四次元ポケット

(商品市況概況)
「数々の景気刺激策に疑問符」
 昨日のコモディティ価格は上昇した後、下落した。各国の経済対策への期待や、原油に関してはOPECの減産による価格下支え効果が期待され、アジア〜NY時間にかけて商品価格は軒並み上昇ないしは堅調な推移が続いていたものの、米中の鉱工業生産の悪化が実体経済の悪化が予想以上に大きいと市場に捉えられたため、引けに掛けては水準を切り下げる動きとなった。政策、当局による価格維持策の効果に疑問符を付ける市場参加者が増えている(というよりも、市場参加者も経済統計と経済対策の狭間に揺れ、決めかねている)状態である。だが、総じて景気に対して悲観的な市場参加者の方が多いようである。経済対策は予定されていた公共投資の前倒しの色彩が強く、持続的な価格下支え材料になるかどうかは判断が付きかねるためだ。

 注目のOPECの減産は恐らく2MBDで決まることになろう。どちらかといえば、今回は余剰生産分を削減し中長期的な価格の維持の布石を打つ、という意味合いが強いものと考えている。原油の減産は恐らく来年の第三四半期まで続き、価格が再び本格的に上昇するのは再来年の下期からになると考えている。


(経済関連ニュース)
・11月中国鉱工業生産 前年比+5.4%(前月改定+8.2%)。
・12月NY連銀製造業景況指数 ▲25.8(前月改定▲25.4)、市場予想▲28。
・10月対米証券投資 15億ドルの買い越し(前月改定654億ドルの買い越し)。
・11月米鉱工業生産指数 前月比▲0.6%(前月改定+1.5%(速報比+0.2%))、市場予想▲0.8%。
・12月米ホームビルダー協会指数 9(前月改定9)、市場予想10。

・ドルは対ユーロで下落。FOMCでの利下げ観測が台頭したことにより、ドルが売られることとなった。ドルは対円でも下落し、90円台まで水準を切り下げている。
日本株は急反発。米政府の自動車会社救済策と、米ぺロシ下院議長のIT中心の経済対策実施表明報道を受けて、米上院が自動車会社救済策を否決したことから自動車関連株に売りが殺到、円高の極端な進行の影響も手伝い、輸出関連株が売られたことから大幅な下落となった。米国株は下落。米鉱工業生産の悪化を受けて、再びセンチメントが悪化、幅広い業種に売りが入った。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は上昇。米鉱工業生産の悪化を受けた先々のFOMCによる追加利下げ観測を受けて、ドル安が進行したことから金が買われた。先々の景気不安を背景に、100日移動平均線を突破した後、安全資産としての金の需要は高まっているものと見られる。
 今後については、ドル/ユーロ相場と金価格の一次回帰分析の結果、現在の価格はドル安に転じない限りは概ね120ドル程理論値から高い状態であることから、600ドル〜620ドルまで下落する可能性があると考えている。その一方で安全資産としての金の需要は堅調であることから、下値も限られると考えている。
 NY銀も大幅に上昇。ドル安の進行を受けて金が上昇したため、銀も買いが進んだ。50日移動平均線を上回ってから比較的堅調な推移が続いており、目先一目均衡表の雲の上限を試す動きとなっている。但し株価が不安定なことから上げ幅は限られることになると考えている。

・NYプラチナは上昇した。ドル安の進行を受けて買い戻しが優勢となった。しかしながら足許、800ドルと50日移動平均線の間の狭いレンジでのもみ合いが続いており、ドル安が進行する一方で株価が不安定なこともあって、比較的狭いレンジでの推移が続いている。
 急速な実体経済の悪化を受けて、プラチナ価格は大幅な調整後、冴えない展開が続いている。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考えているものの、現在の水準は売られすぎであると考えられる。プラチナ生産の70%を占める南アの電力問題は4-5年解決の目処が立っていない。一方でアジアを中心とした自動車需要は比較的堅調に推移すると見られ、環境面から米国もプラチナの消費を増やさねばならない(AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。)。こうした環境下、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えており、供給不足が地上在庫で相殺されると期待されるものの信用不安が高まる中供給途絶のリスクは高いと考えておくべきだろう。但しこのシナリオのリスクは自動車需要が予想を上回ってさらに悪化した場合であるが、政府の救済策が合意に至らない等、混迷の度合いを強めておりこのリスクシナリオの蓋然性が高まってきた。
 NYパラジウムも上昇。ドル安の進行を受けて買いが入った。今後パラジウムの価格は低位安定すると考える。環境規制の高まりから引き続きプラチナ・パラジウム需要が高まり需給の改善が期待されるものの、予想を上回る経済状態の悪化が需給を緩和させる可能性が出てきているためである。また、チューリッヒ、ロシア、その他の地区の地上在庫が各々8百万オンス、10百万オンス、2百万オンス程度あると見られることや、自動車会社の救済策が迷走していることが上値を重くしよう。

