謎の店-その2

(商品市況概況)
「カギ握る雇用統計の行方は」
 昨日のコモディティ価格はまちまちであった。ここ数日大きく上昇していた非鉄金属は、夜間のドル高進行等も手伝って一旦下値を固める動きとなった。発表される経済統計が、市場予想を上回る悪化を示すものが減ってきていること、そもそもコストを大きく下回る水準まで現物価格が下落していることが買いを誘ってきた。どちらかといえば価格の行き過ぎた下落が修正される形の上昇であり、需要拡大に伴う上昇でないことは指摘しておきたい。同様のロジックでエネルギー価格は上昇。米石油製品需要が少しずつではあるが持ち直していることも好感されているようだ。こちらも基本は価格下落は行きすぎ、との判断が働いているものと見られる。
 その一方で、「安全資産」として貴金属の需要が高まっており、金・銀とも100日移動平均線等の主要な移動平均線を上回る水準での取引が継続しており、チャートを見る限りではしばらく高値で推移する可能性が高いといえる。
 と、上記のように「そろそろ底打ち」感の強まってきたコモディティ市場ではあるが、これが本当に継続するか否かは今晩の雇用統計次第であろう。今晩の米雇用統計は市場予想前月比▲540千人、失業率7.5%程度が予想されている。

(経済関連ニュース)
・12月独製造業受注 前月比▲6.9%(前月改定▲5.3%(速報比+0.7%))、市場予想▲2.5%。
・英中銀、政策金利のレポ金利を0.5%引き下げ、1.0%に。
・米週間新規失業保険申請者数 前週比+35千人の626千人(前週改定591千人(速報比+3千人))、市場予想580千人。
・Q408米非農業部門労働生産性速報 前期比年率+3.2%(前月改定+1.5%)、市場予想+1.5%。単位労働コスト指数 前期比年率+1.8%(前期+2.6%)、市場予想+2.9%。
人員削減に伴って労働生産性が向上。コストは低下。
・12月米製造業受注 前月比▲3.9%(前月改定▲6.5%(速報比▲1.9%))、市場予想▲3.1%。
・ECBトリシェ総裁 3月に0.5%の利下げを実施し、政策金利を1.5%にする可能性を示唆。ゼロ金利は否定。

・ユーロは対ドルでもみ合った。ECBトリシェ総裁が3月の利下げを示唆したことからドルが買われたが、ゼロ金利政策に関しては否定したことから見方が交錯したようだ。円は対ドルで大幅に下落。米国株が反発したこともあって円が売られた。
日本株は反落。米国株の下落を受けて。引き続き外需依存度の高さから特に海外市場の影響を受け易い状況が続いている。米国株は反発。米GSやMSが経営の制限を回避するために公的資金を早期に返済するとの見方や、マスターカードの決算が市場予想を上回ったことが好感された。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は続伸。10日移動平均線のサポート堅く、安全資産としての金選好の流れに大きな変化はなくETF等を通じて資金が流入堅調な推移が続いている。現在のドル・ユーロの関係から見れば現状の水準はドルが大幅に下落しない限り正当化できる水準ではないが、ETFを通じて流入する資金がこれを正当化しているものと見られる。銀も大幅に上昇。金に連れる形でこちらも10日移動平均線でサポートされながら堅調な推移が続いている。貴金属セクターは安全資産としてETFを通じて資金が流入する動きが活発なようだ。

・NYプラチナ価格も上昇。こちらも金や銀と同じく10日移動平均線でサポートされながらジリ高の展開となっている。パラジウムも10日移動平均線でサポートされながらジリ高の展開となり、100日移動平均線を明確に上抜け、一目均衡表も上抜けしており、上昇余地が拡大する動きとなっている。

