【商品市況概況】
「軒並み上昇」
昨日の商品価格は大幅に上昇した。朝方湾岸諸国のドル決済停止報道(後に否定)があったこと、豪州中銀が政策金利を引き上げたことに伴う資源国通貨買い、ドル売りの流れを受けて、経済環境に大きな変化がない中、ドル建資産が物色される流れとなった。足許、アジア諸国は景気が回復基調に入った国が多く「異常に低い金利水準は訂正する必要がある」との動きが見られており、今回の豪州中銀の金利引き上げが市場参加者のマインドを好転させたものと見られる。
しかし、世界の経済状態は以前として財政出動に伴う需給ギャップ解消を必要としている状態であることに変わりはなく、かつ、景気の回復は緩やかなものに留まっていることも事実である。原油に関して言えば、いわゆる経済状態に大きな問題がない状態で「割安」と考えられる60ドルを割り込むような状況ではなく、かつ、新規油田の開発維持が可能となる80ドル以上に価格が上昇する環境にはない。80ドルを超えて上昇するのは来年以降になるだろう(大型ハリケーン等の天災によるインフラ破壊リスクは別議論)。また、非鉄金属に関して言えば中国政府の経済対策に伴う買いが一巡しており、一時期の更に上値をトライするという動きではなく一旦調整を、といった色彩が強くなっている(ただし来年以降は上昇と見ている)。
こうした中、工業品としてのニーズよりも安全資産、投資資産としての色彩の強い金が物色される流れが続いている。金の上昇を受けて銀やプラチナ、パラジウムも然りである。当面、消去法的に貴金属が物色される流れが続くことになると予想される。ただ、プラチナ・パラジウムは環境問題対策で必要な資源(燃料電池等)であり、更なる価格上昇は一部産業の業績に大きな影響を与えることになるため、何らかの対策をする必要があると考える。
【経済関連ニュース】
・オーストラリア準備銀行、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを0.25%引き上げ、3.25%に。金融危機後、G20中初めての利上げ。
・サウジアラビア通貨庁、英紙の報道(ドル決済停止)を否定。
・IEA 景気悪化の影響で2020年の温室効果ガスの排出量は昨年発表の見通しから5%下回る見込み。
NY Dow :9,731.25(+131.5)
S&P500 :1,054.72(+14.26)
NIKKEI225 :9,691.80(+17.31)
Dax :5,657.64(+148.79)
FT250 :9,201.23(+218.7)
Sensex :16,958.54(+92.13)
Shanghai A :Close
Brazil Bovespa :62,670.5898(+301.289)
JPY/USD :88.8(▲0.85)
USD/EUR :1.472(+0.0074)
・ドルは対ユーロで下落。豪中銀の予想外の利上げを受けて、低金利が継続する可能性が高いドルが売られた。また、朝方、湾岸諸国が決済通貨としてのドル使用停止を検討しているとの報道(湾岸諸国は否定)を受け、決済通貨としてのドル需要減少観測から、ドルは売られていた。円はこうしたニュースを受けて急騰している。
・日本株は小幅上昇。米株の上昇を受けて。米株は大幅に上昇。米国由来の材料はなかったが、株高の流れを受けて買いが入った模様。オーストラリア中銀の利上げは株式市場において、「景気が回復局面に入っている」と捉えられた様子。
【穀物】
Cbot Wheat :460.25(+17.5)
Cbot Corn :358.25(+16.75)
CSCE Sugar :23.43(▲0.22)
【貴金属・非鉄金属】
Comex Gold :1,038.60(+21.9)
Comex Silver :1,729.50(+76)
Nymex Platinum :1,318.1(+23.5)
Nymex Palladium :310.3(+7)
・NY金は大幅に上昇した。朝方の湾岸諸国ドル決済停止(後に否定)報道や、オーストラリア中銀の予想外の利上げに伴う資源国通貨買いによるドル安進行、合わせて世界的な株高の流れによるETFを通じた買いなどで。今後は金は高い水準での推移が続くと考えている、材料は、CFTCの規制により現物担保のETFニーズ特に規制の主要対象となっていない貴金属に買いが入り安いこと、中央銀行が準備通貨の分散を図ることに伴う現物需要が増加すると見られること、他国通貨比で見た場合のドル安継続の可能性が高いことである。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 1,038.60(+21.9)。
銀価格は上昇した。ドル安の進行と株高を受けて。今後は銀生産の多くが亜鉛・鉛の鉱山からの生産であり、資本投資の不足から供給が限られると見られるため、銀価格は対金比でも高いパフォーマンスを維持することになろう。また,投機の動きも押し上げ材料だ。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,729.50(+76)。"
