(経済関連ニュース)
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比▲4.0%の615.2、借換え指数▲4.2%の1,729.6、購入指数▲4%の424.0
・タイ中央銀行 政策金利を3.25%に据え置き。
・Q207マレーシアGDP、前年同期比+5.7%。
・Q207フィリピンGDP、前年同期比+7.5%。
(非鉄金属関連ニュース)
・Southern Copperのペルーの3つの労働組合は9月12日に賃上げを要求してストライキを実施の見込み。
・チリの7月の銅生産は、前年比▲1.5%の453,724Mtに。ストライキの影響で。
・Codelco El Teniente銅山(201KMt/H107)、冷却水のパイプが凍結し生産量が10%減少。
・ボリビア政府は、錫価格の上昇を受けて盗難防止のために兵士を鉱山に派遣。
(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油▲3.5MB(市場予想▲0.6MB)、ガソリン▲3.7MB(同+1.0MB)、ディスティレート+0.9MB(同+1.0MB)、稼働率▲1.4%(同±0.0%)。
(商品市況概況)
「上昇」
昨日の商品価格は軒並み上昇した。米国株が一昨日の下げ幅を取り戻す上昇となったことから、センチメントの好転を通じて買い戻しが入った様子である。エネルギーはNY時間に発表された米統計が素直に買い材料視された。非鉄金属は目新しい材料がない中、足元相関性の高い新興国株の上昇を受けて買いが優勢となった。
引き続きサブプライムローン問題に対する各国金融当局の対応と、それを受けた株式市場動向に振らされる展開になる見込みであるが、今週は8月31日にバーナンキ議長が住宅・金融問題に関して講演する予定であり、市場では9月FOMCでのFF金利引き下げに期待する向きが多く、それに先立つバ議長の公の場でのコメントは今週の最大の注目材料と言ってよかろう。今週はこの講演までは方向感が出にくい展開になると考えている。また、9月末の四半期決算を乗り越えられないファンドや金融機関が出てくる可能性も否定できず、10月に大きな相場の方向転換があるかもしれないため、要注意である。
(非鉄金属)
昨日の銅価格は上昇した。LME在庫が大幅な増加となった事や、アジア株の下落もあってアジア〜欧州時間にかけては弱含み推移していたが、NY時間に入ってからNY株が大幅に上昇したことを受けて急速に買い戻しが入った。チャート的には10日移動平均線、30日移動平均線のレンジワークとなっている。LME在庫は+3,025Mt増加、(FSCは2.8日)、(キャンセルワラント率は5.5%)。売買高は6,637枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近が低下。C-3は70㌦バックとバック幅を縮小した。 今後については引き続き主要金融市場動向に振らされる展開が継続し、不安定な相場展開になると考えている。このコラムで指摘している通り、市場の著しい混乱は回避されているものの米株式市場は不安定な状態が持続している。サブプライムローン問題はその更新時期のコブがまだ訪れていない事からこれからが本番であるといえ、9月末の四半期決算を越えられないファンドや金融機関がいくつか出てくる可能性は否定できない。そうなった場合株価下落を背景に需要が減少する「悪い意味での価格下落」の可能性があるため要注意である。売買材料を整理すると以下の通りである。1つ目は、主要消費国中国の需要が高水準なGDPや固定資産投資、鉱工業生産を背景として需要サイドが堅調に推移する見込みである事、2つ目は生産国のストライキ懸念が継続していること、3つ目はLME在庫水準の低さ・キャンセルワラント率の高止まりである。このように供給サイドに関する問題は根本的に解決していない。売り材料を整理すると、1つ目は繰り返しになるが、株価動向が不安定な事から投機筋も積極的に商品市場に手を出しにくい環境にあることである。また株価の低迷が長期化し、景気が減速した場合に「悪い形での」価格下落を引き起こす可能性があるため予断を許さない。2つ目は短期的に中国国内の供給が需要を上回っている可能性があること(7月の輸入統計では精錬銅・銅製品の輸入量が再び前月から減少しているが、前年比では引き続きプラスが継続しており、経済成長に裏打ちされた長期的な需要の増加トレンドは維持しているものの、短期的には供給不足が解消されている可能性があることを示している)、3つ目は、中国当局の利上げ姿勢が持続している事である。但し預金の上げ幅を大きく、貸し出し金利の上げ幅を小さくした事から、景気をゆっくりと冷ましたいとの中国当局の意向が伺われ、実際に需要減少を促すまでには暫く時間を要しよう。尚、9月オプションの建玉は8,000㌦コールが1,239枚、7,800㌦コールが895枚、7,500㌦プットが740枚、7,400㌦プットが558枚となっている。
