(商品市況概況)
「切り札のうち1枚が切られた」
昨日の商品価格は軒並み調整売りに押された。米政府が財政出動を伴わず、マーケットにプラスの影響を与える材料であると考えられる、バーナンキ議長の留任が発表され、株価にはプラスのインパクトを与えたが多くの商品が節目の価格に到達しつつあり、ドルが上昇する中、調整売りに押されることとなった。米政府が温存していたカードのうちの1枚が場に切られたわけである。
今後は引き続き、どのタイミングで過剰流動性の供給が終了するのかがポイントになると考えている。恐らく最も早いタイミングでこの9月、遅くとも12月には米国の超金融緩和が終了することになろう。そのときに無事にExitすることができるのかどうか。かつての日本のようにその金融緩和解除が景気を腰折れさせる可能性もある。但し、現在世界の金融市場は、景気回復のための巨大な実験場状態と化しており、何が起こってもおかしくない(日本は既にこういった状態を長期間経験しているので、海外の人々ほど驚きはないと思うが)。引き続き中央銀行のオペレーションが今後の相場を占う上で最も重要なファクターであると言える。
(経済関連ニュース)
・オバマ大統領、バーナンキFRB議長の再任を発表。
・米S&Pケースシラー指数 前年比▲15.4%、市場予想▲16.4%。
・8月米消費者信頼感指数 54.1(前月改定47.4(速報比+0.8))、市場予想47.9。
NY Dow :9,539.29(+30.01)
S&P500 :1,028.00(+2.43)
NIKKEI225 :10,497.36(▲83.69)
JPY/USD :94.25(▲0.26)
USD/EUR :1.432(▲0.0006)
・ドルは対ユーロで下落後上昇。バーナンキ議長の再任発表で逆にリスク資産へのシフトが起きたが、引けに掛けて上げ幅を縮小した。円も上昇。
・日本株は下落。前日の上げ幅が大きかったことと、円高の進行、中国株の下落等から。米株は反発。経済統計が若干改善したことと、最大の材料はバーナンキ議長の再任発表に伴い将来の不確定要素が1つ消えたことから。金融混乱時における対応に市場からの評価が高いと見られる。
(穀物市場サマリー)
Cbot Wheat :471.00(▲0.75)
Cbot Corn :321.50(▲8)
CSCE Sugar :21.92(+0.13)
(金属関連ニュース)
Comex Gold :944.50(+2.2)
Nymex Platinum :1,247.8(▲0.3)
・NY金は上昇後、下落し前日比プラス。完全にドルの動きをトレースする形となった。中期的にはソブリンリスクの高まりや、各国が金の保有比率を増加させる動きが見られることが金価格を高止まらせると見ている。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 944.50(+2.2)。
銀価格は小幅高。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,431.00(+11.5)。"
・NYプラチナ価格は小幅安。金と同じくドルの動きに連れる展開となった。昨日の引け(東京時間0:00)は1,247.8(▲0.3)。
パラジウムは小幅高。昨日の引け(東京時間0:00)は288.8(+3.45)。"
(非鉄金属)
Copper 3M :6,311.00(▲114:12.5C)
昨日の銅価格は下落した。アジア時間は中国株の下落もあって下落していたが、バーナンキ議長の再任を市場が評価、NY時間二株が上昇したため、NY時間にかけて反発した。しかしながらやはり上げピッチが急であることやLME、上海の在庫が増加していることもあり高値警戒感から売られた。ファンダメンタルズについては引き続き中国の在庫積み増し意欲が旺盛であることや、コンセントレートが継続的に不足する環境になる可能性が高いことから、中長期的にも上昇トレンド入りしたと考えている。8月の米雇用統計では雇用環境の改善が確認されたが、更なる価格の上昇は株価にとってマイナスのインパクトをもたらすと見られることから、今後の価格は頭打ちになると考えている。今後は不況下におけるインフレの進行に対する金融当局の対応、いわゆる出口戦略に焦点が当たることになると見ている。LME在庫は+3,875Mt増加、(FSCは62.9日)、(キャンセルワラント率は3.2%)。売買高は8,259枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近を中心に低下し、ベアフラットニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は13ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは6,311.00(▲114:12.5C)。
Zinc 3M :1,850.00(▲6:28.5C)
