お好み焼き-その2

(商品市況概況)
「悪材料も好材料に?」
 昨日の商品価格は軒並み上昇している。豚インフルエンザの拡大を受けて「物流の停滞に伴う景気悪化」が指摘され始める中、「夏場を控えてインフルエンザの影響は然程拡大しないのでは」との楽観的な見方や、米GDPでの個人消費の回復、企業決算が然程悪くないこと等を好感して株価が上昇、これを受けて商品価格も上昇するに至った。しかしながら「経済危機時」に物色される金も同時に物色されており、市場の今回の経済統計や豚インフルエンザに対する見方は一定していないようである。但し、新聞やテレビなどのメディアの報じるところでは「想像以上の速度で豚インフルエンザが拡大している」らしく、過剰反応に伴う景気の停滞リスクは決して小さくないといえる。「弱毒性」といわれる今回のインフルエンザが、突然変異で強毒化する可能性もゼロではない(今日の日経新聞ではWHOの田代さんはその心配はない、と仰ってますのでそこまで心配しなくても良いとは思いますが)。
 こうしたパンデミックリスクに十分な注意を払いつつ、各国の景気対策の影響で各金融資産の「売られすぎ」が解消する中での相場上昇にどれだけ歩調をあわせていけるかが今後のポイントとなろう。

(経済関連ニュース)
・WHO豚インフルエンザの警戒レベルを5に引き上げ。
・トリシェECB総裁「中央銀行の資金供給によって、短期金融市場は信頼感を取り戻しつつある」
・4月独消費者物価指数速報 前年比+0.7%(前月改定+0.4%)、市場予想+0.8%。
・4月米S&Pケースシラー住宅指数 前年比▲18.6%(前月改定▲19.0%)、市場予想▲18.7%。
・4月米消費者信頼感指数 39.2(前月改定26.9(速報比+0.9))、市場予想29.7。
・4月ユーロ圏小売業景気指数 48.4(前月改定44.1)。
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比▲18.0%の960.6、借換指数 前週比▲22.0%の5,108.2、購入指数 前週比▲0.6%の251.6。
・Q109米GDP速報 前期比年率▲6.1%(前期改定▲6.3%)、市場予想▲4.7%。個人消費は年率+2.2%となったが、民間設備住宅関連投資が落ち込んだ。
・Q109米GDP価格指数 前期比年率+2.9%、コアPCE価格指数 前期比年率+1.5%。
ニュージーランド中銀、政策金利を0.5%引き下げ2.5%に。ブラジル中銀も政策気に李を10.25%に引き下げ。
FOMC政策金利を据え置き、資産購入目標も維持で合意」
・3月日本鉱工業生産速報 前月比+1.6%。
・ストレステストの結果、米銀16行のうち6行が「不合格」となった模様。

・ドルは対ユーロで下落。米GDPの悪化やユーロ圏景気指数等の改善が材料となったようだ。ドルは対円では大幅に上昇。FOMC声明で政策金利が据え置かれ、国債買取などの対策も維持されたため。
日本株は大幅に下落。企業決算の悪化や円高の進行が嫌気された。GW前、ということもあり買い持ちポジションの整理売りも入った模様。米国株は大幅に上昇。GDPは市場予想を大きく下回る悪い内容であったが、個人消費の回復が好感されたことや、米企業決算が市場予想を上回る内容であることなどが好感された。金融機関の業績が最悪期を脱したのではとの見方が強まっていることも材料となった(不良債権関連問題はまだ三合目か四合目あたりだと思いますが...)。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は上昇。米GDPが市場予想以上に悪化したことや、豚インフルエンザの拡大に伴い、質への逃避により物色されたため。金価格の上昇が継続するか否かは今後株価動向にかかっているが、今後も株が堅調に推移し市場参加者のセンチメントが好転した場合、ドルユーロとの従来の関係が回復したとすると800ドル程度までの下落はあってもおかしくない。但しQ209の間は金価格の急落は想定していない。銀価格は金の上昇と株価の大幅反発を受けて上昇することとなった。結果的に200日移動平均線を固める動きとなっている。

