スーパー・プッシャー

【商品市況概況】
「まちまち」
 昨日の商品価格はまちまち。中国政府が来年以降の経済成長に非常に強気の見方を示していることが非鉄金属の価格を押し上げているが、その一方でやや投機的に物色されていた原油や金が、ドル高を切っ掛けとして手仕舞い売りに押されて下落している。当面は相場の水準が大きく変化するような材料が出てきていないことから現状レベルでの推移が続くと見られる。景気は回復していると考えられるものの、バルチック海運指数が再び下落を始めており、年末に向けて荷動きが鈍化していると見られ商品価格全体に下押し圧力がかかり安いことは指摘しておく必要がある(これが年末に向けてのただの季節要因であるかどうかは、現時点では分からず)。


【経済関連ニュース】
・日銀白川総裁「実質ゼロ金利を継続」
・米シカゴ連銀総裁「米失業率は来年、かなり高い水準に留まり、コアインフレ率は横ばいになる」
・豪ニューキャッスル港の滞船60隻4.2百万Mt。2007年7月以来の水準(ニューキャッスルからの滞船数上昇は輸出減少を映じて石炭の価格上昇要因に)。


NY Dow  :10,414.14(+85.25)
S&P500   :1,114.05(+11.58)
NIKKEI225 :10,183.47(+41.42)
Dax :5,930.53(+99.32)
FT250 :9,099.84(+100.76)
Sensex  :16,601.20(▲118.63)
Shanghai A :3,275.692(+9.504)
Brazil Bovespa :65,925.1875(▲869.023)

JPY/USD :90.99(+0.4)
USD/EUR :1.431(UC)


・ドルは対ユーロでもみ合い。新規手がかり材料に乏しい中、比較的ワイドなレンジでの取引となった。円は対ドルで大幅に下落。日銀のゼロ金利政策長期化観測が円を押し下げている。
日本株は上昇。銀行の規制強化の見送りや、円高一服で買い安心感が広がったため。米国株は大幅に上昇。米議会が医療保険改革法案で、保険会社への課税を1年間遅らせることが決まったことなどが材料になったようだ。


穀物
Cbot Wheat :519.50(▲8.5)
Cbot Corn :400.00(+2.25)
CSCE Sugar :25.05(▲0.72)



【貴金属・非鉄金属
Comex Gold :1,095.40(▲15.4)
Comex Silver :1,702.00(▲28.5)
Nymex Platinum :1,423.5(▲5.8)
Nymex Palladium :363.3(▲2.5)

・NY金は下落した。ドルは総じてもみ合いであったが、NY時間のドル上昇で、金は50日移動平均線を割り込んだことから手仕舞い売りに押された。今後も引き続き信用不安や中期的なドル安傾向を受けた買い圧力と、年末を控えた益出し売りの綱引きとなり、総じて高値でのもみ合いが続こうか。ターゲットプライスである1,400ドル程度まで上昇すると考えている。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 1,095.40(▲15.4)。
 銀価格は下落した。金の下落を受けて。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,702.00(▲28.5)。"

・NYプラチナ価格は下落した。金と同じくドルの小幅上昇が材料となった。昨日の引け(東京時間0:00)は1,423.5(▲5.8)。
 パラジウムは下落した。昨日の引け(東京時間0:00)は363.3(▲2.5)。"



・中国 李工業情報相、鉄鋼需給の調整のため今年は製鋼所の生産能力を16.9百万Mt削減。鉄の生産能力も21.1百万Mt、アルミを0.8百万Mt削減。2010年の中国の成長率は8%、工業生産は前年比+11%を目標としている。
・1-9月の銅生産は13.556百万Mt、需要は13.608百万Mt(ICSG)。
・ロシアはニッケルの輸出に対する5%の関税を復活させる見込み。



