ポイ

(商品市況概況)
「ひとまず小休止」
 昨日のコモディティ価格は貴金属を除いて軒並み上昇した。注目のG7での合意内容は略事前の予想通りの内容であったが、注目の三菱UFJによるモルスタへの出資が前倒し完了したことや、欧州・オセアニアの政府・金融当局が預金者保護や銀行間取引の保証を行っていること、ドルが無制限に市場に供給される状態になったことから「機能不全」に陥っていた金融市場が回復する過程で買い喪阻止が優勢になったようだ。
 これによって一時期の超悲観的な状況からは脱したものと見られるが、今後は「実態経済の悪化に伴う、事業法人の公的資金による支援」が取り沙汰されることになると考える。市場は常にわかり易い答えにしか反応しないものである。
 よって、今後のコモディティ相場を見通す上でのポイントは実体経済の悪化、すなわちファンダメンタルズを重視する流れに移っていくものと思われる。ただし引き続き、政治がボールを握っている状況には変りはない。

(経済関連ニュース)
・Q308シンガポールGDP 前期比▲6.3%(前期改定▲5.7%)。リセッション入りへ。
・9月米輸入物価指数 前月比▲3.0%(前月改定▲2.6%(速報比+1.1%))、市場予想▲2.8%。
・9月中国貿易黒字 過去最高の293億?(前年比+21.5%)。米国外の輸出が好調。
・9月英PPI 前月比▲0.3%(前月改定▲0.7%(速報比▲0.1%))、市場予想▲0.4%。
三菱UFJグループ、モルガンスタンレーへの優先株による出資払込を終了。
麻生首相が金融強化法の復活検討を指示。
・英政府 RBS,HBOS,ロイズグループに対し総額370億ポンド(6兆5,000億円)を出資。バークレイズはこれを拒否。
FRB,ECB,イングランド銀行スイス国立銀行はドル資金を無制限に供給することで合意。
・米政府、シティ、ウェルズファーゴJPモルガン、バンカメ、ゴールドマン、モルガンスタンレー、ステート・ストリート・バンクなどに対して総額2,500億ドルのうちの半分の資本注入を実施する見通し。

・ドルは対ユーロで大幅に下落。欧州首脳が銀行間借り入れの政府保証、信用市場の破綻に繋がる可能性がある企業破綻の防止で合意したことが好感された。対円では大幅に上昇。週末のG7を受けて具体的に金融機関への資本注入を含めた金融市場安定化策と、欧州では企業支援策が打ち出されていることなどが好感され、株価が大きく上昇したため。
日本株は先週末暴落。大和生命の破綻や、欧米株の下落が嫌気され、大幅な下落となり9,000円を大きく割り込み8,000円割れ寸前まで水準を切り下げた。アジア、欧米株は大幅に上昇。週末のG7を受けて具体的な行動が取られる中、注目の三菱UFJによるモルガンスタンレーへの出資が予定通り行われたことや、欧州では英政府が大手英銀行に対して資本注入を行ったことなどが好感された。とりあえず、であるが一時期の最悪期からは脱した感じがある。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は上昇。各国中央銀行、政府の金融安定化策を好感し、今まで売り込まれてきたコモディティや株に買い戻しが入ったため。イールドカーブは期先の上げ幅が大きい。
・トウモロコシ価格も上昇。各国政府、中央銀行の金融安定化策が奏功、株価が安定を取り戻したことなどが好感された。イールドカーブは期先の上げ幅が大きい。
・小麦価格も大幅に上昇。材料は他のコモディティと同じく、金融安定化策を好感した買いが入って上昇した。ただし10日移動平均線を上回るまでの上昇とはなっていない。イールドカーブの形状はパラレルに上昇。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は下落。各国金融安定化策が具体的に実行される中、質への逃避で物色されていた金は手仕舞い売りに押されることとなった。但し、引き続き予断は許さない環境が続いている。
 今後については、1990年台以降、最も急速な速度で進行するドル高が金価格の下押し材料になることが予想されるが、米景気の悪化と金利の引き下げ観測の強まりもあってこのままドルが一本調子で強含むことは考えにくく、一定の下支え効果をもたらすと予想する。当面は上にも、下にも行きにくい相場展開になるのではなかろうか。
 NY銀は小幅上昇。金は下落したが、工業用品としての色彩の強い銀は、株の上昇やその他の経済状況の安定が素直に買い材料視された。"
 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが137,672(前週比 ▲3,354)、ショートが26,059(前週比 +2,819)となったことから、ネットで111,613(前週比 ▲6,173)となった。銀はロングが28,882(前週比 ▲3,354)、ショートが11,783(前週比 +2,819)となったことから、ネットで18,595(前週比 +113)となった。

