反撃ののろし-その4

【商品市況概況】

「米景気改善に伴うドル高が売り材料に」

昨日の商品市場は総じて下落。世界景気、特に米景気回復への期待感からドル高が進行したことが利益確定の売りを誘った。先週末発表になった米雇用統計で失業率の低下が確認されたこと、米消費者信用残高の増加が米国内のリスクテイク能力が改善していると判断されたことが材料視され、株価が上昇、米長期金利も上昇し9カ月ぶりの高水準になったことから、ドル高が進行した。


新興国の需要拡大期待と、先進国の量的緩和継続に伴う実質マイナス金利の持続が商品価格を押し上げる材料となっていたが、現在の経済環境で、自国通貨ベースに直した時の原材料価格の水準が許容できるかどうかは不透明であり、ドル高の進行を背景に利益確定売りが入ったものと考えられる。気温温暖化、豪雪の影響に伴い実質的に出荷が困難となっているエネルギー相場は調整色を強め、他の商品もこれに追随する動きとなった。"



非鉄金属内での資金再配分」

今後、旧正月明けに伴いベースメタルの主要需要国である中国の動きに注目が集まっている。


景気回復に伴い非鉄金属需要が増加することが期待されるが、人民元ベースで見た場合のLME銅価格は既に史上最高値である64,000元/トンに達している。過去データに基づけば、64,000元は銅にとって一つの節目であり、この水準では実際に買い手控えが起きている。よって、従来通りの動きがみられるならば、史上最高値を更新している銅等にさらに買いが入るとは考えにくく、材料不足の感も否めない。


むしろ、景気回復期待を材料に、銅や錫との比較感で割安である亜鉛や鉛やアルミ等に買いが入ると考えておいた方が適当だろう。尚、2009年末からの価格上昇率を比較すると、銅が+36.2%、ニッケルが+52.8%、錫が+84.7%であるのに対し、亜鉛は▲2.0%、鉛は+6.2%、アルミは+14.3%となってる。

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コモディティインデックス】
MRA CVIX(MRAコモディティ恐怖指数):25.35(▲0.46)
MRA RMI(MRAレアメタルインデックス):314.43(+0.49)



【雑感】
もう昨日で、反撃ののろしネタは終わったかと思ったら
今度は中国人の方が調べて下さいました。


「狼煙」の語源は、中国唐の時代、段成式と言う人が書いた《酉陽雑俎・毛篇》:
”狼糞煙直上、烽火用之。”
「狼煙」の解釈は:古代辺境で警報を知らせるために、狼の糞を燃やして上げた煙を指します。


中国には熟語「狼煙四起」がありますが、四つの方面で(あちこち、周りに)警報が見える、という意味です。
つまり、辺境は平静な状態でないことを指します。

「狼煙四起」と意味が近い言葉には「烽火連天」や「烽火遍地」があります。
「狼煙四起」と反対の意味の言葉は「平安無事」、「国泰民安」になります。


又、「狼煙」の前に、「烽火」について、《史記》に記載されている言葉がありました。

⇒「烽火戯諸侯、一笑失天下」
 これは中国の西周時代の末代君主、周幽王の話なのですが
 周幽王は好きな妃があまり笑わないので、何とかして彼女が笑ってもらうために
 烽火で周辺の王侯達を集めました。
 妃は王侯達が騙されたことを笑いましたが、最終的には招集したいときに兵が集まらず
 最終的には西周は滅亡します。

中国の周の時代は紀元前11世紀。
「烽火戯諸侯、一笑失天下」の話は周幽王三年(紀元前779)の話です。
西周が滅亡した後、東周時代が紀元前256年始まりました。(東周は春秋と戦国に分かれます)。
三国志の時代は紀元220-280年ですので、周の時代の後です。

私個人の考えでは、「狼煙」と「烽火」は同じ意味ですが、最初は「烽火」そのものを使っていましたが
特にモンゴル等の地方では「烽火」を狼の糞を燃やして作るので
「烽火」の別名であり「狼煙」が使われるようになりました。

又、「反撃の狼煙」の文法を見ると、この言葉は動賓構成(動詞+名詞)であり
動詞は名詞を修飾し、中心語は名詞です。
なので、反撃のタイミングを知らせる警報のことを「反撃の狼煙」と言う専用の言葉にしたのではないでしょうか。


名前は出せないので出しませんが、どうもこの方
孔子の子孫の方らしいです。

で、結局中国の故事には「反撃の狼煙」の語源に当たるものはなかったようです。
ということで、Tさんの主張する「関ヶ原の合戦説」が正しいように思います。

うーん。
どうしようもない話ばっかり書いてましたが、この3回は相当アカデミックでした。
Tさん、ありがとうございました!