・NYプラチナ価格は上昇し、200日移動平均線を回復した。豚インフルエンザ問題等で株価が調整していたが、チャート的に一目均衡表の雲でサポートされたことや、中国のプラチナ使用量の増加観測(宝飾、二輪自動車・乗用車向けの触媒需要)を受けて堅調な推移となっている。パラジウムも上昇した。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は上昇した。豚インフルエンザの拡大を受けて調整していた株式市場が反発する中で、銅も買いが先行した。LME在庫の減少が継続していることやドル安の進行も材料となっている。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはなく、各国政府の追加経済対策への期待や中国政府による市中在庫買い上げへの期待が高まっていることや相次ぐ景気対策の発表に伴い、市場参加者のセンチメントも好転しており価格は底を打った可能性が高い。但し、景気が回復しているわけではないこともあって、上値は限定されよう。目先は10日移動平均線(4,500ドル)が上値の目処になろう。LME在庫は▲8,825Mt減少、(FSCは8.5日)、(キャンセルワラント率は16.9%)。売買高は11,531枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルスティープニング。C-3(Cash vs 3M Fwd)は2ドルバックコンタンゴからバックに転じた。
 昨日の亜鉛価格は大幅に上昇した。銅と同じく豚インフルエンザ問題を受けて株価が調整、亜鉛も一旦下値を試す動きとなっていたが、株価が反発したことやLME在庫の継続的な減少もあって、200日移動平均線を回復して引けている。但し各国政府の経済対策や、中国政府による市中余剰在庫の買い上げの動きを受けて下値は徐々にきりあがってきている。LME在庫は▲1,500Mt減少、FSCは11.2日(キャンセルワラント率は7.3%)。売買高は6,594枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニング。C-3は25ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の鉛価格は上昇した。豚インフルエンザの影響で水準を切り下げる動きとなっていたが、以前、下値の目処として挙げていた50日移動平均線を割り込まなかったことを確認後、株価の上昇を通じたセンチメントの好転から買い戻しが優勢となった。但し、大手生産者の生産再開やそもそも景気回復に至っていないことから、上値は限られるとの見方は変更していない。LME在庫は▲50Mt減少、(FSCは3.1日、キャンセルワラント率は2.4%。)。売買高は2,322枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルスティープニングしている。C-3は3ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は上昇した。豚インフルエンザを材料に株価が下落、センチメントの悪化を映じて下値を探る動きが見られたが、100日移動平均線を挟み、比較的堅調な推移になっている中、株価が米GDP等をきっかけに反転したことが好感された。今後はFOMCや米政府による金融システム対策、信用不安対策が進捗していることで相場の雰囲気が好転しており、実際発表される経済統計も最悪期を脱した可能性を示唆する内容のものが多く、コストベースで見た場合、限界レベル(弊社の2009年見通しは1,358ドル〜1,454ドル)を固める動きになると考えている。GMクライスラー問題は実際に結果が出ればマイナスのインパクトが予想されるが、時間をかけて市場が織り込んでいることもあり、影響は然程大きくないと考えている。LME在庫は+41,350Mt増加、(FSCは37.1日)。(キャンセルワラント率は1.3%)。売買高は10,330枚。イールドカーブは期近が上昇し、ブルフラットニングしている。C-3は36ドルコンタンゴと前日と変わらず。
 昨日のニッケル価格は上昇した。LME在庫がシンガポールで8,000Mtを超える激増となり、下値を探ったが株価の反発や他コモディティの上昇を受けて上昇し、上値余地を探る動きとなった。足許のステンレス需要の回復は遅く、上値余地は限られているが、コストベース(2009年のニッケルの限界生産コスト予想は7,289〜9,729ドル)を下回って下落するのは難しいと考えており、金融市場の安定化とともに下値は徐々に切り上がってきている。LME在庫は+7,974Mt増加、(FSCは30.7日)、キャンセルワラント率は4.2%。売買高は2,031枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きく、ブルスティープニングしている。C-3は52ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は上昇した。豚インフルエンザの拡大を受けて金融市場全体が調整していたが、NY時間の株価の上昇を受けてセンチメントが好転、10日移動平均線レジスタンスを試す動きとなった。需給がタイトな中比較的堅調な推移が続いており、100日移動平均線〜10日移動平均線でのレンジとなっている。そもそも錫は需給がタイトな状況が継続している。LME在庫は+55Mt増加、(FSCは12.0日)、キャンセルワラント率は3.89%。売買高は370枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルスティープニングしている。C-3は210ドルバックとバック幅を拡大した。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油+4.1MB(市場予想+1.8)、ガソリン▲4.7MB(+0.2MB)、ディスティレート+1.8MB(+1.2MB)、稼働率▲0.77%(+0.15%)
・BPQ109決算、前年比▲64%。原油価格の下落で。これに伴い2009年の設備投資計画を200億ドルに下方修正(修正前220億ドル)。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は大幅に上昇した。豚インフルエンザ問題を受けた株価の下落、といったマイナス材料を受けて原油価格も調整色を強めていたが、米GDP個人消費の回復が確認(継続するかどうかは不明)されたことや、企業決算が然程悪くないこと等を材料に、原油価格も上昇することとなった。夜間に発表された米在庫統計はベアな内容であったが売り材料視された時間は短かった。イールドカーブは期先の上げ幅が大きく、ブルスティープニングしている。直近限月の騰落率は+2.0%。Brentも期先を中心に上昇している。Brentは現在の原油市場の需給をWTIよりもより正確に反映していると考えられるが、足許50日移動平均線を下値に堅調な推移が続いている。イールドカーブは期先上げ幅が大きく、ブルスティープニングしている。直近限月の騰落率は+1.5%。WTI/Brentはポジティブスプレッドに転換しているが、また来月始めごろにETFロールオーバーでネガティブスプレッドに戻ることになろう。
 石油製品も上昇。RBOBは上昇し、30日移動平均線で頭を抑えられて引けた。在庫統計はガソリンブルな内容であったこともあって、殆ど調整らしい調整をせずに上昇して引けている。イールドカーブは期近の上げ幅大きく、ブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+3.4%。ヒーティングオイルも上昇。原油価格の上昇に連れる形で上昇したのだが、米在庫統計で明確にULSDやディーゼルオイルの在庫が増加していることから、上値は重い。結局在庫統計発表後に下落し、大きく上げ幅を削った。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルスティープニングしている。直近限月の騰落率は+0.9%。ICEガスオイルも上昇。イールドカーブはまちまち。直近限月の騰落率は+1.8%。

