うらみノート

(経済関連ニュース)
・4月独製造業受注 前月比▲1.8%(前月改定▲0.5%(速報比+0.1%))、市場予想+0.4%。Q108豪GDP 前期比+0.6%(前期改定+0.7%)、市場予想+0.3%。
・2007年中国貿易黒字 前年比+49%の3,718億?。
・英中央銀行 政策金利のレポ金利を5%に据え置き。
・米週間新規失業保険申請者数 前週比▲18千人の357千人(前週改定375千人(速報比+3千人))、市場予想375千人。
・ECB政策金利を4%で据え置き。
・ECBトリシェ総裁「高インフレの時代は長引いている。当初の予想よりも持続する可能性がある。インフレに対しては警戒感を強めている」
ウェーバー独連銀総裁「ECBは言葉を行動に移す。最近の物価上昇を警戒しており消費者の購買力が低下するのを座視するわけには行かない」
・5月米非農業部門雇用者数 前月比▲49千人(前月改定▲28千人(速報比▲8千人))、市場予想▲60千人。失業率5.5%(前月5.0%)。
・4月米卸売在庫 前月比+1.3%(前月改定+0.1%(速報比+0.2%))、市場予想+0.4%。在庫率は1.09ヶ月(前月1.10ヶ月)

・ドルは対ユーロで続落。米雇用統計で失業率が1986年2月以来の大幅な悪化となったことから米景気の減速観測が再認識され、前日のECBトリシェ総裁、独ウェーバー総裁の「インフレ警戒発言」と「有言実行発言」もありドルは大幅な下落となった。退円でも下落している。

日本株は上昇。原油相場の上昇を受けてエネルギー関連株が物色された。米国株は急落。米雇用統計での失業率の大幅な悪化と、原油価格の急騰が米リセッション入り懸念を台頭させたため。これを受けて主要株式市場価格は軒並み大幅な下落となっている。
穀物市場サマリー)
・大豆価格は続伸。アルゼンチン農家のスト懸念と、トリシェ・ウェーバー両連銀総裁のインフレ懸念発言に加え、米雇用統計での失業率の大幅悪化を受けて急速にドル安が進行し、輸出促進・国内需給逼迫懸念を醸成した。チャート的には10日移動平均線のサポートラインを維持しつつしっかりの展開。

・トウモロコシ価格も急騰。寄り付きから前日比プラスとなった後、前日の欧州連銀総裁の発言を受けたドル安の進行を受けて堅調な推移となっていたが、米雇用統計を受けた更なるドルの下落とエネルギー価格の高騰が支援材料となり大幅な上昇となった。こちらも大豆同様、10日移動平均線をサポートラインとして堅調な推移となっている。

・小麦価格も上昇。前日の欧州高官発言を受けてドル安が進行する中、週末の雇用統計を受けて更にドルが弱含んだことから買いが入った。この結果、小麦価格は10日移動平均線レジスタンスに頭重い推移となっていたものの、とうとうこのラインを上抜けしてしまった、足許、50日移動平均線で頭を抑えられている。


非鉄金属関連ニュース)
・金は反発。木曜日のECB総裁の利上げを示唆する発言を受けてドルが急落していたが、週末に発表された米雇用統計で失業率が5.5%の大幅な悪化となったことを受けてFRBの利上げ観測が後退、ドル安が進行し、エネルギー価格の上昇も相俟って大幅な上昇となった。
 著しい金価格の上昇が宝飾品需要を落ち込ませたようだ。WGCの発表によればQ108の宝飾需要は前年比▲21.5%の454.4Mtに、世界最大の金消費国であるインドの需要は前年比▲50%の102.1Mtに落ち込んでいる。このことは価格上昇が需要を減少させることの証左であり、著しい価格上昇に伴う需要減少の可能性は視野に入れておくべきであろう。このことは宝飾品に用いられるプラチナ等の貴金属でも同様である。しかしながら一次回帰の結果を受けると現在のドル/ユーロの水準でも970?程度までの上昇余地がある。金価格はドル・ユーロの動向である程度説明が可能であるが、今のところ一次回帰分析の結果と比較すると引き続き割安なレベルにあるため、テクニカルな買いが入り易い(金価格=1,314.2×ドル・ユーロ-1,106)。弊社は引き続きドルが中期的な視点で軟調な推移が続くと見ており金価格はドル・ユーロが1.64程度まで低下した場合には1,000?までの上昇があってもおかしくないと考えている。
 銀価格も上昇。取引序盤から前日の流れを受けて堅調な推移となっていたが、夜間の雇用統計の悪化でドル安が進行、銀も上昇余地を探る動きとなった。この上昇で長らく頭を抑えられていた10日移動平均線を上抜けしてしまった。"