・NYプラチナは下落。金融安定化策実行の影響で各国株価が安定を取り戻し、各国通貨も落ち着きを取り戻したことなどから金が下落、プラチナも連れ安となった。これにより1,000?を下回るレベルでの推移となっている。
 急速に進行するドル高と経済状況の悪化を受けて、プラチナ価格を前回見通しから修正した。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考える。世界経済への影響が大きい米景気の悪化、GM、フォードといった自動車産業の景況感悪化に反映される自動車販売の減少に伴う触媒需要の減少観測を受け、このコラムで指摘してきた需要減少のリスク要因の影響が大きくなってきている状況であるためだ。引き続き、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えているが、供給不足は地上在庫で相殺されることとなろう。長期的な観点に立った場合、米当局が環境面に配慮しディーゼル車の使用を推進、普及率を引き上げる見通しであり、AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。
 NYパラジウムは上昇。価格下落に伴いプラチナの代替品としての需要が増加するとの期待感から買われた。今後パラジウムの価格は軟調に推移すると考えているが、中期的には地合いは改善すると見ている。環境規制の高まりから引き続きプラチナ・パラジウムの需要は堅調に推移すると見られるためである。しかしながら、チューリッヒ、ロシア、その他の地区の地上在庫が各々8百万オンス、10百万オンス、2百万オンス程度あると見られることや、ドルが上昇サイクルに入っていることが価格の上昇を抑えることになろうか。

・上海銅、値幅制限一杯の上げ。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計市場予想 原油+2.6MB、ガソリン+3.0MB、ディスティレート+0.5MB、稼働率+2.9%

