終戦記念日

(経済関連ニュース)
・Q207独GDP速報 前期比+0.3%(前期+0.5%)、市場予想+0.4%。
・Q207仏GDP速報 前期比+0.3%(前期+0.5%)、市場予想+0.4%。
・7月英消費者物価指数 前年比+1.9%(前月+2.4%)、市場予想+2.3%。
・Q207ユーロ圏GDP速報 前期比+0.3%(前期+0.7%)、市場予想+0.5%。
・6月米貿易収支赤字 前月比▲1.7%の581億㌦(前月改定592億㌦(速報比▲8億㌦))、市場予想610億㌦。
・7月米生産者物価指数 前月比+0.6%(前月▲0.2%)、市場予想+0.2%。コア前月比+0.1%、市場予想+0.2%。
・7月中国鉱工業生産 前年比+18.0%(前月+19.4%)、市場予想+18.5%。鈍化したといってもこの水準。

非鉄金属関連ニュース)
・Southern Copper労働者は経営側の提案を拒否。
・Grupo Mexico労働者は政府に対し、新しい労働組合への加入を許可するよう要請。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計市場予想 原油▲2.5MB、ガソリン▲0.8MB、ディスティレート+1.3MB、稼働率+0.5%
・大西洋上のトロピカルストームが今週末には今年初めてのハリケーンディーンになる見通し。
OPEC需給見通し
 2007年世界石油需要 85.7MBD(前回調査時比+100KBD)、2008年87.1MBD。
 2007年Non-OPEC供給 50.3MBD(前回調査時比▲85KBD)、ノルウェー、メキシコ、チャドからの生産減少で。但し 2007年の生産量は前年比+880KBDの見込。
 Q407年Call on OPECは31.3MBD(前回調査時比+200KBD)、2007年は31.0MBD(同+200KBD)。

(商品市況概況)
「まちまち」
 昨日の商品価格はまちまちであった。エネルギーは今年初めてとなるハリケーン「ディーン」発生の可能性が報じられた事から上昇したが、非鉄金属は米国株の大幅調整や、中国当局の利上げの可能性を受けて水準を切り下げる展開となった。ここで主要国金融当局の金融政策変更時における商品価格への影響を簡単にまとめると次のようである。日米欧の金利引き上げは投機マネーの動きを鈍化させる事からマイナス材料である。特に米国の利上げは米系ファンドの資金繰りの悪化を招く事からファンド倒産→価格下落の圧力をもたらしやすい。また、日本の利上げは円キャリートレードアンワインドをもらたらす事から同様に商品価格の下落、為替の円高要因となりえる。中国当局の利上げはこれらと趣が異なり、中国の利上げは実需の減少(特に非鉄金属)をもたらす。いずれにしても信用収縮問題を解決するべく大量の金融量的緩和を行っているが、同時にインフレリスクも高まっており、各国当局は極めて難しい金融政策の舵取りを要求される事となろう。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。LME在庫の減少はあったが米国株が再び大幅安となったことや中国の物価上昇を受けて中国当局が利上げに動くのではないかとの思惑から売りが広がった様子。チャート的にも一昨日一目均衡表の雲で上値を阻まれた事から上値が重くなっている。LME在庫は▲225Mt減少、(FSCは2.3日)、(キャンセルワラント率は3.1%)。売買高は6,434枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは略パラレルに低下。C-3は149㌦バックとバック幅を縮小した。 今後についての見通しに大きな変更はなく、ファンダメンタルの強さを背景に堅調な推移が続くと見ているが、株価動向に振らされる展開になると考えている。各国中央銀行は矢継ぎ早に資金供給を行うなどの対策を行っているが、今のところサブプライムローンに端を発する市場混乱は収束していないためだ。よって暫くはワイドなレンジでのもみ合いが続く事になろう。売買材料を整理すると以下の通りである。1つ目は、主要消費国中国の需要が高水準なGDPや固定資産投資、鉱工業生産を背景として需要サイドが堅調に推移する見込みである事、2つ目は生産国のストライキ懸念が以前としてあること、3つ目はLME在庫水準の低さ・キャンセルワラント率の高止まりである。このように供給サイドに関する問題は根本的に解決していない。但し足元は下値を探る動きのほうが優勢になると考えている。理由の1つ目は繰り返しになるが、信用収縮の動きが加速し低流動性市場における投機筋の手仕舞い売りが継続すると見られることである。小職はサブプライムローンに端を発する信用収縮問題は当面収束しないと見ており、引き続き、株式動向には細心の注意を払う必要があると考えている。2つ目は短期的に中国国内の供給が需要を上回っている可能性があること(7月の輸入統計では精錬銅・銅製品の輸入量が再び前月から減少しているが、前年比では引き続きプラスが継続しており、経済成長に裏打ちされた長期的な需要の増加トレンドは維持しているものの、短期的には供給不足が解消されている可能性があることを示している)、3つ目は、中国当局が更なる利上げに動く可能性があることである。但し、利上げが実際に需要減少を促すまでには時間がかかると考えている。本日も方向感が出にくいが、低流動性資産からの資金撤退の動きは加速するとみられることからロングポジションの手仕舞い売りが続く事になろう。尚、9月オプションの建玉は8,000㌦コールが1,039枚、7,800㌦コールが970枚、7,700㌦プットが750枚、7600㌦プットが445枚、7,500㌦プットが930枚となっている。

