不毛地帯

【商品市況概況】
「今晩の米GDPに注目」
 昨日の商品価格は軒並み下落している。ギリシャに次いで今度はポルトガルの財政危機が取り沙汰され、ドルが上昇したことから反対売買も含めたポジションクローズの動きが加速したため。また、多くの非鉄金属の最大消費国である中国の個別窓口指導の影響が非鉄金属にも及んでおり、一時期の力強さを失いつつある。
 今後はまずは今晩のGDP(4.5%→5.0%にマーケットコンセンサスは引き上げ)であるが、恐らく良い内容であろう。そうなるとこの数日間の最大の材料である、金融緩和の早期解除、ならびにドル高の進行によって相場は調整する可能性はある。ただし「非常に良い」ないしは「予想通り」であれば、需要回復期待と相俟って上昇することが予想される。
 永遠に続くと思っていた量的緩和が予想以上に早いタイミングで解除になりつつある。これに伴い、短期的にはドル建資産はベアな展開になるだろう。


【経済関連ニュース】
・1月独失業者数 前月比+6千人の343万人。失業率は8.2%(前月改定8.1%)。
・1月ユーロ圏景況感指数速報 95.7(前月改定94.1(速報比+2.8))。
・12月米製造業耐久財受注 前月比+0.3%(前月改定▲0.4%)。除く輸送機器 前月比+0.9%。
・米週間新規失業保険申請者数 470千人(前週改定478千人(速報比▲4千人))。
・ECBトリシェ総裁「資産バブルに警戒し続けることが大切」
FRBバーナンキ議長再任。
・米テキサス州、強風・積雪予報。



【為替・株】
NY Dow  :10,120.46(▲115.7)
S&P500   :1,084.53(▲12.97)
NIKKEI225 :10,414.29(+162.21)
Dax :5,540.33(▲102.87)
FT250 :9,213.78(▲31.47)
Sensex  :16,306.87(+17.05)
Shanghai A :3,139.479(+7.851)
Brazil Bovespa :65,587.8125(+518.023)
JPY/USD :89.73(+0.29)
USD/EUR :1.397(▲0.0068)


・ドルは対ユーロで大幅に上昇、1.4を下回った。ギリシャに加え、ポルトガルの財政危機が市場で採り上げられたため。円は対ドルで小動き。
日本株は上昇。米株の上昇を受けて買い戻しが優勢となった。米株は大幅反落。企業決算の下方修正や欧州諸国の財政危機問題が取り沙汰され、水準を切り下げた。


穀物
Cbot Wheat :487.00(+3.25)
Cbot Corn :361.75(+3.5)
CSCE Sugar :29.00(+0.64)



【貴金属・非鉄金属
Comex Gold :1,083.60(▲0.9)
Comex Silver :1,621.20(▲21.6)
Nymex Platinum :1,493.9(+7.8)
Nymex Palladium :413.35(▲3.4)



・NY金は下落した。欧州諸国の財政悪化懸念に伴うドル高の進行と、各国の金融引き締め観測が背景。この下落により、100日移動平均線の中期的なサポートラインを下回ることとなった。基本、質への逃避で金は物色されてもおかしくない環境にあるが、急速なドル高の進行に伴う利益(ないしは損失)確定の売りに押されたと考えられる。ターゲットプライスは引き続き1,400ドルであるが、今年の後半以降にずれ込む可能性が出てきた。昨日の引けは(東京時間0:00価格) 1,083.60(▲0.9)。
 銀価格は下落した。株の下落とドル高で。100日移動平均線を下抜けしてしまったことからテクニカルに下値を試し易く、200日移動平均線(15.72ドル)のサポートを試す動きとなっている。昨日の引け(東京時間0:00価格)は 1,621.20(▲21.6)。

・NYプラチナ価格は上昇した。ドル高と株安を受けて総じて軟調に推移していたが、50日移動平均線でサポートされたことから結局前日比プラスで引けている。現在規制強化・金融緩和解除の流れが強まっており、ETF上場で盛り上がりを見せていたプラチナ市場も調整せざるを得ないだろう(まだそういった環境にはなっていないと考えている)。昨日の引け(東京時間0:00)は1,493.9(+7.8)。
 パラジウムは下落した。昨日の引け(東京時間0:00)は413.35(▲3.4)。