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は上昇した。G7における金融市場安定化に向けた各国の協調が確認され、具体的な行動が取られ始めていることや注目の三菱UFJのモルスタへの出資が完了したこと等が好感され、株高を受けて銅も買い戻しが優勢となった。コストベースと考えられる5,000?を下回るレベルでは、金融市場が安定していればさすがに買いなのであろう。市場は金融機関の危機問題が一旦回避されたため落ち着きを取り戻そうとしているが、次は企業経営事態の悪化懸念で公的資金の使用が取り沙汰されることになろう。引き続き、政治要因が相場を撹乱することになると考える。ファンダメンタルズに立ち返れば、コンセントレートの継続的な不足や中国の需要が高い固定資産投資に見られるように堅調であること、価格の下落と景気の悪化に伴う供給者の供給不足発生の可能性など、実は需給はタイトであることは忘れてはなるまい。LME在庫は▲75Mt減少、(FSCは4.0日)、(キャンセルワラント率は4.7%)。売買高は10,672枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近が上昇したが、カーブ形状は完全にコンタンゴに戻った。C-3(Cash vs 3M Fwd)は79?バックとバック幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は上昇した。材料は他の金融商品全般と同じく、G7を受けて各国中央銀行、政府が金融安定化策を実行に移し始めたことが好感されたためである。これにより、週末の大幅下げから一転買い戻しが優勢となった。今後に関しては、金融危機が一旦回避はされたものの、足許の価格下落で多数の生産者がコスト割れになっていると見られ、一定の価格下支え効果が期待される。しかしながら亜鉛が供給不足に陥るのは2010年頃からと予想している。LME在庫は▲575Mt減少、FSCは5.0日(キャンセルワラント率は3.0%)。売買高は3,013枚。イールドカーブは期近が上昇し、ブルフラットニングしている。C-3は40?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は上昇した。G7での合意事項が実行に移されつつある中、金融市場の安定化を背景として鉛も上昇することとなった。但し鉛はLME在庫の減少に象徴されるようにファンダメンタルズが他の非鉄よりも強く、金融クライシス時にもさほど下落していなかったことから上げ幅も限定された。今後も景気の悪化とともに自動車向け需要が減退すると予想されるものの、カーバッテリーや電気自動車といったバッテリー需要が今後も堅調に推移すると見られることから、他の非鉄金属比では割高に推移すると考える。LME在庫は▲550Mt減少、(FSCは2.6日、キャンセルワラント率は12.4%。)。売買高は1,182枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに大幅に上昇している。C-3は2?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のアルミ価格は上昇した。G7を受けた各国中央銀行、政府の金融安定化策が徐々に実行に移されていることが好感された。原油価格もこうした金融安定化策を好感して上昇したため、アルミはさらに上昇することとなった。しかし、10日移動平均線レジスタンスを上抜けすることはできず、比較的狭いレンジでのもみ合いとなった。今後は金融クライシスは一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。また、生産者の価格下落リスクヘッジのための期先の売りが予想されるため、カーブはフラットニングすると考えている。引き続き、政治・金融当局対応を巡って神経質な相場展開にならざるを得ない。LME在庫は+2,575Mt増加、(FSCは12.2日)。(キャンセルワラント率は1.2%)。売買高は8,449枚。イールドカーブは略パラレルに上昇。C-3は62?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は上昇した。G7を受けた各国の金融安定化策実行が好感され、株価が上昇したことなどを材料にニッケルも買い戻しが優勢となった。但しLME在庫が大幅に増加していることもあって、10日移動平均線を上回って上昇するまでの力強さは見られない。LME在庫は+1,344Mt増加、(FSCは13.1日)、キャンセルワラント率は2.4%。売買高は1,323枚。イールドカーブはパラレルに上昇している。C-3は240?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は上昇した。週末のG7を受けた金融安定化策の実行を受けて、株価が反発したことが材料視された。インドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中、需給はタイトであり、株価の著しい下落に歯止めが掛かれば価格は上昇し易い。しかしながら世界景気が悪化しているのは一つ事実であるため、戻りは弱くなろう。LME在庫は▲60Mt減少、(FSCは5.4日)、キャンセルワラント率は10.96%。売買高は383枚。イールドカーブはパラレルに上昇している。C-3は50?バックとコンタンゴからバックに転じた。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は上昇した。週末開催されたG7での行動計画が欧州、米州で実行に移されつつあることや欧州の銀行間取引の政府保証実施等が交換された。市場が注目していた三菱UFJのモルスタへの出資が完了したことも金融安定化を背景に買い材料となった。先週〜今週初に掛けてはファンダメンタルズ材料は殆ど材料視されていない。イールドカーブは期近を中心に上昇している。Brentも同様に上昇している。直近限月の騰落率はWTIは+4.1%、Brentは+4.2%。
 石油製品も上昇。RBOBも原油の反発を受けて大幅に上昇した。金融不安を背景としたリクイデーションの流れを受けた下落であったことから、買い戻しが優勢となった。イールドカーブは全ゾーン略パラレルに上昇している。直近限月の騰落率は+5.5%。ヒーティングオイルも上昇。金融安定化策を好感した株の上昇もあって寄付きから前日比プラスで寄り付き上昇した。イールドカーブは期近の上げ幅が若干大きいようだ。直近限月の騰落率は+5.3%。ICEガスオイルは期近のみ下落。イールドカーブは期先は略パラレルに上昇。直近限月の騰落率は▲6.0%。

(ひとりごと)
連休中、ショックなことがあった。

子供のために自分で作って、気に入って使っていた茶碗がある。
茶碗の外側と内側に魚の絵が描いてあって
(サメ、マンボウ、ふぐ、かつお、かに、等)
我が子もとても気に入っており、ご飯の時には自分からその茶碗を出して

「ごはん、ごはん」

といっていたのだが、突如

「ぽいー」

といって茶碗を投げ出し
木っ端微塵に砕け散ってしまった


...お前。あんなに気に入っていたのに、何で突然ポイするの...(涙)
その後割れた茶碗を拾っていたら

「パパ、くっつけるー」

と、言うのだが、くっつける、っていったらタカをくくりそうなので

「くっつけられないね」

といったら、大泣き。
やっと事態が分かったらしい。
時として子供は理解を超えることをするのだが
これでものを投げたら壊れる、ということを学んでもらえばそれでよしとするか...
と、思ったらカミさん。

「これで3度目よ」

...作り直すの止めようかしら