ETF

【商品市況概況】
「引き締め観測」
 昨日の商品価格は総じて軟調な推移となった。中国の経済統計が景気回復ないしは国内景気の過熱感を示唆するような内容であったことから、金融引き締めへの警戒感が強まったため。また、下落を続けていたユーロが、ギリシャ問題のひとまずの解決を好感して上昇に転じていることも、ドル建て資産であるコモディティ価格を押し上げている。ただしこれもこの1カ月ずっと言い続けているが、さらに上値を試すには材料が少ない。景気は回復しているものの先進国の回復速度は緩やかであり、今回の景気回復過程で重要な役割を担った新興国は既に景気の過熱感が高まっており、金融引き締めに転じねばならなくなってきているからである。よってさらなる上値を追うには難しい環境にあると結論づけることができる。しかしその一方で、ギリシャ問題を背景としたドル高の進行があったにも関わらず、商品価格は小幅な調整でとどまっていることは懸念材料である。為替相場を見るに、ユーロは底打ちした可能性が高く、今後はドル安に転じる可能性が高いためだ。その点はさらなる上昇は難しいという前提に立ちつつも、留意する必要があると考えている。
 日本国内の景気も徐々に底打ち感が強まっている。しかしながら海外の回復の速度に比べるとまだまだ、と言ったところであり、今後発生するであろう円安の進行と商品価格の上昇に対する耐久力が試されることになる。


【経済関連ニュース】
・1-2月中国固定資産投資 前年比+26.6%。
・1-2月中国鉱業生産 前年比+20.7%。
・1-2月中国小売売上高 前年比+17.9%。
・2月中国CPI 前年比+2.7%(前月改定+1.5%)。
・米週間新規失業保険申請者数 前週比▲6千人の462千人(前週改定468千人(速報比▲1千人))。
・1月米貿易収支赤字 373億ドル(前月改定399億ドル(速報比+3億ドル))。


【為替(FX)・株】
NY Dow  :10,611.84(+44.51)
S&P500   :1,150.24(+4.63)
NIKKEI225 :10,664.95(+101.03)
JPY/USD :90.55(+0.01)
USD/EUR :1.367(+0.0022)


・ドルは対ユーロで続落。ギリシャ問題は収束したとの見方が市場では強まっており、今までの急速なユーロ安を解消するべくドルが売られることとなった。円は対ドルで小幅安となっている。
日本株は反発。海外経済統計の改善に伴い、輸出企業を中心に業績が回復するとの期待感が高まっていることから。米株は上昇。景気の回復に対し、市場参加者が徐々に自信を持ち始めていることが材料となった。


穀物市場サマリー】
Cbot Wheat :468.50(▲2.25)
Cbot Corn :355.50(UC)
CSCE Sugar :19.27(▲0.42)



非鉄金属・貴金属】
Comex Gold :1,108.20(+0.1)
Nymex Platinum :1,612.7(+22.5)


Copper 3M :7,464.00(+24:32.75C)
 昨日の銅価格は上昇した。LME在庫は▲2,525Mt減少、(FSCは10.9日)、(キャンセルワラント率は5.1%)。売買高は12,792枚。
Zinc 3M   :2,340.00(▲36:27.8C)
 昨日の亜鉛価格は下落した。LME在庫は▲50Mt減少、FSCは18.2日(キャンセルワラント率は0.6%)。売買高は4,336枚。
Lead 3M   :2,251.00(▲38:25.75C)
 昨日の鉛価格は下落した。LME在庫は▲250Mt減少、(FSCは7.6日、キャンセルワラント率は7.4%。)。売買高は1,764枚。
Aluminum 3M :2,235.00(+3:29.7C)
 昨日のアルミ価格は上昇した。LME在庫は▲4,625Mt減少、(FSCは45.0日)。(キャンセルワラント率は6.3%)。売買高は7,216枚。
Nickel 3M :21,295.00(▲225:73C)
 昨日のニッケル価格は下落した。LME在庫は▲318Mt減少、(FSCは46.5日)、キャンセルワラント率は1.5%。売買高は2,557枚。
Tin 3M   :17,350.00(▲400:73C)
 昨日の錫価格は下落した。LME在庫は+5Mt増加、(FSCは23.2日)、キャンセルワラント率は4.76%。売買高は212枚。


【エネルギー関連ニュース】
WTI :82.11(+0.02)
Brent :80.28(▲0.2)

・IEA月報
2010年世界石油需要 86.5MBD(前年比+1.6MBD)。IMFの強い経済見通しを背景とした原油需要の増加を価格の上昇と、OECD諸国の需要減少が相殺。
2010年Non-OPEC生産 51.6MBD(前年比+200KBD)。メキシコ湾と北海の生産回復で。
1月のOPEC生産は29.1MBD、OPEC NGLsの生産見通しは5.5MBD。Call on OPECは29.4MBD(前回調査時比+300KBD)。
12月のOECD在庫は2,678MB(前月比▲67.8MB)、FSCは58.1日(前年比+0.1日)。直近データではOECD在庫の増加は1月は11.4MBとなる見込み。
Q110の原油処理量は72.6MBD。カナダ、メキシコ、環太平洋の処理量増加がNon-OECDの処理量減少を相殺。



【ひとりごと】
最近、新聞等の報道を見ていると
世界各国でETFが取り上げられるようになってきた
コモディティETFはご存じの通り、商品現物を担保とする上場投資信託である
はっきり言って投機商品なのだが、この商品の普及により
結果的に、商品への関心度が高まっていることも事実であろう

なぜかと言えば、ETFの形になることによって
株式市場で取引が可能になる訳で
しかも証券口座を保有していれば、誰でも購入が可能なので

つまり

新たな口座を開ける手間がかからない、
手数料が安く済む

という利点がある。
日本人はびっくりするぐらい個人で株の取引をする国民である
そうなると、株の市場でプレイしている人全員が潜在的コモディティETFの買い手となりえるのだ
海外ではすでにそういう動きがみられている
特に顕著なのが貴金属であり、前から取りざたされているが金が特に顕著である

この結果何が起きているかというと
以前は為替との相関が高かった金価格であるが
最近は株価との動きに連動するようになってきているのだ
まぁ、株式市場に流入する資金の内の何パーセントかが金のETF流入していると考えれば
株式市場が活性化すれば金は上がる、ということになるので冷静に考えれば当たり前と言えば当たり前である

今後はこうした形でETFを通じた商品への投資が活発化すると考えてはいるが
最近、ハイテク製品に必要なレア・メタルを対象にした商品も出始めており
日本の製造業に悪影響を及ぼさないだろうかと心配しているところである。
こうした投機の動きはいつ買いを入れ、いつ売りを入れるかよくわからないこともあって
今後一層、リスクマネジメントの必要性が高まっていくことになるだろう。

なんて。
今日は真面目に書いてしまいました。