ケンタッキー

(商品市況概況)
「泣く子と株価には勝てず」
 昨日のコモディティ市場は軒並み下落した。米リーマンブラザーズと韓国産業銀行の出資交渉が打ち切られたことから金融株を中心に株価が大幅に調整したことから、コモディティ全体に手仕舞い売りが入った。基本、株の下落は景気悪化懸念を醸成するため、商品価格に対しては明確にマイナスの材料となる。
 週末に発表された住宅2公社への救済策効果が、リーマンショックで完全に消し飛んだ格好となった。毎日このコラムでコメントしているが、「株の下落が誘発する景気の悪化」が再燃していることが、商品相場の下押し材料になろう。
 米景気は最悪期は脱したものと考えられるが、こうした金融機関の破綻が続くようであれば年末に向けて地合いが大きく悪化することとなろう。引き続きマクロ経済動向と中央銀行、政府当局の対応からは目が話せない展開が続くことになると考える。

(経済関連ニュース)
・7月米中古住宅販売 前月比▲3.2%(前月改定+5.8%(速報比+0.5%))、市場予想▲1.5%。
・7月米卸売在庫 前月比+1.4%(前月改定+0.9%(速報比▲0.2%))、市場予想+0.7%。

・ドルは対ユーロで下落。リーマンブラザーズと韓国産業銀行の出資に関わる交渉が打ち切られたことが材料視された。円は対ドルで上昇。海外市場の不安定さを背景に、キャリートレードアンワインドが起きた模様。
日本株は大幅反発。フレディ・マックとファニーメイの政府救済は既に折込で、手仕舞い売りに押された。米国株は大幅下落。リーマンブラザーズの資金調達に関する懸念が広がり、金融株を中心に売られた。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は上昇。原油安や株の急落による地合い悪化で軟調に推移していたが、引けに掛けてショートカバーの買い戻しが入り結果的に前日比プラスで引けることとなった。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇している。
・トウモロコシ価格は下落。原油価格の下落や株の急落に伴う地合いの悪化を受けてマイナスサイドに沈んだ。イールドカーブの形状は期近が小幅低下。
・小麦価格は下落。大豆・トウモロコシと同様、原油価格の下落と株価の調整により地合いが悪化し、おりからの降雨の影響や、収穫量増加観測を受けて軟調な推移となった。イールドカーブは全ゾーン小幅低下。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は続落。OPECの減産見送りや、リーマンブラザーズの資金調達懸念の高まりを受けた株の急落が地合いを悪化させた。また株が暴落する中でもドルが比較的堅調に推移したことも地合いを悪化させたようだ。目先8月15日の安値、780.90?が下値として意識されようか。
 足許、ユーロ圏の景気が鈍化し始めていることに加え、米住宅公社の救済策が市場で好感されていることからドルの対ユーロでの上昇が鮮明になりつつある。これに伴い金は軟調な推移となっている。同時に地政学的リスクの高まり、や原油価格が依然高止まっていることなどから安全資産であり、市場規模のうちの半分近くが投機資金である金は質への逃避で物色され易く、大幅な下落とはなっていない。よって、ドルの行き過ぎた下落が修正される局面に入っていることも考慮し、弊社は金価格の見通しをニュートラルに引き下げている。これは今までこのコラムで主張していたように「当面高値で安定推移」との見方と整合するものである。尚、金価格とユーロドルの一次回帰分析の結果は、金価格=1,065.3×ユーロ-738.51となっており、現在の価格は略この一次回帰線上にある。
 NY銀も下落した。材料は金と同様。但し株の下落もあって工業品需要の色彩の強い銀はより下げ圧力が強かったようだ。