(ひとりごと)
お好み焼きの話を書いていたら長くなってきたので、久しぶりに連載モノにしてしまいました。すみません。

どこまで話しましたっけ、あ、そうそう、なにわの話。
残念ながら後楽園の再開発でなくなってしまったが、あのときに始めてお好み焼きは関西のものである
と知った。

なんたって、名前がなにわでしたから。
その後、好きだったのがとんじゅうというお好み焼き屋さん。
別に、デパートに普通に入っているお好み焼き屋であるが、テーブルに注文したものを運んできてくれるところが
子供心に新しく(だって、目の前で焼くものだと思っていましたから)、味も濃かったので好きであった。
このころ辺りから、上からかけるソースにはケチャップなり、マスターどなり、マヨネーズなりがかかっていると嬉しい
と感じるようになった。でも多分、マヨネーズがかけられるようになったのって、この15年ぐらいのことだと思うんですよね。
個人的にはマスタードはマヨネーズの中に混ぜられていて、網の目状にかかっているのが好きである。
なんとなくチョコレートのお菓子みたいで、見ていると楽しいし。
焦げ茶色のソースに浮かぶ白の網の目と、それを覆う青海苔の深緑。
単純な料理ながら、食べる人の視覚も十分に楽しませてくれる。
京会席が日本食の美の究極であるならば
お好み焼きはまさに庶民食の美の究極。
無駄は排除し、余分な飾りはなし。
さすが食都大阪、と日本の歴史に感謝したくなるところだ。
と、子ども〜大人にかけて、お好み焼きへの思い入れも徐々に変わっていったわけだ。
(続く)


