割り込み

(商品市況概況)
「調整で概ね下落」
 昨日の商品価格は概ね下落している。注目の米雇用統計の発表を控え、ポジション調整による調整売りに押されることとなった。
 今晩発表予定の雇用統計は「著しい雇用環境の悪化」に歯止めが掛かると見られるものの「雇用環境自体が悪い状態」が継続していることが確認されるものと見られ、概ね市場はその動きを織り込んだ水準で推移している物と見られる。足許、経済対策、金融政策が奏功し株価が上昇、センチメントの好転を受けて各商品価格は大幅な上昇を続けてきた。景気悪化に歯止めが掛かり、リセッションの脱却が視野に入り始めているものの、実態経済が良くなっている、というわけではない。別の言葉を使えば、現在の市場は「前月比」に反応しやすく「前年比」には反応しにくい、ともいえる。恐らく、マインドの改善による価格上昇はもうしばらく続く可能性があるものの、そろそろ「行きすぎなのではないか。実際の消費動向はどうなのか」といった商品の個別ファンダメンタルズに焦点が当たることになるだろう。その際、商品価格は調整することになると考えているのだが、各国経済対策の効果もあって、その下げ余地は徐々に小さくなってきていることは指摘しておきたい。
 また、これから年末にかけては中央銀行の金融緩和策の中止(あるいは金融引き締め)のタイミングがいつになるか、が商品価格に大きな影響を与えると予想されるため、各国中央銀行、特にFRBの出口戦略に注目したい。



(経済関連ニュース)
・6月英製造業生産 前月比+0.4%、市場予想▲0.1%。
・7月台湾CPI 前年比▲2.33%(前月改定▲1.98%)、市場予想▲2.24%。
・6月ユーロ圏小売売上高指数 前年比▲2.4%(前月改定▲3.0%(速報比+0.3%))、市場予想▲2.2%。
・7月ADP雇用統計 前月比▲371千人(前月改定▲463千人(速報比+10千人))、市場予想▲350千人。
・6月米製造業受注 前月比+0.4%(前月改定1.1%(速報比▲0.1%))、市場予想▲0.8%。
・7月米ISM非製造業景況指数 46.4(前月改定47.0)、市場予想48.0。
・7月豪雇用者数 前月比+32,200人、失業率5.8%。
・6月独製造業受注 前月比+4.5%(前月改定+4.4%)、市場予想+0.6%。
・英中銀 政策金利のレポ金利を0.5%で据え置き。資産買取プログラムの規模を1,750億ポンドに拡大。
・米週間新規失業保険申請者数 550千人(前週改定588千人(速報比+4千人))、市場予想580千人。
・米上院 車買い替え奨励策に20億円の資金を投入する法案を可決。
・ECB政策金利である最低応札金利を1.0%に据え置き。
・ECBトリシェ総裁「欧州経済は予想よりも早く回復する可能性があり、ECBが一段の金融刺激策を講じる可能性は低い。」

NY Dow  :9,256.26(▲24.71)
S&P500   :997.08(▲5.64)
NIKKEI225 :10,388.09(+135.56)
JPY/USD :95.58(+0.65)
USD/EUR :1.434(▲0.0075)

・ドルは対ユーロで上昇。英中銀の量的緩和実施でポンドが下落、それに連れる形でドルが強含んだ(といっても今晩の雇用統計を控えてのポジション調整の色彩が強いとみている)。円も小動き。
日本株は大幅に上昇。景気回復期待と企業業績の好転(予想よりも良い)を受けて。米国株は反落。米週間新規失業保険申請者数が減少し、一時強含んだが急ピッチな上昇に対する警戒感と、今晩の雇用統計を控えて調整売りに押された。



穀物市場サマリー)
Cbot Wheat :500.25(▲28.5)
Cbot Corn :332.50(▲14.5)
CSCE Sugar :19.80(+0.43)



(金属関連ニュース)
Comex Gold :960.70(▲3.5)
Nymex Platinum :1,263.4(▲29.7)

・NY金は続落。ドル高の進行を受けて調整売りに押された。しかし金は上場投資信託としての認知度が高く、株と略同列の扱いとなりつつあり、株の上昇が明確な売り材料にはなりにくくなってきた(むしろ株式市場が活況だと価格は上昇しやすくなるように)。株式市場に大きな混乱がない中、金価格は安定した推移が続いている。また、ソブリンリスクの高まりや、ドル安懸念を背景として、各国が金の保有比率を増加させる動きが見られること、も地合いを堅調にさせている。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 960.70(▲3.5)。
 銀価格は下落。ドル高、株安、金安が売り材料となった。米雇用統計の発表を控えた調整売りで。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,464.50(▲11.5)。
・NYプラチナ価格は大幅に下落した。米雇用統計の発表を控えたポジション調整が、ドル高、株安を切っ掛けに起きたため。昨日の引け(東京時間0:00)は1,263.4(▲29.7)。
 パラジウムもプラチナの下落を受けて大幅に下落。昨日の引け(東京時間0:00)は271.1(▲8.1)。



