物忘れ

(商品市況概況)
「雇用統計で逆にアク抜けか」
 昨日のコモディティ価格は軒並み上昇した。注目の米雇用統計は市場予想を大きく下回る最悪の内容。しかしながら市場参加者は「雇用統計はどうせ悪いに決まっている」とある意味決め込んでいた感じがあり、むしろ悪すぎたことに伴う政策への期待感が高まり、株価が上昇、加えてドルが正しく下落したことからドル建資産であるコモディティ価格は上昇することとなった。足許、「中国の需要が回復しているのでは」との期待感からどの商品も堅調な推移が続いている。但し繰り返しになるが、そもそもコストを大きく下回る水準まで現物価格が下落しているため、価格の行き過ぎた下落が修正される形の上昇であると小職は考えており、この価格上昇が本格的な価格上昇となり、大幅に水準を切り上げていく、という相場展開は想定しにくい。しかしながら当面は「そろそろ底打ち」感が強まってきていることから、コモディティ価格は上昇していくことになると考えている。
 景気悪化の中で価格が大きく下落しているのだが、多少は価格が動かなければモノの動きも回復しないと考えられるため、こうした局面での価格上昇はある意味必要悪であるといっても良いかもしれない。

(経済関連ニュース)
・1月米雇用統計 非農業部門雇用者数 前月比▲598千人(前月改定577千人(速報比▲53千人))、市場予想▲540千人。
・1月米失業率 7.6%(前月改定7.2%)、市場予想7.5%。1992年以来の高水準に。
・12月米消費者信用残高 前月比▲66億ドルの5,600億ドル(前月改定▲110億ドル(速報比▲31億ドル))、市場予想▲35億ドル。
・米ガイトナー財務長官、2月9日に金融安定化計画を発表の予定。
・12月独鉱工業生産 前月比▲4.6%(前月改定▲3.7%(速報比▲0.6%))、市場予想▲2.5%。

・ユーロは対ドルで上昇。夜間に発表された米雇用統計が市場予想を大きく下回る悪い内容であったことから、素直に反応し、ドルが売られた。円は対ドルで大幅に下落。米雇用統計の著しい悪化はあったものの、あく抜け間と先々の景気対策期待を背景に株が上昇したことが材料視されたようだ。
日本株は上昇。米経済対策が進捗するとの期待感や、円安の進行が輸出関連企業にプラスに働くと見られたことが買いを誘った。米国株は続伸。1月の雇用統計が市場予想を大きく下回る悪い内容であったことことに伴うあく抜け感と、先々の経済対策への期待感が高まり、そもそもダウなどは8,000ドルを下回る水準であることもあって買いが先行した。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は大幅に上昇。輸出成約高、検証高ともに大豆にとってはプラスの材料ではなかったが、相場下落の影響で生産者の売りが鈍化しており、需給が結果的に逼迫していると見られることが上昇の原因。100日移動平均線のサポートラインが維持されていることも買い安心感を広げたようだ。インデックスファンドの買いも入っているようである。イールドカーブは期先を中心に上昇。
・トウモロコシ価格は大幅に上昇し、2営業日連続の上昇。週間輸出成約高が増加して上昇した昨日までの流れを受けて、水準を切り上げる動きとなっている。商品全体になんとなくであるが底打ち感が出てきたことや、大豆と同様に生産者の価格低迷に伴う売り渋り等で水準が高くなってきているようだ。イールドカーブはパラレルに上昇している。
・小麦価格は小幅安。前日、世界最大の生産国である中国の冬小麦に、乾燥気候の影響で生産被害が発生していると発表されたことを受けて上昇していたが、100日移動平均線レジスタンスを上抜けできなかったことから一旦売られた。中国の主要生産地の約5割に干ばつ被害が発生している模様。中国政府は干ばつ警戒水準を史上初となる最高レベルに引き上げた。イールドカーブは昨日は小幅低下。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は小幅上昇。安全資産としての金選好の流れに大きな変化はなくETF等を通じて資金が流入堅調な推移が続いていたが、昨晩の雇用統計発表後に米株が逆に上昇したことから、金の選好度合いに若干歯止めが掛かった。目先1月30日にマークした930ドルが意識されている。銀は大幅に上昇。金がドル安や安全資産の選好で上昇していたが、銀もこの流れを受けて上昇。工業品としての色彩が強い銀は、株の上昇を受けてさらに上げ足を強めた。目先200日移動平均線レジスタンスが意識されるまで水準が切り上がっている。

