23年5組

(商品市況概況)
「世界の終わり、とは言わないが」
 昨日のコモディティ市場は軒並み反発した。米リーマンブラザーズ証券の経営悪化、AIGの経営悪化の影響で信用市場の環境が急速に悪化、流動性の低下とともに低流動性市場からの資金流出、需要減少に伴う価格の下落が続いていたが、やはりこのレベルでは消費者の買い意欲も旺盛であり、加えて一時期急速に進行していたドル高が終了、米投資銀行(証券)の経営悪化懸念が再びクローズアップされる中、ドル安が急速に進行したことからコモディティ価格は軒並み強含むこととなった。米国発の景気悪化は誰の目から見ても明らかな状態となりつつあり、需要の減少観測を受けて商品価格は少なくとも年内は調整圧力が強まると考えるが、同時に急速にドルが弱含んでいることからドル圏外からの自国通貨による安値拾いの買い意欲もあり、しばらくは政治や当局動向を睨みながら極めて神経質な展開が続くことになろう。
 この世の終わり、とは言わないが現場で働いている人間が経験したことのないような未曾有の金融危機に我々は直面している。正直、何が起きてもおかしくない状況である。

(経済関連ニュース)
・米証券大手リーマンブラザーズ、Chapter11を申請。
・9月独ZEW指数 ▲41.1(前月▲55.5)、市場予想▲53.0。原油価格の下落等で。
・8月ユーロ圏消費者物価指数改定 前年比+3.8%(前月改定+4.0%)。
・8月英消費者物価指数 前年比+4.7%。
・7月対米証券投資 中長期金融資産61億?の買い越し(前月534億?の買い越し)。
・8月米CPI 前月比▲0.1%(前月改定+0.8%)、市場予想▲0.1%。コア前月比+0.2%(前月改定+0.3%)、市場予想+0.2%。
・9月米ホームビルダー協会指数 18(前月16)、市場予想17。
FOMC 政策金利のFFレートを2%に据え置き。「経済成長の下ぶれリスクとインフレの加速懸念は重大な懸念事項」
・米政府、AIGへの9兆円の支援を決定。
・英バークレイズ、リーマンの北米部門等一部を買収。
・8月住宅着工 前月比▲6.2%の89.5万戸(前月改定95.4万戸(速報比▲1.1万戸))、市場予想95.0万戸。
・Q208米経常収支赤字 1,831億?(前期改定1,756億?)、市場予想1,800億?。予想を上回る赤字。GDP比5.1%。

・ドルは対ユーロで急落。米政府がAIGの救済策を発表したものの、市場は引き続き「不十分」として投資銀行株が急落、ドルは対ユーロで大幅に下落した。ドルは対円でも大幅に上昇。欧米市場の混乱を背景にレパトリ(自国通貨回帰)の動きが加速した。
日本株リーマンショックから回復、上昇した。日本時間の朝方米政府によるAIGの救済策発表で安心感が広がり買い戻しが優勢となった。しかしながらアジア株、欧州株は今回の救済策では不十分との見方が多く、軒並み下落した。ダウは大幅に続落。AIGが公的管理になったものの、サブプライムローンに起因する不良債権問題が解決を見たわけではなく、信用収縮の動きが加速、金融株、特に投資銀行株が大幅に下落した。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は反発。リーマン・AIGショックを受けて調整が続いていたが、値ごろ感からの買い意欲も旺盛であり、加えて生産地がハリケーンアイクの影響を受けたため、生産量が減少する可能性が高まったこと、ドルが急速に弱含んだことも買い材料視された。イールドカーブは全ゾーン略パラレルに上昇している。尚、USDAは大豆の生産見通しを前月の予想から▲1.3%、下方修正している。
・トウモロコシ価格も大幅に上昇。ハリケーンの影響でUSDAが収穫量見通しを前回発表時点から▲1.8%下方修正したことや、ドルが再び急速に弱含んだことが材料視されて買い戻しが優勢となった。イールドカーブは全ゾーン略パラレルに上昇している。
・小麦価格も大幅に上昇した。南半球が再び乾燥気候で生産が減少する可能性が高まってきたことや、ドルが再び急速に弱含んだことなどが材料視されて、値ごろ感からも買い戻しが優勢となった。この上昇により10日移動平均線レジスタンスを上抜けしている。イールドカーブは全ゾーン上昇。
非鉄金属関連ニュース)
"・NY金は大幅に上昇。ドルが対ユーロ、主要通貨で大幅に下落したことを受けて、質への逃避の動きが加速し金は上昇した。一時はキャッシュ化の動きが加速したが、実物資産で流動性も高い金が再び選好されることとなった。各国中央銀行も金の購入に関して前向きなコメントをしている。金の価格上昇は1999年以来の最大の上げ幅を記録した。
 足許、米国の金融危機が収束する気配がなく、ユーロ圏の景気が鈍化し始めていることによる極端なドル安が修正される動きがあったのだが、再びドル安が加速している。同時に地政学的リスクの高まり、原油価格が依然高止まっていることなどから安全資産であり、市場規模のうちの半分近くが投機資金である金は質への逃避で物色され易く、堅調な推移となった。先々ドルは政治リスクも巻き込みながら極めて不安定な推移が続くと見られ、安全資産の金は「当面高値で安定推移」することになると考える。
 NY銀も暴騰した。材料はドル安の急速な進行と金価格の上昇。この上昇により上値として意識されていた10日移動平均線をあっさりと上抜けすることとなった。