昨日の亜鉛価格は前日比変わらずであった。アジア時間の株安やLME在庫の増加を受けて、アジア〜欧州時間は不冴えな展開であったが、NY時間の株上昇を受けて買い戻しが入り、結局前日比変わらずとなった。足元10日移動平均線のレジスタンスラインが意識されている状況。LME在庫は+125Mt増加、FSCは2.0日(キャンセルワラント率は10.5%)。売買高は3,573枚。イールドカーブの形状はほとんど変わらず。C-3は㌦フラットとFALSE 今後についての見方は従来どおり、株・債券といった主要金融市場の動向に振らされ、不安定な相場展開が続くと考えている。金融当局の対応によって金融危機は回避されている状況であるが、やはり株価が調整すると敏感に反応しやすい環境であり、サブプライムローン問題の根が深いことが露呈している。ファンダメンタルの売買材料を整理してみると、中期的には買い材料が多い。1つは中国のQ207のGDPが予想を上回る大きな伸びとなった事から引き続き中国国内の亜鉛需要は車の防蝕向けに旺盛であると見られること、2つ目はこの旺盛な需要を背景として中国政府が亜鉛輸出の増加に歯止めをかけるべくリベート撤廃に加え、6月1日から亜鉛の輸出関税の引き上げを実施したこと、3つ目は亜鉛の在庫水準が低く有事のバッファが少ないこと、である。しかしながらサブプライムローン問題は実はこれからが本番であり、このマイナス材料が存在する以上は上値ではしっかりと売りが入らざるを得ない。また、中国当局が加熱する経済を冷やす目的で金利上げを行ったことも、中長期的な需要の減少を引き起こす可能性がある。尚、長期的には大半のメタルと同じく年後半に向けての下落を予想している。3,000㌦を切る水準までの下落の可能性は低いと見ていたが、3,000㌦を下回るタイミングでFRBの金融政策の変更があったため、当面は2,990㌦が下値の目途となろう。まとめれば、短期的には下落、中期的には上昇、長期的には低下、ということである。但し、今回の株安が長期化した場合、実需の減速を伴って価格が下落し、価格低下が長期化する恐れもあるため要注意である。目先の上値は節目の3,200㌦、下値の目途は上記の通り2,990㌦、セカンドサポートは昨年6月20日にマークした2,810㌦を挙げておきたい。尚、価格の目途となりやすい9月オプションは3,500㌦コールが535枚、3,400㌦コールが600枚、3,500㌦プットが1,225枚、3,400㌦プットが1,030枚、3,000㌦プットが300枚となっており、依然として下落への警戒感が強い。
昨日の鉛価格は下落した。LME在庫の減少はあったものの、アジア株式市場が調整したことから取引序盤から売られ、10日移動平均線近辺まで値をくずしたが、NY時間の株上昇を受けて買い戻しが優勢となり、下げ幅を削った。LME在庫は▲225Mt減少、(FSCは1.1日)在庫水準の低さやキャンセルワラント率の高さ(キャンセルワラント率は7.4%)を背景に、ファンダメンタルは非常に強い。売買高は1,396枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下した。C-3は68㌦バックとバック幅を縮小した。 今後については引き続き主要金融市場の動向に振らされ、不安定な展開が継続すると考えている。鉛をめぐるファンダメンタルは非常に強いものの、今回のサブプライムローン問題は実はこれからが本番であり、この材料がある限りは上値ではそれなりに売りが入ると見られ、レンジワークになると予想する。但し、もし、株価が長期的に安定しない場合、実需の減少を通じて価格に下押し圧力がかかる可能性もあるため要注意ではあるが。ファンダメンタルは繰り返しになるが、非常に強い。中国が鉛の輸出関税を引き上げたことに伴い、中国からの輸出が7月以降も、豪を初めとする大手生産者の生産障害になんら進展が見られないことや、自動車バッテリー向けに使用される中国での需要が引き続き旺盛であると考えられる事(7月までの中国の商用車・自家用車販売は引き続き堅調)、LME在庫水準が依然として低いこと(FSCはとうとう1.1日に)こと、カーバッテリー向けに使用される鉛は代替品が存在しないことなど、極めて強い買い材料が目白押しである。よって金融市場の混乱、という波乱材料がなければ基本は上値を試し易い環境にあることは忘れてはならない。本日も株価次第であるが、明日のバ議長講演までは方向感が出にくいため、基本はレジワークになると考えている。価格の節目となりやすい9月オプションの状況は、3,500㌦コールが300枚、3,000㌦コールが650枚、3,200㌦プットが518枚、3,000㌦プットが500枚となっており、上昇への警戒感が強い。
