凍る水

(商品市況概況)
「非鉄は大幅上昇、エネルギーはしっかり」
 昨日のコモディティ価格は堅調な推移となった。毎年恒例であるがGW前の中国の非鉄金属の買いの動きが見られ、LME在庫が減少に転じつつあることから非鉄金属は明らかに騰勢を強め、下値余地を限らせる動きとなっている。そもそも供給量が多く、消費量が景気悪化の影響で著しく減少していたことに伴い、期近の価格が大幅に調整していたわけであるが、足許中国政府は「市中で商品が余れば買う」姿勢を示しており、期近の製品余剰感が払拭されつつある中、期近に上げ圧力がかかりつつある状況だ。この動きは少なくとも今月一杯は続くことになると考えている。但しこの動きは「将来使う予定のものを価格が安い今、買い集めている」物であり、消費が本格的に回復したのかどうかに関してはやや疑問符が付く(というのも、原油等の輸入量は増加していない)。
 エネルギーは、OPECの減産の影響で徐々に下値が堅くなってきている状態だ。

(経済関連ニュース)
・3月米小売売上高速報 前月比▲1.1%(前月改定+0.3%(速報比+0.4%))、市場予想+0.3%。
・2月米企業在庫 前月比▲1.3%(前月改定▲1.3%(速報比▲0.2%))、市場予想▲1.2%。企業売上高 前月比+0.2%(前月改定▲1.2%)。在庫1.43ヶ月(前月1.45ヶ月)。
・3月米PPI 前月比▲1.2%(前月改定+0.1%(速報比変わらず))、市場予想±0.0%。コア指数 前月比変わらず(前月改定+0.2%)。
バーナンキFRB議長「急速な景気の悪化ペースに鈍化の兆しが見えてきた。基本的には米経済について楽観している」
・サマーズ米財務長官「米経済指標は以前よりも均衡を取り戻してきた」
・2月日本鉱工業生産指数確報 前月比▲9.4%(前月改定▲10.1%)。
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比▲11%の1,113.2、借換指数 ▲11%の6,071.7、購入指数 ▲11%の264.1。
・3月米CPI 前月比▲0.1%(前月改定▲0.4%)、市場予想+0.1%。コア指数 前月比+0.2%、市場予想+0.1%。
・2月対米証券投資 220億ドルの買い越し(前月改定368億ドルの売り越し(速報比62億ドルの売り越し幅の縮小))、市場予想140億ドルの買い越し。
・3月米鉱工業生産 前月比▲1.5%(前月改定▲1.5%(速報比+0.3%))、市場予想▲0.9%。稼働率69.3%(前月改定70.3%)、市場予想69.6%。
・4月全米ホームビルダー協会指数 14(前月改定9)、市場予想10。
・伊フィアットCEO「クライスラーがChapter11を申請した場合、クライスラーの資産の買収を検討する。Chapter11はクライスラーにとって最善の策ではない」


・ドルは対ユーロで上昇。米経済指標が悪化したことことから、逆説的ではあるがドルが物色された。ドルは対円でも上昇。金融市場が落ち着きを取り戻す中、円資金の海外への投資が復活した模様。
日本株は下落。米経済統計の悪化や、円高の進行を受けて輸出関連株が売られた。米国株は上昇。金融関連株が市場の安定を映じて買い戻された。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は上昇。株の上昇やドル高の進行といったマイナス材料はあったものの、「景気底割れは回避しそうな感じであるが、景気回復にはまだ至っていない」ことから安全資産のニーズは引き続き旺盛と考えられ、底堅い推移が続いている。但し、今後株価が堅調に推移し市場参加者のセンチメントが好転した場合、ドルユーロとの従来の関係が回復したとすると800ドル程度までの下落はあってもおかしくない。銀は小幅上昇し200日移動平均線を固める動きとなっている。

