ニーズ先取り

(経済関連ニュース)
・2月英失業者数 前月比▲2,800人の793.5千人、市場予想▲5,000人。失業率は2.5%(前月比変わらず)。
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比▲2.9%の652、借換指数 ▲4.6%の2,335、購入指数 ▲1.0%の365。
日銀総裁ポストは空席が確定。
・2月英小売売上高 前月比+1.0%、市場予想▲0.2%。利下げの必要性が後退。

・ドルは対主要通貨で上昇。イースターで欧州が連休となる中、休日前のポジション解消の動きが見られたため。米株式相場が堅調に推移したこともドルの支援材料となった。

・日本市場は春分の日で休場。米株は上昇。特段新規材料はなかったが、一昨日の下げ幅が大きいため自律は発の買いが入ったと見られる。

穀物市場サマリー)
・大豆はストップ安。ドル高の進行で金や原油等が幅広く売られる中、3月末を控えてファンドの換金売りが相次いだため。また中国が一旦契約した輸入契約をキャンセルする等の報道も地合いを悪化させた。この下落で一目均衡表の雲をあっさりと下抜けしている。週間輸出成約は事前予想を上回ったが、殆ど材料視されなかった。

・トウモロコシも急落。ドルが強含んだことや大豆のストップ安等を受けて急速に地合いが悪化。50日移動平均線のサポートをあっさりと割り込み、一目均衡表の雲の上限でサポートされて引けている。輸出成約高は事前予想の範囲内。

・小麦価格も暴落。一昨日の地合いを引き継いで軟調に推移していたが、アルジェエリアが123.5KMtの小麦輸入を中止したことをはじめ、その他の輸入国も76.6KMtの小麦輸入を見送ったことや、大豆のストップ安(というよりも商品全体の換金売り)に押された。小麦価格は暴落して50日移動平均線、薄い一目均衡表の雲をあっさりと下抜け1月以来の10?割れとなった。


非鉄金属関連ニュース)
・貴金属は大幅続落。金はドルが対ユーロで急上昇したことから3月末を控えた換金売りに押された。米株が上昇していることも逆に質への逃避の動きを鈍化させ、むしろ手仕舞い売りに走らせたと見られる。CFTCのNon-Commercialポジションもロング幅が極端に膨らんでいることから一旦トレンドが変わると売りが入りやすい環境にあると言える。金は50日移動平均線を下抜け、一目均衡表の雲でサポートされて引けた。銀も同様に大暴落し、50日移動平均線を下抜け、一目均衡表の雲まで下落して引けた。

・プラチナも大幅に下落。時間外は他の商品と同様に小高く推移していたが、ドルが対ユーロで上昇したことや、ドル安を材料に上昇していた金や原油が下落に転じたことからマイナスのレバレッジが掛かり、大幅な下落となった。チャート的には一目均衡表の雲でサポートされ、引けに掛けてはさすがにこの5営業日の下落幅が大きかったからジリ高の展開となった。パラジウムも大幅に下落している。

・中国、BHP BillitonとRio Tintoに対し、スポット市場での鉄鉱石の販売を阻止している、と報道。両社はスポット市場での鉄鉱石の販売を増やしたい意向である模様。
・ESKOM(南ア電力公社)、発電設備に問題が生じた場合にはフォースマジュールを鉱山や製造業に宣言せねばならない可能性が引き続きある、とコメント。
・南アESKOM「電力供給は危険水域にあり、電力供給が停止される可能性が高い」
コンゴ政府、Freeport McMran Copper&Gold Inc、Lundin Mining Corpとのコミッションを、現在の17.5%から45%に引き上げたい意向。

(エネルギー関連ニュース)
・韓国(世界第二位のLNG輸入国)、2月のLNG輸入は3.16百万Mtと前年比+32.0%の大幅な増加。
・ロシア警察、BPが2003年に買収したTNK-BPの立ち入り検査に入る。