昨日のアルミ価格は小幅上昇した。LME在庫の減少はあったが、一昨日の大幅下げの流れを受けて小安く寄り付いた後、10日移動平均線のサポートライン近辺で弱含み推移していたが、NY時間の株高を受けて買いが優勢となり、結果前日比プラスで引けた。LME在庫は▲2,600Mt減少、(FSCは8.3日)しているが、需給は他非鉄金属と比べてタイトではない。(キャンセルワラント率は2.6%)。売買高は5,392枚。イールドカーブは期先を中心に上昇。C-3は60㌦コンタンゴと前日と変わらず。 今後については、他メタルと同様、主要金融市場動向に一喜一憂の展開が予想され、引き続き不安定な状態が続く事になると見る。小職としてはサブプライムローン問題が解決したわけではなく、金融当局の対応によってクライシスが回避されただけであると考えている。9月のファンドや金融機関の四半期決算がひとつの山になるだろう。また、ファンダメンタル的にもベアな要素が多い。1つ目は最大消費国中国が投資抑制を目的として今後も利上げを実施する可能性があること、2つ目は中国国内の企業在庫水準が以前に比して増加している可能性が高く、LME在庫の水準もFSCベースでは低くないこと、3つ目は原材料であるアルミナ価格が低下を始めたことが挙げられる。一方で買い材料は、1つ目は中国の固定資産投資や鉱工業生産等が引き続き堅調であること、2つ目はエネルギー価格が需要期を迎えて堅調に推移していること、が挙げられる。このほかの売買材料としては、生産量回復後の価格支配力維持の観点から大手生産社の大型合併が始まっている事を挙げておきたい。期先で売りヘッジをしていない企業と、している企業が合併した場合、通常はヘッジをしない方針に変更されるケースが多いからだ。こうした合併の動きも期先での売りヘッジの動きを鈍化させ、イールドカーブをコンタンゴ化させる可能性がある(かつて原油市場で見られたように、高い価格水準で全ゾーンコンタンゴになる可能性はある)。尚、7月の中国の輸出入統計では、前月比ベースではネット輸入が増加、前年比ベースでは減少しており、短期的にはブル、中長期的にはベアな内容であった。
本日も株価次第であるが、10日移動平均線のサポートを維持するか否かがポイントとなろう。いずれにしても31日のバ議長講演までは方向性がつきにくかろう。尚、下値の目途は昨年9月にマークした2,405㌦を挙げておきたい。価格の節目となりやすい9月オプションの状況は、2,750㌦コールが3,153枚、2,700㌦コールが725枚、2,700㌦プットが1,200枚、2,650㌦プットが4,450枚、2,450㌦プットが930枚となっており、依然として下落への警戒感が強い。
昨日のニッケル価格は上昇した。LME在庫の増加はあったものの目新しい材料がない中、10日移動平均線をサポートラインとしてしっかりの展開となった。ニッケルも新規材料が出なければ大幅に値を動かすような環境ではなくなってきている。LME在庫は+330Mt増加、(FSCは5.9日)、キャンセルワラント率は3.6%。売買高は676枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇している。C-3は295㌦コンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。 今後については、サブプライムローン問題が解決しない中、不安定な状態が続くと考えている。但しニッケルは現在、どちらかといえばLME在庫の増加基調が継続していることに象徴されるファンダメンタルが売買材料とされている可能性が高く、上昇幅は限定されると考える(ニッケル在庫は少ない、と考えていたがFSCも5日を回復しており危機的状態は脱している)。また、中国国内での銑鉄使用増加や、クロム系ステンレス(ニッケルを必要としないステンレス鋼)への移行といったマイナス材料もあり、下値を探り易い地合いになっていると考えるべきである。ただし、一連のサブプライムローン問題発生の過程においてもニッケル価格は25,000㌦を大きく割り込むことがなく、徐々に期先の価格が上昇していることも鑑みれば25,000㌦を安値としてイールドカーブがコンタンゴ化する可能性が出てきた。しばらくは株価動向に一喜一憂の展開が継続すると見られるため3Mは不安定な相場展開になると考えられる一方、この間にイールドカーブの形状がどう変化して行くか、ということが最も重要であろう。
