(商品市況概況)
「続落」
昨日のコモディティ価格は軒並み下落した。日本のGDPが悪化したことや、米住宅着工が統計開始以来最低の水準になったこと、米ビッグ3の支援が継続していること、等、期待されていた比較的早い段階での景気の底打ち観が若干後退したためである。その一方で安全資産としての貴金属の需要は増加しており、堅調な推移となった。主に金が物色されているが、その他の貴金属も堅調な推移が続いている。
今後に関しては経済統計と各国の経済対策次第の側面は否めないが、「期先は余り下落しておらず、さらに大きく水準を切り下げる」展開にはなっていないことには注意をしたいところである。
(経済関連ニュース)
・2月独ZEW景況感指数 ▲5.8(前月改定▲31)、市場予想▲25。
・1月英インフレ率 前年比+3.0%(前月改定+3.1%)、市場予想+2.7%。
・2月NY連銀製造業景況感指数 ▲34.7(前月改定▲22.2)、市場予想▲23.8。統計開始以来最悪。
・12月対米証券投資 348億ドルの買い越し(前月改定256億ドルの売り越し(速報比+39億ドルの売り越し幅拡大))、市場予想200億ドルの買い越し。
・2月米NAHB住宅指数 9(前月改定8)、市場予想8。
・オバマ大統領、7,870億ドルの景気対策法案に署名。
・Q408台湾GDP 前年比▲8.36%、市場予想▲6.82%。
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比+46%の875.3、借り換え指数+64%の4,472.9、購入指数+9.1%の257.3。
・1月米輸入物価指数 前月比▲1.1%(前月改定▲5%(速報比▲0.8%))、市場予想▲1.2%。
・1月米鉱工業生産 前月比▲1.8%(前月改定▲2.4%(速報比▲0.4%))、市場予想▲1.5%。設備稼働率72.0%(前月73.3%)、市場予想72.4%。
・1月米住宅着工 前月比▲17%の46.6万戸(前月改定56万戸(速報比+1万戸))、市場予想52.9万戸。
・米政府、750億ドルの住宅支援計画を発表。最大9百万世帯救済。
・FOMC「2009年の米実質GDPは▲0.5%〜▲1.3%に。長期に渡りインフレのリスクは低下。景気回復が遅れ、弱いものに留まるリスクがある」
・中川財務大臣辞任。
・ユーロは対ドルで下落。米政府による住宅支援計画の発表が好感され、ドルが対主要通貨で上昇した。ドルは対円でも上昇。日本経済の急速な収縮と政治への不安拡大から景気対策実施が遅れるとの見方が台頭し始め、軟調な推移がつづいている。
・日本株は下落。景気の急速な悪化、経済の急速な縮小にも関わらず政治が迷走、経済対策の実施が遅れる(というか良く考えると何も実施されていない)との見方が強まり、軟調な推移が続いている。米国株は総じて下落。FOMCが経済成長予想を下方修正したことや、経済統計の悪化が嫌気された。その一方で住宅支援策も発表されたことから下げ幅は限定。
(非鉄金属関連ニュース)
・NY金は上昇。景気悪化が持続している可能性が高まっていることから、金の選好が続いているが、心理的な節目であった950ドルを上回ったところから上げが加速しており、1,000ドルの大台を試す動きとなっている。昨晩はドル高が進んだものの殆ど無視されている。金価格はETFを通じて大量に資金が流入しており、この流れに大きな変化はない。ドル・ユーロとの相関性は完全に崩壊、理論値から大幅に上方乖離している。銀も大幅に上昇。10日移動平均線が200日移動平均線を上抜けるゴールデンクロスとなり、チャート的にも買いを入れ易い上、安全資産として金がETFを通じて上昇している動きを受けて、銀も同様に物色されている。銀は工業品としての色彩が強いものの、足許は明らかに投資資金の流入で上昇しているといえ、経済悪化が深刻化する中、さらに上値を探る動きになると見られる。ドル・ユーロとの相関に関してもこちらも崩壊しつつある状況。
・NYプラチナ価格は上昇。こちらも銀と同じく工業品としての色彩が強く、株価との連動性が高いが、昨晩の金銀の上昇もあって水準を切り上げる動きとなった。貴金属はETFが設定されているものが多く、同様に資金が流入し始めていると予想される。パラジウムも小幅上昇。貴金属セクターの上昇を受けて小幅買いが入った。
・SPDRゴールドトラストの金保有量が1,000Mtを超える。