Copper 3M :6,935.00(+90:41.75C)
 昨日の銅価格は上昇した。中国政府担当の来年以降への強気な見通しと、30日移動平均線でサポートされたテクニカル要因、株価の上昇を受けて小幅高となった。銅のファンダメンタルズは決して弱くなく高値で推移しやすい。ICSGの発表にもあるように、1-9月の銅需給は52KMtの需要超である。ただし当コラムでは、投機筋の手仕舞い売りが年末から年始に掛けて入ると予想しており、更に上値をトライするような動きとはならないと考えている。中期的には景気回復が持続すると見られること、銅鉱山(Mine)からの供給には少なくとも5年程度掛かると見られることから、中長期的にはポジティブなパフォーマンスを維持するとの見方に変更はない。LME在庫は+3,100Mt増加、(FSCは9.7日)、(キャンセルワラント率は0.3%)。売買高は5,336枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。C-3(Cash vs 3M Fwd)は42ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは6,935.00(+90:41.75C)。

Zinc 3M   :2,438.00(+31:39.25C)
 昨日の亜鉛価格は上昇した。中国政府の景気に対する強気な見方と株価の上昇といった支援材料を受けて、上昇余地を探る動きとなった。今後も亜鉛価格は最大需要国、中国の鉄鋼需要が堅調に推移すると見られ、高値での推移が続くと考えている。ただし、来年初に予定されているコモディティインデックスの比率見直しの影響で、年末〜年始に掛けて一旦下値を探る動きが見られるものと考えている。その後、価格は上昇すると見ているが来年の夏ごろにかけて経済対策が息切れすると見られるため、年後半は一旦調整することになろう。LME在庫は▲25Mt減少、FSCは15.4日(キャンセルワラント率は0.9%)。売買高は2,190枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は39ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは2,438.00(+31:39.25C)。

Lead 3M   :2,310.00(▲10:34C)
 昨日の鉛価格は下落した。中国経済への強気な見通しと株高を受けて上昇していたものの、NY時間にかけて弱含んでいたドルが後場、強含んだため最終的には手仕舞い売りに押され前日比マイナスで引けた。今後は在庫水準の高さから価格水準を切り下げると見ているが、中国北部の寒波の影響で下げ渋るであろう。中期的には中国、インドといった新興国の需要が増加すると見られることからやはり他の非鉄金属同様堅調な推移になると考えている。LME在庫は+800Mt増加、(FSCは6.4日、キャンセルワラント率は0.1%。)。売買高は1,036枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。C-3は34ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは2,310.00(▲10:34C)。

Aluminum 3M :2,269.00(+31:37.25C)
 昨日のアルミ価格は上昇した。先週末の下落で10日移動平均線のサポートを確認していることから、株高の影響もあって堅調な推移となった。この背景には南アフリカ、中国、欧州の主要3生産地区の生産コストの上昇がある。これらの地区のアルミ生産コストは平均で2,000ドル程度にまで達していると見られ(主にエネルギー価格上昇による電力コストの増加要因。アルミ原料のアルミナも、電力依存度が高い)また、景気回復の足取りが重い中、同時に生産調整が進捗すると考えられることも相場の上昇を促しているようだ。今後も2,000ドルラインを維持できるか否かがポイントとなるが、景気悪化に伴いむしろ生産調整圧力の影響でこの水準を下回っての下落は難しくなったと考えている。LME在庫は▲2,175Mt減少、(FSCは49.1日)。(キャンセルワラント率は4.6%)。売買高は4,841枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は37ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは2,269.00(+31:37.25C)。

Nickel 3M :17,950.00(+845:76C)
 昨日のニッケル価格は大幅に上昇した。ロシアがニッケルの輸出に対して5%の関税を復活させるか見込みであると報じられたことが、現物供給懸念を想起させたため。ただし多くの市場参加者(特に現物周り)は今回の関税強化が供給に与える影響は殆どないと見ており、この価格上昇は継続しないだろう。ただし現物に関わっていない市場参加者の数も増加していることから、こうしたニュースに敏感に反応してしまったものと予想される。中国の在庫積み増し需要は減退しているものの、中国以外のOECD諸国での在庫積み増しの動きが見られると予想されることから世界需要は向こう1年半程度横ばいと見ている。一方で、大手生産者は引き続き増産に慎重でありトータルでニュートラルであると見られ、需給は均衡する中景気回復に伴い価格は上昇することになると考えている。LME在庫は+2,040Mt増加、(FSCは43.9日)、キャンセルワラント率は0.6%。売買高は2,513枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きくブルフラットニング。C-3は76ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは17,950.00(+845:76C)。

