夏休みの宿題

(経済関連ニュース)
・8月ユーロ圏小売業景気指数 51.0(前月46.2)。
・8月独失業者数 前月比▲15千人(市場予想▲30千人)、失業率は9.0%と前月横ばい。
・米週間新規失業保険申請者数 前週比+9千人の334千人(前週改定325千人(速報比+3千人))、市場予想320千人。
・Q207米実質GDP改定 前期比年率+4.0%(速報比+0.6%)、市場予想+4.1%。
・Q207米コアPCE価格指数 前期比年率+1.3%と、過去4年で最小の伸びに。
・7月日本鉱工業生産速報 前月比▲0.4%、市場予想▲0.3%。
・7月日本全国消費者物価指数 前年比▲0.1%、市場予想▲0.1%。8月東京都区部 ±0.0%、市場予想▲0.1%。

非鉄金属関連ニュース)
三井金属、最大400億円を投じ亜鉛鉱山の単独開発や権益取得に乗り出す。亜鉛全量を自社権益から調達できる体制を確保するねらい。
・Doe Run Missouri精錬所は再稼動の準備中。
・Alcoa ジャマイカのアルミナ精錬所の稼動を再開中。
インドネシアPT Timah、来月の錫の出荷は80KMtと、目標の88.56KMtに及ばず、とコメント。

(商品市況概況)
「まちまち」
 昨日の商品価格はまちまちであった。今週の最大の材料であるバーナンキ議長の講演を控えてポジション調整の売買に終始したためである。
 今後は引き続きサブプライムローン問題に対する各国金融当局の対応と、それを受けた株式市場動向に振らされる展開になる見込みであるが、今日のバ議長講演で、利下げなどの金融支援策に関するコメントがなければ相場は下落、もし利下げに関してコメントがあれば相場は上昇すると見ている。非常に短期的には今日が相場の転換点になる可能性はある。今のところ市場は来年1月までに25bpごと、3回の利下げを見込んでいる状態である。また、もう少し長い視点に立つと、9月末の四半期決算を乗り越えられないファンドや金融機関が出てくる可能性も否定できず、10月に大きな相場の方向転換があるかもしれないため、要注意である。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は上昇した。上海在庫が大幅に減少したことや、米国時間に発表された経済統計がおおむね市場の予想通りであったことから、小幅高となった。但し本日のバ議長のコメントを控えて、基本的には10日移動平均線、30日移動平均線のレンジワークとなっている。LME在庫は+275Mt増加、(FSCは2.8日)、(キャンセルワラント率は5.4%)。売買高は4,572枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近が上昇、期先が低下。C-3は71㌦バックとバック幅を拡大した。 今後については引き続き主要金融市場動向に振らされる展開が継続し、不安定な相場展開になると考えている。このコラムで指摘している通り、市場の著しい混乱は回避されているものの米株式市場は不安定な状態が持続している。サブプライムローン問題はその更新時期のコブがまだ訪れていない事からこれからが本番であるといえ、9月末の四半期決算を越えられないファンドや金融機関がいくつか出てくる可能性は否定できない。そうなった場合株価下落を背景に需要が減少する「悪い意味での価格下落」の可能性があるため要注意である。売買材料を整理すると以下の通りである。1つ目は、主要消費国中国の需要が高水準なGDPや固定資産投資、鉱工業生産を背景として需要サイドが堅調に推移する見込みである事、2つ目は生産国のストライキ懸念が継続していること、3つ目はLME在庫水準の低さ・キャンセルワラント率の高止まりである。このように供給サイドに関する問題は根本的に解決していない。売り材料を整理すると、1つ目は繰り返しになるが、株価動向が不安定な事から投機筋も積極的に商品市場に手を出しにくい環境にあることである。また株価の低迷が長期化し、景気が減速した場合に「悪い形での」価格下落を引き起こす可能性があるため予断を許さない。2つ目は短期的に中国国内の供給が需要を上回っている可能性があること(7月の輸入統計では精錬銅・銅製品の輸入量が再び前月から減少しているが、前年比では引き続きプラスが継続しており、経済成長に裏打ちされた長期的な需要の増加トレンドは維持しているものの、短期的には供給不足が解消されている可能性があることを示している)、3つ目は、中国当局の利上げ姿勢が持続している事である。但し預金の上げ幅を大きく、貸し出し金利の上げ幅を小さくした事から、景気をゆっくりと冷ましたいとの中国当局の意向が伺われ、実際に需要減少を促すまでには暫く時間を要しよう。尚、9月オプションの建玉は8,000㌦コールが1,239枚、7,800㌦コールが895枚、7,500㌦プットが740枚、7,400㌦プットが558枚となっている。

