落し物

(経済関連ニュース)
・12月米ホームビルダー協会指数 19.0(前月改定18.0(速報比変わらず))、市場予想19.0。1985年以来の最低水準にとどまる。
・11月英消費者物価指数 前年比+2.1%(前月+2.1%)、市場予想+2.2%。予想を下回る。
・11月米住宅着工 前月比▲3.7%の118.7万戸(前月123.2万戸(速報比▲0.3万戸))、市場予想117.6万戸。
・米国株式は反発。欧州銀行が3,486億ユーロの資金供給を行ったことなどが好感された。

穀物市場サマリー)
・大豆は下落。原油価格の上昇を受けて強含み吸いしていたが、結局原油価格が下落したことから、連れ安となった。10日移動平均線を下回るには至らず。
・トウモロコシは下落。前日、大幅にジャンプアップした反動と、アルゼンチンやブラジルの降雨予報で。
・小麦は下落。寒波の襲来で米国のウィンターグレードの育成に遅れが出るとの見方で買い進まれていたが、原油の下落等もあり、投機の手仕舞い売りが入った模様。

非鉄金属関連ニュース)
・貴金属は総じて上昇。金はトルコ軍のイラク進行を受けて原油が上昇したことや、ECBの大量資金供給による流動性の改善期待等を材料に上昇。引けにかけてはトルコ軍が撤退したと報じられたことから上げ幅を削った。銀も同様に上昇しているが、一目均衡表の雲が厚く上抜けするには至っていない。
・プラチナは大幅に上昇し、史上最高値を再び更新した。南アからの生産減少の影響は深刻で、ファンダメンタルズも極めて強い。パラジウムも連れ高となっている。
・Katanga Mining Kamoto鉱山の稼動を来年1月から再開(150KMt/年の銅、34KMt/年の精錬銅の生産キャパシティを持つ、コンゴ最大の埋蔵量を誇る鉱山)。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計市場予想 原油+3.2MB、ガソリン+1.9MB、ディスティレート+1.2MB、稼働率+0.6%
インドネシア プルノモエネルギー鉱相「来年、原油需要が増加する中で、非OPECの生産が伸び悩むことに伴う需給ギャップOPECは対応できる可能性がある」
・トルコ軍700人がイラク北部に進行、その後撤退。
・ExxonMobile Baytown製油所(586KBD、テキサス、P3)、機器の故障の影響で稼動停止。
・Total 同社がフランス国内に保有する製油所の半分にあたる5つの製油所で、ストライキが継続。