 昨日の亜鉛価格は下落した。LME在庫の減少とアジア株の堅調を受けてアジア〜欧州時間早朝までは上昇したものの、米株の下落や中国当局の利上げ懸念等を受けて水準を下げた。上値は10日移動平均線レジスタンス(3,400㌦)を上抜け出来なかった。LME在庫は▲825Mt減少、FSCは2.0日(キャンセルワラント率は8.6%)。売買高は2,857枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。C-3は15㌦バックとバック幅を縮小した。 今後についてはファンダメンタルは強いものの信用収縮の動きに歯止めが掛かっていない事から、総じてワイドなレンジでのもみ合いになると見ている。但し亜鉛は銅やアルミに比して直接投機筋の投資対象になりにくいため、短期的な株価の下落の影響は銅・アルミ比で大きくなく、株価低迷が長期化した場合の影響の方が大きい(実際に景気が低迷して実需が減少)非鉄金属であることは念頭においておくべきであろう。その観点からすれば今週のPPIを受けた中国の利上げ観測の方が影響が大きいかも知れない。ファンダメンタルの売買材料を整理してみると、中期的には買い材料が多い。1つは中国のQ207のGDPが予想を上回る大きな伸びとなった事から引き続き中国国内の亜鉛需要は車の防蝕向けに旺盛であると見られること、2つ目はこの旺盛な需要を背景として中国政府が亜鉛輸出の増加に歯止めをかけるべくリベート撤廃に加え、6月1日から亜鉛の輸出関税の引き上げを実施したこと、3つ目は亜鉛の在庫水準が低く有事のバッファが少ないこと、である。しかしながら株価動向が不安定であるため、このマイナス材料がファンダメンタルの強材料を凌駕すると見られることから上値ではしっかりと売りが入らざるを得ない。尚、長期的には大半のメタルと同じく年後半に向けての下落を予想している(3,000㌦を切る水準までの下落の可能性は現時点では低いと考えている。下値の目途は3月21日にマークした3,119.75㌦)。まとめれば、短期的には下落、中期的には上昇、長期的には低下、ということである。目先の上値は一目均衡表の雲の下限、3,500㌦、下値の目途は3月21日にマークした3,119.75㌦を挙げておきたい。尚、価格の目途となりやすい9月オプションは3,500㌦コールが510枚、3,400㌦コールが600枚、3,500㌦プットが1,225枚、3,400㌦プットが1,030枚、3,000㌦プットが850枚となっており、下落への警戒感が強いようだ。

 昨日の鉛価格は小幅上昇した。LME在庫の減少や株価の安定を受けて取引序盤は強含んだが、米株の下落や中国の利上げ懸念を受けて銅や亜鉛と同様に水準を引けに掛けて切り下げる展開であった(結果前日比プラスで引けたが)。LME在庫は▲700Mt減少、(FSCは1.3日)在庫水準の低さやキャンセルワラント率の高さ(キャンセルワラント率は17.8%)を背景に、ファンダメンタルは非常に強い。売買高は1,953枚。イールドカーブはパラレルに低下。C-3は70㌦バックとバック幅を縮小した。 今後についてはファンダメンタルに大きな変化は無いことから基本しっかりの展開に変更はない。しかし、信用収縮問題が完全に解決しているわけではなく、むしろ拡大している感があるため暫くは下値を探る動きとなろう(但し鉛は、銅やアルミと比較すると流動性の観点から投機資金の運用対象にはなりにくいため、株価の与える影響は限定的であると考えているが、株価低迷が長期化した場合には実需の減少を通じて価格に下押し圧力を与えるため、注意である)。ファンダメンタルは、中国が鉛の輸出関税を引き上げたことに伴い、中国からの輸出が7月以降も、豪を初めとする大手生産者の生産障害になんら進展が見られないこと、自動車バッテリー向けに使用される中国での需要が引き続き旺盛であると考えられる事(6月までの中国の商用車・自家用車販売は引き続き堅調)、LME在庫水準が依然として低いこと(FSCはとうとう1.3日に)こと、カーバッテリー向けに使用される鉛は代替品が存在しないことなどから、極めて強い。やはり価格は暫く高止まる可能性の方が高いといえる。但し、繰り返しになるが、株価が再び不安定になってきた事や中国の利上げ観測等(中国の利上げは中国国内実需のマイナス要因となり得る)のマイナス材料も出始めており、著しい高値を維持することが段々難しい環境になっている事も注意すべきであろう。本日は50日移動平均線のサポートをトライする展開になろう。