昨日の亜鉛価格は下落した。アジア時間は中国株の下落を受けて下落していたが、バーナンキ議長の再任を好感したNY時間の株価上昇を受けて再び買いが優勢となり下げ幅を削ったが、結局前日比マイナスで引けている。8月の米雇用統計では雇用環境の改善が確認されたが、更なる価格の上昇は株価にとってマイナスのインパクトをもたらすと見られることから、今後の価格は頭打ちになると考えている。今後は不況下におけるインフレの進行に対する金融当局の対応、いわゆる出口戦略に焦点が当たることになると見ている(景気回復がしっかりしたものにならない状況での金利引き上げは、各種金融商品にマイナスのインパクトをもたらす)。LME在庫は▲75Mt減少、FSCは14.6日(キャンセルワラント率は2.0%)。売買高は2,684枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きくベアフラットニングしている。C-3は29ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,850.00(▲6:28.5C)。
Lead 3M :2,061.00(+36:17C)
昨日の鉛価格は大幅に上昇した。アジア時間は中国株の下落によって下値余地を探る局面も見られたが、中国生産者の生産停止報道と、バーナンキ議長再任を好感したNY時間の株上昇を受けて大幅に上昇することとなった。しばらくはこの生産停止を材料に上値余地を探る展開にならざるを得ないと見るが、そもそもLME在庫の水準も高く、この状態が長く続くとは考えにくい。8月の米雇用統計では雇用環境の改善が確認されたが、更なる価格の上昇は株価にとってマイナスのインパクトをもたらすと見られることから、今後の価格は頭打ちになると考えている。今後は不況下におけるインフレの進行に対する金融当局の対応、いわゆる出口戦略に焦点が当たることになると見ている(景気回復がしっかりしたものにならない状況での金利引き上げは、各種金融商品にマイナスのインパクトをもたらす)。LME在庫は+75Mt増加、(FSCは5.3日、キャンセルワラント率は0.9%。)。売買高は3,856枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルスティープニング。C-3は17ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは2,061.00(+36:17C)。
Aluminum 3M :1,900.00(▲27:35C)
昨日のアルミ価格は下落した。アジア時間の株下落を受けて弱含み推移していたが、バーナンキ議長再任を好感した株の上昇を受けてNY時間にかけて上昇、しかしその後ドルが買い戻されたことなどから軟調な推移となり、30日移動平均線のサポートラインまで水準を切り下げた。足許比較的狭いレンジでのもみ合いが続いている。欧州や米国でLME在庫が減少するなど、実質的に利用可能な在庫が少ないことから需給は在庫水準に関わらずタイトであり、ロシア生産者の生産減少といった新規材料もあって堅調な推移が続いている。8月の米雇用統計では雇用環境の改善が確認されたが、「価格が急上昇した場合、現在の経済環境では株価にとってマイナスのインパクトをもたらし、最終的に商品価格にマイナスのインパクトをもたらす」と見られることから、価格の上げピッチは緩やかなものになると考えている。今後は不況下におけるインフレの進行に対する金融当局の対応、いわゆる出口戦略に焦点が当たることになると見ている(景気回復がしっかりしたものにならない状況での金利引き上げは、各種金融商品にマイナスのインパクトをもたらす)。LME在庫は▲3,575Mt減少、(FSCは45.4日)。(キャンセルワラント率は3.1%)。売買高は9,179枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。C-3は35ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,900.00(▲27:35C)。
Nickel 3M :19,355.00(▲245:19B)
昨日のニッケル価格は下落した。アジア時間は中国株の下落で水準を切り下げたが、NY時間の株の上昇を受けて買い戻しが優勢となり、下げ幅を削った。しかしその後ドル高が進行したことで多くのドル建資産が売られる中、ニッケルも売られ結局前日比マイナスでひけた。LME在庫の絶対水準やニッケルの主要用途であるステンレス需要が回復しているとのサインは出ていないが、株価の上昇に伴う投機的な買いと、昨年から年初にかけての極端な在庫調整の影響で在庫積み増しがQ3までずれ込んでいること、加生産者のストライキが継続していることによって高値圏での推移が続いているが、足許、株や為替の影響に左右されやすく、不安定な値動きが続いている。8月の米雇用統計では雇用環境の改善が確認されたが、更なる価格の上昇は株価にとってマイナスのインパクトをもたらすと見られることから、今後の価格は頭打ちになると考えている。