・NYプラチナ価格は上昇。200日移動平均線を上抜けしたこと、10日移動平均線と200日移動平均線ゴールデンクロスとなっており、チャート的にも買いが入りやすく、加えて自動車会社問題が一定の進捗(というよりも、市場が材料としてこなしつつある、という状態)を見せていることも買い安心感を広げた。パラジウムは小幅上昇。200日移動平均線レジスタンスが意識された。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は上昇した。LME在庫の大幅減少、キャンセルワラント率の上昇、株価の上昇を受けて大幅に上昇し、200日移動平均線レジスタンス=5,000ドルをトライする動きとなっている。年初から銅をLME倉庫に搬入、資金調達をする動きが見られていたが四半期末を越えたことで、再び買い戻しの動きが入ったものと見られる。また、中国の現物需要が引き続き旺盛であることから徐々に下値を切り上げる展開が続いている(この動きはGWまで続く見込み)。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはなく、各国政府の追加経済対策への期待や中国政府による市中在庫買い上げへの期待が高まっていることや相次ぐ景気対策の発表に伴い、市場参加者のセンチメントも好転しており価格は一旦底を打った可能性が高い。但し、景気が回復しているわけではないこともあって、一本調子の上昇にはならないと考える。目先は200日移動平均線(5,000ドル)が次のターゲットになろう。LME在庫は▲11,600Mt減少、(FSCは9.9日)、(キャンセルワラント率は12.0%)。売買高は11,131枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、大幅にブルフラットニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は8ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は大幅に上昇した。LME在庫の減少と銅の上昇、株価の上昇といったプラス材料を受けて大幅な上昇となった。200日移動平均線の中期的なレジスタンスラインを上抜けしたことも上げを加速している。亜鉛は一時の危機的な需給緩和状態が改善したと考えられ、上値を試す動きが続くと見られる。但し価格上昇や生産者の増産を引き起こす可能性があることから、上値は重かろう。亜鉛価格は、50パーセンタイルコスト近辺まで価格が低下していたことから割安感も強く、加えて中国政府による市中余剰在庫の買い上げの動きを受けて下値がきりあがってきている状況。LME在庫は▲2,375Mt減少、FSCは11.8日(キャンセルワラント率は3.1%)。売買高は6,460枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。C-3は33ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の鉛価格は大幅に上昇した。ここ数週間の価格上昇は、中国の非鉄金属物色の動きと、株価の上昇、経済状態の底打ち感といった複数の材料のあわせ技であるが、自動車会社の危機的状態の緩和が期待される中、鉛も大幅な上昇となり、200日移動平均線を回復するに至った。生産者の生産開始により下値を探ると考えていたが、市場全体のセンチメントの好転が買いを誘ったようだ。LME在庫は▲425Mt減少、(FSCは2.7日、キャンセルワラント率は3.2%。)。売買高は2,365枚。イールドカーブは期近を中心に上昇し、ブルフラットニングしている。C-3は2ドルバックコンタンゴからバックに転じた。
 昨日のアルミ価格は上昇した。LME在庫は増加したものの、株の上昇やその他の非鉄金属価格の上昇を受けて地合いが好転、100日移動平均線のサポートラインを固める展開となっている。長期低迷していたアルミもとうとう1,500ドル半ばを回復するに至った。長らく続いた在庫調整もアジア周りでは終了したと見られ、中国中心に新規の物色の流れが出始めているようだ。今後はFOMCや米政府による金融システム対策、信用不安対策が進捗していることで相場の雰囲気が好転しており、実際発表される経済統計も「最悪期を脱した可能性」を示唆する内容のものが多く、コストベースで見た場合、限界レベル(弊社の2009年見通しは1,358ドル〜1,454ドル)を固める動きになると考えている。LME在庫は+15,600Mt増加、(FSCは36.1日)。(キャンセルワラント率は2.1%)。売買高は10,644枚。イールドカーブは期近が上昇、期先が低下しツイストする形でフラットニングしている。C-3は37ドルコンタンゴと前日と変わらず。