 昨日の亜鉛価格は下落した。上海在庫の減少はあったが、LME在庫が増加したこともあり、10日移動平均線レジスタンスラインを下回って寄り付いた後、終始一貫して水準を切り下げる展開となった。但し銅と同様、方向感が出にくくレンジでもみ合っているとの印象は否めない。LME在庫は+2,050Mt増加、FSCは2.1日(キャンセルワラント率は10.7%)。売買高は3,518枚。イールドカーブの形状は略パラレルに全ゾーンが低下。C-3は3㌦バックとバック幅を拡大した。 今後についての見方は従来どおり主要金融市場の動向に振らされ、不安定な相場展開が続くと考えている。金融当局の対応によって金融危機は回避されている状況であるが、やはり株価が調整すると敏感に反応しやすい環境であり、サブプライムローン問題の根が深いことが露呈している。しかしながらファンダメンタルの売買材料を整理してみると、中期的には買い材料が多い。1つは中国のQ207のGDPが予想を上回る大きな伸びとなった事から引き続き中国国内の亜鉛需要は車の防蝕向けに旺盛であると見られること、2つ目はこの旺盛な需要を背景として中国政府が亜鉛輸出の増加に歯止めをかけるべくリベート撤廃、亜鉛の輸出関税の引き上げを実施したこと、3つ目は亜鉛の在庫水準が低く有事のバッファが少ないこと、である。しかしながらサブプライムローン問題は実はこれからが本番であり、このマイナス材料が存在する以上は上値ではしっかりと売りが入らざるを得ない。また、中国当局が加熱する経済を冷やす目的で金利上げを行ったことも、中長期的な需要の減少を引き起こす可能性がある。尚、長期的には大半のメタルと同じく年後半に向けての下落を予想している。3,000㌦を切る水準までの下落の可能性は低いと見ていたが、3,000㌦を下回るタイミングでFRBの金融政策の変更があったため、当面は2,990㌦が下値の目途となろう。まとめれば、短期的には下落、中期的には上昇、長期的には低下、ということである。但し、今回の株安が長期化した場合、実需の減速を伴って価格が下落し、価格低下が長期化する恐れもあるため要注意である。目先の上値は節目の3,200㌦、下値の目途は上記の通り2,990㌦、セカンドサポートは昨年6月20日にマークした2,810㌦を挙げておきたい。尚、価格の目途となりやすい9月オプションは3,500㌦コールが535枚、3,400㌦コールが600枚、3,500㌦プットが1,225枚、3,400㌦プットが1,030枚、3,000㌦プットが300枚となっており、依然として下落への警戒感が強い。