小職が目標に挙げていた昨年8月の25,350㌦を一旦割り込み、株価の安定とともにニッケル価格は短期的には下値を固めた感がある。サブプライムローンに端を発する信用収縮の問題が完全に解決したわけではないため予断を許さない状況が続くと見るが、当面は8月16日につけた24,800㌦が下値の目途となろう。中期的にはLME在庫が春先から12月末まで増加の傾向をたどりやすいことを考えると、年末に掛けて再び下値を探る動きになると考えられる。次の下値の目途は昨年7月にマークした21,800㌦を挙げておきたい。一方で、銑鉄への移行やクロム形ステンレスへの移行も、ニッケル価格が低下するまでの繋ぎの色彩も強く、ニッケル価格が低下すれば再びニッケルが消費される可能性は高いと考えていることから下値も限られ、中〜長期的には価格は回復するものと見ておいたほうが良い。但し、クレジットクランチ問題が再燃した場合には、本当に実需の減少を伴う下落となる可能性があるため注意を要しよう。
昨日の錫価格は上昇した。LME在庫が2日連続で大幅に減少したことやNYの株高が材料視された。チャート的にも一目均衡表の雲でサポートされている。LME在庫は▲215Mt減少、(FSCは15.0日)、キャンセルワラント率は14.35%。売買高は86枚。イールドカーブは全ゾーン上昇。C-3は115㌦コンタンゴと前日と変わらず。 今後については、各国金融政策とそれを受けた株価動向を受けて不安定な相場展開が続くと考えている。錫は特に流動性が低い事から値を飛ばし易い。但し、インドネシア生産者からの輸出体制が完全に復帰しているわけではないこと(小規模生産者の生産回復にはまだ時間を要する見込み)、インドネシア政府の金属関連商品の輸出関税強化の可能性から基本的には需給はタイトになりやすく、何もなければ上値を試し易い地合いにあると考えておくべきである。しかし、他非鉄金属に比べるとまだFSCの水準も高く、サブプライムローン問題が解決しない中、特殊な材料が出ない限りは上値も限られると見る。
(エネルギー)
昨日のNY原油は上昇し、一目均衡表の雲の上限を上抜けした。NY時間に発表された米在庫統計が明確にブルな内容であったことや、NY株の上昇に伴ってセンチメントが好転したことが材料である。10日移動平均線を上回って寄り付いた後、じりじりと値を上げる展開であったが、在庫統計を受けて一気に水準を切り上げている。イールドカーブは期近が大幅に上昇、期先は低下している。Brentも同様にNY時間に上昇し、一目均衡表の雲の下限まで水準を切り上げた。イールドカーブは期近を中心に大幅に上昇し、スティープニング。
石油製品も上昇。RBOBは30日移動平均線を上回って寄り付いた後、NY時間に発表された米在庫統計を受けて大幅に水準を切り上げる展開となった。これにより、50日移動平均線のレジスタンスラインまで水準を切り上げている。イールドカーブは期近を風疹に全ゾーン上昇。ヒーティングオイルも上昇した。在庫統計を受けてガソリンが上昇したことに連れ高となりここしばらく上抜けできていなかった30日移動平均線と50日移動平均線のレジスタンスラインをあっさりと上抜けしてしまった。イールドカーブは期近を中止にに全ゾーン上昇。ICEガスオイルも上昇。イールドカーブは期近を中心に全ゾーンが上昇している。
本日の原油相場は引き続き経済統計や金融当局の対応次第であるが、31日のバ議長のコメントを控えて方向感が出にくい中、昨日の上げ幅が大きかったことから一旦利食い売りに押されて下落すると見ている。あくまでテクニカルな下落である。石油をめぐるファンダメンタルは依然として強いものの、サブプライムローン問題の本番はこれからであり、サブプライムローン後の統計の発表も後数週間で発表されるため、引き続き不安定な相場展開が続くことになると見る。また今回の住宅ローン問題を背景に9月末の四半期決算を乗り切れないファンドがいくつか破綻する可能性もあり、少し長いスパンで見た場合、10月が相場の転換点になる可能性は高い。
