軟調な推移が続いている。週半ばの統計でFSCが過去5年前場は上昇し、後場原油下落に連れる形で水準を切り下げた。足許、FSCが5年平均を大きく上回るレベルで推移していることからファンダメンタルズも弱い。イールドカーブは期近が下落し、ベアスティープニング。直近限月の騰落率は▲5.2%。ICEガスオイルは直近限月のみ上昇。直近限月の騰落率は+0.7%。

(ひとりごと)
だんだん下火になってきましたが
総理大臣、漢字が読めない、といって叩かれてましたね。
それに対して電車のつり広告に「マンガばっかり読んでるからだッ!!」っていう記事が出てたんですが
でも、最近のマンガ、特に大人の読むようなマンガって、振り仮名振ってないですよね
なので、漢字が読めないのと
マンガばっかり読んでいるのは、余り相関性がないんじゃないかと思うわけです。

かく言う私もマンガが大好きで
1年間に多分、200〜300冊は読んでると思うんですよね。
週刊誌を含めれば多分500冊は読んでると思う。
それぐらい読めばマンガであっても
十分にいろいろな知識を得ることができると思うんですよね

で。

更なる知識を得るために(?)、家でマンガを読んでいると、子供が私のところにやってきて、こういう

「パパ、マンガ、しまっとこう」

さすがにそこで意地になって読み続けるほど子供ではないので
素直に指示に従って本棚にマンガを戻すと

「パパ、マンガ、読みたいねぇ」

とにやりと笑って言われてしまう。
こいつ、本当に1歳9ヶ月児なのだろうか。