 昨日の鉛価格は上昇した。アジア〜欧州時間にかけては特段材料のない中、30日移動平均線近辺でのもみ合いとなったが、NY時間に発表された統計が市場予想どおりであったこともあってNY時間から買いが入り、上昇した。但しこちらも他の商品と同様、方向感が出にくい環境にある。LME在庫は前日比変わらず。(FSCは1.1日)在庫水準の低さやキャンセルワラント率の高さ(キャンセルワラント率は12.1%)を背景に、ファンダメンタルは非常に強い。売買高は1,098枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇した。C-3は62㌦バックとバック幅を縮小した。 今後については引き続き主要金融市場の動向に振らされ、不安定な展開が継続すると考えている。鉛をめぐるファンダメンタルは非常に強いものの、今回のサブプライムローン問題は実はこれからが本番であり、この材料がある限りは上値ではそれなりに売りが入ると見られ、レンジワークになると予想する。但し、もし、株価が長期的に安定しない場合、実需の減少を通じて価格に下押し圧力がかかる可能性もあるため要注意ではあるが。ファンダメンタルは繰り返しになるが、非常に強い。中国が鉛の輸出関税を引き上げたことに伴い、中国からの輸出が7月以降も、豪を初めとする大手生産者の生産障害になんら進展が見られないことや、自動車バッテリー向けに使用される中国での需要が引き続き旺盛であると考えられる事(7月までの中国の商用車・自家用車販売は引き続き堅調)、LME在庫水準が依然として低いこと(FSCはとうとう1.1日に)こと、カーバッテリー向けに使用される鉛は代替品が存在しないことなど、極めて強い買い材料が目白押しである。よって金融市場の混乱、という波乱材料がなければ基本は上値を試し易い環境にあることは忘れてはならない。本日も株価次第であるが、明日のバ議長講演までは方向感が出にくいため、基本はレジワークになると考えている。価格の節目となりやすい9月オプションの状況は、3,500㌦コールが300枚、3,000㌦コールが650枚、3,200㌦プットが518枚、3,000㌦プットが500枚となっており、上昇への警戒感が強い。

 昨日のアルミ価格は小幅上昇した。上海在庫の増加もあってアジア時間は10日移動平均線のサポートラインをトライする展開となったが、NY時間に発表されたGDPやコアPCEが略市場予想どおりであったことから、買い戻しが入り、結果前日比プラスで引けることとなった。結局決め手になる材料にかける中、レンジワークが継続している、といったほうが正しかろう。LME在庫は▲275Mt減少、(FSCは8.3日)しているが、需給は他非鉄金属と比べてタイトではない。(キャンセルワラント率は2.7%)。売買高は4,849枚。イールドカーブの形状は略変わらず。C-3は57㌦コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。 今後については、他商品と同様、主要金融市場動向に一喜一憂の展開が予想され、引き続き不安定な状態が続く事になると見る。小職としてはサブプライムローン問題が解決したわけではなく、金融当局の対応によってクライシスが回避されただけであると考えている。9月のファンドや金融機関の四半期決算がひとつの山になるだろう。9月FOMCの動向を占う上で、今晩のバ議長のコメントは最大の材料になる。また、ファンダメンタル的にもベアな要素が多い。1つ目は最大消費国中国が投資抑制を目的として今後も利上げを実施する可能性があること、2つ目は中国国内の企業在庫水準が以前に比して増加している可能性が高く、LME在庫の水準もFSCベースでは低くないこと、3つ目は原材料であるアルミナ価格が低下を始めたことが挙げられる。一方で買い材料は、1つ目は中国の固定資産投資や鉱工業生産等が引き続き堅調であること、2つ目はエネルギー価格が需要期を迎えて堅調に推移していること、が挙げられる。このほかの売買材料としては、生産量回復後の価格支配力維持の観点から大手生産社の大型合併が始まっている事を挙げておきたい。期先で売りヘッジをしていない企業と、している企業が合併した場合、通常はヘッジをしない方針に変更されるケースが多いからだ。こうした合併の動きも期先での売りヘッジの動きを鈍化させ、イールドカーブコンタンゴ化させる可能性がある(かつて原油市場で見られたように、高い価格水準で全ゾーンコンタンゴになる可能性はある)。尚、7月の中国の輸出入統計では、前月比ベースではネット輸入が増加、前年比ベースでは減少しており、短期的にはブル、中長期的にはベアな内容であった。
 本日も株価次第であるが、10日移動平均線のサポートを維持するか否かがポイントとなろう。今日はバ議長講演が最大の材料になると考えている。尚、下値の目途は昨年9月にマークした2,405㌦を挙げておきたい。価格の節目となりやすい9月オプションの状況は、2,750㌦コールが3,153枚、2,700㌦コールが725枚、2,700㌦プットが1,200枚、2,650㌦プットが4,450枚、2,450㌦プットが930枚となっており、依然として下落への警戒感が強い。