 昨日のアルミ価格は下落した。材料は引き続き変わらず、サブプライムローンに端を発する信用収縮の動きが継続シテイル事である。アルミもアジア時間は強含んでいたものの、欧州時間〜NY時間に掛けて下落した。LME在庫は▲525Mt減少、(FSCは8.3日)しているが、需給は他非鉄金属と比べてタイトとは言えない。(キャンセルワラント率は2.3%)。売買高は10,008枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーンが低下。期近のコンタンゴがスティープになってきている。C-3は63㌦コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。 今後については、アルミは銅と同様投機筋の投資対象となり易い非鉄金属であることから、株価動向に左右される展開が続く事になると考えている。但し、信用収縮の動きに歯止めが掛かっていないことから下押し圧力が強まることとなろう。また、ファンダメンタル的にも、比較的ベアな要素が多い。1つ目は最大消費国中国が投資抑制を目的として利上げを検討していることである。銅と並んでアルミは政策金利引き上げの影響を受け易い非鉄(インフラ整備の初期段階で使われる非鉄金属であるため)であることから、利上げは即効性はないが徐々に上値を重くする効果が予想されること、2つ目は中国国内の企業在庫水準が以前に比して増加している可能性が高く、LME在庫の水準もFSCベースでは他メタル比で低くないこと、3つ目は原材料であるアルミナ価格が欧州・中国で低下を始めたことが挙げられる。一方で買い材料は、1つ目は中国の固定資産投資や鉱工業生産等が引き続き堅調であること、2つ目はエネルギー価格が需要期を迎えて堅調に推移していること、が挙げられる(但し現時点において低流動性市場からの資金退避の動きが継続しているため、エネルギー価格は低下している)。このほかの売買材料としては、生産量回復後の価格支配力維持の観点から大手生産社の大型合併が始まっている事を挙げておきたい。期先で売りヘッジをしていない企業と、している企業が合併した場合、通常はヘッジをしない方針に変更されるケースが多いからだ。こうした合併の動きも期先での売りヘッジの動きを鈍化させ、イールドカーブコンタンゴ化させる可能性がある(かつて原油市場で見られたように、高い価格水準で全ゾーンコンタンゴになる可能性はある)。
 本日も株動向次第であるが、月次チャートでは今年6月にやや潮目が変わった可能性が高い。一目均衡表の雲を下抜けしていることもあり明確なサポートラインもない中、昨年1月以来維持してきた2,500㌦ラインをトライする展開となろう(個人的にはその水準まで下落したときのイールドカーブの形状がどのようになっているがが一番の関心事である)。価格の節目となりやすい9月オプションの状況は、2,900㌦コールが1,183枚、2,800㌦コールが2,497枚、2,750ドルコールが3,153枚、2,750㌦プットが976枚、2,700㌦プットが1,200枚、2,650㌦プットが4,450枚となっており、下落への警戒感が強い。