・NYプラチナは反発。工業品需要の減退を受けて大幅に水準を切り下げていたが、ドルがAIGの救済策が不十分だとして大幅に調整したことから反発して引けた。株式市場が軟調に推移していることからETF等の換金売り等も相場を下押ししていたものと考えられるが、1,000?に迫る水準では安値拾いの買いも相応に入るとの印象である。
 中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考える。世界経済への影響が大きい米景気の悪化、GM、フォードといった自動車産業の景況感悪化に反映される自動車販売の減少に伴う触媒需要の減少観測を受け、このコラムで指摘してきた需要減少のリスク要因の影響が大きくなってきている状況であるためだ。しかしながら南アフリカの生産が安定しない環境下、環境に配慮した自動車の需要は堅調であることも鑑みれば大幅な調整にはなりにくいと考える。また、プラチナ価格が大きく下落したことから、代替品としてのパラジウム需要の増加が期待ほどには増加しないことが予想されることも、プラチナ価格の下支え要因となろう。
 NYパラジウムも上昇。ドル安の進行に伴い貴金属全体に買い戻しが入る動きにあわせ、パラジウムも買い戻された。
 今後パラジウムの価格は軟調に推移すると考える。プラチナ価格が自動車向け需要の減少観測とドル高の進行で下落しているため、代替品として需要が減少すると見られるためだ。また、非常に多い地上在庫(弊社見積もりではチューリッヒに8百万オンス、ロシアに10百万オンスの地上在庫があると見ている)が、価格の上限を押さえることとなろう。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油▲6.3MB(市場予想▲3.5MB)、ガソリン▲3.3MB(▲3.5MB)、ディスティレート▲0.8MB(▲1.9MB)、稼働率▲0.8%(▲2.0%)
・米ゴールドマン・サックス証券コモディティの想定最大損失額、54億?に増加。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。リーマンショックから一夜明けてAIGの救済策が発表されたがそれでも未だ不十分との見方が多く、信用市場が収縮する中、夜間に発表された米住宅関連統計が悪化したことから銅価格は下落した。しかしながらNY時間の後場にかけてドルが急速に弱含んだことから引けに掛けては買い戻しが入り下げ幅を限定した。未だ金融不安が完全に払拭されたわけではないため、上昇余地は少なくなってきている。世界経済の失速懸念が急速に台頭し始めていることが相場の地合いを悪化させており、この動きはしばらく続くと見られる。しかし今のところ引き続きコンセントレートの供給懸念は根強く、中国の固定資産投資や鉱工業生産の水準の高さを鑑みれば下値は限定されるとの見方に変更はない。LME在庫は▲1,350Mt減少、(FSCは3.9日)、(キャンセルワラント率は9.4%)。売買高は10,740枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。C-3(Cash vs 3M Fwd)は63?バックとバック幅を拡大した。
 昨日の亜鉛価格は下落した。米投資銀行の経営不安が広がる中、米国発の景気悪化が拡大するとの見方が広がり、亜鉛価格も軟調な推移を余儀なくされた。しかしながらNY時間の後場にかけてドルが急速に弱含んだことから買い戻しが優勢となり、下げ幅を削った。今後に関しては引き続き軟調な推移が予想されるものの、コスト割れの生産者も増加していると考えられることから1,600?を下回る水準までの下落は現時点では考えにくく、他の下げしろのある商品に比べれば調整余地は少ないと考えられる。亜鉛の需要は強くないが、大生産国であるはずの中国の輸入が前年比で増加傾向を辿っていることや、その他生産者の価格下落時の生産調整の可能性が高いことから底堅い推移が続いている。LME在庫は▲125Mt減少、FSCは4.7日(キャンセルワラント率は4.0%)。売買高は7,037枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。C-3は24?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は下落した。米投資銀行の信用リスクの高まりにより、景気悪化の可能性が高まったことから鉛も調整を余儀なくされたが、高水準のキャンセルワラント、昨晩に関してはLME在庫自体も大幅に減少したことから下げ幅は限定された。今後も景気の悪化とともに自動車向け需要が減退すると予想されることからしばらくは軟調な推移となろう。LME在庫は▲1,175Mt減少、(FSCは3.0日、キャンセルワラント率は10.9%。)。売買高は1,779枚。イールドカーブは期近を中心に低下し、ベアフラットニング。C-3は10?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は下落した。米投資銀行の経営悪化に伴う信用収縮、景気悪化懸念の高まりと、夜間に発表された米住宅関連統計の悪化を受けて2,500?