(商品市況概況)
「再び台頭する楽観論」
昨日の商品価格は軒並み大幅に上昇した。昨日、一昨日と比較的大きめの経済統計が発表されたが、その内容がまたしても「さほど」悪くなかったことにより、先行きを楽観視する市場参加者が増加したものと見られる。ゴールドマンの決算が好調であったことも投機筋を活気づかせたものと見ている。また中国の6月新規融資が大幅に増加していることや、朝方発表された中国GDPの数値が好調な内容であったことも今後も市場参加者を強気にする可能性が高くなってきた。
しかし、そこまで楽観して良いのだろうか?経済統計は悪くはないが良くはない。個人的な印象であるが再び「マインドの好転」で上昇している感は否めないからだ。実際FOMCでのコメントは米経済の足腰が弱いことが指摘されており、相場が一本調子で上昇するほど安定した環境にはない。よって、以前からこのコラムで指摘しているとおり、「変動幅の大きな相場展開」が続く可能性が高いと考えておくべきであろう。今のところ最大の注目材料は今月末に予定されているQ209米GDPと、来月初の米雇用統計である。この数値が悪ければ7月の上旬と同じように再び楽観論が後退し、相場は下値余地を探る動きになろう。現時点で相場が底を打ったと判断するのは早計ではなかろうか。
(経済関連ニュース)
・Q209シンガポールGDP 前期比+20.4%(前期改定▲12.7%)。2009年のGDP予想を▲4%〜▲6%に上方修正。
・6月独ZEW景況感指数 39.5、市場予想47.8。
・6月英消費者物価指数 前年比+1.8%(前月改定+2.2%)、市場予想+1.8%。
・6月小売売上高速報 前月比+0.6%(前月改定+0.5%)、市場予想+0.4%。
・6月米生産者物価指数 前月比+1.8%(前月改定+0.2%)、市場予想+0.9%。コア指数 前月比+0.5%(前月改定▲0.1%)。
・5月米企業在庫 前月比▲1.0%(前月改定▲1.3%(速報比▲0.2%))、市場予想▲0.8%。在庫率 1.42ヶ月(前月1.43ヶ月)。
・GS Q209決算 純利益34億4,000万ドル(前年比+13億5,000万ドル)。
・6月中国新規融資 1兆5,300億元。1-6月の元建新規融資7.37兆元。
・6月対中直接投資 前年比▲6.8%(前月改定▲17.8%)。
・6月英失業者数 前月比+2.38万人、市場予想+4.13万人。失業率 4.8%(前月改定4.7%(速報比▲0.1%))。
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比+4.3%の514.4、借換指数 前週比+18.0%の2,009.4、購入指数 前週比▲9.4%の258.8。
・7月NY連銀製造業景況指数 ▲0.6(前月改定▲9.4)、市場予想▲5.0。
・6月米CPI 前月比+0.7%(前月改定+0.5%)、市場予想+0.6%。コア指数 前月比+0.2%(前月改定+0.1%)。
・6月米鉱工業生産指数 前月比▲0.4%(前月改定▲1.2%(速報比▲0.1%))、市場予想▲0.6%。稼働率 68.0%(前月改定68.2%)。
・6月FOMC議事録「2009年GDP見通しを▲1.5%〜▲1.0%に上方修正。Q409の失業率は9.8%〜10.1%に。米経済は脆弱」
・中国の株式時価総額が、日本を抜き世界第二位に。
・Q209中国GDP 前年比+7.9%。
NY Dow :8,616.21(+256.72)
S&P500 :932.68(+26.84)
NIKKEI225 :9,269.25(+7.44)
JPY/USD :94.32(+1.18)
USD/EUR :1.409(+0.0137)
・ドルは対ユーロで下落。企業決算が市場予想を上回るのではとの期待感から、再びリスク資産への投資が活発化し、ドルが売られた。円は大幅に下落している。
・日本株は小幅高。企業決算、経済統計にらみで小動きとなった。米株は大幅に上昇。企業決算が徐々に出揃いはじめているが、前日のGSの好決算やインテルの決算見通し好転といったプアrス材料を受け手大幅な上昇となった。
(穀物市場サマリー)
Cbot Wheat :534.75(+33)
Cbot Corn :329.50(▲20.5)
CSCE Sugar :17.77(+0.09)
(金属関連ニュース)
Comex Gold :939.40(+16.6)
Nymex Platinum :1,151.3(+22.9)
・NY金は大幅に上昇。ドルが大幅に下落したことを受けて買いが入った。株価も堅調に推移しており、企業決算や経済統計の発表待ちで現金化が進んだ資金が再び金に戻ってきた可能性がある。基本的には金は株と逆相関の関係にあり、株価が上昇(下落)する局面では売り(買い)が入り易いが、足許、ソブリンリスクの高まりや、ドル安懸念を背景として、金の保有比率を増加させる動きが見られることが下げ余地を限定している。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 939.40(+16.6)。
銀価格も大幅に上昇。株の回復とドル安を受けて。一気に10日移動平均線を回復している。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,320.30(+34.8)。"