・NYプラチナ価格も上昇。こちらも銀と同じく株価の上昇やドル安の進行が材料になり、10日移動平均線を下値に堅調な推移となった。ドル/ユーロとの関係を見るに、略理論値と考えられる水準での推移となっている。パラジウムは大幅な上昇となった。株高を受けた工業品需要の回復期待(著しい落ち込みからの回復)と、理論値を下回っていること、チャート的に一目均衡表を上抜けしたことから買いが入った。昨日指摘したとおりである

・BHP Billiton, Ravensthrope Nickelプロジェクトの取扱に関して苦慮中。

(エネルギー関連ニュース)
・特になし。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は大幅に上昇した。夜間に発表された米雇用統計が市場予想を下回る悪い内容であったものの、逆に経済対策への期待感が高まり上昇した。ドル安の進行や株の上昇もセンチメントを好転させたと見られる。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはないものの、企業や生産者の在庫調整圧力を受けてLME在庫が増加、短期的な需給がルーズになってきていることや中国政府や米国の経済対策が実体経済に影響を及ぼし始めるのは春先以降になると見られることから急速に上昇することは考えにくいが、チャート的には4,000ドルを見てもおかしくない環境になっている。LME在庫は+2,025Mt増加、(FSCは10.1日)、(キャンセルワラント率は1.3%)。売買高は14,670枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は33ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の亜鉛価格は上昇した。取引序盤は夜間の米雇用統計を控えて前日引けレベルでの小動きとなっていたが、雇用統計が市場予想を大きく下回る内容であったことから逆に経済対策の実施が早まるとの期待感やドル安を進行、株の上昇を受けて結局上昇し、30日移動平均線でかつ節目となる1,200ドルをトライする動きとなった。チャート的には一目均衡表の雲の薄い部分を上抜けせんとしており、100日移動平均線近辺をトライしてもおかしくない環境(1,280ドル)である。ではこれからどんどん上昇するか、と問われればそういった感じもないのだが、徐々に下げ余地がなくなってきているとの印象である。LME在庫は+2,050Mt増加、FSCは11.2日(キャンセルワラント率は2.5%)。売買高は4,333枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルスティープニングしている。C-3は24ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は上昇した。夜間の雇用統計の悪化によって逆に株が上昇、ドル安が進行したことが材料となったようだ。結果、10日移動平均線を下値に堅調な推移となり、1,200ドルの心理的節目目前まで水準を切り上げる展開となっている。電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要はシーズン中でもあって旺盛であり、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズは相対的に強く堅調な推移となっている。LME在庫は+225Mt増加、(FSCは2.3日、キャンセルワラント率は1.9%。)。売買高は873枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きく、ブルスティープニングしている。C-3は11ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は上昇した。前日引けレベルで寄り付き、夜間の雇用統計を控えて小動きであったが、雇用統計発表後に株が上昇したことや、ドル安が進行したこと、原油価格も上昇したことから30日移動平均線レジスタンスをトライする動きとなった。コストベースを大きく下回って取引されているアルミには割安感があることから中国勢と見られる買いが増加しているようだ。今後は実態経済の悪化を受けて低い水準での推移が続くと考えられるものの、コストベースで見た場合、限界レベル(1,750ドル程度)を大きく下回って価格が下落している状態が長く続くとは考えにくく、企業の在庫整理も進捗していると予想されることからそろそろ底入れするのではなかろうか。LME在庫は+8,725Mt増加、(FSCは26.7日)。(キャンセルワラント率は0.5%)。売買高は10,091枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。C-3は34ドルコンタンゴと前日と変わらず。
 昨日のニッケル価格は小幅上昇した。目立った新規材料はなかったが、夜間の雇用統計を受けて株価が堅調に推移したことから100日移動平均線をトライする動きとなったが、こちらもLME倉庫への現物搬入の動きが続いていると見られ、LME在庫が急増していることから上値も重かった。LME在庫は+1,410Mt増加、(FSCは23.5日)、キャンセルワラント率は0.3%。売買高は894枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きい。C-3は63ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の錫価格は上昇した。夜間の雇用統計の悪化を受けて逆に経済対策への期待感から株価が上昇したことや、ドル安が進行したことを受けて、通貨と株価との連動性の高い錫は上値を試す動きとなた。しかしながら50日移動平均線レジスタンスは重く、この水準を上抜けることはできなかった。インドネシアや中国の生産輸出が増加しているものの需給がルーズになっている感じもない。イールドカーブバックワーデーションの状態が続いていることが、需給が逼迫していることを示しているが、アジア周りの在庫が増加を続けており以前程の力強さは感じられない。LME在庫は+45Mt増加、(FSCは8.8日)、キャンセルワラント率は9.52%。売買高は163枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルスティープニングしている。C-3は70ドルバックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は期近のみ大幅に下落し、期先は上昇した。夜間に発表された米雇用統計は市場予想を大きく下回る内容であったものの、「非常に」悪い内容が出ることは市場は折込済みであり、むしろ先々への景気対策への期待感と、ドル安の進行もあってむしろ上昇する展開となった。しかし、一目均衡表の雲の下限と50にch移動平均線レジスタンスが重なる43?のラインを上抜けするには当然材料不足であり、引けに掛けては水準を切り下げ、下値の目処として意識されている40?でサポートされて引けている。イールドカーブは期近のみ下落し、期先は上昇し、ツイストする形でスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲2.6%。Brentも小幅下落。相場展開はWTIと同じく、米雇用統計を受けて上昇した後、戦線中の高値である49.65?を試した後、引けに掛けて売られる展開であった。こちらは一目均衡表の雲の下限が下値として意識されており、比較的堅調な推移がつづいている。イールドカーブは期近の3限月が低下、期先はむしろ上昇しており、ツイストする形でスティープニングしている。引き続き、Brentを原油価格の指標としてチェックすることを推奨したい。直近限月の騰落率は▲0.5%。Brent/WTIのネガティブスプレッドは拡大。
 石油製品は堅調に推移。RBOBは雇用統計発表後こそ下落したものの、その後の原油上昇を受けて上昇、一目均衡表の雲を上抜けできないことを確認後、引けに掛けて下落する動きとなった。ガソリンは先週の統計で需要の増加が確認されているが同時に、在庫がFSCベースで非常に高い水準にまで増加している状態に変りはなく、売られすぎが修正される形で上昇していると考えるべきであろう。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲2.0%。ヒーティングオイルも同様の相場展開で、原油に連れ高となり上昇した後、引けに掛けて上げ幅を削る動きであった。10日移動平均線が上値として意識される動きに変りはなく、頭重く推移している。イールドカーブは期近の2限月が低下、それ以外は上昇し、スティープニングしている。直近限月の騰落率は▲0.5%。ICEガスオイルも下落。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率は▲1.0%。