[在庫統計]統計速報(2009年4月29日発表分)
 今回の米在庫統計は原油ベア、ガソリンブル、ディスティレートベア な内容であった。ガソリンのFSC水準は過去5年最高水準を上回っているものの、稼働率をこれ以上引き下げるとドライブシーズン中の在庫が不十分となることから、結果的にディスティレートの在庫が増えてしまう、という状態に陥っている。また稼働率を落せば原油在庫が増加する、と言う悪循環に陥っており、米国内の需給環境はまだ落ち着きを取り戻している、とは言いにくい。ここに来て豚インフルエンザが世界的な拡大を見せており、輸送需要の低下とともに米国内石油製品需要も頭打ちとなる可能性が高く、需給面では更に下値を探る可能性が出てきた。しかしながら株価は各国経済対策の効果で上昇を始めており、「センチメント面」では相場は強気モードに入っている。しばらくはこうした強弱材料が混在する中でもみ合いの展開が続くことになろう。詳しく見てみよう。
 原油は生産が大幅に減少、輸入も減少したものの、稼働率が大幅に低下したことから市場予想を上回る在庫増加となった。生産は5,269KBD(▲152KBD)と過去5年の平均水準を維持。輸入は9,824KBD(▲31KBD)とP5で大幅に減少し、前週比小幅マイナス。結果、総供給量は15,093KBD(▲183KBD、前週比1.3MBの在庫減少要因)となった。製油所の稼働率はP1、P3以外の地区で悪化している。稼働率は全体で82.7%(▲1.0%、前週比1.0MBの在庫増加要因)。地区ごとの稼働率の変化はP1から順に、+1.3%,▲1.8%,+0.3%,▲0.8%,▲3.5%となっている。石油製品の在庫水準をFSCベースで過去5年のレンジに収めるため輸入量・稼働率の調整を要求されており、今回の稼働率の低下は予想通り。計算上在庫は前週比で▲0.3MBの+3.53MBの在庫増加(先週の在庫増減は+3.9MB)となるが、計算を上回る+4.1MBとなった。結果、在庫水準は374.7MB(+4.1MB)となった。在庫はP5以外のすべての地区で増加している。在庫量の変化はP1から順に、+0.1MB, +0.2MB, +3.5MB, +0.4MB, ▲0.2MB となっている。FSCは25.6日(+0.5日)と増加。過去5年レンジの上限を上回る状態が継続しており、原油供給は十分と言える。今週は1.2MB、SPRが積み増しされた。イールドカーブの形状に大きな影響を与えると考えられるCushing在庫は29.8MB(+0.2MB)と増加、イールドカーブのスティープ化に寄与することとなろう。統計としてはベアな内容であった。

