ドライバー-その2

(経済関連ニュース)
・3月日本鉱工業生産 前年比▲0.7%。
・Q108香港GDP速報 前年比+7.1%(前期改定+6.9%)、市場予想+6.0%。
・Q108仏GDP速報 前期比+0.6%(前期改定+0.3%)
・5月米消費者マインド指数速報 59.5(前月確報62.6)、市場予想62.0。1080年以来最低の水準。
・4月米住宅着工 前月比+8.2%の103.2万戸(前月改定95.4万戸(速報比+0.7万戸))、市場予想93.9万戸。
・4月米住宅着工許可件数は+4.9%の97.8万戸、市場予想91.5万戸。
サザンオールスターズ、来年より無期限で活動休止を発表。

・ドルは対ユーロで下落。消費者マインド指数が悪化したことや、サウジの増産にも関わらず原油価格が高騰していることなどが嫌気された。株・債券市場が軟調に推移したこともあって、キャリートレード解消のドル売りも入った様子で円も強含んだ。

日本株は下落。前日まで4連騰であったこともあり、週末を控えた手仕舞い売り等に押された。米国株はまちまち。ダウ・NASDAQは下落、SPは小幅上昇。消費者マインド指数の悪化や、メリルリンチが地銀2行を売りに指定したことなどが手がかりとなったようである。小売や銀行株が下落した。
穀物市場サマリー)
・大豆価格は上昇。アルゼンチン農家のストが今週21日まで延長されたことや原油高の進行、ドル安の進行が材料視されたが、材料をこなした後は週末ということもあって水準を切り下げて引けた。CFTC Non-Commercialの建て玉はロング・ショートとも縮小しているがショートの縮小が大きく、ネットロングが拡大。インデックスファンドも買い持ち幅を拡大している。

・トウモロコシ価格は上昇。ドル安やエネルギー価格の上昇を受けて水準を切り上げる局面はあったが、NY時間に入ってからは天候の好転や大豆からの転作期待もあり、10日移動平均線で頭を抑えられながら頭重い推移となった。CFTC Non-Commercialポジションはロングが小幅拡大、ショートが大幅に縮小し、ネット買い越し幅が前週比+17,599枚となった。インデックスファンドも買い越し幅を拡大している。

・小麦価格は上昇。大豆やトウモロコシ価格の上昇もあってNY時間に向けて上昇し、NY時間に入ってから下落に転じた。パキスタンが250KMtの、バングラディッシュが100KMtの輸入を計画していることや、冬小麦の収穫のためには乾燥気候が必要で、湿度が高い現状が嫌気されていることが相場を下支えた。CFTC-Non Commercialポジションはロングが縮小、ショートが拡大し、ネットショート幅を拡大している。インデックスファンドは小幅買い越し幅を拡大している。

非鉄金属関連ニュース)
・金は反発。欧州時間〜NY時間に発表された米消費関連指標が悪化したことからドル安が進行したことが最大の材料であった。また、原油価格がサウジの増産報道にも関わらず為替のドル安を材料にして上昇したことも支援材料となったようだ。これにより金価格は10日移動平均線を上回って寄り付いた後、略一貫して水準を切り上げる展開となった。繰り返しになるが現時点において金価格とユーロ価格の一時回帰分析を行うと、「金価格=1,350.7×ドル・ユーロ-1,157」となり、現時点の価格は実は依然としてこの推計価格を下回るレベルであり、割安であることから割安・割高議論で投機筋の買いが入り易い環境にある。弊社は引き続きドルが中期的な視点で軟調な推移が続くと見ており金価格はドル・ユーロが1.64程度まで低下した場合には1,100?までの上昇があってもおかしくないと考えている。
 銀も同様に欧州時間からNY時間にかけて上昇している。