 昨日のニッケル価格は下落した。LME在庫が久し振りに減少に転じた事から買いが優勢になったが、やはり米株価が不安定な事や中国の追加利上げ観測等を受けて水準を切り下げて引けた。LME在庫は▲138Mt減少、(FSCは4.8日)、キャンセルワラント率は3.4%。売買高は1,035枚。イールドカーブは期近が下落、期先が上昇し、ツイストする形でフラットニングした。C-3は260㌦コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。 今後については、LME在庫の増加基調が係属していることからファンダメンタルを背景として暫くは下値を試す動きが継続すると見ている。また、過剰流動性の市場からの一時退場の動きが続くと見られること、中国当局の利上げ観測も売り材料になろう。ニッケル在庫は少ない、と考えていたがFSCも4日を回復しており危機的状態は脱したといってよい。一時期の相場の主役から転落した感がある。また、中国国内での銑鉄使用増加や、クロム系ステンレス(ニッケルを必要としないステンレス鋼)への移行といったマイナス材料もあり、下値を探り易い地合いになっていると考えるべきである。
 小職は30,000㌦を挟んでのもみ合いを想定していたが、昨年11月15日にマークした28,650ドルも下回ってしまったことから、次の節目は昨年8月の25,350㌦となる。ここまで水準が下落するかどうかは、信用収縮関連の問題がどうなるか、LME在庫の状況に拠ると考える。信用収縮関連の問題の根本的な解決には時間を要すると見られるため、LME在庫動向がより重要であるといえるが、通常、LMEニッケル在庫は春先から12月末まで増加の傾向をたどりやすい。よって、25,000㌦までの下落はあってもおかしくない、という結論に達する。一方で、銑鉄への移行やクロム形ステンレスへの移行も、ニッケル価格が低下するまでの繋ぎの色彩も強く、ニッケル価格が低下すれば再びニッケルが消費される可能性は高いと考えていることから下値も限られ、中期的には価格は回復するものと見ておいたほうが良い、という見方を現時点で変更する必要性はないと考えている。

 昨日の錫価格は大幅に下落した。信用収縮問題を受けててじまい売りの動きが加速しているようである。信用収縮問題は、資金繰り悪化に伴うファンドの手仕舞い売りを加速させるため、ワラント保有者が少数に偏っている非鉄金属程、マイナスのインパクトが大きいと考えられる。LME在庫は▲15Mt減少、(FSCは14.5日)、キャンセルワラント率は3.44%。売買高は971枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。C-3は60㌦コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。 今後については、錫はテクニカルに調整があったものの、インドネシア生産者からの輸出体制が完全に復帰しているわけではないこと(小規模生産者の生産回復にはまだ時間を要する見込み)、やインドネシア政府の金属関連商品の輸出関税強化の可能性から思惑的な買いを誘いやすく、再び上昇すると見ている。また、LME指定倉庫在庫の40〜50%を1人のプレイヤーが保有している事も指摘されており、思惑的な買いを誘い易い環境にあることも上げ要因となろう。但し、他非鉄金属と同様、米国株式の調整に伴うセンチメントの悪化、中国当局の連続利上げが実際に行われた場合の実需減速の可能性には注意しておきたい。また、昨日の下落で主要なチャートポイントを全て下にブレイクしてしまった事から、暫くはロスカットの売りが継続する可能性が高い。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は上昇した。この時期に今年はじめてとなるハリケーン「ディーン」が発生する可能性が高まった事や、OPECの需要見通しが上方修正されたことが好感された。昨日に関しては原油固有の材料で買われており、非鉄金属で鉛が買われていることと状況が似ている。尚、株価は大幅に下落しているが昨日は材料視されなかった。チャート的には50日移動平均線のサポートラインが確認されている。イールドカーブは全ゾーン上昇。Brentも同様の相場展開で、一目均衡表の雲の下限できっちりとサポートされながら水準を切り上げた。イールドカーブは全ゾーン上昇。
 石油製品は上昇。RBOBはNY時間に入って上昇した。「ディーン」の影響である。この上昇により、10日移動平均線を回復して引けている。在庫水準が少ないことから懸念していた通り、ハリケーンネタは買い材料となりやすい。イールドカーブは全ゾーン上昇。ヒーティングオイルも上昇。一目均衡表の雲の下限で支えられ地合いが堅調な中、ディーン報道を受けて上昇している。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇。ICEガスオイルは下落。イールドカーブ全ゾーンパラレルに低下している。
 本日の原油相場は現時点に於けるハリケーンネタは織り込んだと見られることから、引き続き株価次第であるといえる。但し石油製品は、石油製品在庫水準が低い事から、製品供給に懸念の生じる可能性が高いハリケーンの発生は、ハリケーンが消滅ないしはその進路がそれない限りは買い材料となり続ける。一方で米国経済の先行不透明感が強まっている中、株価は調整色を強め、債券が物色されるといったリスクマネーのリスク資産からの退避の動きは継続中であり、下値不安がぬぐいきれていない事から上値も限られる事となろう。
 ファンダメンタル的には、北海油田からの生産減少、OPECが増産について否定的な見解を示している事、ナイジェリアの情勢不安から供給は十分でないこと、石油製品在庫の水準は極めて低い事から需給は引き続きタイトである。ガソリン在庫水準はFSCベースでは依然として過去5年の最低水準を下回るレベルであり、十分な在庫があるとは決していえない。
 イールドカーブが全ゾーンバックになった事から投機資金が投資し易い環境にあるものの、CFTCの統計に見られるように投機筋は概ねロングポジションを手仕舞い始めている。暫くは債券や金等の安全資産のほうが物色されやすい環境が続く事になるといえる。
 WTIはCushing在庫の減少を受けて全ゾーンバックが復活しており、ようやくWTIが「原油の需給の状態を考える」上で有効な指標になってきたといえる。以前から提唱していたWTI/Brentのネガティブスプレッドの解消は、期近のみ解消される事となった。しかしながら北海油田からの生産減少と、著しいユーロ高の影響もあって完全なネガティブスプレッドの解消にはもう少し時間がかかると考えている。
 短期的な在庫水準の指標となる米国のガソリンのサプライカバーは過去5年の最低水準を下回っている状態で、石油製品市場の需給はタイトな状況が続いているといえる。また、ここ暫く横這っていた原油FSCは、昨日の稼働率の低下により再び過去5年の最高水準を上回った。今週の統計でのFSC改善は良い意味でのFSC改善ではない。あくまで稼働率低下に伴う悪い意味での改善である。OPECに増産の意向が今のところない以上、今後、稼働率が改善してもピークシーズン入りしている石油製品の需要を満たすだけの生産をしつつ在庫を積み増す事が難しいといえる。また、IEAの月報ではQ207の在庫水準が過去5年平均に満たない事が示されており、FSCの悪化も確認された。つまり最近高い価格に慣れてしまっているため忘れているが、ファンダメンタルの厳しい状況にはなんら変化がないのである。こうした在庫水準の低さは以前から指摘している通り有事へのバッファが少ないことを意味し、同時にアップサイドへのセンシティビティが高いことを意味する。ガソリンのFSCは21.0日しか存在せず、ドライブシーズンを耐えうる在庫は確保できていない(過去5年最低の水準は22.4日)。ガソリンの得率が限界的な水準(60%近辺)まで上昇していることを鑑みれば、ガソリンの供給は輸入に頼らざるを得ず、今後も非常にボラタイルな展開が予想される。
 供給サイドに関しては、Non-OPECサプライの減少(北海地区からの産油量減少)の影響が効いてきており、安泰ではない。OPECは9月11日にウィーンで開催される総会まで増産の意向はなく、夏場のピークシーズンは冷夏とならない限り、供給が不足する状況が続く事となろう(日本は異常気象のため、夏入りが遅れている)。尚、需要増加の顕著な中国であるが、中国の農村部の都市化に起因する石油需要の増加は当面継続する可能性が高く(世銀等の見通しでも2007年の中国のGDP成長見通しは9%台を維持)、大幅な税制の変更等がなければ急速に需要が減少することはないと見ている。
 尚、価格の目途となりやすいWTIオプションの建玉状況は、80㌦コールが15,645枚、75㌦コールが23,857枚、70㌦コールが13,280枚、75㌦プットが14,576枚、72㌦プットが7,117枚、70㌦プットが13,025枚となっている