・NYプラチナ価格は大幅に反発した。ドル安の進行と株高の進行を受けて、一時退場していたリスクマネーが貴金属市場にも戻ってきたものと考えられる。チャート的には100日移動平均線を回復しており、今後の経済統計の内容を受けて株価が堅調に推移すればこのラインを上回る可能性は高い。昨日の引け(東京時間0:00)は1,151.3(+22.9)。
パラジウムもプラチナの上昇を受けて大幅に水準を切り上げている。昨日の引け(東京時間0:00)は248.4(+4.55)。"
Copper 3M :5,260.00(+215:11.5B)
昨日の銅価格は上昇した。LME在庫の大幅増加はあったものの、中国の新規融資の増加や夜間の米経済統計の悪化幅が小さかったことから、一時退場したリスクマネーが再度銅市場に戻ってきたものと見られる。経済統計の内容を見極めてから、と予想していたが予想以上に経済統計が悪くないことが相場を堅調にしている。ファンダメンタルズについては先々コンセントレートが継続的に不足する可能性が高い環境に変りはなく、各国政府の相次ぐ景気対策の発表に伴い価格は底を打ったと考えられ、中長期的には上昇トレンド入りしたと考えている。しかし、実態経済の悪化速度が鈍化はしたものの引き続き回復しているわけではないことから、7月の統計を確認しながら、一旦調整する動きになると考えている(但し、その下落幅は年初に見込んでいたような大幅なものではなく小幅なものに留まる見込み)。LME在庫は+4,200Mt増加、(FSCは55.4日)、(キャンセルワラント率は3.8%)。売買高は15,406枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルスティープニング。C-3(Cash vs 3M Fwd)は12ドルバックとバック幅を縮小した。昨日の引けは5,260.00(+215:11.5B)。
Zinc 3M :1,542.00(+45.5:24.5C)
昨日の亜鉛価格は上昇した。経済統計が「さほど悪くないこと」を材料に株が大幅に上昇、ドル安も進行したことから大幅な上昇となった。週初、一目均衡表の雲を割り込まなかったことも地合いを堅調にしている。昨晩は10日移動平均線で頭を押さえられている。引き続き経済統計、企業決算睨みの状態には変わりは無いが、中国の新規融資増加といったプラス材料もあり堅調な推移になる可能性が出てきた。LME在庫は▲300Mt減少、FSCは11.9日(キャンセルワラント率は1.7%)。売買高は3,201枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルスティープニングしている。C-3は25ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,542.00(+45.5:24.5C)。
Lead 3M :1,635.00(+40:23C)
昨日の鉛価格は上昇した。株高、ドル安の進行と経済統計がさほど悪くないことが材料となった。結局一目均衡表の雲の上限でサポートされる形となっている。LME在庫の増加に見られるように需給は緩和傾向にあり、個別のファンダメンタルズはマイナスの材料が多く、現在の価格水準はファンダメンタルズのみでは説明できないレベルであったことから、株安や経済統計、企業決算待ちの動きが強まる中、手仕舞い売りに押されている。しばらくは下値の落ち着きどころを探る展開になると予想する。多くの非鉄金属が50日移動平均線を割り込み、一目均衡表の雲の上限でサポートされていることから、1,500ドル程度まで一時的に調整してもおかしくなさそうだ。LME在庫は▲200Mt減少、(FSCは4.1日、キャンセルワラント率は1.2%。)。売買高は1,596枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルスティープニング。C-3は23ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,635.00(+40:23C)。
Aluminum 3M :1,655.00(+50:28.25C)
昨日のアルミ価格は上昇した。LME在庫は大幅に増加しているものの、経済統計がさほど悪くないことから株価が上昇、ドル安も進行し、リスク資産への資金シフトが起きる中でアルミも物色された。10日移動平均線が200日移動平均線に対してゴールデンクロスとなっており、チャート的にも上値を追い易い地合いになっていたことも上げを助長したようだ。LME在庫の大半を一部の業者が保有しているとの噂も流れており、在庫水準の高さにも関わらず現物市場ではタイト感が出ており高値での推移が続いている。200日移動平均線を上回るには企業決算の好転や経済統計ががさほど悪くないことが条件となっていたが、この数日で発表された経済統計、企業決算が悪くなかったことから若干センチメントが好転したようだ。LME在庫は+63,125Mt増加、(FSCは44.4日)。(キャンセルワラント率は3.1%)。売買高は12,284枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルスティープニング。C-3は28ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは1,655.00(+50:28.25C)。
Nickel 3M :15,940.00(+365:79C)
