新しいドトール

【商品市況概況】

「リスク回避の動き」

昨日の商品価格は軒並み下落している。IEAの戦略備蓄放出に伴うエネルギー価格の急落によって、実質マイナス金利幅の縮小が(短期的にではあるが)期待されること、加えてギリシャの財政緊縮法案が議会で承認されるか否か不透明なことに伴う、リスク回避の動き、更には米ムーディーズによるイタリアの銀行格付け引き下げ観測による、リスク連鎖への懸念、といったマイナス材料が重なり、週末と言うこともあって下げ幅が大きくなった。IEAの戦略備蓄放出は、エネルギー高に伴う「商品投資のサイクル」を逆回転させるため、商品価格の下落に寄与し易い。


エネルギー価格はWTIは小幅上昇、Brentは続落となった。材料は端的に戦略備蓄放出である。但しWTIは中期的なサポートラインである200日移動平均線を割り込んでおり、買い戻しもそれなりに入った。Brentは安値拾いの買いも伴いつつ水準を大きく切り下げた。目先200日移動平均線となる102ドル近辺が下値として意識される。昨日もコメントしたが、IEAの備蓄放出は端的にエネルギー価格の下落材料となるものの、将来的な供給の増加を意味するものではなく、効果は備蓄放出期間に限定される。その間に需要の減少や供給の増加が無ければ再び買い戻しが優勢になると考えている。但し欧州債務問題が佳境を迎えており、思惑的な売りが一時的にBrentを100ドル以下に押し下げる可能性も排除できない。ベースメタルは高安まちまち。エネルギー価格の下落に伴う投機需要の減少から下押し圧力がかかる一方で、価格水準の低下によってLME/上海スプレッドが縮小している銅や鉛(鉛はシンガポールでキャンセルワラントが増加)等にバーゲンハンティングの動きが見られた。貴金属は下落。エネルギー価格の下落に伴う実質マイナス金利幅の縮小期待と、ギリシャ問題の深度不明から換金売りが相次いだためと見られる。プラチナは1,700ドルを下回る大幅な下げとなっているが、生産者のコスト水準として意識されている1,700ドルを下回っていることから、この水準を長期にわたって割り込む可能性は低いと考えている。



(今日は全文掲載します)

「戦略備蓄放出≒実質マイナス金利幅縮小」

IEAの戦略備蓄放出は、6月末のQE2、欧州の利上げを意識した動きであると考えている。リビア問題を切っ掛けとする原油価格の上昇は物価上昇を誘発し、実質マイナス金利幅を拡大させることで商品への投機を加速させていた。商品価格の上昇は結果的にインフレ懸念を高めることとなる。Brent価格の上昇によってその影響を最も顕著に受けたのはECBである。7月、ECBはインフレ抑制のために政策金利を引き上げる可能性は高いが、金利引き上げは逆に回復過程にあったはずの欧州経済を失速させ、更に現在問題となっているギリシャを初めとするPIIGS諸国の財政再建の足かせになりかねない。本音を言えば次回の利上げでインフレ抑制のための利上げは本当に終了させたい、とECBは考えているのではないだろうか。


また、6月末にはQE2が終了する。住宅や雇用環境に大きな改善がみられていない米国からすれば、QE2終了は(予定されていたものとは言え)覚悟のいる決断であったと言える。しかしもしエネルギー価格が高騰し国内のインフレ懸念が高まってくれば、金融緩和解除どころか欧州のように利上げを行わなければならなくなる。米国の財政状況は独・仏等と比べて悪く、金利上昇は致命的である。更にISM指数を見るに米国経済はユーロ圏諸国よりも実は良いとは言えない。よって利上げカードは米国にとっては切りたくないカードなのだ。
となると、金融政策の変更を余儀なくされる6月末〜7月にかけては商品価格は、(日本もそうであるが)米国・欧州とも上昇して欲しくない。特に他の商品への波及効果が高い原油価格の上昇は少なくともこの7月に関していえば「あってはならないこと」であると言えるだろう。


政治的にどのような判断が下されたのかはわからないが、上記の様な背景から今回のIEAの戦略備蓄放出が決断されたのではないかと小職は考えている。よって6月〜7月にかけて、商品価格は下値余地を探る展開になりやすいと見ている(昨晩のWBSでBrentは100ドルを切らない、と説明しましたが100ドルが下値として意識されるという意味での発言なので、お含みおき頂ければ幸甚です)。


※尚、当ブログでの商品市況概況、雑感のアップデートは1日遅れとなっています。
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コモディティインデックス】

MRA CVIX(MRAコモディティ恐怖指数):26.81(▲0.30)
MRA RMI(MRAレアメタルインデックス):305.61(+0.28)


【雑感】

最近味を知ってしまったフレンチトーストサンド。


引っ越してからも近所のドトールを愛用している
(あのイケメン店長はどうしているだろうか...)


残念ながら、近所のドトール
以前行っていたドトールよりも親近感が薄い
まあ、それは当然で
以前行っていたドトールは家族経営で
こっちは見るからにアルバイトと、本店からの派遣の人たちがやっていて


「会社感」


が強いからだ。
これでアットホームだったら、逆に怖い訳で...


話がそれた。
フレンチトーストサンド。


あれって、存外においしいんですね。食べて知りました。
砂糖とミルクとバターと卵がしみ込んだ甘いパンの間に
ハム、チーズ、ツナが挟んである
昔の私であれば「甘いものに辛いものなんて...」
と思うところであるが、これが結構マッチするのだ。
むしろ、普通のパンで挟むホットサンドだったら
ここまでおいしくはなかっただろう。


よくよく考えるとチーズとかハムとかくるんでるクレープも
生地が甘いですしね...


敬遠せずにトライしてみることは大事なんだなぁと
思っちょります。