ファンダメンタル的には、北海油田からの生産減少、OPECが増産について否定的な見解を示している事、ナイジェリアの情勢不安から供給は十分でないこと、石油製品在庫の水準は極めて低い事から需給は引き続きタイトである。ガソリン在庫水準はFSCベースでは依然として過去5年の最低水準を下回るレベルであり、十分な在庫があるとは決していえない。また、暫くコメントしていないので忘れ去られているが、イラン問題はまだ解決していない。また、北朝鮮問題に進捗が見られた場合、重油等の人道支援が行われる可能性が高く、こちらは問題の進捗が域内需給の逼迫要因になり得ると考えている。
イールドカーブが全ゾーンバックになった事から投機資金が投資し易い環境にあるものの、CFTCの統計に見られるように投機筋は概ねロングポジションを手仕舞い始めている。概ね信用収縮に伴う手仕舞い売りは終了したと見られるが、新たに投機資金がエネルギー市場に資金を積極的に振り向ける可能性は低く、暫くは債券や金等の安全資産のほうが物色されやすい環境が続く事になると見る。WTIはCushing在庫の減少を受けて全ゾーンバックが復活しており、ようやくWTIが「原油の需給の状態を考える」上で有効な指標になってきたといえる。以前から提唱していたWTI/Brentのネガティブスプレッドの解消は、期近のみ解消される事となった。しかしながら北海油田からの生産減少と、著しいユーロ高の影響もあって完全なネガティブスプレッドの解消にはもう少し時間がかかると考えている。
短期的な在庫水準の指標となる米国のガソリンのサプライカバーは過去5年の最低水準を下回っている状態で、石油製品市場の需給はタイトな状況が続いているといえる。今週の統計でも明らかになったように、石油製品の需要が堅調である一方、石油製品の供給体制は脆弱である。また、ここ暫く横這っていた原油のFSCは、輸入の状況に振らされる形で非常に不安定に推移している。OPECに増産の意向が今のところない以上、今後、稼働率が改善してもピークシーズン入りしている石油製品の需要を満たすだけの生産をしつつ在庫を積み増す事が難しいといえる。また、IEAの月報ではQ207の在庫水準が過去5年平均に満たない事が示されており、FSCの悪化も確認された。つまり最近高い価格に慣れてしまっているため忘れているが、ファンダメンタルの厳しい状況にはなんら変化がないのである。こうした在庫水準の低さは以前から指摘している通り有事へのバッファが少ないことを意味し、同時にアップサイドへのセンシティビティが高いことを意味する。ガソリンのFSCは20.0日しか存在せず、ドライブシーズンを耐えうる在庫は確保できていない(過去5年最低の水準は20.9日)。ガソリンの得率が限界的な水準(60%近辺)まで上昇していることを鑑みれば、ガソリンの供給は輸入に頼らざるを得ず、今後も非常にボラタイルな展開が予想される。
" 供給サイドに関しては、Non-OPECサプライの減少(北海地区からの産油量減少)の影響が効いてきており、安泰ではない。OPECは9月11日にウィーンで開催される総会まで増産の意向はなく、夏場のピークシーズンは冷夏とならない限り、供給が不足する状況が続く事となろう。尚、需要増加の顕著な中国であるが、中国の農村部の都市化に起因する石油需要の増加は当面継続する可能性が高く(世銀等の見通しでも2007年の中国のGDP成長見通しは9%台を維持)、大幅な税制の変更等がなければ急速に需要が減少することはないと見ている。
尚、価格の目途となりやすいWTI10月オプションの建玉状況は、80㌦コールが25,401枚、75㌦コールが17,794枚、70㌦コールが11,603枚、75㌦プットが5,013枚、73㌦プットが7,211枚、70㌦プットが12,938枚、65㌦プットが21,159枚となっている。"
(ひとりごと)
この前陶芸教室で、自分の子供向けの茶碗を2つ作った。
ろくろで小さめに作り、素焼きをして下絵をつけて、透明の釉薬をかけて焼く。
1つの椀には魚の絵を、もう1つは動物の絵を描いた。
椀の内側と外側に合計6種類の絵を描くわけであるが、これが結構大変である。
上絵に比べて下絵の方が楽なのだが、二度と同じものは作れんな、と思った。
やっとできた完成品(焼く前)を目の前にして感慨にふけっていたら、教室の女の子がそれを見てこう言った
「ちょっと、このお椀かわいくない?自分で書いたの?」
「そう。イラストの見本は見たけど」
「何からしくないよねー。そんな可愛いの書くなんて」
「じゃあ、俺らしいのって?」
「超リアルな、牙をむいている熊の絵、みたいなの」
俺のイメージって、いったい...?