(エネルギー関連ニュース)
・特になし。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。中国正月明けの中国勢の買い等で上昇していたが、ドル高の進行もあって下値を固める動きとなった。経済統計の著しい悪化に歯止めが掛かりつつあることから、大幅な下落になりにくくなっている感を受ける。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはないものの、企業や生産者の在庫調整圧力を受けてLME在庫が増加、短期的な需給がルーズになってきていることや中国政府や米国の経済対策が実体経済に影響を及ぼし始めるのは春先以降になると見られることから急速に上昇することは考えにくいが、チャート的には4,000ドルを見てもおかしくない環境になっている。LME在庫は+2,650Mt増加、(FSCは10.1日)、(キャンセルワラント率は1.6%)。売買高は7,534枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニング。C-3(Cash vs 3M Fwd)は33ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は下落した。取引序盤は30日移動平均線でかつ節目となる1,200ドルをトライする動きとなったが、ドル高の進行や銅の下落もあって、水準を切り下げた。チャート的には一目均衡表の雲の薄い部分を上抜けせんとしており、100日移動平均線近辺をトライしてもおかしくない環境(1,280ドル)である。ではこれからどんどん上昇するか、と問われればそういった感じもないのだが、徐々に下げ余地がなくなってきているとの印象である。LME在庫は+2,350Mt増加、FSCは11.2日(キャンセルワラント率は2.5%)。売買高は3,490枚。イールドカーブはパラレルに低下している。C-3は23ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は下落した。夜間のECBが利下げ実施に関してコメントしたことに伴うドル高の進行を受けて、水準を切り下げた。但し、水準を切り下げたというよりも下値を固める動きになっている、という印象ではある。電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要はシーズン中でもあって旺盛であり、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズは相対的に強く堅調な推移となっている。LME在庫は+900Mt増加、(FSCは2.3日、キャンセルワラント率は1.9%。)。売買高は1,203枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニングしている。C-3は9ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は下落した。前日までの流れを受けて30日移動平均線レジスタンスライン(1,460ドル)をトライする動きとなったが、欧州時間以降のドル高の進行や、再びLME在庫が増加に転じたことから引けにかけては水準を切り下げた。しかしNY時間に米株が堅調に推移したこともあって下げ幅は限定された。コストベースを大きく下回って取引されているアルミには割安感があることからそろそろと打診買いが入り始めているようだ。今後は実態経済の悪化を受けて低い水準での推移が続くと考えられるものの、コストベースで見た場合、限界レベル(1,750ドル程度)を大きく下回って価格が下落している状態が長く続くとは考えにくく、企業の在庫整理も進捗していると予想されることからそろそろ底入れするのではなかろうか。LME在庫は+22,550Mt増加、(FSCは26.6日)。(キャンセルワラント率は0.6%)。売買高は12,657枚。イールドカーブは期近が下落、期先が上昇している。C-3は34ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のニッケル価格は下落した。目立った新規材料はなかったが、100日移動平均線をトライした後、この水準を上抜けできないことを確認後に下落、30日移動平均線でサポートされて引けた。LME在庫は+78Mt増加、(FSCは23.1日)、キャンセルワラント率は0.3%。売買高は647枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きいようだ。C-3は64ドルコンタンゴと前日と変わらず。
 昨日の錫価格は下落した。50日移動平均線レジスタンスを上回れなかったことから、ドル高の進行、LME在庫の増加といったマイナス材料を受けて下落した。但しキャンセルワラント率が上昇していることから、下げ幅は限定されている。インドネシアや中国の生産輸出が増加しているものの需給がルーズになっている感じもない。イールドカーブバックワーデーションの状態が続いていることが、需給が逼迫していることを示しているが、アジア周りの在庫が増加を続けており以前程の力強さは感じられない。LME在庫は+70Mt増加、(FSCは8.8日)、キャンセルワラント率は8.07%。売買高は130枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアフラットニングしている。C-3は55ドルバックと前日と変わらず。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は上昇した。取引序盤は再び40ドルの下値をトライする動きとなったが、やはりこの水準は堅く下回りきることができなかった。その後米国株が金融機関の公的資金返済報道等で上昇したことを切っ掛けに反発、再び50日移動平均線レジスタンスをトライした。一時期の著しい下押し圧力が緩和され、下値を固める動きになりつつあるようだ。イールドカーブは略パラレルに上昇。直近限月の騰落率は+2.0%。Brentは大幅に上昇。米株上昇や下値が堅いこと、OPECの減産の影響が徐々に出始めていると見られることから期近を中心に大幅に上昇した(現在のWTIの直近限月価格を原油の指標とすると、ミスリーディングになる可能性が高いため、Brentを指標としてチェックすることを推奨したい)。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニング。直近限月の騰落率は+4.7%。Brent/WTIのネガティブスプレッドは拡大。
 石油製品は堅調に推移。RBOBも上昇。10日移動平均線を上回って寄り付いた後、原油価格の上昇もあて上値をトライする動きとなった。一目均衡表の雲を上抜けするのは時間の問題で、その後は100日移動平均線を上抜けるか否かがポイントとなろう。但しガソリン在庫がFSCベースで非常に高い水準にまで増加している状態に変りはなく、売られすぎが修正される形で上昇していると考えるべきであろう。イールドカーブは期近の上げ幅が若干大きいようだ。直近限月の騰落率は+4.2%。ヒーティングオイルも上昇。原油等の上昇に連れる形となった。但し10日移動平均線が上値として意識される動きに変りはなく、頭重く推移した。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+2.9%。ICEガスオイル下落。イールドカーブはパラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲1.0%。

(ひとりごと)
昨日の怪しい店の話の続き。

この店の経営状態が非常に心配だ。
家に帰っても何故か心配になる。
正直、この店の価格システムには大きな問題があると思うのだが、一向に改まる気配がない。

例えば

いくら飲んでも、いくら食べても価格は一定なのだが
席に着くといきなりカレーが出てきたり、ホッケやサバの塩焼きが出てきたり、果てはラーメンが出てきて
挙句デザートまで出てくる
飲み物はありとあらゆる種類の店にある飲み物が飲み放題だ

ここからして大丈夫なのか?と思うのだがさらに

通えば通うほど料金がディスカウントされる

のである。


私、デリバティブの仕事をして長いのだが、デリバティブのレートを良くする方法として
数量のレバレッジと、価格のレバレッジを効かせる方法があるのだが
正直、これら2種類のレバレッジを同時に効かせるのは、リスクをキチンと把握している必要があるのだが
この店は全くリスクを把握しないまま、数量と価格のレバレッジを取っているのだ
このモデルは好景気の時には比較的有効に機能するのだが
景気が悪い時には余り有効に機能しない、というよりこの環境下、そんなレバレッジを飲食店が取る必要があるのだろうか

しかし、この店のママにそれを改めるべきであると問い正すと


「不況なので、サービスを落すとお客さんが来なくなるような気がするので、もう止められない」


らしい。
分かる。分かるよママ。
僕もそうだもの。

そう、やっと分かったのです。
ママの経営スタイルは、自分にだぶるところがあって、支援しなければ、と思ってしまうので
この店に通っているということが


嗚呼。皆にもこのお店を教えてあげたいのだが
たくさん客が来ると逆に経営が厳しくなるビジネスモデルなので
紹介はできない。