・NYプラチナは大幅に下落。材料は原油価格の下落を受けた貴金属価格の下落や、リーマンショックによる株の急落に伴う景気悪化懸念が相場を大きく押し下げ、節目の13?を割り込んだことから下げ幅を拡大する展開となった。銀と同様、工業品としての色彩の強いプラチナは下押し圧力が強いようだ。
 中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考える。世界経済への影響が大きい米景気の悪化観測の高まり、GM、フォードといった自動車産業の景況感悪化に反映される自動車販売の減少に伴う触媒需要の減少観測を受け、このコラムで指摘してきた需要減少のリスク要因の影響が大きくなってきている状況であるためだ。
 しかしながら南アフリカの生産が安定しない環境下、環境に配慮した自動車の需要は堅調であることも鑑みれば大幅な調整にはなりにくいと考える。また、プラチナ価格が大きく下落したことから、代替品としてのパラジウム需要の増加が期待ほどには増加しないことが予想されることも、プラチナ価格の下支え要因となろう。
 NYパラジウムも下落した。材料は他の貴金属と同様に株の下落と原油の下落。ドルの上昇である。
 今後パラジウムの価格は軟調に推移すると考える。プラチナ価格が自動車向け需要の減少観測とドル高の進行で下落しているため、代替品として需要が減少すると見られるためだ。また、非常に多い地上在庫(弊社見積もりではチューリッヒに8百万オンス、ロシアに10百万オンスの地上在庫があると見ている)が、価格の上限を押さえることとなろう。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計市場予想 原油▲3.8MB、ガソリン▲3.5MB、ディスティレート▲2.1MB、稼働率▲8.7%
OPEC生産据え置きを決定。経済に配慮。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。取引序盤は買い戻し優勢であったが、LME在庫の大幅増加やドルの上昇を受けて水準を切り下げ、その後のリーマンショックを受けた原油・株の大幅下落の影響をうけてさらに下落。引けにはさすがに買い戻しが入ったが結局前日比マイナスで引けている。欧州景気の悪化懸念が急速に台頭し始めていることが相場の地合いを悪化させているが、足許の動きで特に気になるのが中国周りのLME在庫の増加である。この動きはしばらく続くと見られる。引き続きコンセントレートの供給懸念は根強く、中国の固定資産投資や鉱工業生産の水準の高さを鑑みれば下値は限定されるとの見方に変更はないが、簡単に割り込むことはないと見ていた7,000?を下回ってしまったことから一旦下値余地を探らねばならないだろう。LME在庫は+1,300Mt増加、(FSCは3.9日)、(キャンセルワラント率は4.8%)。売買高は13,958枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブはパラレルに低下した。C-3(Cash vs 3M Fwd)は21?バックとバック幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は下落した。相場展開は銅と略同じで、場中のドルの上昇を受けて下落し、その後のリーマンショックによる株価の大幅下落によりさらに地合いが悪化し、下げ幅を拡大した。しかしながらそもそも亜鉛は価格の調整が銅やアルミよりも早い段階で発生しており、下げ余地は然程大きくない。亜鉛の需要は強くないが、大生産国であるはずの中国の輸入が前年比で増加傾向を辿っていることや、その他生産者の価格下落時の生産調整の可能性が高いことから底堅い推移が続いている。LME在庫は▲425Mt減少、FSCは4.8日(キャンセルワラント率は3.6%)。売買高は4,237枚。イールドカーブは略全ゾーンパラレルに低下している。C-3は22?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の鉛価格は下落した。LME在庫の大幅減少を受けて若干強含む局面も見られたが、ドル高の進行やその後の米国株の大幅調整を受けて下げ幅を拡大、水準を切り下げる動きとなった。但し、キャンセルワラント率が2ケタ台を維持していることが、相場の下支え材料となったいるようだ。足許、中国からの精錬鉛のアウトフローは明確に減少し始めており、7月の統計ではとうとう中国は精錬鉛の純輸入国に転じてしまったことなども相場の下支え材料となっている。しかしながら、世界景気の悪化懸念が強まっていることが相場を押し下げ始めていることは注意したい。LME在庫は▲1,675Mt減少、(FSCは3.2日、キャンセルワラント率は11.7%。)。売買高は1,839枚。イールドカーブは期近を中心に低下しベアフラットニング。C-3は14?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のアルミ価格は下落した。取引序盤はLME在庫の減少等を材料に比較的堅調に推移したが、ドル高の進行や、その後の株価の大幅な調整を受けて地合いが悪化、アルミ価格は力なく水準を切り下げ、コストベースと考えられる2,600?まで水準を切り下げた。このコラムでは2,600?程度が現在のコストベースであると考えており、マーケットのセンチメントを鑑みればこのレベルを試す可能性が高いと考えていたが、株の調整という副次的な要因で昨日、この水準をタッチするに至っている。しかしながら将来の中国からのアウトフローの明確な減少懸念もあって、下落局面では安値拾いの買いも入りやすく、力強い下落にはなっていないとの印象。