プチッ

(経済関連ニュース)
・5月英製造業生産指数 前月比▲0.5%(前月改定±0.0%(速報比▲0.1%))、市場予想±0.0%。
洞爺湖サミット開幕。

・ドルはロンドン時間に対ユーロで上昇後、NY時間に入ってから下落 。サミットで強いドルを支持する動きが見られるのでは、との憶測からドルが強含んでいたが、NY時間のファニーメイフレディマックの信用不安拡大で再びドルが売られた。景気が悪化している以上しばらくはドル安基調は続くものと見られる。ドルは対円では上昇している。

日本株は13日ぶりに反発。環境に大きな変化はないものの、銀行決算が良好な見通しを受けて中国株が上昇したことなどから、さすがに買い戻しが入った様子。アジア株も上昇。中国拓商銀行の増益見通しを受けて上海A株は上昇。インドSensexも堅調。米国市場は下落。取引序盤はアジア・欧州株の上昇や原油の下落もあって堅調な推移であったものの、フレディマックファニーメイが再び増資をせねばならなくなる可能性が高まってきたことなどを材料に結局下落した。
穀物市場サマリー)
・大豆価格は大幅下落。中西部の天候好転予報や、ドル高、原油安といった周辺材料にも押された。但し10日移動平均線では結局サポートされた。イールドカーブは期近の下げ幅が大きいが総じて全ゾーンパラレルに低下している。形状的にはバックを維持。

・トウモロコシ価格も急落し、10日移動平均線を再び割り込んだ。そもそもUSDA発表のレポートで87.3百万エーカーの作付が進んだ(3月比+1.9%)ことが材料視され、7.5?を上抜けできない中手仕舞い売りに押されていたが、米中西部の天候改善やドル高、原油安の進行も売り材料視された。但し30日移動平均線となる6.90?レベルでは安値拾いの買いも入り下げ幅を削り7?台を維持して引けている。イールドカーブは全ゾーン略パラレルに低下。

・小麦価格も下落。大豆やトウモロコシの下落に押された。結果30日移動平均線でサポートされはしたものの、総じて軟調な推移であった。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。コンタンゴは維持。

非鉄金属関連ニュース)
・金はドル高進行期待や原油の下落を受けて続落。但しNY時間の後半にはドルが再び弱含んだことから上昇し、下げ幅を削る動きとなった。
 足許の大幅なドル安の進行と、株価の軟調な推移を受けて質への逃避の観点から金価格は大幅な上昇となった。しかしながらECBの利上げ実施と、先々の利上げに関して前向きなコメントがトリシェ総裁から出なかったこともあって、週末に掛けて弱含む展開となっている。ECBの利上げ打ち止め観測もあってしばらくは現状レベルでの推移が続くこととなろう。今のところ一次回帰分析の結果では現在のドル価格は比較すると引き続き割安なレベルにあり、テクニカルな買いは入り易い(金価格=1,222.4×ドル・ユーロ-976.38)。これはもしユーロが1.6?まで下落して場合には980ドル程度までの上昇があってもおかしくないことを意味している(尚、現状の為替レートを用いるならば945?程度であり、上げ余地はそれほど大きくはない)。また同時に著しい金価格の上昇が宝飾品需要を落ち込ませている。WGCの発表によればQ108の宝飾需要は前年比▲21.5%の454.4Mtに、世界最大の金消費国であるインドの需要は前年比▲50%の102.1Mtに落ち込んでいる。このことは価格上昇が需要を減少させることの証左であり、著しい価格上昇に伴う需要減少の可能性は視野に入れておくべきである。
 NY銀も下落。材料は金と同じくドル高と原油安であるが、10日移動平均線でサポートされたことやNY時間のドル安進行もあって下げ幅を削る動きとなった。

