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 昨日の米在庫統計はマイルドにベアな内容であった。しかしながら稼働率は再び過去5年の最低レベルである92.9%を下回る91.7%となっており、引き続き製品手動で原油価格が高止まる公算が強い事を示唆している。BPのコメントにもあるように主要なTexasの製油所の再稼動は手間取っている状況であり、依然として米国の製品供給は輸入に頼らざるを得ない状況が続くといえ、製品主導で原油価格も高止まりが予想される。個別に少し詳しく見てみよう。
 原油は、稼働率が略市場予想通り改善したが、P1、P4で稼動率が悪化するなどまちまちの状況であったため、生産・輸入が先週と変わらずであった事から▲1.1MBと、市場予想比小幅な在庫減少に留まった。FSCは22.0日と先週から0.2日悪化しているが、依然としてこの時期の最高水準である21.4日を上回っている。イールドカーブの形状に大きな影響を与えると考えられるCushing在庫は21.2MB(▲1,382KB)と5週連続で減少しており、一時期の低稼働率状態から脱しつつある事を示唆している。これに伴いWTIイールドカーブは全ゾーンバックの状態に回復している。Cushing在庫の減少はBrent/WTIのネガティブスプレッド解消のための必要条件である(十分条件ではない)が、現在のWTIとBrentのネガティブスプレッドには著しいユーロ高が背景にあると見られる。また、全ゾーンバックになった事に伴い、在庫積み増しのインセンティブが薄れている事も今後原油在庫の積み増しにマイナスの影響を与える事になる可能性が高く、注意を要しよう。
 ガソリンは在庫減少が予想されていたが、稼働率改善と得率の上昇に伴い生産が増加したこと、BlendingのP1輸入が同じ週の過去最大となった一方で、需要が前週比横ばった事から+0.8MBの在庫増加となった。P1の輸入は過去5年の最高水準となっているにも関わらず、今週の統計ではP1の在庫減少が顕著であった。この背景には製油所のトラブル等の影響でP3のガソリン生産が過去5年の平均水準を回復していない事やパイプラインの障害等が挙げられよう。需要は直近ベースで9.69MBD(前週比▲22KBD)、4週平均ベースで9.66MB(前週比+28KBD)となっており、4週平均ベースでは同じ時期の過去5年の最高水準である9.57MBDを引き続き上回る水準となっているが、先週前半は価格が大幅に上昇していたことから一服となた模様。在庫は過去5年の最低水準平均を下回っていることから、FSCは21.1日と引き続き過去5年の最低水準22.2日にも満たない。米国株式市場が不安定である事を背景として手仕舞い売りが出ているようであるが、依然としてガソリンのファンダメンタルは強いと見ておくべきであろう。
 ディスティレート在庫は予想を上回る在庫増加となった。稼働率と得率が改善したことから生産が増加、、輸入が小幅増加したことから総供給量が前週比+159KBDと再び増加に転じた。直近需要は前週比▲66KBDの4.11MBDとなったことから、在庫減少となった。4,050KBDという需要の水準は、同じ週の過去5年の最高レベルである4,139KBDを下回るレベルであるが、過去5年平均の3,861KBDは大きく上回っており、FSCも30.5日と前週比+1.0日と増加したものの5年平均の32.0日を下回っている状況が続いている。ピークシーズンではないが、こちらも在庫が足りないと考えておくべきである。