(ひとりごと)
怪しいお店の話は、また面白いことがあったら書くことにします。


で。


そういえば毎年のことではあるが、今週の終わりはバレンタインデーじゃないですか。
我が家のバレンタインは、というと
友人夫妻が自宅に遊びに来ることになっているので
何故かおでんで一杯、という予定になっている。


そう。


年齢を重ねると、だんだんバレンタインへの思い入れが低下してくるんですよね。
今回我が家に遊びに来てくれるご夫婦は30前の夫婦なので、実は彼らにとってとっても重要な日であるような気がするのですが
年寄りのわがままにより、それを踏みにじってしまいました。


すまぬ。


というか、そもそも歳を取ったので物忘れが激しくなっているだけのようにも思う。


この前


自宅に社員証と財布を忘れたので取りに帰ったところ
カミさんは子供と出かけていて不在であったが
机の上にそれらが置いてあったのでそれを取り
外出しようと思ったら、自動車ディーラーから車検のお知らせで携帯に電話が
その直後、もよおしたのでトイレに行ったのだが
トイレに行くときに携帯電話を机に置いてしまったので


...財布と社員証の代わりに今度は携帯を家に忘れてしまいました...



つまり、ですね。
今回のバレンタインと同じく、「一度に2つのことを考えられない体」に
とうとうなってしまってるんですね。

歳を取る、とはきっとこういうことなのだろう。
これから先が、怖くて仕方がない。
自分はちゃんと生きてていけるのだろうか、と。