・NYプラチナ価格は大幅に下落。著しい原油価格の上昇が自動車離れを引き起こしており(GM等の大手の自動車販売の落ち込み)、触媒需要が後退するとの見方と、原油の下落、サミットでのドル防衛期待でドル高が進んだことなど、需給面に加え周辺材料も下落を示唆するものが多かったことから水準を大幅に切り下げる動きとなった。この下落でNYプラチナは2,000?を下回ってしまった。
 中期的な見通しについてプラチナは、為替・ファンダメンタルズの両要因で堅調な推移になると考えている。2008年の需給は711キロオンスの、2009年に関しても458キロオンスの供給不足になると考えられ、年内については米金利低下を背景としてドル安傾向が持続すると見られるためである。価格上昇に対するリスクシナリオは、プラチナ価格が上昇し代替品としてパラジウムが代用品として利用されるリスクであろう。今のところディーゼル車向けに用いられているパラジウムは全体の10%程度であり、これは将来的には25%程度まで上昇すると考えている。また地上在庫の多さがこうした不足分を補うと見られることから、結局のところ生産不足分は相殺されニュートラルになる可能性があることも相場の下押し材料となりえよう。もう一つの材料はそもそもの需要減少リスクである。エネルギー価格の高騰が自動車離れを引き起こし始めており、触媒需要の落ち込みの可能性は否定できない。しかしながらやはり南アの生産状態が電力価格の上昇やその他のコストの上昇等で不安定であることから当面、高い水準で堅調な推移が続くことになると考えている。
 NYパラジウム価格も下落。ドル高の進行や原油の下落、プラチナの大幅下落を受けて売られた。
 今後パラジウムの価格は上昇すると考えている。プラチナ価格の高騰に伴う代用品需要の高まりが期待されるためだ。プラチナのところでもコメントしているように、プラチナ触媒がパラジウム触媒に置き換わることによる需要増加や、宝飾品にパラジウムが用いられる可能性がある。しかしながら非常に多い地上在庫(弊社見積もりではチューリッヒに8百万オンス、ロシアに10百万オンスの地上在庫があると見ている)が、価格の上限を押さえることとなろう。

・中国Chalcoは山西省にあるShanxi Huaze Aluminum & Power Coの稼動を停止。電力不足の影響で。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計市場予想 原油▲2.1MB、ガソリン+0.7MB、ディスティレート+1.6MB、稼働率±0.0%
中国海洋石油公司傘下の中海油田含むはノルウェーの石油ガス採掘会社アビルコを約2,700億円で買収することに合意。
・イラン アフマディネジャド大統領「核開発の権利を放棄することはしない」と発表(ほらね...結局こうなります)。