・NYプラチナ価格は大幅に上昇した。ドル安が進行したことに伴い、貴金属が物色される流れにつられた。結果、10日移動平均線のレジスタンスを抜け、9月17日の高値1,356.30ドルを試す動きとなっている。昨日の引け(東京時間0:00)は1,318.1(+23.5)。
パラジウムは上昇した。昨日の引け(東京時間0:00)は310.3(+7)。
・金は史上最高値を更新。
・BHPBilliton チリ エスコンディダ銅山の労使交渉を早める可能性。
Copper 3M :6,115.00(+195:20.75C)
昨日の銅価格は上昇した。朝方の湾岸諸国のドル決済停止報道(後に否定)と、豪州中銀の利上げに伴うドル安進行が材料となった。但しここ数日上値として意識される50日移動平均線は下回って引けている。今後は、経済対策の効果剥落に伴う需要減少で一旦下落する可能性はあるが、大手生産者の労使交渉の更新がこの四半期に訪れることや、(本格的ではないが)景気回復が持続すると見られることから中長期的にはポジティブなパフォーマンスを維持するものと見られる。LME在庫は+1,200Mt増加、(FSCは7.0日)、(キャンセルワラント率は2.9%)。売買高は9,831枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルスティープニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は21ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは6,115.00(+195:20.75C)。
Zinc 3M :1,922.00(+50:26C)
昨日の亜鉛価格は上昇した。銅と同じく、ドル安が材料となった。今後は、亜鉛価格は堅調な推移になると考えている。最大需要国である中国の鉄鉱石輸入の増加に伴う亜鉛需要の増加観測、同時に中国国内の環境面を意識した精錬キャパシティの縮小が、需給をタイトにさせると予想されるためである。LME在庫は▲350Mt減少、FSCは14.7日(キャンセルワラント率は3.4%)。売買高は3,662枚。イールドカーブは略パラレルに上昇している。C-3は26ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは1,922.00(+50:26C)。
Lead 3M :2,150.00(+59.5:28C)
昨日の鉛価格は上昇した。銅と同じくドル安が材料となり上昇したが、10日移動平均線がレジスタンスとなり、この水準を上回らずに引けている。今後は鉛需給は均衡すると考えられることから、在庫水準の高さを映じて徐々に水準を切り下げると見ている。足許の価格高騰は各国の自動車買い替えプログラムによるバッテリー特需と、中国政府の環境に配慮した生産減少(ここまで約400KMtの生産キャパシティが縮小)によるものであるが、これは徐々に緩和することになろう。LME在庫は▲125Mt減少、(FSCは5.7日、キャンセルワラント率は0.7%。)。売買高は1,713枚。イールドカーブは略パラレルに上昇している。C-3は28ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは2,150.00(+59.5:28C)。
Aluminum 3M :1,822.00(+32:34.5C)
昨日のアルミ価格は上昇した。朝方からのドル安、資源国通貨高(こちらも結局ドル安材料)を受けて戻りを試す動きとなった。結果的に1,800ドルが下値の目処として足許強く意識されている。この水準を下回ると、100日移動平均線のサポートライン(1,750ドル)を試す動きになると見ている。今後は一旦調整した後、堅調に推移すると見ている。低金利とコンタンゴを背景に現物需要が高まると予想されるためである。広くアルミ市場が供給過剰であることが知られているが、こうしたファイナンス上の理由で相場は下支えされよう。大幅な下落のリスクは、来年の夏以降のファイナンスが継続せず使用可能な在庫が増えることであるが、経済環境を鑑みるとそれはもう少し先になると予想される。LME在庫は+150Mt増加、(FSCは48.5日)。(キャンセルワラント率は2.4%)。売買高は10,660枚。イールドカーブはまちまちな変化となっているが総じてパラレルに上昇している。C-3は35ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは1,822.00(+32:34.5C)。
Nickel 3M :18,130.00(+580:86C)