・プラチナ価格は続伸。金と同様に欧州時間からNY時間にかけてドルが弱含んだことが材料視された。4月末からのドル高の進行にも関わらずプラチナ価格は上昇してきており、足許2,000?が再び心理的サポートラインとして意識されるようになってしまった。
 中期的な見通しについてプラチナは、為替・ファンダメンタルズの両要因で堅調な推移になると考えている。2008年の需給は711キロオンスの、2009年に関しても458キロオンスの供給不足になると考えられ、年内については米金利低下を背景としてドル安傾向が持続すると見られるためである。価格上昇に対するリスクシナリオは、プラチナ価格が上昇し、代替品としてパラジウムが代用品として利用されるリスクであろう。今のところディーゼル車向けに用いられているパラジウムは全体の10%程度であり、これは将来的には25%程度まで上昇すると考えている。
 パラジウムも上昇している。

(エネルギー関連ニュース)
サウジアラビア、6月から300KBDの増産を表明(但し4月のOPEC生産は前月比▲300KBDとなっており、それを埋め合わせる分だけの生産増加となる)。

(商品市況概況)
「軒並み上昇」
 週末の商品相場は軒並み上昇した。各国のQ108のGDPが発表されているが、当初心配していたような米国経済悪化の影響が顕著に見られる統計ではなかったことから一次産品の需要が減速する可能性が低いと見られることから商品相場は総じて堅調な推移が続いている。非鉄金属に関しては、中国の四川大地震の影響で非鉄金属供給が滞る可能性が高いことから堅調な推移となっている。エネルギーはサウジの増産の発表にもかかわらず上昇している。結局エネルギー価格は、価格上昇に伴う需要の減少ないしは個人の収入の増加率がエネルギー価格の増加率を下回り、購買が耐えられなくなるところまで上昇する可能性が高くなってきた。その観点からすれば現状、石油製品需要が持ちなおしている中、150〜200?までの価格上昇があったとしてもおかしいとは言い切れない。但しその水準まで上昇し、下落が鮮明になった場合には我々がコスト価格と見ている75?程度までの下落はあってもおかしくなかろう。
 いずれにせよ、どの商品もファンダメンタルズが強い中、「需要が減少してくれないと下落『できない』状態」が続いているようだ。

(非鉄金属)
 週末の銅価格は大幅に上昇した。ドルが再び軟調に推移していることや株価が比較的堅調に推移していることから、大幅な上昇となった。また中国の生産が滞り域内需給が逼迫するのではとの見方があることも思惑的な買いを誘い、非鉄金属全体の買い材料となっている。LME在庫は+375Mt増加、(FSCは2.3日)、(キャンセルワラント率は12.3%とオンワラントの増加とキャンセルワラントの行使の影響で低下している)。売買高は7,917枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近を中心に上昇している。C-3(Cash vs 3M Fwd)は127?バックとバック幅を拡大した。
 週末の亜鉛価格は上昇した。略予想通りであったが、取引序盤から30日移動平均線のサポートラインを上回って寄り付き、LME在庫の減少やドル安の進行といった買い材料をこなしながら大幅な上昇となった。亜鉛四川大地震の影響で明確に生産が減少していることから上昇し易い地合いにある。LME在庫は▲475Mt減少、FSCは3.7日(キャンセルワラント率は5.0%)。売買高は3,713枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン上昇している。C-3は118?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 週末の鉛価格は上昇した。前日比プラスで寄り付いた後、ドル安の進行もあって上昇し、10日移動平均線レジスタンスをトライする展開となった。その一方でLME在庫は冬場のピークシーズン終了を受けて増加を続けており、需給がタイトというわけではないのだがやはり中国の生産減少の可能性が非鉄金属全体の下支え材料となっているようだ。LME在庫は+1,050Mt増加、(FSCは2.6日、キャンセルワラント率は4.5%)。売買高は1,773枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン上昇している。C-3は11?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 週末のアルミ価格は大幅に上昇した。30日移動平均線レジスタンスラインを上回って寄り付いた上に、ドル安が進行、エネルギー価格が上昇したことが買い材料となった。LME在庫はまとまったロットでの減少となったが、上海在庫は大幅な在庫増加となっており、終末の上昇はやはり四川大地震の影響による思惑的な買いが入る中で、チャートポイントを上抜けしてしまったことによるややテクニカルな上昇であったと考えている。LME在庫は▲1,325Mt減少、(FSCは9.0日)。(キャンセルワラント率は4.3%)。売買高は13,095枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きいが全ゾーン上昇している。C-3は44?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 週末のニッケル価格は上昇した。ドル安の進行や四川大地震の影響で非鉄金属全体が物色される中上昇したが、大幅に相場を押し上げるよう材料がない中、10日移動平均線を上抜けできない相場環境が持続している。LME在庫は+186Mt増加、(FSCは11.5日)、キャンセルワラント率は2.7%。売買高は1,001枚。イールドカーブは期近が上昇、期先が低下。C-3は145?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 週末の錫価格は下落した。ここ数日間の価格上昇が大きかったことから手仕舞い売りに押された。但しドル安の進行といったプラス材料もあって引けにかけては買い戻しが優勢となり、結局10日移動平均線を回復して引けている。LME在庫は+65Mt増加、(FSCは0.0日)、キャンセルワラント率は9.15%。売買高は671枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。C-3は3?バックとバック幅を縮小した。