の節目を挟む攻防となったが、NY時間の後場にかけてドル安が急速に進んだことに起因するエネルギー価格の上昇を受けて下げ幅を削る展開となった。当面は景気悪化に焦点が当たり下値余地を探る展開が続く可能性が高まってきたが、将来の中国からのアウトフローの明確な減少懸念もあって、下落局面では安値拾いの買いも入りやすく一本調子の下落にはならないだろうとのスタンスである。しかしいずれにしても米金融不安が拡大する可能性が高い中、予断を許さない状況が続くことになろう。LME在庫は+88,175Mt増加、(FSCは11.6日)。(キャンセルワラント率は1.5%)。売買高は14,784枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニング。C-3は50?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は下落した。世界的な景気悪化懸念が高まる中、ニッケル価格も調整を余儀なくされた。LME在庫が減少したものの焼け石に水で、ドル安の進行も殆どニッケル相場には影響を与えなかった。この下落により、8月6日にマークした直近安値の17,370?を下回り、さらに下値を探る動きとなっている。17,000?を下回った場合、次の明確なチャートポイントは存在せず、15,000?までの下落も視野にいれねばならなくなってきた。LME在庫は▲54Mt減少、(FSCは12.0日)、キャンセルワラント率は2.1%。売買高は2,710枚。イールドカーブは期近を中心に大幅に下落し、ベアスティープニングしている。C-3は135?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は下落した。LME在庫がシンガポールで大幅に増加したことや、世界各国の株の大幅下落に伴う景気の悪化懸念を受けて大幅に調整した。しかしながら引けに掛けては急速にドルが弱含んだため、買い戻しが優勢となり下げ幅を削る展開となった。インドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中(インドネシアは悪化)、ファンダメンタルズを材料にしっかりとした推移が続くと考えているが、世界景気の悪化懸念が強まる中需要の急速な減速の可能性も高く、上げ幅は抑えられることになろう。LME在庫は+935Mt増加、(FSCは6.1日)、キャンセルワラント率は6.26%。売買高は405枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きい。C-3は110?バックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は大幅に反発した。リーマンショックAIGショックで完全にニュースとして意識されていなかったが、ハリケーンアイクの影響で米在庫統計で原油・石油製品在庫が大幅に減少。FSCベースで5年を大幅に下回る水準となっていることから需給逼迫懸念が高まったことと、投資銀行ショックで再び大幅なドル安となったことから値ごろ感からの買い戻しが優勢となった。需給逼迫を背景としてWTIは期近が大幅に上昇、ブルフラットニングしている。Brentも上昇したが略パラレルに上昇している。今後については投資銀行の経営悪化問題がどのように決着するか不透明な中、需給のタイトさを反映して非常に神経質な展開になると予想される。但し信用市場が収縮した場合、流動性の著しい低下がもたらされるため、買い持ちポジションは簡単に手仕舞い売りによって解消れる可能性があることは認識しておかねばならないだろう。現在我々は未曾有の金融危機に直面している。直近限月の騰落率はWTIは+5.8%、Brentは+5.3%。
 石油製品も上昇。統計発表直後は信用市場悪化の影響と株安の影響が継続し下値を探る動きになったものの、NY時間の後場から急速にドル安が進行したため、需給が基本的にタイトな米石油製品は一斉に買い戻されることとなった。ハリケーンアイクの影響で製油所の稼働率は著しく低下しており、メキシコ湾からの生産も停止する中、当然のように石油製品の需給がタイトになりつつある。RBOBは、FSCが過去5年レベルを大きく下回っており、当コラムで定義している「有事のバッファ」が現在ない状態であるため、ハリケーンの襲来による稼働率低下は素直に買い材料となる。イールドカーブは全ゾーン略パラレルに上昇。直近限月の騰落率は+2.5%。ヒーティングオイルも上昇。材料は略変わらず。但しこれから冬場に向けてディスティレートの需要は高まることが予想される上、FSCが5年平均を大幅に下回っている状況下、上げ幅はRBOBを上回った。但し週次の需要は季節性を無視して明確に減少を始めており、需給がタイトな状況が継続するかどうかは不透明である。イールドカーブは全ゾーン略パラレルに上昇。直近限月の騰落率は+3.6%。ICEガスオイルも上昇。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+2.9%。