今後は不況下におけるインフレの進行に対する金融当局の対応、いわゆる出口戦略に焦点が当たることになると見ている(景気回復がしっかりしたものにならない状況での金利引き上げは、各種金融商品にマイナスのインパクトをもたらす)。また一方で在庫積み増しの動きはしばらく続くと見られることや生産者のストライキで比較的高い水準での推移を余儀なくされよう。LME在庫は▲48Mt減少、(FSCは29.5日)、キャンセルワラント率は1.8%。売買高は1,588枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアフラットニングしている。C-3は19ドルバックとバック幅を拡大した。昨日の引けは19,355.00(▲245:19B)。
Tin 3M :14,000.00(▲375:276B)
昨日の錫価格は下落した。中国株の下落で水準を切り下げその後のドル安で上昇、その後のドル高で水準を切り下げた。昨日については純粋にドル/ユーロの動きに連れたようである。流動性の観点から錫市場に投機資金が積極的に入っているとは考えにくく、比較的現状を反映した価格水準で取引されているものと考えられる。8月の米雇用統計では雇用環境の改善が確認されたが、「更なる価格の上昇」は株価にとってマイナスのインパクトをもたらすと見られることから、今後の価格は頭打ちになると考えている。今後は不況下におけるインフレの進行に対する金融当局の対応、いわゆる出口戦略に焦点が当たることになると見ている(景気回復がしっかりしたものにならない状況での金利引き上げは、各種金融商品にマイナスのインパクトをもたらす)。LME在庫は+175Mt増加、(FSCは19.1日)、P596は4.14%。売買高は213枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアフラットニングしている。C-3は276ドルバックとバック幅を縮小した。昨日の引けは14,000.00(▲375:276B)。
(エネルギー関連ニュース)
WTI :72.05(▲2.32)
Brent :71.82(▲2.44)
・米在庫統計市場予想 原油▲2.1MB、ガソリン▲1.4MB、ディスティレート+0.2MB、稼働率+0.1%
昨日のNY原油は下落した。心理的節目である75ドルを上抜けできなかった中、ドル高が進行したため手仕舞い売りに押された。結果的に10日移動平均線でサポートされることとなったが久しぶりの大幅調整となった。先週の米在庫統計は原油在庫の減少が確認されたが、石油製品在庫の高止まりに伴う調達(輸入)の調整によるものであり、引き続き米国内の石油・石油製品需給はルーズである。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲3.3%。昨日の引けは72.05(▲2.32)。 Brentも大幅調整し、30日移動平均線のサポートラインまで水準を切り下げることとなった。株式市場は上昇したものの、徐々に頭が重くなっており株のみを材料に買いにくい環境になってきた可能性がある。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニング。直近限月の騰落率は▲3.5%。昨日の引けは71.82(▲2.44)。 WTI/Brentのポジティブスプレッドは小幅拡大。
石油製品も下落。RBOBはNY時間の原油の調整を受けて後場にかけて売られた。結果、200セントの節目は維持したが、米在庫統計で需要が低迷していることが確認されていること、在庫水準が高いことから上げ材料は正直存在しない。イールドカーブはパラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲2.1%。昨日の引けは200.70(▲4.21)。 ヒーティングオイルも下落。在庫統計で需要低迷が確認されており、ガソリン同様ファンダメンタルズは引き続き弱く、原油が上昇する以外に上昇する材料はなく、昨晩は原油が久しぶりに大きく調整したことからヒーティングオイルも調整を余儀なくされた。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニング。直近限月の騰落率は▲3.8%。昨日の引けは185.59(▲6.75)。 ICEガスオイルは下落。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニング。直近限月の騰落率は▲1.3%。昨日の引けは603.00(▲7.5)。
(ひとりごと)
この前、飲み屋に来ていた人に言われてなるほどそうか、と思ったが
今年の24時間テレビって、総選挙の日なんですよね...
それこそ日本テレビは、24時間、選挙放送をやらなきゃならないんでしょうか?
愛は日本を救えるだろうか。
今日は超短くって済みません...
ニュージーランドでワイン造りをしている友人のサイトも宜しくお願いします。
http://ameblo.jp/satowines/