昨日のニッケル価格は大幅に上昇した。中国の経済対策の効果に伴う中国域内需要が引き続き堅調であることと、在庫積み増しの動きに、昨日の株高とドル安が重なり大幅な上昇となった。LME在庫の水準やニッケルの主要用途であるステンレス需要が回復しているとのサインは出ておらず、ここまでの上昇は投機的な動きによるものである可能性が高いが、企業決算や経済統計がさほど悪くないことから再びこうした投機の動きが実需に乗る形で相場を押し上げる可能性が出てきた。但し、引き続き経済統計睨みの展開に変更はない。ニッケルの今年の限界生産コストは7,000〜10,000ドル程度であると見込んでいるが、そこに至るまでには50日移動平均線(14,000ドル)、200日移動平均線(12,000ドル)を割り込む必要があるが、この移動平均線を2つとも割り込むようなマイナス材料は見当たらず調整したとしても14,000ドルが目標となろうか。LME在庫は▲444Mt減少、(FSCは29.2日)、キャンセルワラント率は1.9%。売買高は2,064枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニング。C-3は79ドルコンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは15,940.00(+365:79C)。
Tin 3M :13,300.00(+375:160B)
昨日の錫価格は上昇した。LME在庫の増加はあったものの、経済統計がさほど悪くないことを受けた買いで株が上昇していることから地合いが好転、一昨日200日移動平均線を回復していたこともあり、10日移動平均線近辺まで値を戻して引けている。錫はイールドカーブの形状が示すように需給がタイトな非鉄金属であるが、バックの度合いが徐々に落ち着いてきている。今後に関しては引き続き経済統計、企業決算睨みの展開に変りは無い。LME在庫は+175Mt増加、(FSCは17.3日)、P596は3.53%。売買高は372枚。イールドカーブはパラレルに上昇している。C-3は160ドルバックとバック幅を拡大した。昨日の引けは13,300.00(+375:160B)。
(エネルギー関連ニュース)
WTI :61.54(+2.02)
Brent :63.09(+2.23)
・米在庫統計 原油▲2.8MB(市場予想▲2.1MB)、ガソリン+1.4MB(+0.9MB)、ディスティレート+0.6MB(+2.0MB)、稼働率+1.07%(▲0.13%)。
・6月中国石炭輸出 114万トン(前年比▲54.2%)。1-5月石炭輸入量 3.220万トン、輸出1,053万トン。
昨日のNY原油は上昇した。夜間に発表された原油在庫統計では在庫が市場予想を上回る減少を示し、企業決算が比較的好調であることから株が大幅に上昇したことやドル安の進行で反発、10日移動平均線で頭を押さえられて引けた。そもそもこの半月の下げ幅が大きかったことと心理的節目である60ドルが強く意識されたことに伴う買戻しであると見ている。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+3.2%。昨日の引けは61.54(+2.02)。 Brentも同様の相場展開で上昇。直近限月の騰落率は+3.4%。昨日の引けは63.09(+2.23)。 WTI/Brentのネガティブスプレッドは再び拡大。
石油製品も上昇。RBOBは上昇した。米在庫統計では在庫の増加と需要の減少が確認されたものの、100日移動平均線でサポートされたことや、原油価格の反発が材料となった。結果10日移動平均線を回復して引けている。イールドカーブは略パラレルに上昇している。直近限月の騰落率は+3.5%。昨日の引けは170.81(+6.15)。 ヒーティングオイルも上昇。RBOBと同じく100日移動平均線を割り込まなかったことから、原油価格の上昇を受けて反発した。しかし200日移動平均線は回復していない。需要の回復は緩慢で勝つ在庫水準も著しく高いことから、ディスティレートの個別材料のみで上昇する可能性は低い状況である。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニング。直近限月の騰落率は+4.2%。昨日の引けは158.21(+7.02)。 ICEガスオイルも上昇。期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。直近限月の騰落率は+2.2%。昨日の引けは502.75(+11.5)。"
(ひとりごと)
お盆なので
私の留守中、実家にお坊さんが来てお経をあげたらしいのだが
母からの電話で
子供が我慢できないのでお経には出席しなくて良いが、お坊さんが帰ったらお線香だけはあげに来て欲しい
と連絡があったらしく
カミさんは我が子に
「お坊さんが帰ったら、おばあちゃんの家にいこうね」
と説明したんだそうだ。
それで
お坊さんが帰るまで、私の実家に行く途中の公園で遊んで時間調整をしていた。
我が子からすれば、お坊さんが早く家から居なくなれば
おばあちゃんの家に遊びにいけるので
できるだけ早く、「お坊さん帰宅」の情報を受け取りたい。
しかし、世の中そこまで彼の都合よく物は進まず
お坊さんは全然家から出てこない。
痺れを切らした我が子は、
実家の方向から歩いてくるサラリーマンをみては
「あれはお坊さんかな」
腰が曲がったおばあさんが歩いてきても
「これはお坊さんかな」
女子高生を見ても
「女のお坊さんかな」
と、片っ端から世の人々をお坊さんにしていた。らしい。
可愛いものであるが、お坊さん、と言われた女子高生やおばあさんは、なんと思っただろうか...。