いっそう美味しくなりました

(商品市況概況)
「続落」
 昨日の商品価格は続落した。先週の雇用統計の悪化に伴う株の大幅な調整を受けて、過剰に景気回復を織り込む形で上昇していた商品価格は調整を余儀なくされた。実需に加え、年初の株安進行局面でETFを通じて金や原油に資金が流入し、相場の上昇要因の1つとなってきていたが、株安の進行を受けて略株と近い感覚で取引されているETFにも手仕舞い売りが入ったものと見られる。但し引けにかけては株が戻る中で買い戻しが優勢になり下げ幅を削る展開となっており、予想以上に商品価格の下値は堅くなってきていると考えてよさそうである。
 弊社は来年初にかけて二番底をつける相場展開を予想していたが、経済対策の効果と米経済が秋口にリセッションから脱却する可能性が高くなってきたことから来年第二四半期に向けて景気が好転、その後経済対策の効果が落ち込むことから減速する、というシナリオに予想を変更した。但し足許の価格下落は年初からの価格上昇(経済対策の効果、投機資金のETFを通じた買い上げ)ピッチが早すぎたことに伴う調整によるものであり(有る意味引き続き二番底)、当面は下値余地を探る展開になると予想している。



(経済関連ニュース)
・6月米ISM非製造業景況指数 47(前月44)、市場予想46。


NY Dow  :8,324.87(+44.13)
S&P500   :898.72(+2.3)
NIKKEI225 :9,680.87(▲135.2)
JPY/USD :95.14(▲0.83)
USD/EUR :1.393(▲0.0055)

・ドルは対ユーロで続伸。株の下落に伴う安全資産への志向が強まりドルが物色された。引き続き景気悪化時にはドルが安全資産として物色される流れが続いている。ドルは対円では下落。
日本株は続落。経済統計の悪化や商品価格の調整等を受けて幅広く売られた。米株は反発。商品価格の下落を受けて商品関連株が下落する等、週末の雇用統計の大幅悪化が端的に嫌気される流れであったが、引けにかけては買い戻しが入った。市場参加者は引き続きそこまで景気の先行きに対して悲観的ではない様子。


穀物市場サマリー)
Cbot Wheat :490.50(▲9.75)
Cbot Corn :343.25(▲2.5)
CSCE Sugar :17.32(▲0.26)


(金属関連ニュース)
Comex Gold :924.30(▲6.7)
Nymex Platinum :1,140.3(▲46.3)

・NY金は下落。株安が進行したものの、ドル高の進行と商品価格全体の下落を受けて手仕舞い売りに押されたようだ。結果、一目均衡表の雲の下限でサポートされて引けている。基本的には金は株と逆相関の関係にあり、株価が上昇(下落)する局面では売り(買い)が入り易いが、足許、ソブリンリスクの高まりや、ドル安懸念を背景として、金の保有比率を増加させる動きが見られることが下げ余地を限定しつつある。7月以降の経済統計とこうした新規要素も加味するとしばらくは現状レベルでのもみ合いを想定しておいたほうがよさそうだ。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 924.30(▲6.7)。
 銀価格も下落。ドル高、株安が材料となり、水準を切り下げた。足許反発する手がかり材料乏しく、100日移動平均線を下回ってから下値余地を探る動きが続いている状況。当面は200日移動平均線(12ドル)が意識されることとなろう。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,322.70(▲16.6)。"

・NYプラチナ価格は大幅に下落。ドル高、株安の進行を受け、50日移動平均線を下回って寄り付いた後に大幅な下落となった。この結果、年初から維持してきた100日移動平均線を割り込んで下落することとなった。昨日の引け(東京時間0:00)は1,140.3(▲46.3)。
 パラジウムもプラチナの下落を受けて水準を切り下げているが、50日移動平均線でサポートされている。昨日の引け(東京時間0:00)は242.65(▲9.35)。