(商品市況概況)
「下落」
 昨日の商品価格は総じて下落した。トルコ軍のイラク侵攻を受けて上昇していたエネルギー相場は、トルコ軍の撤退の報道とともに大幅に水準を切り下げる、極めて値幅の大きな展開。非鉄金属は米国経済の減速懸念やクリスマス休暇を控えた市場参加者の不在から総じてベアな中、軟調に推移した。貴金属はトルコ問題を受けて行ってこいの展開。但しファンダメンタルズの強いプラチナはドル安とのあわせ技で更に堅調な推移となっている。ソフトは生産国の降雨予報等によって、そもそも市場最高値を更新していたこともあり、手仕舞い売りで下落している。
 今後については、欧米金融機関の著しい信用悪化懸念が後退してはいるものの、それとは別に米景気の減速の可能性は引き続き高く、引き続き商品相場全体に下ぶれリスクが高い相場展開が続くと考えておくべきである。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。ECBによる大量資金供給を受けた流動性改善期待からユーロが対米ドルで強含む中、銅もジリ高の展開であったが、LME在庫の増加(イタリア、韓国、マレーシアで減少、シンガポール、米国で増加)したこともあって、総じてセンチメントはベアであり、低水準でのジリ高といった感じであった。LME在庫は+1,200Mt増加、欧州で減少し、米国で増加している。(FSCは3.9日)、(キャンセルワラント率は2.4%)。売買高は6,578枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近が小幅下落している。C-3(Cash vs 3M Fwd スプレッド)は56?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の亜鉛価格は上昇した。ユーロ高の進行を受けて上昇していたが、LME在庫の大幅増加(マレーシア)を受けて上げ幅を削る展開であった。年末を控えて市場参加者が少なくなる中、取引量も含め不冴えな展開が続いている。総じてマーケットのセンチはブルにはなっておらず下値探りの動きが継続している状況だ。LME在庫は+8,650Mt増加、FSCは2.7日(キャンセルワラント率は5.3%)。売買高は3,315枚。イールドカーブはパラレルに上昇。C-3は13?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は上昇した。特段の個別材料があったわけではないが、ECBの大量資金供給に伴うユーロ高・ドル安を受けて強含んだ。但し亜鉛と同様にLME在庫が大幅に増加(イタリアで大幅増加、シンガポール、米国で減少)を受けて上値は限定された。LME在庫は+1,650Mt増加、(FSCは1.9日、キャンセルワラント率は6.5%)。売買高は1,569枚。イールドカーブは略パラレルに全ゾーン上昇。C-3は9?バックとバック幅を縮小した。
 昨日のアルミ価格は上昇した。イラクへのトルコ軍の侵攻を受けた原油高、ECBの資金供給といったプラス材料を受けて強含んでいたが、原油が下落に転じたことから連れ安となった。結果、前日比小幅プラスで引けている。LME在庫はシンガポール、韓国、マレーシア、米国で減少している。アジア地区で在庫が減少し、(昨日は違うが)米国で増加、といった動きに大きな変化はない。LME在庫は▲1,075Mt減少、(FSCは9.0日)。(キャンセルワラント率は2.9%)。売買高は4,341枚。イールドカーブの形状は略変わらず、期近のみ小幅上昇している。C-3は52?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のニッケル価格は上昇した。ECBの流動性供給報道を受けたユーロ高の進行を受けて上昇したが、LME在庫が例年通り大幅に増加していることから上値が抑えられ、10日移動平均線を上抜けできずに引けた。LME在庫は例年通り欧州(ロッテルダム)で増加が続いている。LME在庫は+270Mt増加、(FSCは11.8日)、キャンセルワラント率は2.1%。売買高は501枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇している。C-3は285?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は下落した。新規材料はなかったが、テクニカルに100日移動平均線のサポートラインを試す動きが続いている。結局昨日もLME在庫の減少(韓国、シンガポール)やドル安の進行といったプラス材料を受けて100日移動平均線のサポートを維持して引けることとなった。LME在庫は▲80Mt減少、(FSCは12.0日)、キャンセルワラント率は4.31%。売買高は275枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。C-3は160?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油価格は上昇後下落した。トルコ軍がイラク北部に侵攻したとの報道や、仏Totalのストライキ継続、北米への寒波襲来といった買い材料を受けて上昇していたが、トルコ軍がイラクから撤退したとの報道を受けて一転下落、10日移動平均線のサポートラインを割り込む局面もあったが結局この水準を維持して前日比小幅マイナスで引けた。懸念していた在庫水準が低い中での米国への寒波襲来といった大きなプラス材料が相場を下支えしているようだ。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。Brentも殆ど同様の相場展開であったが50日移動平均線のサポートラインでサポートされて引けている。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。
 石油製品も下落。RBOBも製油所の稼動停止やトルコ軍の進行に伴う原油高を受けて強含んでいたが、原油が反転下落したことから下落に転じ、マイナスサイドに沈んだ。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。ヒーティングオイルも下落。同様の材料と、北米への寒波襲来の報道を受けて上昇していたが、トルコ軍の撤退を受けて水準を切り下げることとなった。短期的な節目である10日移動平均線は維持して引けている。イールドカーブは期近の下げが大きいが全ゾーン略パラレルに低下している。ICEガスオイルも下落。同様の材料で極めて値幅の大きな展開であったが、結局10日移動平均線でサポートされたものの前日比マイナスで引けた。

(ひとりごと)
朝方会社にきたら、女物のマフラーが路上に落ちていた。
グレーの、端っこにボンボンがついているやつであった。

このとき、小学生の頃に両親に言われたことを思い出す。
「落し物は警察に届けるのよ」
と、教育されてきた。

しかしながら、最近落し物を見ると相当悩む。
皆さんも悩みません?

落し物拾うじゃないですか。
さあ、交番に届けよう、と思ったときに交番って近くにないんですよね。
車で5〜6分離れたところまで行ったりしないと。
でも、そうなると落とした人からすれば「そんな遠くの警察に届けられても...」と思うだろうし
もしそういった離れた交番に届けたら、逆に永遠に持ち主の元には戻らないのではないか?
と思ってしまうのだ。


0.1秒ほどの軽いためらいの後
私はその灰色のマフラーを放置することに決定した。

嗚呼、こんなことでよいのだろうか、と後悔しつつ。