 昨日のニッケル価格は上昇した。久しぶりにLME在庫がまとまったロットで減少したことが素直に材料視されたようである。そういった中、米国時間中に発表された統計が市場予想どおりであったことから、10日移動平均線をサポートラインとしてしっかりの展開であった。ニッケルも新規材料が出なければ大幅に値を動かすような環境ではなくなってきている。LME在庫は▲150Mt減少、(FSCは5.9日)、キャンセルワラント率は3.8%。売買高は675枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン上昇している。C-3は275㌦コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。 今後については、サブプライムローン問題が解決しない中、不安定な状態が続くと考えている。但しニッケルは現在、どちらかといえばLME在庫の増加基調が継続していることに象徴されるファンダメンタルが売買材料とされている可能性が高く、上昇幅は限定されると考える(ニッケル在庫は少ない、と考えていたがFSCも5日を回復しており危機的状態は脱している)。また、中国国内での銑鉄使用増加や、クロム系ステンレス(ニッケルを必要としないステンレス鋼)への移行といったマイナス材料もあり、下値を探り易い地合いになっていると考えるべきである。ただし、一連のサブプライムローン問題発生の過程においてもニッケル価格は25,000㌦を大きく割り込むことがなく、徐々に期先の価格が上昇していることも鑑みれば25,000㌦を安値としてイールドカーブコンタンゴ化する可能性が出てきた。しばらくは株価動向に一喜一憂の展開が継続すると見られるため3Mは不安定な相場展開になると考えられる一方、この間にイールドカーブの形状がどう変化して行くか、ということが最も重要であろう。
 小職が目標に挙げていた昨年8月の25,350㌦を一旦割り込み、株価の安定とともにニッケル価格は短期的には下値を固めた感がある。サブプライムローンに端を発する信用収縮の問題が完全に解決したわけではないため予断を許さない状況が続くと見るが、当面は8月16日につけた24,800㌦が下値の目途となろう。中期的にはLME在庫が春先から12月末まで増加の傾向をたどりやすいことを考えると、年末に掛けて再び下値を探る動きになると考えられる。次の下値の目途は昨年7月にマークした21,800㌦を挙げておきたい。一方で、銑鉄への移行やクロム形ステンレスへの移行も、ニッケル価格が低下するまでの繋ぎの色彩も強く、ニッケル価格が低下すれば再びニッケルが消費される可能性は高いと考えていることから下値も限られ、中〜長期的には価格は回復するものと見ておいたほうが良い。但し、クレジットクランチ問題が再燃した場合には、本当に実需の減少を伴う下落となる可能性があるため注意を要しよう。

 昨日の錫価格は上昇した。インドネシアPT Timahの錫出荷が当初目標を大きく下回ることになったことや、LME在庫が3日連続で大幅に減少したことが材料視された。錫は投機資金の運用対象になりにくいため、今回のサブプライムローン問題の影響は他のメタルに比べて小さく、ファンダメンタルの材料に素直に反応しやすい。LME在庫は▲85Mt減少、(FSCは14.9日)、キャンセルワラント率は14.68%。売買高は327枚。イールドカーブは全ゾーン上昇。C-3は100㌦コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。 今後については、各国金融政策とそれを受けた株価動向を受けて不安定な相場展開が続くと考えている。錫は特に流動性が低い事から値を飛ばし易い。但し、インドネシア生産者からの輸出体制が完全に復帰しているわけではないこと(小規模生産者の生産回復にはまだ時間を要する見込み)、インドネシア政府の金属関連商品の輸出関税強化の可能性から基本的には需給はタイトになりやすく、何もなければ上値を試し易い地合いにあると考えておくべきである。しかし、他非鉄金属に比べるとまだFSCの水準も高く、サブプライムローン問題が解決しない中、特殊な材料が出ない限りは上値も限られると見る。