(非鉄金属)
Copper 3M :4,970.00(▲10:14.75C)
 昨日の銅価格は下落した。米雇用統計の悪化を受けた世界的な株安同時進行を材料に銅価格も下値を探ったが、NY時間に株が持ち直したことが好感されて買い戻しが優勢となった。但し30日移動平均線を回復するまでには至っていない。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはなく、各国政府の相次ぐ景気対策の発表に伴い価格は底を打ったと考えられるが、実態経済の悪化速度が鈍化はしたものの引き続き回復しているわけではないことから、7月の統計を確認後調整する動きがしばらく続くこととなろう。但し、その下落幅は年初に見込んでいたような大幅なものではなく小幅なものに留まり、年後半以降の価格上昇の前の調整と見ておくべきだろう。LME在庫は+900Mt増加、(FSCは57.1日)、(キャンセルワラント率は4.8%)。売買高は7,783枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近・期先が低下し、イールドカーブは期近の下げが大きい。C-3(Cash vs 3M Fwd)は15ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは4,970.00(▲10:14.75C)。

Zinc 3M   :1,565.00(+14:28C)
 昨日の亜鉛価格は上昇した。世界的な株安進行を受けた地合いの悪化で大幅に調整、50日移動平均線を一時割り込んだが、NY時間にかけての株の戻りを受けて買い戻しが優勢となり、結局前日比プラスで引けている。但し銅と同じく30日移動平均線は回復せずに引けている。足許の需給はイールドカーブが示すようにタイトではなく、ここまでの価格上昇が許容できるような環境にはないと考えているが、株価が堅調に推移していることが投資マインドを好転させているようだ。但し、引き続き7月以降の経済統計を受けて上がりすぎの修正によって相場水準は低下すると見る。LME在庫は▲300Mt減少、FSCは11.9日(キャンセルワラント率は1.8%)。売買高は3,263枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルスティープニングしている。C-3は28ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,565.00(+14:28C)。

Lead 3M   :1,684.00(▲26:21.75C)
 昨日の鉛価格は下落した。LME在庫の増加と株安の進行が材料隣となり10日移動平均線を割り込み一時30日移動平均線も割り込んだ。しかしながら株がNY時間にかけて上昇したことから30日移動平均線は維持して引けている。大手生産者の生産再開やそもそも景気回復に至っていないこと、LME在庫の増加が続いていることなど、個別のファンダメンタルズはマイナスの材料が多く、現在の価格水準はファンダメンタルズのみでは説明できないレベルであるといえ、投機的な買いが相場を押し上げていると見る。とはいってもマイナス材料が多い中、今後は7月以降に発表される経済統計の内容を受けて、下値の落ち着きどころを探る展開となろう。多くの非鉄金属と同様50日移動平均線(1,560ドル)がフロアとなろう。LME在庫は+200Mt増加、(FSCは4.1日、キャンセルワラント率は0.1%。)。売買高は1,356枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。C-3は22ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,684.00(▲26:21.75C)。

Aluminum 3M :1,617.00(+16:29.5C)
 昨日のアルミ価格は上昇した。アジア時間から欧州時間にかけては株の調整もあって大幅な下落となったが、LME在庫の減少やNY時間にかけての株の戻りを受けて買い戻しが優勢となり結局前日比プラスで引けている。LME在庫の大半を一部の業者が保有しているとの噂も流れており、在庫水準の高さにも関わらず現物市場ではタイト感が出ており、高値での推移が続いている。年度初の予想通り徐々に下値は堅くなってきているようだ。景気底打ち期待感から多くの商品価格が上昇している環境下、コストベースとして一般に意識されている1,750ドル(弊社の2009年見通しは1,358ドル〜1,454ドル)までの価格上昇はあってもおかしくないと見ている。今後は7月以降に発表される経済統計の内容を受けて、一旦下値の落ち着きどころを探る展開となろう。LME在庫は▲1,375Mt減少、(FSCは43.3日)。(キャンセルワラント率は2.9%)。売買高は9,326枚。イールドカーブは略パラレルに上昇している。C-3は30ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,617.00(+16:29.5C)。