(エネルギー)
 週末の原油価格は反発した。ドル高と株高の強弱材料が混在するため高値でのもみ合いを予想していたが、欧州〜NY時間に掛けてのドル安の進行によって為替が買い材料化したことから大幅な上昇となった。サウジの300KBDの増産は、OPECの4月生産がナイジェリアの情勢不安に伴う生産落ち込み等のマイナス要因で300KBD減少しており、それを補う分の生産であることから影響としては限定的であり余り材料視はされなかった。結局のところ10日移動平均線できっちりとサポートされながら堅調な推移となった。しかしながら金曜日の相場動向で最も特筆すべきは期先の大幅上昇である、期先は実に5?超上昇しており、イールドカーブは略全ゾーンパラレルになりつつある状況である。従来どおりであれば期先の価格が上昇すると、その後全ゾーンに渡ってカーブがコンタンゴとなり、その後、期近が大幅に上昇する、という展開になるため非常に注意せねばならない環境になってきたようだ。Brentも期先を中心に大幅に上昇している。直近限月の騰落率はWTIが+1.7%、Brentが+2.9%。
 石油製品も上昇。RBOBは10日移動平均線を上回って寄り付いた後、略下落することなく上昇、高値でもみ合い推移して引けた。イールドカーブは略全ゾーンパラレルに上昇している。直近限月の騰落率は+1.8%。ヒーティングオイルも略一貫して上昇して引けている。但し直近高値である372?に近づくレベルでは警戒感も根強く上げ渋った。。イールドカーブは期近の上昇幅が大きい。直近限月の騰落率は+2.1%。ガスオイルも上昇。イールドカーブは期先の上げ幅が大きい。騰落率は+0.3%。

(ひとりごと)
読者の方から反応があったので、ちょっと今日はそれを掲載します。

本日の雑感を読んで、逆の経験を思い出しました。
会社に入って最初のボーナスでゴルフクラブのセットを買ったときのことを。(今から12年前)
その時は店員から、

「最近のゴルフクラブはチタンの供給増により軽量化と低価格が進んでいるんですよ。何でかご存知ですか?」
「冷戦崩壊で旧ソ連が軍事用に使っていたチタンが市場に放出され、民生品に使われるようになり、低価格化が進んでいるんですよ。」
「お買い得ですよ。」
と言われた記憶があります。

うーん。皆、私が思っている以上に世界情勢に詳しいようだ。
ゴルフショップで働くためには商品市場の勉強をしなければならないのだろうか...