海外旅行

【商品市況概況】
「とりあえず買い戻し」
 昨日の商品価格はとりあえず買い戻しで上昇した。大きな経済統計の発表がない中、ユーロが対ドルで若干反発したことや週末の下落幅が大きかったことから下値拾いの買いが入ったようだ。今後の動向は、欧州諸国の財政問題がどのような決着を見るかによる。政治判断によるところが大きく、方針が決まるまではリスクマネーのポジションクローズ(多くのリスクマネーは引き続き買い持ちポジション)の動きを受けて冴えない展開となろう。
 先週も使ったコメントであるが、総じて景気は新興国中心に回復していること、かつ、国が破綻した場合の世界経済に与える影響が甚大であることを考えると、ECBはなんとしても今回の問題を食い止めるものと予想されるため、下落は一時的なものになると考えており、下値ではしっかりと押し目買いが入るものと考えている。とはいっても金融政策の変更は多くの市場参加者に「強制終了」を強いるため、油断してはならない(なので、投機筋はこうした状況だとポジションをスクウェアにしたがるものなのですが...)。


【経済関連ニュース】
・キリン・サントリー、合併交渉決裂。



【為替・株】
NY Dow  :9,908.39(▲103.84)
S&P500   :1,056.74(▲9.45)
NIKKEI225 :9,951.82(▲105.27)
Dax :5,484.85(+50.51)
FT250 :9,010.37(▲25.54)
Sensex  :15,935.61(+19.96)
Shanghai A :3,077.838(▲4.513)
Brazil Bovespa :63,153.0898(+390.391)
JPY/USD :89.35(+0.04)
USD/EUR :1.37(+0.0065)


・ドルは対ユーロで下落。特段の新規材料はなかったが、値ごろ感から買い戻しが入ったものと見られる。円は対ドルで小動き。

日本株は大幅に下落し、1万円を割った。欧州発の信用不安の高まりと、円高の進行や本邦系企業の決算悪化等の悪材料が相次ぎ、大幅な下落となった。キリン・サントリーの合併交渉決裂も地合いを悪化させた。米株は大幅に下落、こちらも1万ドルを割った。欧州諸国の財政不安の高まりを受け、金融関連株の下げが大きかったようだ。



穀物
Cbot Wheat :484.00(+10.75)
Cbot Corn :356.00(+4.5)
CSCE Sugar :26.60(+0.43)



【貴金属・非鉄金属
Comex Gold :1,065.70(+13.5)
Comex Silver :1,508.50(+25.5)
Nymex Platinum :1,481.0(+5.9)
Nymex Palladium :407.65(+9.4)


・NY金は上昇した。ユーロが対ドルで上昇したことが材料。ただし、100日移動平均線を割り込んでいることもあり、テクニカルに200日移動平均線のサポートライン(1,020ドル)を試し易い。基本、質への逃避で金は物色されてもおかしくない環境にあるが、急速なドル高の進行に伴う利益(ないしは損失)確定の売りに押され、地合いは良くない。中期的にはETFを通じたマネーの流入傾向には変りはナイト見られ、引き続き中期的なターゲットプライスは1,400ドル程度を想定している。尚、リスクとして、ワシントン協定を遵守していないギリシャ財政再建のために保有金(3.6百万トロイオンス)を市中売却する可能性であるが、その可能性は低いだろう。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 1,065.70(+13.5)。
 銀価格は上昇した。株の下落と、200日移動平均線のサポートラインを割り込んだことで。ETF保有在庫も大幅な減少が報告されており、一時的に手仕舞いの動きが加速している。200日移動平均線の中期的なサポートラインを割り込んでしまったことから、14ドル程度までの下落を視野に入れねばならなくなった。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,508.50(+25.5)。


・NYプラチナ価格は上昇した。ユーロの上昇を受けて。今回の欧州の信用不安を背景とするリスクマネーの換金の動きがプラチナにも見られている。一部報道では、NYのプラチナETFの残高は大幅に減少しており、今回のETF導入前の状態に戻った事が指摘されている。短期的には100日移動平均線程度までの下落はあるだろう。ただし中期的にはマネーフローの変化や、環境関連向け需要の増加、生産国南アフリカの電力問題といった供給不安を受けて上昇するという見方に変りはない。昨日の引け(東京時間0:00)は1,481.0(+5.9)。
 パラジウムは上昇した。昨日の引け(東京時間0:00)は407.65(+9.4)。