・コデルコCEO「2009年、銅相場は押し下げられ、需要は停滞する」
・Tech Cominco 不採算となっているPend Oreille鉱山の稼動を停止。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計市場予想 原油▲1.0MB、ガソリン+1.3MB、ディスティレート+1.5MB、稼働率±0.0%
・Luke Oil アレクペロフCEO「OPECが今週、価格下落に歯止めを掛けるため、300KBDの協調減産を依頼してくる可能性がある」
OPECヘリル議長「OPEC加盟国の全てが減産を支持」

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。米政府による自動車業界の救済策発動期待と、来年の経済対策期待で高寄りして始まったが、10日移動平均線レジスタンスを上抜けできなかった上、中国の鉱工業生産や、夜間に発表された米鉱工業生産の悪化、LME在庫の増加等が地合いを悪化させ、水準を切り下げる動きとなった。足許、3,000ドルを下値に、10日移動平均線を上値に、狭いレンジでのもみ合いが続いている。ファンダメンタルズは少なくとも短期的には大幅に悪化している。先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはないものの、足許の中国の需要が鈍化し始めている可能性が高まってきているためだ。中期的には中国政府の経済対策や米政府の景気対策の影響で価格は上昇すると考えるが、主要企業の決算期である12月を越えるまでは厳しかろう。LME在庫は+8,000Mt増加、(FSCは6.2日)、(キャンセルワラント率は1.6%)。売買高は5,548枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近が下落、期先が上昇しツイストする形でスティープニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は39ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の亜鉛価格は上昇した。米政府議会の自動車救済、経済対策期待で高寄りして始まったものの、中国の鉱工業生産の悪化や米鉱工業生産の悪化を受けて引けに掛けて水準を切り下げた。しかし、繰り返しコメントしている通り足許、生産者がコスト割れの状態になっていると考えられることから下値も限られる状態が継続しており、一部生産者の稼動停止の報道もあって、結局前日比プラスで引けている。LME在庫は+3,600Mt増加、FSCは7.1日(キャンセルワラント率は1.0%)。売買高は2,322枚。イールドカーブはパラレルに上昇。C-3は20ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は上昇した。米政府・議会の自動車救済策、経済対策期待で上昇して始まり、その後の米中の鉱工業生産悪化等が地合いを悪化させ、上げ幅を削る展開となった。結果、10日移動平均線を固める展開となった。景気が悪化したものの、電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要は旺盛であり、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズは強相対的に強い。しかしながら、足許、中国が課してきた精錬鉛の輸出関税が撤廃されるのではとの憶測記事が市場参加者を疑心暗鬼にさせており総じて不冴えなそう場展開となっている。LME在庫は+125Mt増加、(FSCは1.9日、キャンセルワラント率は3.5%。)。売買高は634枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きく、ベアフラットニングしている。C-3は8ドルコンタンゴと前日と変わらず。
 昨日のアルミ価格は下落した。米政府・議会による経済対策期待で高寄りして始まったが、米中鉱工業生産の悪化といったマイナス材料を受けて水準を切り下げる動きとなった。NY時間後場原油価格が50ドルから急落したことも地合いを悪化させたようだ。今後は金融クライシスが一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。ただし、コストベースで見た場合、限界レベル(1,750ドル程度)を大きく下回って価格が下落していることから下げ余地は限られるとか予想する。ただ、中国がアルミ製品の輸出税を引き下げる見通しであることが域内需給の緩和要因になること、12月の欧米企業決算を超えるまでは企業の資金繰り負担が重く、新たな買いが入りにくい環境にあることからしばらくは冴えない展開が続こう。