昨日のニッケル価格は上昇した。ドル安の流れを受けて。LME在庫の3割強を特定業者が保有しており、実質利用可能在庫の減少懸念が台頭したことも支援材料となった。足許、100日移動平均線をサポートラインとして堅調な推移が続いている。今後は徐々に水準を切り上げる動きになると考えている。中国の輸入が大幅に増加したが、これは民間レベルにまで及ぶ投機的な現物の買いによるものであることが指摘されており、今後もこの状態が継続するとは考えにくいが、中国以外の国々でも景気の底打ち感の強まりから在庫積み増しの動きが見られると予想されることから、需要は向こう1年半程度横ばいと見ている。一方で、大手生産者は引き続き生産を見送っており、トータルでニュートラルであると見られるためである。需給がニュートラルであるため、景気回復に伴い価格は上昇することになろう。LME在庫は▲18Mt減少、(FSCは35.4日)、キャンセルワラント率は1.1%。売買高は1,860枚。イールドカーブはパラレルに上昇している。C-3は86ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは18,130.00(+580:86C)。
Tin 3M :14,595.00(+395:460B)
昨日の錫価格は上昇した。意識されていた100日移動平均線のレジスタンスをドル安を材料にして上抜けしたことから大幅な上昇となった。今後は最大生産国であるインドネシアの動向に大きく影響を受ける状況が続くと見られ、需給はタイトに推移することになろう。この夏、インドネシア政府は違法生産者の逮捕に踏み切っており、インドネシアからの精錬錫の輸出は激減することが予想されているためだ。中国需要の減少に伴う裁定取引機会の縮小が需中国の需要を減少させようが、供給の不安定さが引き続きイールドカーブの形状をバックワーデーションに維持することが予想される。LME在庫は+430Mt増加、(FSCは25.3日)、P596は1.07%。売買高は282枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。バックが継続する中、期先が上昇し始めると期近の急速な上昇を促す可能性があるため、注意が必要だ。C-3は460ドルバックとバック幅を拡大した。昨日の引けは14,595.00(+395:460B)。
【エネルギー】
WTI :70.88(+0.47)
Brent :68.56(+0.52)
昨日のNY原油は上昇した。東京時間の朝方、英インディペンデント紙が「湾岸諸国がドル決済停止を検討」と報じたことを受けてドル安が急速に進行、その後のオーストラリア中銀の予想外の利上げを受けて資源国通貨が買われる中、さらにドルが下落したことから原油価格は上値を試す動きとなった。しかし引けにかけてはやはり更なる上値を追う材料があるわけでもなく、上げ幅を削る展開となった。中期的にはIMFの見通し上方修正にあるように、景気回復に伴う需要増加観測から水準を切り上げる動きになると考えている。イールドカーブは全体的にパラレルに上昇。直近限月の騰落率は+0.7%。昨日の引けは70.88(+0.47)。 Brentは上昇した。直近限月の騰落率は+0.8%昨日の引けは68.56(+0.52)。 WTI/Brentは+2.32のポジティブスプレッドに。
RBOBは上昇した。原油価格がドル安を受けて大幅に上昇したことから、連れ高となった。繰り返しであるがガソリン需要は回復しておらず、原油価格の上昇が支援材料となっている。イールドカーブはパラレルに上昇。直近限月の騰落率は+1.0%。昨日の引けは177.27(+1.88)。 ヒーティングオイルは上昇した。ファンダメンタルズは弱いが、原油価格の上昇につれる形となった。イールドカーブはパラレルに上昇。直近限月の騰落率は+1.2%。昨日の引けは181.42(+2.26)。 ICEガスオイルは上昇した。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+4.1%。昨日の引けは568.50(+24.25)。
【ひとりごと】
最近、家でビールを飲むと
子供がそのプルタブを開けたがる
開けるだけならいいのだが
その後、そのプルタブをいじって、缶の中に入れるのが好きらしく
ちょっと目を離した隙にやられてしまう
指を切ったりするので怖い、というのもあるので警戒しているのだが
これをやられると、ビールの炭酸が抜けてしまって
とってもまずくなるんで嫌なんですよね
でも
注ぎ口の中に見えているアルミのプルトップは
箸や指を使って上手く取り除くの難しい
何故、っていうと、子供の頃の実験であったように
下に沈んでいるプルタブに泡が付いて上に上がってくるが
水面上に上がると泡がなくなってすぐに下に落ちてしまい
非常に取りにくいのだ。
昔、炭酸水に1円玉を入れて事件したのを思い出してしまった。
母からもらったサイダーに1円玉を入れて実験し
その後、「汚いから」っていって飲ませてもらえなかったこととか...
でも、今ビールにプルトップが入っても、気にしないで飲んでるなぁとか...
あーあ、こんなこと考えている間に炭酸がまた抜けてしまった...