・プラチナ価格も上昇。原油の上昇やドルの下落を受けて一目均衡表の雲を上抜け、10日移動平均線も上抜ける大幅な上昇となった。そもそも南アの生産が安定しないことからプラチナ価格には上昇圧力がかかり易い。
 中期的な見通しについてプラチナは、為替・ファンダメンタルズの両要因で堅調な推移になると考えている。2008年の需給は711キロオンスの、2009年に関しても458キロオンスの供給不足になると考えられ、年内については米金利低下を背景としてドル安傾向が持続すると見られるためである。価格上昇に対するリスクシナリオは、プラチナ価格が上昇し、代替品としてパラジウムが代用品として利用されるリスクであろう。今のところディーゼル車向けに用いられているパラジウムは全体の10%程度であり、これは将来的には25%程度まで上昇すると考えている。
 パラジウムもこの2日間のドル安を受けてさすがに上昇しているが、ファンダメンタルズの弱さから小幅な上昇に留まっている。

(エネルギー関連ニュース)
・甘利経産相「油価高騰は世界経済の大リスク。石油製品価格補助金は段階的な撤廃に動くことが重要」5カ国エネルギー大臣会議での共同声明より。

(商品市況概況)
「まちまち。流動性の高い商品は暴騰」
 週末のコモディティ市場はまちまちであったが、流動性の高い商品は軒並み暴騰している。特にエネルギーは新規材料がなかったが、ECB発言や週末の雇用統計の悪化を受けた先々のドル安観測が材料視されたようである。しかしながら小職は週末の材料のみでここまで原油価格が高騰するとは思えない。原油価格自体は依然として割安なレベル(他のものと比較した場合ですが)にあり、更に上昇すると見てはいるもののあまりにも上昇「速度」が速すぎるために、世界中がついていけていない状態である。恐らく継続的な上昇となる前に一回急騰し、後に下落することとなろう。非鉄金属でも同様の動きが見られ、流動性の高い銅とアルミのみ(錫は除く)上昇しその他の非鉄金属は総じて軟調であった。各国株式が軟調に推移しているためである。
 このように週末は「比較的流動性の高いドル建資産」が物色されたわけであるが、こうした動きはそうそう長く続くものでは有るまい。

(非鉄金属)
 週末の銅価格は上昇した。買い戻しがはいって上昇するのは略予想通りであったものの、夜間に発表された米雇用統計で失業率が大幅な悪化となり、前日のトリシェ発言を受けてドル安の地合いとなっていたことから大幅にドル安が進行、銅も買われた。著しい一次産品価格の上昇が株価にネガティブなインパクトを与えており、先々の需要減少観測を映じて結果的に商品にとってはマイナス材料となりえるのだが、週末に関してはドル安のみが材料視されたようである。LME在庫は▲950Mt減少、(FSCは2.3日)、(キャンセルワラント率は9.4%)。売買高は9,558枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇。C-3(Cash vs 3M Fwd)は129?バックとバック幅を縮小した。
 週末の亜鉛価格は上昇した。取引序盤は前日のドル安の流れを受けて堅調な推移となったが、NY時間にかけてドル安の流れとなったにも関わらず、亜鉛価格は終始軟調な推移となった。偏にファンダメンタルズの弱さと株価の調整といったマイナス材料が意識されているためと考えられる。但し明らかに現在の亜鉛価格は生産コストを下回っており、「そろそろ底値」との見方から下値での打診買いも多く、比較的しっかりしているとの印象。LME在庫は▲675Mt減少、FSCは4.3日(キャンセルワラント率は3.2%)。売買高は3,709枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇している。C-3は277?バックとバック幅を縮小した。
 週末の鉛価格は上昇した。略予想通り、取引序盤からドル安の流れを受けて10日移動平均線をトライする動きとなったのだが、結局このラインを上抜けできなかったことやLME在庫の大幅増加といったマイナス材料を受けて下落に転じた。夜間のドル安進行は買い材料となったものの、それよりも株式市場の大幅調整のほうがマイナス材料となったようであり、不冴えな展開となった。LME在庫は+975Mt増加、(FSCは3.1日、キャンセルワラント率は4.0%ここ数週間でキャンセルワラント率は上昇している。)。売買高は1,294枚。イールドカーブは期先の上げ幅が大きいが全ゾーン上昇している。C-3は18?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 週末のアルミ価格は大幅に上昇した。エネルギー価格が2連騰となったほか、ECBトリシェ発言や米雇用統計の悪化を受けた米利上げ観測後退を受けてドル安が急速に進行したことが材料視された。目下、非鉄金属のセンチメントを悪化させている株の大幅な修正は今回は材料視されない、というよりも織り込むことができなかったようだ。LME在庫は▲1,475Mt減少、(FSCは9.3日)。(キャンセルワラント率は4.8%)。売買高は11,898枚。イールドカーブは期先を中心に全ゾーン上昇している。期先の上昇はコスト上昇を長期に許容する動きでもあるため要注意である。C-3は44?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 週末のニッケル価格は下落した。ドル安の進行を受けて取引序盤は買いが優勢となったが、米雇用統計の悪化を受けて株化が大幅に下落したことからニッケルもセンチメントが悪化、大幅に水準を切り下げコストベースで節目となる22,000?まで水準を切り下げて引けることとなった。LME在庫は▲102Mt減少、(FSCは11.0日)、キャンセルワラント率は2.6%。売買高は1,587枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。C-3は100?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 週末の錫価格は上昇した。取引序盤は前日までのドル安の流れを受けて上値余地を試す展開となったが、夜間に発表された米雇用統計の悪化を受けた株価の調整を受けて急速に地合いが悪化、水準を切り下げ10日移動平均線でサポートされて引けている。非常にワイドであるが足許100日移動平均線〜50日移動平均線のレンジワークが続いている。LME在庫は▲40Mt減少、(FSCは0.0日)、キャンセルワラント率は6.81%。売買高は138枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇。C-3は10?コンタンゴと前日と変わらず。

