新・飛行機に乗るとツイてない-その2

【商品市況概況】
「結局レンジワークが継続」
 昨日の商品価格は下落後上昇している。先週が統計ウィークであったが今週は一転して新規材料に乏しく、為替動向に左右される展開となった。相場はアジア時間で下落、欧州時間に上昇しておりまさにドル・ユーロの動きをフォローする展開となった。このコラムでは一貫して「景気回復のためには商業用不動産の不良債権処理の進捗」が必要であるとのスタンスを取っているため、足元の価格上昇が長く続くとは考えていないものの、先週の雇用統計を再評価してみると「悪天候であるにも関わらずあの程度の雇用者減少で済んだ」ことから米経済の回復を確認するような内容であったのではないか、という声が多く聞かれるようになってきた。これに伴い市場参加者のセンチメントはブル転したとみられる。ただし、出口戦略に伴う金利上昇懸念が流動性の低下をもたらし、価格を下押しする可能性がある中、現在のレンジ相場を今月・来月に抜け切れるとは考えにくい。しばらく経済統計を丁寧に見ていく必要性があると考えている。


【経済関連ニュース】
・2月日本工作機械受注 前月比+17.6%(前月改定▲8.5%)。
・1月独鉱工業生産 前月比+0.6%(前月改定▲1.0%(速報比+1.6%))。
・2月日本 景気ウォッチャー調査 現状判断DI 42.1(前月改定38.8)、先行き判断DI 44.8(41.9)。
・1月日本機械受注 前月比▲3.7%(是熱改定+21.2%)。前月の大幅な伸びの反動減で。



【為替(FX)・株】
NY Dow  :10,564.38(+11.86)
S&P500   :1,140.45(+1.95)
NIKKEI225 :10,567.65(▲18.27)
JPY/USD :89.93(▲0.44)
USD/EUR :1.36(▲0.0036)


・ドルは対ユーロで下落。世界的な景気回復への期待の高まりからリスク資産を選好する動きがか発かしたため。円は対ドルで上昇している。期末に向けた資金繰りの観点から海外の資金を日本へ還流しているとの見方が指摘されている。
日本株は小幅下落。景気回復期待を材料に上昇していたが、利益確定の売りに押されたようだ。米株は小幅上昇。先週の統計ウィークの翌週で手がかり材料少なく小動きとなった。


穀物市場サマリー】
Cbot Wheat :478.50(▲6)
Cbot Corn :358.75(▲5.75)
CSCE Sugar :20.32(▲1.25)


非鉄金属・貴金属】
Comex Gold :1,122.30(▲1.7)
Nymex Platinum :1,579.1(▲4.5)

・NY金は下落した。ドル高の進行と、中国の「金を外貨準備の第一の運用先とはしない」といった発言を受けて軟調な推移となった。しかし欧州時間に入ってからユーロが強含んだことから買い戻しが優勢となった。短期的にはギリシャ問題で軟調になりがちな金ではあるが、マネーフローの変化に伴うBullishトレンドは変わっていないと考えており、堅調な推移を予想している。ターゲットは1,400ドルで変わらず。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 1,122.30(▲1.7)。
 銀価格は上昇した。金と同様の相場展開で、為替の動きに連れた。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,731.80(+6.6)。"
 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが239,765(前週比 +6,659)、ショートが32,393(前週比 ▲91)となったことから、ネットで207,372(前週比 +6,750)となった。銀はロングが36,721(前週比 +6,659)、ショートが5,663(前週比 ▲91)となったことから、ネットで16,388(前週比 +5,344)となった。


・NYプラチナ価格は下落した。こちらも金と全く同じ相場展開で、ドル高の進行で下落したのち、ドル安の進行で買い戻しが入って下げ幅を削る、という展開であった。中期的には、自動車向け触媒需要の回復期待、生産者サイドの生産障害(特に南アフリカは電力事情を背景に回復は緩慢)、の強弱材料が混在するが、総じて需給は供給不足の状態が続くとみられることから上昇すると考えている。ターゲットは1,800ドル。価格の下振れリスクは金融政策急速な変更の可能性と、スクラップの増加であるが、景気悪化に伴う車の使用年限の長期化を材料に、十分な回収品がマーケットに出てくるには時間がかかると予想され、おそらく5〜7年後には大きな規模を締めることになるだろう。昨日の引け(東京時間0:00)は1,579.1(▲4.5)。
 パラジウムは下落した。昨日の引け(東京時間0:00)は468.3(▲2.05)。