(ひとりごと)
大学の頃サークルでゴルフをやっていた。
今、相当うまくなくなっているのでできる限りゴルフをやっていたことは伏せるようにしているのだが
もう、このコラムに書いちゃったのでもう隠せない。
で。
当然あの頃はキャディバッグを担いでラウンドしていたので、相当きつかった。
新人の男女ももし担ぎじゃなかったらもう少しまともなスコアで回れたかもしれないが、学生ゴルフなので仕方がない。
コースを使わせてもらっている、という感覚である。
私がいた頃は夏に2回合宿をやっていて、1年生はこの夏合宿がデビュー戦になる。
担ぎで、バックティから回るので当然のごとく1年生はロクなスコアが出ない。
でも朦朧としながらも先輩からラウンドマナーやルールを、ラウンドしながら覚えなければならない。
今から思えばやりすぎ感が強かった。だって朝4時に起きて朝ごはんまでに1.5ラウンドぐらいラウンドするんだから。
で。
突如若干話が変わるが、オジさん用語で3オン2パットの事を「3年2組」とか言ったりすることがあって
とある新人が社会人の先輩とラウンドしたときに、この用語を覚えてしまった。
その翌日私のドローに彼がいたのだが、あまり練習に来ていなかったせいもあってスコアはボロボロであった。
とあるホールで彼に私がスコアを聞いたところ

「はい。23年5組です」

...そんな言い方する必要ないのよ。
もぅ。素直なんだから...。
そんな彼も今は読売テレビのアナウンサー。
卒業してから1回もあっていないが、頑張っているのだろうか。
と、思ったら自分と会社のブログに写真付きで載ってんじゃん!!
ちょっと太ったな。
あ、彼も大学でゴルフをやっていたことは伏せてんのね。
内緒にしておいてあげよう。今や彼は有名人なんだから。