(商品市況概況)
「エネルギー価格の高騰が供給に影響」
 昨日のコモディティ市場は一部を除いて軟調な推移となった。洞爺湖サミットで強いドルが支持されるのでは、との見方が強まったことと経済統計の悪化、株価の下落トレンドといった需要サイドのマイナス要因が徐々に市場を支配しつつあるためである。が、しかし。本当に現時点においてこの下落が継続するのだろうか?昨日非常に象徴的な出来事がアルミ市場で起きている。エネルギー価格の高騰に伴い、中国Chalcoの合弁会社がアルミの生産を停止したのである。こうした動きはアルミのみならず、電力を始めとするエネルギーを生産過程で必要とする一次産品の供給に支障をもたらす可能性が高い。
 このようにエネルギーが上昇すると生産調整やコスト上昇といった様々な経路で商品の生産や企業活動に影響をもたらす。直にエネルギーを用いていない企業であっても、エネルギー高の影響を受けるのは自明である(サービス業であっても、文具のコストや光熱費の増加は減収要因になりえる)。しかしながらこうした企業は直に素材価格をデリバティブ等でヘッジすることは不能であり、代替手段としてコモディティインデックスにリンクする運用商品を購入することは、有効な自衛手段の1つであるといえる。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。10日移動平均線を下回って寄り付いた後、週末2日間の下げ幅が大きかったこともあって買い戻しが優勢となったが、ペルーでの労働争議終了、欧州経済統計の悪化やサミットでのドル支援期待から売られ一時100日移動平均線を試す動きとなった。ところが中国Chalcoのアルミ生産停止報道を受けてアルミが反発したことやNY時間にドルが再び弱含んだことなどから買い戻しが入り下げ幅を削った。LME在庫は▲500Mt減少、(FSCは2.3日)、(キャンセルワラント率は4.9%)。売買高は6,733枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブはパラレルに低下。C-3(Cash vs 3M Fwd)は175?バックとバック幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は上昇した。前日引けレベルで寄り付いた後、ドル高の進行や原油安を受けて下値を試す動きも見られたが銅価格の反発やLME在庫の減少といった支援材料、1,800?のコストレベルを下回る水準での生産調整観測から買い戻しが入り、前日比プラスで引けた。目先1,750?がチャート上の下値となった。LME在庫は▲200Mt減少、FSCは4.6日(キャンセルワラント率は2.8%)。売買高は3,144枚。イールドカーブは期近を中心に上昇しブルフラットニング。C-3は18?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の鉛価格は上昇した。銅価格の反発と、価格の絶対水準が低くなっていること、エネルギー価格の下落が自動車需要を喚起するのではとの期待感から買い戻しが優勢となった。とはいっても引き続きエネルギー価格の水準は高く、大幅な反発とはなっていない。LME在庫は+300Mt増加、(FSCは4.2日、キャンセルワラント率は5.1%ここ数週間でキャンセルワラント率は上昇している。)。売買高は1,468枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇した。C-3は21?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は大幅に上昇した。中国Chalcoの合弁会社が電力不足の影響で生産を停止した、との報道を受け原油価格の下落やドル高の進行といったマイナス材料はあったものの全く関係なく上昇、とうとう3,300?をはるかに上抜け、3,327?まで上昇して引けた。非鉄金属の各コラムで説明しているがエネルギー価格の上昇が深刻な生産制限をもたらし始めており、素材価格を高止まらせている。また、先々のエネルギー不安やコスト上昇懸念からこうした上げ局面においても期先の上げ幅が大きいことは特筆に価する。LME在庫は▲1,100Mt減少、(FSCは9.5日)。(キャンセルワラント率は2.5%)。売買高は23,202枚。イールドカーブは期近が小幅低下しベアスティープニングしている。C-3は49?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は上昇した。ドル高の進行もあって取引序盤から20,000?の節目をトライする動きとなったのだが、アルミ価格の急騰を受けてニッケルも連れ高となり、水準を切り上げた。しかしながらどちらかというとテクニカルな買戻しによるものであり戻りの力は弱く、引き続き10日移動平均線レジスタンスとして意識されている状況である。LME在庫は▲48Mt減少、(FSCは10.9日)、キャンセルワラント率は4.9%。売買高は1,289枚。イールドカーブは全ゾーン上昇している。C-3は154?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は上昇した。錫固有の新規材料がない中、先週30日移動平均線でサポートされたことやLME在庫の減少といったプラス材料、アルミ価格の急騰といった支援材料を受けて水準を切り上げる動きとなったが、原油価格の下落やドル高の進行もあって今までのレンジ上限である50日移動平均線を下回って引けた。今回の山西省でのアルミ生産停止の報道は実は錫にも大きな影響を与えると見ている。つまり、電力価格の上昇で生産が停止する精錬所が今後も多数出てくる可能性があるためである。現状中国は精錬錫の輸入国に転じてしまったが電力価格が高止まった場合輸入量が増加する可能性は高い。LME在庫は▲85Mt減少、(FSCは0.0日)、キャンセルワラント率は16.02%。売買高は197枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン上昇し、ブルスティープニング。C-3は37?バックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
 昨日の原油価格は下落した。イランが主要各国からの核開発問題に関して、「建設的な回答をした」と報じられたことや、洞爺湖サミットで強いドルが支持されるのではとの憶測、原油価格高騰に伴う独経済統計の悪化に伴う需要減少観測から売られ、10日移動平均線を試す動きとなった。しかしながら下値では買い意欲も旺盛であり結局このラインはサポートされて引けている。WTIイールドカーブは期近が下落しフラットニングの動き。Brentも下落。こちらは週末も下げているのでWTIに比して下落率は小幅なものとなった。WTI/Brentとも期近が完全にコンタンゴの状態となっている。実需の減少や産油国の増産といった売り材料を受け期近が弱含みやすくなっているためと考えられる。実際、WTIイールドカーブの形状に大きな影響を与えていると考えられるクッシング在庫は増加傾向にある。直近限月の騰落率はWTIは▲2.9%、Brentは▲1.8%。
 石油製品も下落。RBOBは先週の週末のBrentの下げもあって大きく水準を切り下げた。著しい価格の上昇が消費者の消費行動にも影響を与え始めているようで、消費の現象観測が強まってきた。RBOBは一時30日移動平均線近辺まで水準を切り下げたが原油が下げ渋ったことから引けに掛けて買い戻しが入って下げ幅を削る展開となったが10日移動平均線は割り込んでしまった。イールドカーブは全ゾーン低下しているが需要減少観測から期近の下げ幅が大きいようだ。直近限月の騰落率は▲2.9%。ヒーティングオイルも下落。先週末の欧州製品の下落をフォローする形で下落。しかし10日移動平均線でサポートされて引けている。引き続きクラックスプレッドが示すようにヒーティングオイル(含むディーゼルオイル)の需要は旺盛であり、夏場が近いにも関わらずガソリンよりも高い状態が続いている。米天然ガス在庫が過去5年レンジに収まってはいるものの水準が低いことも火力発電向けの需要が増加している可能性が高いことを示唆している。イールドカーブは期近の下げが大きいが全ゾーン低下。直近限月の騰落率は▲3.6%。ICEガスオイルも大幅に下落。前日引けレベルを下回って寄り付いた後もみ合いながら水準を切り下げる動きとなった。結果的に10日移動平均線でサポートされて引けた。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲2.2%。