Copper 3M :6,898.00(▲332:22C)
 昨日の銅価格は下落した。ギリシャ問題、ポルトガル問題を受けたドル高の急速な進行、各国の金融引き締めの動きを受けて。そもそも50日移動平均線を下回って寄り付いたことから下げが加速している。今後も各国の金融引き締めの効果と信用不安に伴うドル高の進行によって頭重い推移となる可能性が高い。中期的には景気回復が持続すると見られること、銅鉱山(Mine)からの供給には少なくとも5〜7年程度掛かると見られることから、中長期的にはポジティブなパフォーマンスを維持するとの見方に変更はない。LME在庫は+1,575Mt増加、(FSCは11.0日)、(キャンセルワラント率は2.1%)。売買高は24,915枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアフラットニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は22ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは6,898.00(▲332:22C)。

Zinc 3M   :2,158.00(▲78:20C)
 昨日の亜鉛価格は下落した。各国の金融引き締め観測と、欧州諸国の財政事情悪化観測に伴うドル高の進行が材料。この結果、昨年の3月以降ずっとサポートラインとして意識されていた100日移動平均線を下抜けしてしまった。結果、チャート的には2,000ドルラインを目指してもおかしくない状況になってきた。中期的には規制強化の動きはあれど亜鉛価格は最大需要国、中国の鉄鋼需要が堅調に推移すると見られ高値での推移が続くだろう。その後、経済効果の剥落で年末にかけて一旦調整するという見方に変更はない。LME在庫は+450Mt増加、FSCは16.8日(キャンセルワラント率は0.7%)。売買高は8,456枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きくベアフラットニング。C-3は20ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは2,158.00(▲78:20C)。

Lead 3M   :2,057.00(▲68:24C)
 昨日の鉛価格は下落した。中国の窓口指導の結果、過剰流動性の退場が市場で起きていると考えられるため。結果、200日移動平均線のサポートを探る疎きとなっている。寒波の影響が終了した後は在庫水準の高さを映じて水準を徐々に切り下げる動きになると見ていたが、急速に進むドル高等の外的環境の変化を受けて地合いが弱転している。中・長期には中国、インドといった新興国の需要が増加すると見られることからやはり他の非鉄金属同様堅調な推移になると考えている。LME在庫は+350Mt増加、(FSCは6.9日、キャンセルワラント率は6.2%。)。売買高は3,905枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニングしている。C-3は24ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは2,057.00(▲68:24C)。

Aluminum 3M :2,108.00(▲72:32.75C)
 昨日のアルミ価格は下落した。各国の金融緩和解除観測や、欧州諸国の財政状況悪化に伴うドル高観測から、下値を探る動きとなっている。そもそも前日に割り込んだ50日移動平均線を下回って寄り付いていることから短期的な地合いは悪化している。今後も2,000ドルラインを維持できるか否かがポイントとなるが、現在の生産コストは1,900ドル〜2,100ドル程度まで上昇していることを鑑みると、このラインを割り込むことは需給の緩和が必要条件になる。しかし、資金調達や投機を目的とした現物保有が加速しており、需給緩和は難しかろう(景気が悪くなると需給がタイト化する)。LME在庫は▲4,600Mt減少、(FSCは48.9日)。(キャンセルワラント率は5.5%)。売買高は16,693枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニング。C-3は33ドルコンタンゴと前日と変わらず。昨日の引けは2,108.00(▲72:32.75C)。

Nickel 3M :18,350.00(+155:75C)
 昨日のニッケル価格は上昇した。取引序盤から終始堅調に推移したが、明確な買い材料があったわけではない。上げに不思議の上げありの状態であった(一応)このコラムのベースの見通しとは一致してるんですが、別に昨日はパブリックな買い材料が見つけられませんでした...)。今後は中国の金融引き締めによって在庫積み増しの動きは終了し、期待されていたOECD諸国の在庫積み増しの動きは予想ほどではない可能性が高まり、在庫積み増しに伴う需要が予想を下回ると考えられるものの、アルミと同様、カーブのコンタンゴ化を映じて資金調達や投機目的の現物保有が加速すると見られることから、堅調な推移を予想する。また、大手生産者の生産調整が比較的早い段階から行われており供給サイドもサポート材料になろう。LME在庫は▲186Mt減少、(FSCは47.7日)、キャンセルワラント率は0.8%。売買高は3,393枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きくブルフラットニングしている。C-3は75ドルコンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。昨日の引けは18,350.00(+155:75C)。