 昨日のニッケル価格は大幅に上昇した。LME在庫の欧州での大幅な減少や株価の上昇といったプラス材料を受けて、地合いが好転、2営業日連続の大幅上昇となり、200日移動平均線の中期的なレジスタンスを試す動きとなっている。しかしながらステンレス需要の回復は遅く、上値余地は限られると考えている。コストベース(2009年のニッケルの限界生産コスト予想は7,289〜9,729ドル)を下回って下落するのは難しいと考えており、金融市場の安定化とともに下値は徐々に切り上がっていくことになろう。LME在庫は▲804Mt減少、(FSCは28.3日)、キャンセルワラント率は0.5%。売買高は3,328枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。C-3は101ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の錫価格は上昇した。LME在庫がアジア周りで大幅に減少したことや株高を受けて100日移動平均線レジスタンスをとうとう上抜けした。そもそも錫は、景気悪化以降も需給がタイトな状態が続いており、下値が堅い状態であったが、他金融商品景気対策の影響で上昇する中、錫も結果的に騰勢を強めることとなった。LME在庫は▲390Mt減少、(FSCは11.3日)、キャンセルワラント率は3.47%。売買高は520枚。イールドカーブは期近の上げ幅大きく、ブルスティープニングしている。C-3は105ドルバックとバック幅を拡大した。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油+5.7MB(市場予想+1.8MB)、ガソリン▲0.9MB(▲0.5MB)、ディスティレート▲1.2MB(▲1.0MB)、稼働率▲1.5%(+0.1%)
OPEC 2009年の石油需要見通しを84.18MBD(前回発表時比▲430KBD)に引き下げ。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は下落した。夜間に発表された在庫統計で原油在庫が予想通り増加したが、増加幅が大きかったことともあって発表後に下落。しかしながら30日移動平均線のサポートラインが比較的堅いことを確認した後に反発、もみ合い推移し結局前日比マイナスで引けた。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニング。直近限月の騰落率は▲0.3%。Brentも下落。こちらも略同様の相場展開であったが、10日移動平均線でサポートされて引けている。イールドカーブは期先の下げ幅が大きく、ベアフラットニング。直近限月の騰落率は▲0.3%。WTI/Brentのネガティブスプレッドは拡大。
 石油製品も下落。RBOBは統計発表簿の原油価格の下落もあって下落したが、予想通り稼働率の低下とともに在庫水準がFSCベースで減少したことから、下げ幅は限定された。イールドカーブは略パラレルに低下。直近限月の騰落率は▲0.8%。ヒーティングオイルも下落。こちらは一目均衡表の雲の上限でサポートされている。イールドカーブは期先の下げ幅が大きくベアフラットニング。直近限月の騰落率は▲0.1%。ICEガスオイルも下落。イールドカーブは期先が低下し、ベアフラットニング。直近限月の騰落率は▲1.0%。


(ひとりごと)
この前テレビで「突然凍る水」ってのをやっていた
一見普通の水なのだが
水温が水の凝固点である0℃を下回っており
衝撃を加えると急速に結晶化が進む、というものである。

面白い。

自然界では「雨氷」といった形で見られることが多いらしいのだが
どうしても自分でそれを見てみたくなって
やってみた。

ペットボトルを冷凍庫に入れると、過冷却水を作ることができますよ、言っていたので
とりあえず冷凍庫に入れてみる。
が、しかし
普通に凍ってしまった。

どうも、冷凍庫の室温だと低すぎるらしいのだ
で、試行錯誤の結果、「チルドルーム」に入れると良いと言うことを発見した。
どうも、「水がゆっくりと冷えていくこと」が大事らしく、チルドルーム(あ、半分凍らせることができる冷凍庫のことですから。野菜のチルドじゃありません)
がその条件を完全に満たすようである。


子供に見せてあげると喜ぶので、一回試してみてください。
ポイントは「蓋を開けていないまっさらなペットボトルを使うこと」です。