LME在庫は▲1,500Mt減少、(FSCは10.2日)。(キャンセルワラント率は1.9%)。売買高は13,028枚。イールドカーブは期近の下げ幅大きく、ベアスティープニング。C-3は49?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のニッケル価格は下落した。その他の非鉄金属と同様、取引序盤は買いから入ったが、LME在庫の大幅増加に加えドル高が進行したことや、後の株価の大幅調整を受けて地合いが悪化、マイナスサイドに沈んだ。ニッケルに関しては引き続き堅調に推移するであろうとの弊社見通しを小職は支持するものの、中国のステンレス需要が弱含み推移すると見られることに加えて、欧州景気が減速する可能性が高まってきたことからやはり上値は限られよう。LME在庫は+840Mt増加、(FSCは11.7日)、キャンセルワラント率は1.4%。売買高は1,017枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。C-3は65?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の錫価格は下落した。取引序盤はLME在庫の減少を受けて強含んだが、その後のドル高進行やさらにその後の株価の大幅調整を受けて地合いが悪化し、結局行って来いの結果前日比マイナスで引けている。インドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中(インドネシアは悪化)、ファンダメンタルズを材料にしっかりとした推移が続くと考えているが、世界景気の悪化懸念が強まる中上げ幅は抑えられることになろう。LME在庫は▲205Mt減少、(FSCは5.5日)、キャンセルワラント率は8.75%。売買高は239枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下しているが、需給逼迫を映じてバックは維持している。C-3は85?バックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は大幅に下落。OPECが生産枠を据え置いた上、リーマンブラザーズ証券の経営悪化懸念に伴い、株価が大幅に調整したことから軒並み商品に売りが入る中、原油も売られた。Brentも略同じ相場展開であるが、アジア時間の早朝、とうとう100?を割り込んだ。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。
 原油市場は世界景気の減速懸念の高まりで明らかに以前程の力強さがなくなってきている。足許米国はFSCフォワードサプライ・カバー:在庫日数)を5年平均レベルに維持するオペレーションを持続しており、先週の在庫統計でも概ねそういったオペレーションを実施していることが確認されているが、今週もハリケーンアイクの襲来の影響もあって、恐らくメキシコ湾からの生産は先週に続き完全に停止の状態が続くことになると予想され、当コラムで指摘しているFSCで5年平均レベルの維持が困難な状況になりつつある。米国需給は価格下落に伴う需要の底打ちも手伝い徐々に逼迫の度合いを強めていることから、ファンダメンタルズは以前に比して強くなっていることは常に考慮せねばなるまい。
 しかし昨晩に関してはリーマンショックによる株の大幅下落には勝てなかったようである。株の下落は副次的に景気の悪化を誘発するため全ての市場(債券除く)に対して悪い影響をもたらす。直近限月の騰落率はWTIは▲3.1%、Brentは▲3.2%。
 石油製品も下落。株の調整に伴う景気悪化懸念が石油製品需要を落ち込ませるであろうとのみ方から水準を切り下げる動きとなった。RBOBも原油価格の調整もあってだらだらと水準を切り下げる動きとなった。FSCが過去5年レベルを下回っており、当コラムで定義している「有事のバッファ」が現在ない状態であるため、ハリケーンの襲来による稼働率低下は素直に買い材料となる。但し、株の大幅な調整には勝てなかったようだ。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下。直近限月の騰落率は▲3.8%。ヒーティングオイルも下落。イールドカーブは略全ゾーン低下している。直近限月の騰落率は▲3.1%。ICEガスオイルも下落。イールドカーブは略全ゾーンパラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲2.2%。

(ひとりごと)
凄く前に、日本の女の子の言葉遣いがなっていないのを芸人がチェックする、という番組をやっていた。
本当に凄く前に。
確かダウンタウンの番組だったと思うんだけど、女子高生の会話をカメラで見て、若手の芸人が説教する、
というもの。
その中で、女の子が、「ケンタ」という略語を使っていた。
まぁ、普通の話であるが、その若手芸人(きっともう若手ではないと思うが...)、烈火のごとく起こり、
「ちゃんとケンタッキーと言え!」
といっていた。
でも、「ケンタッキーフライドチキン」が正確な名前であり、ケンタッキーは略語である。
という話をとある先輩にしていたところ(これも相当前の話だが...)

「俺の田舎では、ケンタッキーのことは「ドチキン」といっていた」

というのだ。大阪の方らしいのだが、本当なのだろうか?
関西の方ではマクドナルドの事をマクドと言うのは聞いたことがあるが、ドチキン、というのはどうも...。
情報をお持ちの方、待っています。