Tin 3M   :17,550.00(▲300:57C)
 昨日の錫価格は下落した。ドル高の進行と各国の金融引き締め観測の強まりによって。今後も、最大生産国インドネシアの生産が安定しないことから需給環境はタイトに推移しやすく、堅調な推移が続くと考えているが、ドル高の進行等もあってチャート的に下値余地を試しやすい形になっており、一旦17,000ドル程度までの下落はあると考えている。イールドカーブは期近の下げ幅が大きくベアスティープニング。LME在庫は+100Mt増加、(FSCは26.9日)、キャンセルワラント率は5.28%。売買高は347枚。C-3は57ドルコンタンゴと前日と変わらず。昨日の引けは17,550.00(▲300:57C)。

【エネルギー】
WTI :73.64(▲0.03)
Brent :72.13(▲0.11)

 昨日のNY原油は下落した。中国の融資規制強化の動きを受け、商品相場にダウンサイドバイアスが掛かり易い中、ギリシャポルトガルといった国の財政問題がクローズアップされドル高が進行したことが材料となった。但し米南部で積雪や強風が予想されていることからWTIは下げ渋った。中期的には景気回復(GDPプラス成長への回復)に伴う需要増加観測が原油の下値を堅くしようが、経済対策の効果の剥落と気温の上昇を受けて春先に掛けて水準を切り下げる動きになると考えている。イールドカーブは期先の下げ幅が大きくベアフラットニング。直近限月の騰落率は▲0.0%。昨日の引けは73.64(▲0.03)。 Brentは下落した。直近限月の騰落率は▲0.2%昨日の引けは72.13(▲0.11)。 WTI/Brentは+1.51のポジティブスプレッドに。
 RBOBは下落した。原油の下落を受けて。ガソリンはファンダメンタルズが弱く、原油のサポート材料がなければ上昇は難しい。昨日の下落で100日移動平均線のサポートラインを割り込んでいる。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率は▲1.2%。昨日の引けは191.74(▲2.18)。 ヒーティングオイルは上昇した。原油価格の下落を受けて。ただし気温低下観測を受けて下支えされた。昨日の引けは191.91(+0.23)。イールドカーブは殆ど変わらず。昨日の引けは191.91(+0.23)。 ICEガスオイルは下落した。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率は▲2.4%。昨日の引けは583.50(▲13.75)。



【ひとりごと】
書き溜めてある、長いひとりごとのネタを使っちゃうと
なんだか満期になった定期預金を全部使ってしまうのと
同じような感覚になるのは気のせいか。



さて。



昨日も不毛地帯を見た。
伊藤忠商事の瀬島会長を題材にしたフィクションであるが
実際にあった話を基にしているだけあって面白い。

しかし、毎週見ていて思うことが2つ。
(見てない人は済みません)



1つ目
唐沢寿明演じる、壱岐常務は、フォーク社(フォードですね)と国内自動車会社の提携を画策するが
フォークの社長に合うのに、韓国の政治家や過去のツテを死ぬほど使い
部下も何人も使ってやっとのことで会うことが出来るようになるのだが
ライバル会社の東京商事、鮫島は、たった1人でフォークの社長に会っていて
最後の最後で壱岐常務が負けてしまう。

これって...よっぽど東京商事の方が優秀なんじゃぁないでしょうか。
でも、この手の展開って殆どの漫画やドラマ、小説で出てくると思うんですよね。
主役以外の人間は、結構努力しないで向こうの親玉とねんごろになってるケースが。
ま、面白いから別に良いんですけど。




2つ目
唐沢寿明と、小雪の恋愛物語が、明らかに本編と全く関係ない
ことなんですよね。
いや、ドラマに潤いを、ということ(もともと小説にもこのシーンは出てきますが)なんだと思うのですが
何かですねぇ、あんまりというか突然別の話しになってるような気がするんですよね。
ま、面白いから別に良いんですけど。



話は佳境に入ってきてます。
来週からはイランの油田の話です。
まさにわれらコモディティマンのフィールドです。



しかし、竹野内豊、なぜ私と同じ形のヒゲ?
オイルの人はみんなそう?
ま、別に良いんですけど。



それと、現在我が家では里井副社長ごっこ、が流行っている。
昔、おしんごっこが流行って以来だ(あれ?このブログに載ってないな...今度書きます)。
ま、別に良いんですけど。