(エネルギー)
 昨日のNY原油は予想通り週末を控えたポジション調整の売りに押されて下落した。但しファンダメンタルの強さを映じて中期的なサポートラインである50日移動平均線では買いも入り下値は限定された。イールドカーブは期先を中心に全ゾーン低下している。Brentも同様に利食い売りに押された。こちらは一目均衡表の雲の下限と30日移動平均線が重なるラインで上値重い展開。イールドカーブは期先を中心に低下し、ベアスティープニングしている。
 石油製品も下落。RBOBはファンダメンタルの強さからアジア〜欧州時間にかけて堅調に推移していたがNY時間に入ってから急落した。目先30日移動平均線と50日移動平均線の間でのレンジとなっている。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。ヒーティングオイルも下落した。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。ICEガスオイルは上昇。イールドカーブは期近が小幅上昇している。"

 本日の原油相場はバ議長のコメントを控えてアジア〜欧州時間は静かな展開が予想され、もしバ議長講演で金利引下げといった支援策に関して言及がなされなかった場合、失望売りで下落すると見ている。しかしながら石油をめぐるファンダメンタルは依然として強く、下値は限られる事となろう。但し、もし利下げに関してコメントが出なかった場合、サブプライムローン問題の本番はこれからであること、サブプライムローン後の統計が後数週間で発表されること、また今回の住宅ローン問題を背景に9月末の四半期決算を乗り切れないファンドがいくつか破綻する可能性もありこと、から失望売りが出るものと思われる。非常に短い視点で見たときに、今日は相場の転換点になる可能性はある。また、もう少し長いスパンで見た場合には10月が相場の転換点になる可能性が高いと考えている。
 ファンダメンタル的には、北海油田からの生産減少、OPECが増産について否定的な見解を示している事、ナイジェリアの情勢不安から供給は十分でないこと、石油製品在庫の水準は極めて低い事から需給は引き続きタイトである。ガソリン在庫水準はFSCベースでは依然として過去5年の最低水準を下回るレベルであり、十分な在庫があるとは決していえない。また、暫くコメントしていないので忘れ去られているが、イラン問題はまだ解決していない。また、北朝鮮問題に進捗が見られた場合、重油等の人道支援が行われる可能性が高く、こちらは問題の進捗が域内需給の逼迫要因になり得ると考えている。
 イールドカーブが全ゾーンバックになった事から投機資金が投資し易い環境にあるものの、CFTCの統計に見られるように投機筋は概ねロングポジションを手仕舞い始めている。概ね信用収縮に伴う手仕舞い売りは終了したと見られるが、新たに投機資金がエネルギー市場に資金を積極的に振り向ける可能性は低く、暫くは債券や金等の安全資産のほうが物色されやすい環境が続く事になると見る。WTIはCushing在庫の減少を受けて全ゾーンバックが復活しており、ようやくWTIが「原油の需給の状態を考える」上で有効な指標になってきたといえる。以前から提唱していたWTI/Brentのネガティブスプレッドの解消は、期近のみ解消される事となった。しかしながら北海油田からの生産減少と、著しいユーロ高の影響もあって完全なネガティブスプレッドの解消にはもう少し時間がかかると考えている。
 短期的な在庫水準の指標となる米国のガソリンのサプライカバーは過去5年の最低水準を下回っている状態で、石油製品市場の需給はタイトな状況が続いているといえる。今週の統計でも明らかになったように、石油製品の需要が堅調である一方、石油製品の供給体制は脆弱である。また、ここ暫く横這っていた原油FSCは、輸入の状況に振らされる形で非常に不安定に推移している。OPECに増産の意向が今のところない以上、今後、稼働率が改善してもピークシーズン入りしている石油製品の需要を満たすだけの生産をしつつ在庫を積み増す事が難しいといえる。また、IEAの月報ではQ207の在庫水準が過去5年平均に満たない事が示されており、FSCの悪化も確認された。つまり最近高い価格に慣れてしまっているため忘れているが、ファンダメンタルの厳しい状況にはなんら変化がないのである。こうした在庫水準の低さは以前から指摘している通り有事へのバッファが少ないことを意味し、同時にアップサイドへのセンシティビティが高いことを意味する。ガソリンのFSCは20.0日しか存在せず、ドライブシーズンを耐えうる在庫は確保できていない(過去5年最低の水準は20.9日)。ガソリンの得率が限界的な水準(60%近辺)まで上昇していることを鑑みれば、ガソリンの供給は輸入に頼らざるを得ず、今後も非常にボラタイルな展開が予想される。
 供給サイドに関しては、Non-OPECサプライの減少(北海地区からの産油量減少)の影響が効いてきており、安泰ではない。OPECは9月11日にウィーンで開催される総会まで増産の意向はなく、夏場のピークシーズンは冷夏とならない限り、供給が不足する状況が続く事となろう。尚、需要増加の顕著な中国であるが、中国の農村部の都市化に起因する石油需要の増加は当面継続する可能性が高く(世銀等の見通しでも2007年の中国のGDP成長見通しは9%台を維持)、大幅な税制の変更等がなければ急速に需要が減少することはないと見ている。
 尚、価格の目途となりやすいWTI10月オプションの建玉状況は、80㌦コールが25,401枚、75㌦コールが17,794枚、70㌦コールが11,603枚、75㌦プットが5,013枚、73㌦プットが7,211枚、70㌦プットが12,938枚、65㌦プットが21,159枚となっている。