LME在庫は+13,575Mt増加、(FSCは17.6日)。(キャンセルワラント率は0.7%)。売買高は8,855枚。イールドカーブは期近が下落、期先が上昇している。C-3は41ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は大幅に下落した。前日引けレベルで寄り付いた後、米中鉱工業生産の悪化を受けて地合いが悪化、LME在庫の大幅増加もあって、10,000ドルの心理的サポートラインをトライする動きとなった。足許、コスト割れ生産者の生産調整が下値余地を限らせる一方、実態経済の悪化に伴う需要の低迷で上値も限られている。LME在庫は+714Mt増加、(FSCは18.0日)、キャンセルワラント率は1.3%。売買高は551枚。イールドカーブは略パラレルに低下している。C-3は123ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は下落した。特段の個別材料のない中、米中の鉱工業生産の悪化に伴う相場の下落を受けて錫も冴えない展開となった。インドネシアや中国の生産輸出状況が徐々に改善し始めているようであり、アジア域内の錫在庫は増加傾向にある。とはいえLME在庫の水準は低く、需給はタイトであり今後も下値は堅いと考えている。イールドカーブバックワーデーションの状態であることを見るに不況下においても需給が逼迫していることが伺える。LME在庫は▲10Mt減少、(FSCは4.6日)、キャンセルワラント率は8.5%。売買高は139枚。イールドカーブは略パラレルに低下している。C-3は260ドルバックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は下落した。取引序盤はOPECの減産を織り込む形で大幅に上昇したものの、OPECの減産幅が大きすぎると価格の急騰による需要の減少を引き起こす可能性があることが意識されたこと、そもそも需要に影響を与えない程度の削減であれば(恐らく市場コンセンサスである2MBDでは効果薄)、価格の下支え効果は余り期待できないと考えられたことから、株価の下落も手伝って、NY時間に水準を切り下げる動きとなった。辛うじて10日移動平均線は維持して引けている。OPECの減産は恐らく来年の第三四半期まで続くと見られ、減産の効果で価格が安定するのは再来年からになる可能性が高いと考えている。WTIイールドカーブは期近・期先の下げ幅が大きい。Brentも同様。直近限月の騰落率はWTIは▲4.1%、Brentは▲4.2%。
 石油製品も下落。RBOBもOPECの減産期待を受けて原油が上昇したため、一時30日移動平均線をトライする動きとなったのだが、NY時間の後場にかけて原油が下落したことから、10日移動平均線まで水準を切り下げて引けた。イールドカーブは略パラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲4.1%。ヒーティングオイルもNY時間前場にかけて上昇し、10日移動平均線を一時大きく上回ったのだが、後場にかけて売られ結局10日移動平均線を下回っている。先週の米在庫統計でFSC水準が過去5年の最高水準に張り付いていることから、ピークシーズンを控えているにも関わらず価格の抑制要因となり、10日移動平均線レジスタンスラインが強く意識されているようだ。イールドカーブは期先の下げ幅が大きいが略パラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲2.3%。ICEガスオイルは上昇。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+3.6%。

(ひとりごと)
我が家にはどうも、四次元空間への入り口があるようだ。

この前の雑感で「コントローラーがなくなった」
と書いたが

我が子が大切にしていた、ミキサー車タンクローリーのミニカーと
パスタの分量を量るためのメジャーと
その他諸々

つい1ヶ月ぐらい前まで存在していたものが、ことごとく見当たらない。
泥棒か?とも思ったが
コントローラーや、パスタメジャー、タンクローリーミキサー車を盗む泥棒も入るまい

子どもに聞くと「知らないねぇ、どこに行ったのかねぇ」との回答
父として、子どもが言っていることは信用してやりたいので、100%信じるのだが

それでも、ねぇ。
どこにいったんでしょうか。
タンスの裏とか、冷蔵庫の裏とか、探してみたんですけどねぇ...


この雑感呼んでいる人で「探し物、こんなところから出てきた」という情報があったら、教えてください。