(商品市況概況)
「リクイデーションの動きで軒並み下落」
 昨日の商品相場は軒並み下落した。注目のFOMCでのり下げ幅が75bpに留まったことからドルが反転、米株式市場は再燃した信用不安の拡大懸念で不安定な推移を続けており、3月末の四半期末を控え、欧州の大型連休前に換金売りが相次いだためである。冷静にマーケットを見てみるに、流動性の低い商品からの撤退の動きが先週中ごろから始まっていたが、第一四半期の終了が目前に迫っていることから略全ての商品にこの動きが広がっているようだ。この動きはイースター連休明けの火曜日・水曜日程度まで続き、それ以降は小康状態になると考える。
 今後のポイントは4月以降もファンドマネーが商品市場に戻ってくるのか?ということであるが、「株下落→資金退避で商品上昇」の動きも未来永劫続くわけではなく、第二四半期以降はむしろ、株の安定・信用市場の安定が商品価格上昇の前提になると考える。よってらい月初に発表される雇用統計やQ108の米GDPに注目する必要がある。
 引き続き特に金融機関の経営状況の変化によって商品市場は大きな影響を受けることとなろう。Q208以降も商品市場に資金が流入するか否かは3月末を超えた時点での株や為替の水準によると考えている。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。米株価の急落を受けて月初から軟調な推移となっていたが、もう一つの相場の支援材料であったドル安の進行がFOMCの利下げ幅が市場予想を下回る75bpであった一旦ストップしたことから3月末を控えていることもあり、軟調な推移となった。但しこの2営業日の下落幅が余りに大きかったため、NY時間に株が反発したこともあり引けに掛けては下げ幅を削る展開となった。チャート的には50日移動平均線でサポートされて引けている。LME在庫は▲1,100Mt減少、(FSCは2.3日)、(キャンセルワラント率は24.4%と上昇している(下グラフのオレンジ色の部分参照))。売買高は14,558枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇している。C-3(Cash vs 3M Fwd)は132?バックとバック幅を拡大した。
 昨日の亜鉛価格は大幅に下落した。一昨日の弱地合いを引継ぎ、ドル高の進行もあって取引開始時点から前日比マイナスで寄り付き、一目均衡表の最も雲の薄いところを下抜けしたことから下げが加速した。LME在庫の減少は全くといっていいほど材料視されなかった。LME在庫は▲500Mt減少、FSCは3.7日(キャンセルワラント率は2.2%)。売買高は7,213枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。C-3は33?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は下落した。材料は他の非鉄金属と同じで、株式市場の不安定さが増していること、ドル安に一旦歯止めが掛かったことから、利益確定の売りに押された。以前からコメントしているとおり、米景気失速に伴う需要減少懸念は根強くこうした金融筋の資金が退場する中では下値余地を探りやすいようだ。チャート的には100日・200日移動平均線の大きなサポートラインをこの一連の下落で下抜けしており、一目均衡表の雲も薄いところをあっさりと下抜けしている。LME在庫は+25Mt増加、(FSCは2.0日、キャンセルワラント率は1.8%ここ数週間でキャンセルワラント率は上昇している。)。売買高は3,679枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン低下している。C-3は14?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は下落した。取引序盤から前日比マイナスで寄り付き、大幅に値を下げた。FOMCでの利下げ幅が75bpと限定されたことからドル安の流れが一服、通貨の影響を特に受けやすいアルミは大幅な下落となり、原油の下落や、3月末を控えた手仕舞い売りなどの副次的な材料と相俟って大幅な下落となった。チャート的には50日移動平均線まで下落し、このラインでサポートされて引けている。LME在庫は+1,050Mt増加、(FSCは9.0日)。(キャンセルワラント率は3.0%)。売買高は15,144枚。イールドカーブは全ゾーン略パラレルに低下しているが、期先の下げ幅が大きいようだ。C-3は41?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は下落した。ドル安の一服と、米金融不安の継続で3月末を控えてポジション整理の売りが出たものと見られる。LME在庫の減少も売り材料視された。但し先週からの下落幅が4,000?を越えることや、米株の上昇を受けて引けに掛けてはジリ高となった。LME在庫は+234Mt増加、(FSCは11.1日)、キャンセルワラント率は1.4%。売買高は1,506枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。C-3は170?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は大幅に下落した。錫は投機の対象になりにくい商品であるが、ドル安の一服や株が不安定に推移していることから手仕舞い売りに押された。但し、錫のファンダメンタルズは強いため下落幅は他の非鉄金属に比べて限定されている、との印象である。錫は投機の対象になりにくいことからここまでの上昇は純粋にファンダメンタルズ(インドネシアの輸出の遅れやコンゴボリビアの鉱山でのトラブル等)とドル安である。LME在庫は▲75Mt減少、(FSCは9.2日)、キャンセルワラント率は7.51%。売買高は851枚。イールドカーブはパラレルに低下。C-3は70?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。

(エネルギー)
 昨日の原油価格は2営業日連続の下落となった。米信用不安の拡大が続いていること(メリルリンチモノライン会社の保証停止問題等で、株式市場は依然不安定)や、ドル高の急速な進行を受け、3月末、イースターの大型連休前であることもあり、「ドル安を材料に」購入してきた投機筋の手仕舞い売りが相場を大きく押し下げた。但し100?を下回るレベルではさすがにここ2日間の下落幅が大きかったことから安値拾いの買いも入り、引けに掛けては急速に下げ幅を縮小する展開となった。イールドカーブは期近が低下、期先は余り変化していない。Brentも下落したが、引けに掛けては同様に安値拾いの買いが入り下げ幅を削る展開。こちらは期近よりも期先の下落幅が大きい。直近限月の騰落率はWTIが▲0.7%、Brentが▲0.3%。
 石油製品はまちまち。RBOBは株の戻りを受けて一昨日の下げ分を取り戻す形で上昇した。水曜日の統計は予想比ブルであったが需要全体は減少傾向にあるためニュートラルであると判断しているが、昨日は買い戻しの方が優勢であったようだ。イールドカーブは期近のみ上昇し、期先は殆ど変化していない。直近限月の騰落率は+1.7%。ヒーティングオイルは下落。寒波襲来で需要が堅調(といっても超暖冬だった前年と比べてもマイナスと、年ベースでは需要は減少している)であったが、ピークシーズンの終了や原油の下落に押された。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲1.3%。ガスオイルも大幅下落。イールドカーブは全ゾーン低下している。直近限月の騰落率は▲3.3%。

(ひとりごと)
今日、結婚5周年記念です。
別にどうでもいいですか、そうですよね。

さて。

昨晩、ワールドビジネスサテライトを見ていたら、「もう浴衣が販売されている」という特集が流れていた。
最近の流れでは、「なるべく市場に早く商品を投入すると効果が大きい」のだそうである。

冬場のおでんも秋口から販売が始まるし、夏場の水着の宣伝も今から始まっているらしいし。
でも、この調子で行ったら、秋物も今のうちから投入した方が良い、ってことになるし
もっと行くと冬物も今のうちにやっといた方が良い、ってことになりそうだし
もっともっと行くと、冬物販売が終ったら、すぐ来年の冬物販売に、ってことに...

なりませんよね。そうですよね。