 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、プラチナはロングが23,711(前週比 ▲119)、ショートが2,608(前週比 ▲22)となったことから、ネットで21,103(前週比 ▲97)となった。パラジウムはロングが38,872(前週比 ▲119)、ショートが23,005(前週比 ▲22)となったことから、ネットで14,371(前週比 ▲1,052)となった。


Copper 3M :7,510.00(+40:34.75C)
 昨日の銅価格は上昇した。新規個別材料はなかったが、LME在庫の減少やユーロの上昇を材料に買われた。中長期的にも中国国内の需要は堅調に増加するとみられ、生産者側の問題(鉱石の品質劣化、掘削可能地域の不安定さ、開発に要する時間が長いこと)もあり高値での推移となるだろう。ただし、チリ地震の影響終了後は、中国の需要、特に固定資産投資の鈍化の動きが相場を短期的に下押しすると考えている。LME在庫は▲2,700Mt減少、(FSCは10.9日)、(キャンセルワラント率は5.0%)。売買高は10,757枚。イールドカーブはパラレルに上昇。C-3(Cash vs 3M Fwd)は35ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは7,510.00(+40:34.75C)。

 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、銅はロングが38,872(前週比 ▲119)、ショートが23,005(前週比 ▲22)となったことから、ネットで15,867(前週比 ▲97)となった。


Zinc 3M   :2,375.00(+5:28.75C)
 昨日の亜鉛価格は上昇した。ドル高の進行を受けて下落し、50日移動平均線でサポートされたのち、欧州時間のドル下落を受けて買い戻しが優勢となり前日比プラスで引けている。中期的には中国の鉄鉱石輸入量増加、鉄鋼製品生産量の増加が見込まれるため、亜鉛価格は堅調な推移になると考えている。LME在庫は▲575Mt減少、FSCは18.2日(キャンセルワラント率は0.8%)。売買高は3,832枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は29?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは2,375.00(+5:28.75C)。


Lead 3M   :2,245.00(▲12.5:26.75C)
 昨日の鉛価格は下落した。ドル高の進行で下落したのち、欧州時間にユーロが切り返したことから引けにかけて買い戻しが優勢となった。ただし100日移動平均線を上回る上昇とはなっておらず、在庫水準の高さが価格の頭を押さえているとみている。LME在庫は▲175Mt減少、(FSCは7.6日、キャンセルワラント率は7.6%。)。売買高は1,411枚。イールドカーブは期近のみ上昇、期先は小幅低下している。C-3は27ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは2,245.00(▲12.5:26.75C)。


Aluminum 3M :2,258.00(+27:30.25C)
 昨日のアルミ価格は上昇した。ドル高の進行を受けて下落した後、LME在庫の大幅な減少とユーロ高の進行を受けて引けにかけて急速に買い戻しが入った。今後はエネルギー価格の上昇に伴うコスト要因からさらに上昇すると考えている。アルミの主要生産地区である中国、南アフリカ、欧州はエネルギー価格の上昇によって生産コストが上昇(主に電力料金の引き上げや、原材料のアルミナ価格の上昇)しており、生産コストは足元2,000ドルをすでに上回っていると考えられる。LME在庫は▲5,925Mt減少、(FSCは45.1日)。(キャンセルワラント率は6.5%)。売買高は9,146枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルスティープニングしている。C-3は30ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは2,258.00(+27:30.25C)。


Nickel 3M :22,250.00(▲50:70B)
 昨日のニッケル価格は下落した。材料は他の非鉄金属と変わらず、為替の変動。ニッケルはカナダ生産者の生産が再開していないことや、ステンレス需要の低迷に伴うファイナンストレードの活発化による実質使用可能在庫の減少が相場の押し上げ材料となっている。LME在庫は▲312Mt減少、(FSCは46.7日)、キャンセルワラント率は1.7%。売買高は2,304枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアフラットニングしている。C-3は70ドルバックとバック幅を拡大した。昨日の引けは22,250.00(▲50:70B)。


Tin 3M   :17,550.00(+250:71C)
 昨日の錫価格は上昇した。LME在庫の大幅減少とドル安の進行が材料となり、欧州時間に大幅に上昇した。LME在庫は年初をピークに減少に転じており、加えてキャンセルワラント率も上昇しており、ファンダメンタルズが徐々に改善していることが相場を押し上げている。LME在庫は▲775Mt減少、(FSCは23.0日)、キャンセルワラント率は3.11%。売買高は369枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニング。C-3は71ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは17,550.00(+250:71C)。


【エネルギー関連ニュース】
WTI :81.49(▲0.38)
Brent :79.91(▲0.56)