(非鉄金属)
Copper 3M :6,025.00(▲175:7.5C)
 昨日の銅価格は下落した。極端な楽観論が市場に広がる中大幅な上昇を続けていたが、さすがに6,000ドル超えに対する警戒感や、今晩の米雇用統計を見極めたいとする市場参加者も多く、調整売りに押された。ドル高の進行も売り材料となった。銅は中国の経済対策や在庫積み増し時期のずれ込みの影響もあってファンダメンタルズは強いものの、極端な上昇が続いているとの印象である。また、ファンダメンタルズについては引き続き中国の在庫積み増し意欲が旺盛であることや、コンセントレートが継続的に不足する環境になる可能性が高いことから、中長期的にも上昇トレンド入りしたと考えている。7月中旬以降発表されている企業決算や経済統計は、「予想より」良い内容であり、それを材料に極端な景気の先行きへの楽観論が広がっており、マインドの改善がファンダメンタルズを凌駕してしまっているようだ。雇用情勢は引き続き厳しいため、8月7日の雇用統計の内容を見極める必要があるものの、その際の調整は当初の見込みよりも限定的なものになる可能性が高まってきた。LME在庫は▲725Mt減少、(FSCは60.3日)、(キャンセルワラント率は3.1%)。売買高は13,421枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は8ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは6,025.00(▲175:7.5C)。

Zinc 3M   :1,850.00(▲75:26.5C)
 昨日の亜鉛価格は下落した。今晩発表の米雇用統計を控えて、ポジション調整に絡む売りに押される形となり水準を切り下げた。7月中旬以降発表されている企業決算や経済統計は、「予想より」良い内容であり、それを材料に極端な景気の先行きへの楽観論が広がっており、マインドの改善がファンダメンタルズを凌駕してしまっているようだ。しかし、雇用情勢は引き続き厳しいため、8月7日の雇用統計の内容を見極める必要があるものの、その際の調整は当初の見込みよりも限定的なものになる可能性が高まってきた。LME在庫は▲175Mt減少、FSCは14.6日(キャンセルワラント率は1.6%)。売買高は5,084枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。C-3は27ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,850.00(▲75:26.5C)。

Lead 3M   :1,855.00(▲95:16C)
 昨日の鉛価格は大幅に下落した。米国でLME在庫が大幅に増加したことやドル高の進行、7月中旬以降の上げピッチが急であったことから今晩の米雇用統計を控えて調整売りに押される形となった。チャート的には10日移動平均線でサポートされて引けている。LME在庫の増加は継続しておりに需給は緩和傾向にあるが、7月中旬以降発表されている企業決算や経済統計は、「予想より」良い内容であり、それを材料に極端な景気の先行きへの楽観論が広がっており、マインドの改善がファンダメンタルズを凌駕してしまっているようだ。雇用情勢は引き続き厳しいため、8月7日の雇用統計の内容を見極める必要があるものの、その際の調整は当初の見込みよりも限定的なものになる可能性が高まってきた。LME在庫は+1,325Mt増加、(FSCは5.0日、キャンセルワラント率は0.8%。)。売買高は1,743枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニング。C-3は16ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは1,855.00(▲95:16C)。

Aluminum 3M :1,990.00(▲80:28.75C)
 昨日のアルミ価格は大幅に下落した。LME在庫の増加やドル高の進行もあって寄り付きから前日比マイナスとなり、今晩の雇用統計を控えたポジション調整と思われる売りに押され終始弱含み推移した。但し10日移動平均線でサポートされて引けている。足許、欧州や米国でLME在庫が減少するなど、実質的に利用可能な在庫が少ないことから需給は在庫水準に関わらずタイトであり、高値での推移が続いている。価格上昇のタイミングはやや早いとは思うが、予想していた「1,750ドルクリア後の2,000ドル」を達成しており、2,000ドルを上回った場合、過去のデータを鑑みると2,350ドル程度まで速やかに上昇してしまうケースは多く非常に注意せねばならない。7月中旬以降発表されている企業決算や経済統計は、「予想より」良い内容であり、それを材料に極端な景気の先行きへの楽観論が広がっており、マインドの改善がファンダメンタルズを凌駕してしまっているようだ。雇用情勢は引き続き厳しいため、8月7日の雇用統計の内容を見極める必要があるものの、その際の調整は当初の見込みよりも限定的なものになる可能性が高まってきた。LME在庫は+1,750Mt増加、(FSCは45.0日)。(キャンセルワラント率は3.3%)。売買高は19,260枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。C-3は29ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,990.00(▲80:28.75C)。

