高速道路-その1

【商品市況概況】
「高ボラティリティ時代」
 昨日の商品価格は大幅に下落した。ギリシャ支援を巡り、フランスやドイツ等がユーロ脱退をほのめかしたとの一部報道を受けて、疑心暗鬼に陥った市場の売りにさらされた。このコラムで繰り返し書いているが、ユーロ問題は構造問題であり緊急支援は期末の資金繰り対策のようなものである。つまり何かしら制度の枠組みを変える必要性が出てきたということだ。例えば今回のギリシャの問題。ギリシャは恒常的な貿易赤字国であり、こうした国は輸出の促進策等で財政を立て直すということが難しい。貿易収支赤字の改善策で最も単純なのが自国通貨安誘導であるが、統一通貨制度を採用している以上それはできない。ユーロ加盟国でこの恩恵が得られるのはドイツ等の限られた大国のみであり、このような国々が(逆説的ではあるが)ユーロから脱退した方が、ギリシャ等のユーロ加盟国にとってプラスですらあるとも言えるわけである。と、いうことがちょっと考えると分かってしまうが故に昨晩の一部報道を受けて市場は敏感に反応してしまう。このままの状態が続けば、ユーロはドルパリティまで下落してもおかしくないだろう。
 と、為替の講釈ばかりになったがこうした「国と通貨の信用問題」の拡大を受けて当然商取引は細る可能性が高く、加えて投機のポジション整理の売買(買っている人は売り、売っている人は買い)が増加、商品価格は下落する可能性が高くなってきた。まさに「高ボラティリティ時代」である。
 
 下落時のターゲットは各々の商品毎に異なるが、総じて200日移動平均線を下回っているものは昨夏の水準、割り込んでいないものは200日移動平均線が目途になるだろう。原油WTIが200日移動平均線を割り込んでいるため、最大で昨夏の水準である60ドルまでの下落の可能性がでてきたと言える(可能性20%程度)。尚、BrentとWTIの価格スプレッドは大きく開いているがこれは米国と欧州の構造の差によるものであり、今回のクレジットクランチが解消した場合には「WTIがBrentの価格に近付く形で」上昇すると予想される。
 クレジットクランチの影響で意識される下値は昨年の夏ごろの水準が目途となる。原油が70ドル(Brentベース)、銅が6,000ドル、アルミは1,900ドル、亜鉛は1,700ドル、鉛は1,800ドル、ニッケルは18,000ドル、錫は16,000ドル。一方で金を含む貴金属は安全資産として物色され、1,400ドル、プラチナは1,800ドル、銀は25ドルを目指すだろう。



【経済関連ニュース】
・4月スペインコア消費者物価指数 前年比▲0.1%(前月改定+0.2%)。
IMF、各国政府は債務削減の努力をするべきだ。欧州の財政危機に見られるようにこういったリスクは無視できない。
・4月米鉱工業生産 前月比+0.8%(前月改定+0.2%)。設備稼働率 73.7%(前月改定73.1%)。
・4月米小売売上高 前月比+0.4%(前月改定+2.1%(速報比+0.5%))。
・3月米企業在庫 前月比+0.4%(前月改定+0.5%)。企業売上高 前月比+2.3%(前月改定+0.6%)。売上高在庫比率 1.24ヶ月(前月改定1.27カ月)。
・5月ミシガン大学消費者マインド指数 73.3(前月改定72.2)。



【為替(FX)・株】
NY Dow  :10,620.16(▲162.79)
S&P500   :1,135.68(▲21.76)
NIKKEI225 :10,462.51(▲158.04)
JPY/USD :92.47(▲0.28)
USD/EUR :1.236(▲0.0177)


・ドルは対ユーロで大幅に上昇。独仏等の大国がギリシャ支援の競技中にユーロ脱退を示唆したことが嫌気された。円はこうしたリスクテイク解消の動きで買われている。
日本株は大幅に下落。ユーロが国際的な支援にもかかわらず崩壊するのではとの懸念が強まり、ポジションの手じまい売りに押された。米株も大幅に下落。欧州危機が高まっていることやCDO絡みの訴追が略全ての米金融大手に伸びていることなどが地合いを悪化させた。


穀物市場サマリー】
Cbot Soybean :948.00(▲12.5)
Cbot Wheat :463.50(▲7.5)
Cbot Corn :356.75(▲9.75)
CSCE Sugar :14.13(▲0.53)



非鉄金属・貴金属】
Comex Gold :1,227.80(▲1.4)
Nymex Platinum :1,715.4(▲24)
Baltic Dry Inex :3,929.00(+15)
Iron Ore :166.6(▲2.9)


Copper 3M :6,926.00(▲234:32C)
 昨日の銅価格は下落した。LME在庫は▲1,075Mt減少、(FSCは9.8日)、(キャンセルワラント率は3.8%)。売買高は14,975枚。
Zinc 3M   :2,055.00(▲105:30.25C)
 昨日の亜鉛価格は下落した。LME在庫は▲1,050Mt減少、FSCは19.2日(キャンセルワラント率は4.2%)。売買高は7,009枚。
Lead 3M   :1,940.00(▲125:29.75C)
 昨日の鉛価格は下落した。LME在庫は▲50Mt減少、(FSCは8.2日、キャンセルワラント率は0.7%。)。売買高は3,374枚。
Aluminum 3M :2,101.00(▲69:22C)
 昨日のアルミ価格は下落した。LME在庫は▲3,725Mt減少、(FSCは44.5日)。(キャンセルワラント率は6.5%)。売買高は12,648枚。
Nickel 3M :21,555.00(▲1220:73C)
 昨日のニッケル価格は下落した。LME在庫は▲540Mt減少、(FSCは41.5日)、キャンセルワラント率は3.6%。売買高は2,935枚。
Tin 3M   :17,550.00(▲250:63.5C)
 昨日の錫価格は下落した。LME在庫は▲30Mt減少、(FSCは20.4日)、キャンセルワラント率は5.22%。売買高は179枚。


【エネルギー関連ニュース】
WTI :71.61(▲2.79)
Brent :77.18(▲2.93)



【ひとりごと】
学生の頃、生意気にもゴルフサークルに入っていた。
あ、誤解の無いように言っておきますが、ゴルフ場でキャディのバイトをすることで、サークルの運営をまかなっていたので結構まじめなサークルだったのです。


通常、夏休みと春休みに合宿を行うのだが、私が3年生の夏の合宿のときの事。
私の所属していたサークルは、秋に代替わりして1年生の秋から執行部になる。
それを2年生の先輩が補佐する、という仕組み。
(このブログ、俺のサークルの後輩や後輩が読んでいたりするんだろうか)
よって、3年生になるとワンランク上の先輩になるわけである。
この代になって初めてゴルフの事だけを考えられるのだ。



その初めての合宿のときの話である。
あの頃は携帯電話もなかったので、時間を決めてサービスエリアで待ち合わせ、皆で一緒にゴルフ場に行くのだ。
ゴルフ場にお客さんが入る前にラウンドを済まさなければならないので、朝の集合は早い。
確か4時だか、5時だったか?
集合は東北道の蓮田インターである。

私は車で、1年生の後輩を数名拾い、蓮田に行かねばならなかった。
一応「偉い」先輩なので、合宿の心構えとか、こういうことがあるから気をつけろ、みたいな説教をしつつ意気揚々と蓮田インターに到着した。

一台もサークルの車が来ていない。
一番乗りである。

と、思ったのが実は大きな間違いであった。
(続く)