(ひとりごと)
昔書いていたメルマガで以下のネタを2回書いたが
なぜかブログに載っていなかったので、掲載します。

ある日電車に乗っていたら
2人の高校生が以下のような会話をしていたらしい。

高校生A「お前さぁ、今日が何の日か知ってる?」
B「え?何?知らねー」
A「今日はさ、終戦記念日らしいぜ」
B「え?終戦ってどことどこの?」
A「それがさ、俺もテレビで知ったんだけど、アメリカと日本の戦争の終戦記念日らしいぜ」
B「え?マジ?アメリカと日本の?アメリカって日本のチョー仲良しの国じゃん」
A[そうなんだよ。アメリカとの終戦記念日らしいんだよ」
B「マジかよ。アメリカと日本が戦争してたなんて、俺知らなかった」
A「そうそう。俺アメリカ好きだったけど、ぜってー許せねぇ」

ゆとり教育の弊害なんでしょうか。
最低限、日本人として知っていなければならな知識の一つだと思うのですが。

これは実のところ、太平洋戦争中にゼロ戦の戦闘機に乗っていた父の友人が
電車内で聞いた話である(実話)。
その人はこの高校生の会話を聞いて、なんともやるせない気持ちになったそうだ
自分がやっていたことは、何も世の中にもたらしていないと。
同時に戦争とはなんと無意味な事で、世の中に憎悪を拡大するものであるかと


まぁ、いろいろな理由で戦争が起きるわけですが
理由はどうあれ、私は、戦争は反対なのであります。