Nickel 3M :15,950.00(▲255:89C)
 昨日のニッケル価格は下落した。アジア時間から欧州時間にかけて株安を受けて下落していたが、LME在庫の減少継続やNY時間の株の戻りを受けて買い戻しが優勢となり下げ幅を削る展開となった。LME在庫の水準やニッケルの主要用途であるステンレス需要が回復しているとのサインは出ておらず、ここまでの上昇は投機的な動きによるものと考えてよさそうである。ニッケルの今年の限界生産コストは7,000〜10,000ドル程度であると見込んでいるが、それを大きく上回るレベルまで水準が切り上がっており、下落サイドのリスクを意識せねばならない水準まで価格が上がっていることは指摘しておきたい。LME在庫は▲300Mt減少、(FSCは29.3日)、キャンセルワラント率は0.5%。売買高は2,290枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。C-3は89ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは15,950.00(▲255:89C)。

Tin 3M   :14,275.00(▲125:85B)
 昨日の錫価格は下落した。株安の進行を受けて欧州時間にかけて下落し、NY時間にかけて買い戻しが入った。結果的に50日移動平均線でサポートされて堅調な推移となった。イールドカーブが示すように錫の需給は引き続きタイトであるとみられ、当面堅調な推移が続くことになろう。LME在庫は▲25Mt減少、(FSCは16.7日)、P596は3.05%。売買高は130枚。イールドカーブは略パラレルに低下している。C-3は85ドルバックとバック幅を拡大した。昨日の引けは14,275.00(▲125:85B)。


(エネルギー関連ニュース)
WTI :64.05(▲2.68)
Brent :64.05(▲1.56)

・米在庫統計市場予想 原油▲2.9MB、ガソリン+1.0MB、ディスティレート+1.8MB、稼働率±0.0%

 昨日のNY原油は大幅続落。株安、ドル高の進行を受けて略一貫して水準を切り下げる動きとなり、50日移動平均線でサポートされて引けている。景気回復を過剰に織り込んで上昇していたが、足許の経済統計の悪化(というよりも悪化のペースが遅くなっているだけでもともと経済統計の内容はまだそこまで良くない)を受けて調整を余儀なくされている。とはいっても下値は堅くなっているとの印象は否めない。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲4.4%。昨日の引けは64.05(▲2.68)。 Brentも同様の相場展開で下落しており、同様に50日移動平均線でサポートされて引けている。直近限月の騰落率は▲2.5%。昨日の引けは64.05(▲1.56)。 WTI/Brentはポジティブスプレッドは縮小。
 石油製品も下落。RBOBは大幅に下落し、今年の2月以来初めて50日移動平均線を割り込んだ。株安に伴うセンチメントの悪化と、急速な価格上昇に対する警戒感から手仕舞い売りが優勢となった。イールドカーブは期先の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率は▲3.0%。昨日の引けは174.04(▲5.04)。 ヒーティングオイルも大幅に下落し、200日移動平均線を割り込み、50日移動平均線でサポートされて引けた。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率は▲4.8%。昨日の引けは162.66(▲7.5)。 ICEガスオイルも下落。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲2.4%。昨日の引けは517.25(▲12.0)。


(ひとりごと)
ウチのすぐそばのレストランに今朝、


「当店のビーフシチューとハンバーグがよりいっそう美味しくなりました」


という張り紙がされていた
そうか、美味しくなったのか
と、思ったのだが。一体どこが美味しくなったんだろうか?
どう考えてもこの説明では不十分である

ビーフシチューとハンバーグが美味しくなった、ということは

(1) 肉を変えた
(2) デミグラスソースを変えた
(3) 料理人が代わった

の3種類しかありえない。
ここは特別な肉を使っていることをウリにしている店なので
(2)の可能性が高い
そうであるならば、「デミグラスソースが更に美味しくなりました」
と書くべきである。
しかしあえてそうしていない、ということは店の意向でハンバーグ、ないしはシチューを積極的に売りたいということか
そうなると恐らくであるが、最も原価が安く、店にとって利益率が高い商品、ということになる。
更に言えば、実は何も変っていないけど、美味しくなったポイントをあえて説明しないことにより
勝手に消費者が美味しくなったと感じてくれる効果を狙ってのことかも知れない

等、つらつら考えていたら会社に着いた。

あ、でもこのレストランちょっと前に「料理人急募」って張り紙出してたな。
料理人を急募しなければならないほど、苦しいレストランなのか?
ひょっとして本当に料理人が変ったのかしら。
一回行ってみようか?
でも、ちっとも行く気にならない店なんですよね。なぜか。
近所のサラリーマンにはすごい人気なんですけどね。