(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計市場予想 原油+3.2MB、ガソリン▲0.5MB、ディスティレート▲1.5MB、稼働率▲0.3%
(非鉄金属)
昨日の銅価格は上昇した。久しぶりにLME在庫が減少したことが好感され、買い戻しが優勢となった。しかしながら50日移動平均線のレジスタンスが意識され、この水準は上抜けずに引けている。夜間に発表された米住宅着工の悪化等のマイナス材料が重石となったようだ。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはないものの、企業や生産者の在庫調整圧力を受けてLME在庫が増加、短期的な需給がルーズになってきていることや中国政府や米国の経済対策が実体経済に影響を及ぼし始めるのは春先以降になると見られることから急速に上昇することは考えにくいが、チャート的には4,000ドルを見てもおかしくない環境になっている。LME在庫は▲1,125Mt減少、(FSCは10.5日)、(キャンセルワラント率は1.7%)。売買高は8,462枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は39ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。
昨日の亜鉛価格は上昇した。シンガポールでLME在庫が大幅に減少したことが好感され、欧州時間からNY時間に掛けて買い戻しが優勢となった。経済対策への期待や生産者の生産調整圧力もあって下値は堅い。チャート的には一目均衡表の雲の薄い部分を結局上抜けできず、しばらくは1,200ドルが上限として意識されることになると考える。LME在庫は▲3,250Mt減少、FSCは11.3日(キャンセルワラント率は4.3%)。売買高は3,750枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルスティーニングしている。C-3は28ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。
昨日の鉛価格は下落した。日本のGDPの悪化や米ビッグ3の業績悪化が止まらないことなどが嫌気されることとなった。この結果、長らく維持してきた50日移動平均線を割り込み、下値を探る動きとなった。電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要が堅調で大幅な調整なく冬場を乗り切ってきた鉛であるが、全体的な地合いが再び軟調になりつつある中、調整という意味で下落しているものと考えている。LME在庫は▲125Mt減少、(FSCは2.4日、キャンセルワラント率は3.3%。)。売買高は1,687枚。イールドカーブは略パラレルに低下している。C-3は11ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。
昨日のアルミ価格は上昇した。LME在庫の激増が止まらない中、欧州時間に掛けて軟調な推移が続いたが、同時に1月23日にマークした安値1,316.50を大きく割りこんでまで下落する地合いでもなく、結局のところ引けにかけて買い戻しが入る動きとなった。コスト割れ水準での取引が続いているが、LME在庫の増加に歯止めが掛からない中ある程度低位での推移が続くことは仕方がないものと見ているが、1,300を割り込むのは難しかろう。今後は実態経済の悪化を受けて低い水準での推移が続くと考えられるものの、コストベースで見た場合、限界レベル(1,750ドル程度)を大きく下回って価格が下落している状態が長く続くとは考えにくく、企業の在庫整理も進捗していると予想されることからそろそろ底入れするのではなかろうか。期先は引き続き高い水準での推移が続いている。LME在庫は+139,700Mt増加、(FSCは28.8日)。(キャンセルワラント率は0.4%)。売買高は9,068枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルスティープニングしている。C-3は36ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。