(ひとりごと)
今日は8月31日ですね。

そう。

小学生や中学生の皆さん、楽しい夏休みは今日でお終いですよ。
子供の頃を思い出すと、31日は宿題に追われるのがいやだったので、
私は必ず30日までには終わらせるまじめな少年であった(自慢)。
ところがテレビや漫画を見ていると必ず、夏休みの終わりに宿題が終わらず
泣きながら宿題をやっている主人公が非常に多い

その代表選手は

カツオ

とか

のび太

とか

ちびまる子ちゃん

とか

おそらく土日のアニメはほとんどが夏休みの宿題ネタばかりであろう。
夏休み最後の週末のお題は30年以上も前から決まっているのである。
ふと、ここで私は疑問に思うことがある。

上でもちょっと書きましたけど、小学校の頃の宿題って、そんなに大変でしたっけ?
だって考えてみても、算数とか国語のドリルが1つずつ、自由研究が1つ、あと日記と読書感想文ぐらいでしょ。
それをですね。
8月31日に波平やドラえもんが必死になって手伝わないと終わらないってのも、どうもおかしいと思うんですよね。
昔の宿題は量・質ともに今よりも厳しかったんでしょうか?
いや。私が小学生だったのは30年ぐらい前のことであるが、絵日記以外の宿題が大変だった、ということはない。
少なくともいい大人がやればあっという間に終わる程度の話であったと思うのだが。

今、小学生をお子さんにお持ちの皆様。
宿題って、どんなのが出てるんですか?
ドリル30冊とかなんでしょうか?

何人の小学生がこのブログを見ているか知らないが
小学生の皆さん、頑張って宿題は自力でさっさと終わらせるようにしましょう。
この程度でへこたれてはいけません。
大人になると、もっと難しい宿題を与えられるようになるんですから。

「あ、これ急がないので明日の朝まででいいからやっといて」

みたいな、ね。