 ガソリン在庫は予想を上回る在庫減少となった。稼働率の低下と得率の悪化に伴い生産量が大幅に減少、輸入も大幅に減少、需要も略横ばいであったことから在庫減少となった。生産は稼働率が悪化し、得率が▲1.5%と悪化したことから8,790KBD(▲298KBD)となった。総じてFSCを過去5年のレンジ内に留めるオペレーションを継続させている。ここ数週間の生産増加の影響で、FSCは、過去5年レンジの上限を上回ってしまっていたことから今週も稼働率を引き下げて生産量を減少させると見ていたが略予想通りとなった。輸入は841KBD(▲276KBD)と大幅に減少。結果、総供給は9,631KBD(▲574KBD、前週比4.0MBの在庫減少要因)となった。需要は4週平均ベースで9,631KBD(▲574KBD、前週比4.0MBの在庫減少要因)、直近需要ベースで9,064KBD(+6.5KBD, 前週比0.0MBの在庫減少要因。過去5年平均 9,213KBD, 過去5年最高 9,343KBD, 過去5年最低 9,107KBD)となった。経済対策の影響等もあり、消費は比較的順調に回復をしてきたが、ここ数週間の価格上昇の影響などもあって、徐々に鈍化してきている。前年比ベースの需要の減少は引き続き▲2.5%とマイナスの状態が続いている。需要の前週比での変化率は+0.1%(例年+0.2%)となった。比較的ガソリンの需要は堅調であると考えているが、豚インフルエンザ問題等、人モノの流通量が低下すると予想されることからしばらく需要は不冴えな状態が続くこととなろう。以上を合計するとバランス上は在庫は▲4.1MBの▲3.3MBの在庫減少(先週の在庫増減は+0.8MB)となるが、略計算どおりの▲4.7MBの在庫減少となった。在庫変化の内訳は、Conventional83.9MB(▲18.3MB)、Blending126.7MB(▲15.8MB)となっている。この結果、FSCは23.5日(▲0.5日)と先週から低下し、過去5年の上限レンジを若干上回るレベル。最終需要動向は景気対策の影響等で徐々に回復してきているのだが、ここ数週間の価格上昇の影響や豚インフルエンザ問題もあってしばらくは頭打ちになると考えている。統計としては市場予想比ブルな内容であった。

 ディスティレート在庫は市場予想を上回る在庫増加となった。生産は稼働率が悪化し得率が+0.4%と改善したことから4,153KBD(+17KBD)と小幅増加。生産の内訳はULSD3,121KBD(+43KBD)、ディーゼルオイル628KBD(▲29KBD)、ヒーティングオイル404KBD(+3KBD)。尚、生産レベルは過去5年の最高水準を若干上回るレベル。在庫の著しい積み上がりを受け、生産調整を余儀なくされている。輸入は123KBD(▲69KBD)と減少し、過去5年レンジを下回る状態が継続している。この結果、総供給は4,276KBD(▲52KBD、前週比0.4MBの在庫減少要因)となった。4週平均需要は4,276KBD(▲52KBD、前週比0.4MBの在庫減少要因)、直近需要は3,682KBD(▲53KBD, 前週比0.4MBの在庫増加要因。過去5年平均 4,204KBD, 過去5年最高 4,321KBD, 過去5年最低 4,051KBD)と、4週平均ベース需要は前年比▲14.0%と大幅な悪化、また前週比▲1.4%(例年▲0.2%)と減少。在庫の積み上がり方を見るに、明らかに輸送需要は減少しているように見える。全体のバランスでは前週比+0MBの+2.7MBの在庫増加(先週の在庫増減は+2.7MB)となるところであるが、+1.8MBの在庫減少となった。総在庫は144MB(+1.8MB, 過去5年平均 109.3MB, 過去5年最高 117.3MB, 過去5年最低 104.0MB)となり、過去5年最高レベル117.3MBを大きく上回っている。この時期、ディスティレート在庫は増加を始めるのだが、既に高い水準まで在庫が積み上がっており、むしろ在庫圧縮をせねばならない状態であるにも関わらず、在庫増加に歯止めが掛からない。ドライブシーズンであることもあってガソリンのFSCを高く維持するオペレーションがULSD、ディスティレート在庫の水準を高止まりさせているようだ。よって更に稼働率を引き下げにくい環境になっておりしばらくは、ディスティレート価格の下押し材料となろう。製品毎の在庫の内訳はULSDが86.0MB(+5.9MB)、ディーゼルが20.4MB(▲3.6MB)、ヒーティングオイルが37.7MB(+10.3MB)。FSCは39.1日(+1.0日)となった。これは過去5年の最高水準である28.5日を大きく上回るレベルであり、明らかに多すぎである。統計としては引き続きベアな内容であった。