Tin 3M   :15,900.00(+25:80C)
 昨日の錫価格は上昇した。特段目立った個別材料はないものの、株高や中国の景気に対する強気の見通しを背景に上値余地を探る動きとなった。インドネシア政府が違法生産者の逮捕に踏み切る等、インドネシアの錫生産は減少を続けており、供給環境が安定していないことから現物をめぐる需給環境は不安定で、当面堅調な推移が続くと考えている。イールドカーブはパラレルに上昇している。LME在庫は▲40Mt減少、(FSCは25.6日)、キャンセルワラント率は2.14%。売買高は189枚。C-3は80ドルコンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。昨日の引けは15,900.00(+25:80C)。



【エネルギー】
WTI :72.47(▲0.89)
Brent :72.99(▲0.76)

OPECバスコンセロス議長「現在の価格水準に満足している。生産枠は現状維持されるだろう」
・サウジ ヌアイミ石油鉱物資源相「22日のアンゴラ総会では生産枠の変更はないだろう」

 昨日のNY原油は下落した。寒波襲来の影響や株の上昇といったセンチメント要因で比較的堅調に推移し、100日移動平均線レジスタンスを上抜けする局面も見られたが、最終的にドルが強含んだことから結局前日比マイナスとなった。今後は引き続き年末を控え、「高い水準まで投機の買いによって上昇した商品への手仕舞い売り」によって頭重い推移になると考えている。経済状態が変らないとした場合の現時点の需給均衡価格は66ドル〜75ドル程度であると考えている。中期的には景気回復(GDPプラス成長への回復)に伴う需要増加観測を受けて水準を切り上げる動きになるだろう(経済成長率と原油の需要の増加率は略1:1の関係であり、GDP-2%が石油需要の増加率と見積もられる)。また、大手投資銀行の価格予想上方修正の動きを受け、思惑的な買いが入りやすくなっていることも相場の上げ材料となる。イールドカーブは期近の下げ幅大きくベアスティープニングしている。直近限月の騰落率は▲1.2%。昨日の引けは72.47(▲0.89)。 Brentは下落した。直近限月の騰落率は▲1.1%昨日の引けは72.99(▲0.76)。 WTI/Brentは+-0.52のポジティブスプレッドに。
 RBOBは下落した。原油価格が調整する中、昨日の上げ幅が大きかったこともあって、10日移動平均線のサポートラインを試す動きとなった。ガソリン需要は戻ってきておらず、FSCベースの需給もゆるく、繰り返しになるがガソリンが買われる材料は余り存在しない。イールドカーブは略パラレルに低下。直近限月の騰落率は▲1.4%。昨日の引けは186.91(▲2.57)。 ヒーティングオイルは下落した。ただし厳冬の影響もあって総じて堅調な推移となっている。昨日の引けは194.52(▲1.15)。イールドカーブは期先の下げ幅が大きくベアフラットニング。昨日の引けは194.52(▲1.15)。 ICEガスオイルは上昇した。イールドカーブはまちまちな動き。直近限月の騰落率は+1.1%。昨日の引けは601.75(+6.5)。



【ひとりごと】
私の後輩がロンドンに行ったとき
イギリスのタブロイド誌に「日本の駅員」について解説してある記事を見たんだそうだ

何でも、日本の駅には「押し」のスペシャリストが存在し、概ね4〜5人は配置されており
朝の混雑時に乗客を「押し」て電車に詰め込む作業を生業としている

と、解説されているとのこと。
いや、別に生業(なりわい)にしてる訳じゃなく、朝の仕事の一環だと思うんですよね
好きでやってるわけじゃないと思うんですよ。
ちなみに彼らのことを英語で


"Super Pusher"


というんだそうだ(笑)。
スーパー・プッシャー
確かに彼らの「押し」はスーパーかも知れない
以前、前の会社の後輩が満員電車でスーパー・プッシャーに押され「足が空中に浮いている」女性を見たことがあったらしい
それって、すごくないですか
どう考えても超、危険なんですけど
そんな話をしていると
恐らく、外国の人々は


日本にはSuper Pusherという名前の相撲取りが駅に5名ほど配置されており、
発車のベルとともに列車のドア付近に居る人々に一発ぶちかまして、
乗客を列車に押し込むという稽古を毎日、駅で行っているらしい


なーて、間違って伝わっていくんですよ、きっと。
え?ないですかそうですか。