(ひとりごと)
この週末、ちょっとしたアクシデントがあった。
日曜日、久しぶりに時間が空いたので子供を実家に預け、インディジョーンズを観にいこうかと思い
ネットで席を予約して、さあ、出発、と思ったところ

ヘンなキャッチセールスから電話がかかって来て
カミさんが捉まってしまった
もぅ。

と、思ったら子供がワンワン泣き出したので、仕方なく高い高いをしてあげたり
手を持って持ち上げたりしていたら
私の右手に「プチッ」っていうちょっとした感触が伝わり
子供が泣き出した
それこそ火が点いたように泣き出してしまい
左手で右手のひじを指差して泣いている
特に、腕を持って持ち上げていた私に対しては結構厳しい視線

大慌てで飛び出し、病院に直行
しかしながら道々電話をしてみると「整形外科の先生はお休みです」との冷たい回答
3つぐらい病院に電話をしたが、「整形外科の先生はいません」「いますけど救急だと3時間以上お待ちいただきます」「他の病院の方がいいですよ」
と、何だか最近ワイドショーで見たことがあるような対応。
これがたらい回しか、と怒ってみてもはじまらず、片っ端から病院に電話。
子供は泣き止まない。

と、藁にもすがる気持ちでH病院に電話をしたところ、整形外科の先生がいるのですぐ来てください、との回答。
タクシーの運転手さんも右往左往していたがやっとのことで行き先が決まったのでH病院に直行した。

診察室に入り、整形外科の先生に診てもらう
正直生きた心地がしない
右手が使えなくなったらどうしよう、もしそうなったら自分の責任だし...と全身から汗が吹き出る。
整形外科の先生は我が子の肘を曲げ、ぐりぐり何かやっている
「あんなことをして大丈夫なのだろうか」
不安が募る。

が、しかし。

先生が触った瞬間、我が子は右手を動かし始めた。

「良くあるんですよね、肘をひねるの。結構簡単に治るんですが、患者さんには感謝されるんですよね...大事に至らなくて良かったですね」

まさにゴッドハンド。生まれてから一番医者に感謝した日であった。
ほっとして時計を見ると、映画の開始10分前。
まだ間に合う...いけないいけない。
今日ぐらいは家族一緒にいないと、ね。

神様がくれた久しぶりの家族団らんの日でありました。びっくりしたけど。