昨日のニッケル価格は下落した。経済環境が悪化する中、一昨日ニッケルも10,000ドルの節目を下回ってしまったこともあって昨日は続落となった。今のところ弊社は2009年のニッケルの限界生産コスト水準を7,289〜9,729ドルと想定しており、生産調整が比較的進んでいたニッケルも再び限界コスト水準まで価格を切り下げる動きとなってしまった。LME在庫は+522Mt増加、(FSCは25.1日)、キャンセルワラント率は0.6%。売買高は1,170枚。イールドカーブは期近が低下し、ベアスティープニングしている。C-3は78ドルコンタンゴと前日と変わらず。
昨日の錫価格は下落した。LME在庫の減少はあったものの、各国株価が調整を続けていることから地合いは悪く、前日の流れを受けて水準を切り下げる動きとなった。但しキャンセルワラント率は引き続き高い水準にあり、今後も在庫の減少が見込まれる。恐らく金融危機の影響で生産者の稼働率も低下し、需要家の(限定的な)買いが需給をタイト化させていると見られる。イールドカーブがバックワーデーションの状態が続いていることが、需給が逼迫していることを示している。LME在庫は▲135Mt減少、(FSCは8.5日)、キャンセルワラント率は7.92%。売買高は170枚。イールドカーブは略パラレルに低下している。C-3は265ドルバックとバック幅を拡大した。
(エネルギー)
昨日のNY原油はもみ合い推移の結果、前日比マイナスとなった。日本のGDPの大幅な悪化に象徴されるように引き続き世界経済は後退局面にあると考えられ、先々の需要減少観測と相俟って、期先を中心に下落する展開となった。期近の下げ幅は限定される一方、期先の割高感が目立つようになり、金融危機が後退していることから流動性も回復、期先の下げに繋がってるものと見られる。イールドカーブは期先の下げ幅が大きくベアフラットニング。直近限月の騰落率は▲0.9%。Brentは下落。ユーロが対ドルで弱含んだことなども材料となり、じりじりと水準を切り下げる動きとなった。但しWTIと同様、期先の下落幅の方が大きい。直近限月の騰落率は▲3.9%。Brent/WTIのネガティブスプレッドは小幅縮小している。
石油製品はまちまち。RBOBは50日移動平均線でサポートされていたのだが、景気悪化懸念の再燃に伴う需要減少観測を受けて昨晩、この水準を下回ることとなった。イールドカーブは略パラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲4.6%。ヒーティングオイルも下落。米在庫統計でFSCが非常に高い水準であったことや、原油価格の下落もあって、10日移動平均線を上値に頭重い推移となっていたが、足許チャート的にも特段のサポートなく、100セントの節目を目指して水準を切り下げている。イールドカーブは期先の下げ幅が大きくベアフラットニングしている。直近限月の騰落率は▲3.6%。ICEガスオイルも下落。イールドカーブは略パラレルに低下。直近限月の騰落率は▲3.9%。
(ひとりごと)
この前地方に出張に行ったときに
昼を食べようと、商店街をうろうろしていたときに、変った看板を見つけた
「グラタン始めました」
...あのですね
冷やし中華始めました
とか
おでん始めました
とか
「始めました」ってのは、「普通取り扱っているけれど、季節的に取り扱う次期とそうでない次期があるもの」に使われる、と思うんですよね。
少なくともグラタンに季節はないものと思う。
強いて言えば、冬に食べる食べ物かも知れないが
レストランでは定番メニューであって欲しいところだ
それにも関わらず、グラタン始めました、と書いているのは恐らくこのレストランは、グラタン開発に相当の労力とコストを掛けたのだろう
まさに、渾身の一皿、なのだろう。きっと。
だから美味しいに違いない。きっと。
そしたらその看板の横に
「ヤングセット始めました」
とある。
うろ覚えであるが、確か「始めました」と書いてあったと思う。
ヤングセットとはいかなるものなのか?
なんだか見てみると、パンとかサラダとかコーヒーとかが付いている
普通のセットメニューにしか見えない。
でも。「始めました」と書いている以上、この地方では「ヤングセット」は一般的なものであるにも関わらず、このレストランは導入していなかったので
漸く導入を決断したのだろう。
頑張ってるな
と思いながらこの店を素通り。
結局別の店で食べてしまいました...