Copper 3M :6,450.00(+170:23C)
 昨日の銅価格は上昇した。ここ数日間の下げ幅が大きかったことや、LME在庫の減少が続いていること、ドル若干の弱含みなどが材料となった。しかし株価が低迷するなど、市場のセンチメントは以前程良くなく、力強い上昇にはなっていない。中国正月を目前に控えて冴えない相場展開が続きそうだ。中期的には景気回復が持続すると見られること、銅鉱山(Mine)からの供給には少なくとも5〜7年程度掛かると見られることから、中長期的にはポジティブなパフォーマンスを維持するとの見方に変更はない。LME在庫は▲50Mt減少、(FSCは11.0日)、(キャンセルワラント率は0.6%)。売買高は13,247枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルスティープニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は23ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは6,450.00(+170:23C)。

Zinc 3M   :2,022.50(+82.5:14.75C)
 昨日の亜鉛価格は上昇した。銅と同じく、ここ数日(良く良く考えると、年初からの2ヶ月)の下げ幅がおおきく、200日移動平均線の中期的なサポートラインまで下落したことから、テクニカルに買い戻しが入ったものと見られる。短期的には200日移動平均線を下値として冴えない相場展開になるだろう。中期的には規制強化の動きはあれど亜鉛価格は最大需要国、中国の鉄鋼需要が堅調に推移すると見られ高値での推移が続くと考えている。その後、経済効果の剥落で年末にかけて一旦調整するという見方に変更はない。LME在庫は+550Mt増加、FSCは16.9日(キャンセルワラント率は0.7%)。売買高は5,823枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニング。C-3は15ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは2,022.50(+82.5:14.75C)。

Lead 3M   :1,965.00(+29:20.25C)
 昨日の鉛価格は上昇した。多くの非鉄金属が週末の大幅な下げを受けて買い戻しが入る中、鉛も同様に買い戻しが入った。しかしながら、200日移動平均線レジスタンスを上抜けすることが出来ず、引けにかけては水準を切り下げている。寒波の影響が終了した後は在庫水準の高さを映じて水準を徐々に切り下げる動きになると見ていたが、その通りとなってきた。中・長期には中国、インドといった新興国の需要が増加すると見られることからやはり他の非鉄金属同様堅調な推移になると考えている。LME在庫は▲500Mt減少、(FSCは7.0日、キャンセルワラント率は9.5%。)。売買高は2,002枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は20ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,965.00(+29:20.25C)。

Aluminum 3M :2,012.00(+32:31.25C)
 昨日のアルミ価格は上昇した。先週末の下げ幅が大きかったことや、ドル安の進行が買い戻しの材料となった。これにより、心理的な節目である2,000ドルを回復している。但し、ユーロ危機に伴う強制的な価格の下落で100日移動平均線を割り込んでしまっていることから、短期的には200日移動平均線のサポートライン程度まで水準を切り下げる動きとなる可能性が出てきた。尚、現在の生産コストは1,900ドル〜2,100ドル程度まで上昇していることを鑑みると、このラインを割り込むことは需給の緩和が必要条件になる。しかし、資金調達や投機を目的とした現物保有が加速しており、需給緩和は難しいと見ており、200日移動平均線=1,900ドルを割り込む可能性は低いと考えている。LME在庫は▲7,450Mt減少、(FSCは48.5日)。(キャンセルワラント率は5.5%)。売買高は10,384枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニング。C-3は31ドルコンタンゴと前日と変わらず。昨日の引けは2,012.00(+32:31.25C)。

Nickel 3M :17,275.00(+225:74C)
 昨日のニッケル価格は上昇した。他の非鉄金属と同様、週末の下げが大きかったことに伴う買戻しによるものと見られる。結果的に200日移動平均線のサポートラインでサポートされている。今後は中国の金融引き締めによって在庫積み増しの動きは終了し、期待されていたOECD諸国の在庫積み増しの動きは予想ほどではない可能性が高まり、在庫積み増しに伴う需要が予想を下回ると考えられるものの、アルミと同様、カーブのコンタンゴ化を映じて資金調達や投機目的の現物保有が加速すると見られることから、堅調な推移を予想する。また、大手生産者の生産調整が比較的早い段階から行われており供給サイドもサポート材料になろう。LME在庫は+90Mt増加、(FSCは48.6日)、キャンセルワラント率は1.4%。売買高は2,043枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は74ドルコンタンゴと前日と変わらず。昨日の引けは17,275.00(+225:74C)。