(エネルギー)
 週末の原油価格は大暴騰。モルガンスタンレー原油価格相場見通し変更(150?)や、ドル安の進行といった材料を受けての上昇となった。夜間に発表された米雇用統計は雇用者数は市場予想を下回る減少に留まったものの、失業率が大幅に悪化しており先々の米利下げ観測が後退したことからドル安が進行している。しかし、である。この週末2日間で大きく原油を押し上げる材料ははっきり言って皆無であった。唯一材料として挙げられるのがドル安の進行であるが、そこまでのドル安ではなかったと思う。原油はたびたびこのコラムで指摘しているように、「未だに割安」であるのだが週末の材料だけを持って140?をトライする展開になるのは正直解せない。急落の前の急騰もこのコラムで指摘していたが、それがおきつつあるようである。こういう相場展開になると正直上値の目処を設定することは殆ど意味を成さなくなる。イールドカーブは期近を中心に大幅に上昇し、ブルスティープニング。直近限月の騰落率はWTIが+7.2%、Brentが+6.9%。
 石油製品も大幅に上昇。RBOBは寄り付きから一貫して上昇し、一気に史上最高値を更新するに至った。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン上昇、直近限月の騰落率は+5.7%。ヒーティングオイルも大幅に上昇。週末2日間はドル安の進行が材料となって流動性の高い商品が物色されたが、ディスティレートも同様に物色され、400?の節目まで上昇するに至った。イールドカーブは期近の上げ幅が大きいが略全ゾーンパラレルに上昇している。直近限月の騰落率は+6.9%。ガスオイルも上昇。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+7.1%。

(ひとりごと)
昔働いていた会社でのこと。
もう、ずーと昔のことなのでいい加減時効だと思うので書きます。

以前、私は金融法人営業を担当していた。
金融法人営業とは、地銀や信金といった金融機関向けの営業である。
朝は大体7時ぐらいにやってきてレポートを読み
9時まで一通りお客さんに電話をした後、9時から外出、6時に帰社、デスクワークをして9時頃退社
というスケジュールであった。

しかし、である。

この頃、まぁ、私、正直言って仕事ができる人間ではなかったようで
殆ど毎日、直属の上司に叱られていた。

いや、ね。

別に叱られるのは良いんですけどね、それが、毎日なんですよ。毎日。
つまり、6時に帰社すると嬉しそうな顔をして、待ってましたとばかりに私を呼びつけるわけですよ

「こっちに来い」
「ハイ」

といって、席に座ると(課長のすぐ隣の席)

「おいッ!!こっちに来い、といっているんだからこっちに来て立てッ!!」

はいはい、と思いながらしぶしぶ上司の横に。
ここから説教が始まるわけであるが、これがまた長い。
6時から始まって大体終了するのが9時。
しかも、なんだか知らないけどずっと立ちっぱなしである。

「あぁ、外訪日誌つけなきゃいけないのに...お客さんからも明日までの宿題もらっているのに...(心の声)」

と、思っていても説教は続く。
やっと「上司が疲れて」説教から開放されるのが夜の9時である。
どうもこの上司の家は、夕飯が9時30分かららしいのだ。
要はそれまでの暇つぶしであったに違いない。
くそッ!!

と、いろいろ思いをめぐらせながら外訪日誌を書き始める。
あぁ、今日も12時過ぎてしまうなぁ...
(続く)