 昨日のNY原油価格は下落した。ギリシャ問題を背景としたドル高の進行で軟調な推移となっていたが、EMF構想や、ギリシャ支援の方針に大きな変更はないとみられていることからユーロが上昇、原油もそれにつれる形で上昇することとなった(結果前日比マイナス)。イールドカーブは略パラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲0.5%。昨日の引けは81.49(▲0.38)。
 Brentは下落した。イールドカーブはパラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲0.7%。昨日の引けは79.91(▲0.56)。
 WTI/Brentのスプレッドは1.58のポジティブスプレッドとなっている。

 RBOBは下落した。完全に原油の動きをフォローする相場展開となった。結果前日比マイナス。ただここ数週間、米ガソリン需要は改善しており、クラックマージンも大幅に拡大しており、以前のように価格上昇を正当化するような材料が全くない、という状態から一歩踏み出した感がある。RBOBは当面強いパフォーマンスを維持することになるだろう。イールドカーブはパラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲1.3%。昨日の引けは226.03(▲2.89)。
 ヒーティングオイルは下落した。イールドカーブはパラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲0.8%。昨日の引けは208.98(▲1.57)。
 ICEガスオイルは上昇した。イールドカーブはパラレルに低下している。直近限月の騰落率は+0.2%。昨日の引けは650.25(+1.0)。

 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、原油はロングが255,659(前週比 +7,936)、ショートが164,242(前週比 +1,871)となったことから、ネットで91,417(前週比 +6,065)となった。RBOBは、ロングが80,253(前週比 ▲612)、ショートが9,926(前週比 +3,564)となったことから、ネットで70,327(前週比 ▲4,176)となった。ヒーティングオイルは、ロングが48,779(前週比 ▲874)、ショートが24,944(前週比 +3,514)となったことから、ネットで23,835(前週比 ▲4,388)となった。天然ガスは、ロングが86,997(前週比 +10,453)、ショートが257,664(前週比 +14,829)となったことから、ネットで▲170,667(前週比 ▲4,376)となった。



【ひとりごと】
係員「パスポートと搭乗券をお願いします」
私「はい。...ハイッ!?」

そう。ないんです。何がないって航空券が。
さっきまで持っていたのに...
ちらりと私の脳裏をよぎる先ほどの係員。


あそこでおいてきてしまったに違いない。


隣では教官が「ここではパスポートと航空券を確認します。両方持っていないと入れません」的な話をしている。
まさに良いダメな旅行者の例。
恐らく、相手がどんなに怖い人でも、片一方しか持っていない人は通しちゃだめですよ、といっているに違いない。
(以前、パスポートなしで通関できないか聞いたことがある私は、これで2回目。詳しくはブログの「飛行機に乗るとツイてない」シリーズ参照)。

若者の軽い侮蔑の視線を浴びながら手荷物検査場へ。
そうすると私の名前を呼び続ける先ほどの係員が、ってなぜ君なの。
そもそも髭剃りクリームで軽い侮蔑を受けているため、今回の航空券忘れで彼の中の私の評価は「相当のダメ人間」ということになっているはずだ。
嗚呼。こんな見ず知らずの人にダメ人間の烙印を押されるとは....
カミさんは帰りの航空券の注意だけしかしてくれなかったけど、行きも注意して欲しかった...。
それは贅沢ですか。そうですか。

どうにかこうにか出国手続きが終了。
フライトの時間まで待合でくつろごうと思ったとき、あることに気づいた。


ないのである。


あ、すみません。航空券ではないです
行きの飛行機で読もうと思っていた雑誌と本一式が。
恐らく先ほどの手荷物検査のところに忘れてきたのだ。


涙。
無念。


先ほどの係員の顔がまた思い浮かぶ。
さっきはダメ人間程度で済んだが、今度はどういう評価になるだろう。
犬畜生、という言葉があるがなんとなくそれ未満の気がしてくる。


そう。そうなんです。
ダメなんです僕。
と、いうことで、泣く泣くもう一度本を待合のすぐそばの本屋で買いました。
だって、まとめて本が読める時間なんて飛行機に乗っている時ぐらいしかないし。



しかも残念ながら同じ本がなかったので、別の本を2冊と雑誌を一冊。
嗚呼。こんなところでこんな余計な出費を...


結局無事、飛行機に乗り、12時間近くかけて目的地に着いたが、ただ単に飛行機に乗って出張するだけなのになんでこんなに色々なことが起きるのだろうか。
と、結構疲れた一日を振り返りつつ、ホテルで手荷物を開けたら


...入ってました。
買った本全部この中に。

生まれてすみません(太宰治)。