Tin 3M   :15,200.00(▲250:61C)
 昨日の錫価格は下落した。週末の下げで100日移動平均線を割り込んだが、昨日の寄付きが前日引けを下回ったことから下げが加速、200日移動平均線のサポートを試す動きとなった。結果的にこの水準ではサポートされたが、地合いは悪い。今後も、最大生産国インドネシアの生産が安定しないことから需給環境はタイトに推移しやすく、中期的には堅調な推移が続くと考えているものの、欧州発の信用不安が拡大する中で強制的な下押し圧力が強まっていることは意識せねばならない。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニング。LME在庫は▲300Mt減少、(FSCは26.3日)、キャンセルワラント率は7.63%。売買高は718枚。C-3は61ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは15,200.00(▲250:61C)。




【エネルギー】
WTI :71.89(+0.7)
Brent :70.11(+0.52)

・米中西部に寒波による豪雪予報。

 昨日のNY原油は上昇した。ユーロが対ドルで上昇したことや、今週末に掛けて米州に寒波が襲来する見通しであることから買い戻しが入った。と、言うよりも200日移動平均線のサポートラインが強く意識されたことによる買い喪年であると考えている。このコラムで繰り返しコメントしているが、昨年春からの価格上昇は序盤が価格の行き過ぎた下落の修正によるもので、後半は過剰流動性の供給に伴うインフレ政策に伴う上昇であり、投機の色彩が強い。足許、再び信用不安が再燃する中流入した過剰流動性の退場(現状では投機筋のポジションは引き続きネットロング)が発生しているものと見られる。春先に向けた気温上昇もあり、しばらくは下値余地を探ることになるだろう。中期的には景気回復(GDPプラス成長への回復)に伴う需要増加観測が原油の下値を堅くしよう。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニング。直近限月の騰落率は+1.0%。昨日の引けは71.89(+0.7)。 Brentは上昇した。直近限月の騰落率は+0.7%昨日の引けは70.11(+0.52)。 WTI/Brentは+1.78のポジティブスプレッドに。
 RBOBは上昇した。原油の上昇を受けて。こちらも同様に200日移動平均線のサポートラインを巡る攻防が続いているが、ファンダメンタルズ的にはガソリンを支える材料は少なく、この水準を割り込むと180セント程度までの下落はあると考えている。イールドカーブはパラレルに上昇している。直近限月の騰落率は+0.4%。昨日の引けは189.40(+0.76)。 ヒーティングオイルは上昇した。原油価格の上昇と、寒波襲来予報を受けて。ヒーティングオイルの在庫水準(米国)は低く、気温低下観測は素直にヒーティングオイルの買い材料となり易い。昨日の引けは188.55(+1.07)。イールドカーブは期先の上げ幅が大きい。昨日の引けは188.55(+1.07)。 ICEガスオイルは下落した。イールドカーブはパラレルに低下。直近限月の騰落率は▲1.4%。昨日の引けは567.25(▲8.0)。



【ひとりごと】
カミさんとわが子が私を置いて、海外旅行に行ってしまった。
昨日電話で話したが、すごく楽しそうだ。
子供は電話の向こうで、歌すら歌っている。
お休みでもない平日旅行なので、びっくりするぐらい旅行代金は安い。
ちょっと高めの食事をするぐらいの料金で3泊4日だ。
旅行業界は一体どうなってるんだろうか。すごいことだ。
でも、パパは休みのときしか行けないので、パパと出かけるときは近場なんですけどね...


ま、いいや。
楽しんでくれれば。
家事の息抜きですよ、ね。



さて。



今日の日経新聞の商品欄に、


「ナフサ価格の上昇で樹脂価格が上昇」


って出ていた。



値段が下がったときには値下げの要請が需要家からあり
値段が上がった時には値上げの要請が販売手からあり


ニーズがマッチしない、ってわけです。
こうした状況を改善するには、やっぱりオプションしかないと思うんですよね。
確かにオプション料って高いんですが
もう少し本格的に見直しされても良いと思うのですよ
こういう市場環境では。


ちなみに、ですが、今月号の証券アナリスト・ジャーナルに
この辺に関する論文を寄稿しました
ご興味のある方は見てみて下さい



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今年の年末の原油、金、非鉄金属の価格はいくらになると思いますか?
このブログの読者の方はどう思っていらっしゃるのでしょうか?
是非、コメントでご投稿下さい。
「ブログ内コンセンサス」を作ったら面白いかな、と思いまして...
この問いかけに何名かの方が回答をしてきてくださっています。
私の予想も加え以下にコンセンサスを毎日掲載することにします。
どしどし投稿下さい。




2010年末 ブログ・コンセンサス

原油 92.50
金 1,358
銅 7,250
アルミ 2,450
亜鉛 2,300
ニッケル 20,000
鉛 2,100
錫 15,000