Nickel 3M :19,600.00(▲850:63C)
 昨日のニッケル価格は大幅に下落した。LME在庫の減少が続いているものの、今晩発表予定の米雇用統計を控えて調整売りに押された。LME在庫の絶対水準やニッケルの主要用途であるステンレス需要が回復しているとのサインは出ていないが、株価の上昇に伴うセンチメントの好転による投機的な買いと、昨年から年初にかけての極端な在庫調整の影響で在庫積み増しがQ3までずれ込んでいることによって高値圏での推移が続いている。7月中旬以降発表されている企業決算や経済統計は、「予想より」良い内容であり、それを材料に極端な景気の先行きへの楽観論が広がっており、マインドの改善がファンダメンタルズを凌駕してしまっているようだ。雇用情勢は引き続き厳しいため、8月7日の雇用統計の内容を見極める必要があるものの、その際の調整は当初の見込みよりも限定的なものになる可能性が高く、また一方で在庫積み増しの動きはしばらく続くと見られることからいずれにしてもニッケル価格は比較的高い水準での推移を余儀なくされよう。LME在庫は▲126Mt減少、(FSCは28.4日)、キャンセルワラント率は1.6%。売買高は2,832枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアフラットニングしている。C-3は63ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは19,600.00(▲850:63C)。

Tin 3M   :14,700.00(▲600:223B)
 昨日の錫価格は下落した。LME在庫がマレーシアで大幅に増加したこと、ドル高の進行、今晩発表予定の米雇用統計を控えて調整売りに押された。7月中旬以降発表されている企業決算や経済統計は、「予想より」良い内容であり、それを材料に極端な景気の先行きへの楽観論が広がっており、マインドの改善がファンダメンタルズを凌駕してしまっているようだ。雇用情勢は引き続き厳しいため、8月7日の雇用統計の内容を見極める必要があるものの、その際の調整は当初の見込みよりも限定的なものになる可能性が高まってきた。LME在庫は+280Mt増加、(FSCは18.1日)、P596は2.38%。売買高は432枚。イールド
カーブは期近の下げ幅が大きくベアフラットニングしている。C-3は223ドルバックとバック幅を縮小した。昨日の引けは14,700.00(▲600:223B)。



(エネルギー関連ニュース)
WTI :71.94(▲0.03)
Brent :74.83(▲0.68)

・米在庫統計 原油+1.7MB(市場予想+1.2MB)、ガソリン▲0.2MB(▲1.3MB)、ディスティレート▲1.1MB(+1.2MB)、稼働率▲0.03(▲0.23%)。

 昨日のNY原油は期近が下落、期先が上昇した。ここ数週間の上げトレンドが継続し上値をトライする局面も見られたが、本日夜の雇用統計の内容を見極めたい市場参加者が多く、ポジション調整の売買に終始したと見られる。WTIは70ドルを維持し、底堅い推移となっている。イールドカーブは期近が下落、期先が上昇している。直近限月の騰落率は▲0.0%。昨日の引けは71.94(▲0.03)。 Brentも下落。直近限月の騰落率は▲0.9%。昨日の引けは74.83(▲0.68)。 WTI/Brentのネガティブスプレッドは縮小。以前説明したとおりであるが現在の経済環境ではBrentの価格がより正確に原油市場動向を反映していると考えられる。
 石油製品はまちまち。RBOBは上昇。概ね原油の動きをフォローアップする形となっている。イールドカーブは概ねパラレルに上昇している。直近限月の騰落率は+0.5%。昨日の引けは206.07(+0.95)。 ヒーティングオイルは下落。何回かコメントしているがディスティレート在庫の水準が著しく高いことから原油価格が上昇しない限りディスティレート価格は上昇しにくい。昨晩は原油が調整したためにこの動きをフォローすることとなった。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニング。直近限月の騰落率は▲1.1%。昨日の引けは193.67(▲2.02)。 ICEガスオイルは上昇。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルスティープニングしている。直近限月の騰落率は+0.7%。昨日の引けは611.00(+4.0)。



(ひとりごと)
この前、飛行機で出張に行った
(あ、ちなみに予め行っておきますが、飛行機に乗るとツイてない話しではないです)

通常、飛行機や電車に乗る前に、機内・車中で読むための雑誌や本を買うのだが
今回も売店で雑誌を買うことにした


レジに行くと、なんだか知らないけど結構混んでいて
3〜4人人が並んでいた
で、私もその列の一番後ろに並ぶ


待つこと数分。


列に並んで、次の次は私の番
と思っていたら、突如、中年のおじさん(俺も中年か)が、明確に割り込みだと認識しつつ、列に割り込んできた


おいッ!!


と、相当憤ったのだが
「ひょっとして飛行機の時間があるのかも」
と、思って許そうかと考えたのだが、手に持っている搭乗券を見るとどう見ても私と同じ便である

これは絶対注意してやろうかと思ったのだが
このテの注意って、その瞬間にしないとできないんですよね
上記の「ひょっとして飛行機の時間が」と考えた3秒ぐらいで、完全に私はそのタイミングを逸してしまった

何なんだ、このオヤジ、ふざけんな
と、怒りがふつふつとこみ上げる。
別に対したことじゃないんだが
すぐさま注意しなかった自分を嫌悪しつつ
このおっさん、どんな本買おうとしてんだ?
きっとロクな本じゃないに違いない
と、怒りを募らせていたら
おっさん、本をレジに出した

おっさんが買った本は



「男の品格」



でした...
なぜか知らんが、敗北感で一杯であった。


ニュージーランドでワイン造りをしている友人のサイトも宜しくお願いします。
http://ameblo.jp/satowines/