ごめんなさいは?

(商品市況概況)
中国経済統計は然程悪くなかったのでは...?」
 昨日のコモディティ価格はまちまち。エネルギーはOPECの減産観測を受けて上昇し、非鉄金属は中国景気の鈍化懸念とドル高の進行で売られた。
 メディアでは「中国の景気の急減速」と報じているが、本当にそうなのだろうか?依然、この環境の中で9%の経済成長率を維持しているのにである。鉱工業生産、固定資産投資の水準も高い。実際、以前程の力強さを中国経済に感じないのは事実であるが、米国をはるかに越える人口を抱える中国の内需が景気を牽引する可能性が高いと考えるべきだろう。
 商品価格の下落が止まるためには、世界景気の悪化に歯止めが掛かることが重要であるが、その重要な役割を中国が担っていることに略間違いはなく、私は昨日の統計を見るに「そこまで悲観するほどではないのではないか」という思いを抱き始めている。とはいっても引き続き、中国関連統計から目が離せない、手放しで「中国は大丈夫」といえる状況でないのも事実なのだが。

(経済関連ニュース)
FRBバーナンキ議長「追加財政措置の検討を指示する。年末に掛けて米経済見通しは暗い」
・1-9月中国GDP 前年比+9.9%(1-6月 +10.4%)。Q308GDP 前年比+9.0%(前期+10.1%)。
・9月中国CPI 前年比+4.6%(前月+4.9%)。
・1-9月中国固定資産投資前年比+27.6%(1-6月 +27.4%)。引き続き堅調。
・9月中国鉱工業生産 前年比+11.4%(前月+12.8%)。
・9月中国小売売上高 前年比+23.2%(前月+23.2%)。
・9月独PPI 前年比+8.3%(前月改定+8.1%)、市場予想+7.5%。
・9月米景気先行指数 前月比+0.3%(前月改定▲0.9%(速報比▲0.4%))、市場予想▲0.1%。
・Q308ニュージーランドCPI 前年比+5.1%、市場予想+5.1%。

・ドルは対ユーロで上昇。バーナンキ議長の追加財政政策支持の発言や、断続的なドル需給の逼迫が材料。株の戻りも好感されたようだ。ドルは対円でも上昇。株式市場が一旦安定を取り戻す中、円は売られた。
日本株は続伸し、9,000円台を回復。価格が大幅に下落する中値ごろ感からの買いが入ったようだ。米株は上昇。バーナンキ議長の追加経済対策支援のコメントを受けて値ごろ感からも買いが入った。OPEC減産観測で原油価格が反発していることからエネルギー関連株も買われたようだ。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は上昇した。金融システム安定化策や、追加経済対策期待などで。年初来安値圏にあったことも買いを誘ったようだ。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇。
・トウモロコシ価格も上昇。大豆と同様、金融システム安定化策と追加経済対策期待が相場を押し上げた。イールドカーブはパラレルに上昇している。
・小麦価格は小幅下落。10月16日の週の米国の小麦輸出が前週の24.4百万Mtから16.1百万Mtと大幅に減少したことなどが、海外向け輸出の減少観測(ドル高も影響)を醸成、小麦価格は10日移動平均線を上値に冴えない展開が続いている。イールドカーブの形状はパラレルに低下。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は小幅上昇。取引序盤は上昇していたものの、NY時間にかけてのドル高の進行や株価の上昇を受けて金にも換金売りが入り、引けに掛けて上げ幅を大幅に削る展開となった。
 今後については、1990年台以降、最も急速な速度で進行するドル高が金価格の下押し材料になることが予想されるが、米景気の悪化と金利の引き下げ観測の強まりもあってこのままドルが一本調子で強含むことは考えにくく、一定の下支え効果をもたらすと予想する。当面は上にも、下にも行きにくい相場展開になるのではなかろうか。
 NY銀は大幅に上昇。バーナンキ議長の追加経済対策支持やこれを受けた株価の上昇を受けて、銀は上昇することとなった。"
 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが131,093(前週比 ▲6,579)、ショートが24,268(前週比 ▲1,791)となったことから、ネットで106,825(前週比 ▲4,788)となった。銀はロングが28,140(前週比 ▲6,579)、ショートが11,218(前週比 ▲1,791)となったことから、ネットで18,546(前週比 ▲1,473)となった。

・NYプラチナは上昇した。バーナンキ議長の追加景気支援策支持発言を受けた株価の戻りを交換し、値ごろ感からも買いが入ることとなった。足許10日移動平均線を上値としてだらだらと水準を切り下げる動きが続いている。
 急速に進行するドル高と経済状況の悪化を受けて、プラチナ価格は大幅に低下している。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考える。世界経済への影響が大きい米景気の悪化、自動車産業の景況感悪化に反映される自動車販売の減少に伴う触媒需要の減少観測を受け、このコラムで指摘してきた需要減少のリスク要因の影響が極めて大きくなってきている状況であるためだ。引き続き、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えているが、供給不足は地上在庫で相殺されることとなろう。長期的な観点に立った場合、米当局が環境面に配慮しディーゼル車の使用を推進、普及率を引き上げる見通しであり、AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。
 NYパラジウムも小幅高。今後パラジウムの価格は軟調に推移すると考えているが、中期的には地合いは改善すると見ている。環境規制の高まりから引き続きプラチナ・パラジウムの需要は堅調に推移すると見られるためである。しかしながら、チューリッヒ、ロシア、その他の地区の地上在庫が各々8百万オンス、10百万オンス、2百万オンス程度あると見られることや、ドルが上昇サイクルに入っていることが価格の上昇を抑えることになろうか。

(エネルギー関連ニュース)
・IEA田中事務局長「OPEC減産実施なら、景気低迷の長期化に繋がる可能性も」
OPECヘリル議長「世界経済の減速に伴う需要減少で、OPEC加盟国が1.0〜2.0MBDの減産で合意する可能性がある。減産のコンセンサスはあるものの、規模についてはまだ合意していない」

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。中国のGDP成長がスローダウンしたことが材料視された、と報道されているがむしろ中国GDP発表直後、価格は上昇しておりむしろ欧州時間早朝からのドル上昇が相場に影響を与えたようである。また、LME在庫の増加といったマイナス材料もあって、期近が低下し期先が上昇する展開となった。とはいっても経済状態に大きな変化がない中、カーブプレイで期近が低下、期先が上昇した感じである。ファンダメンタルズに立ち返れば、コンセントレートの継続的な不足や中国の需要が高い固定資産投資に見られるように堅調であること(世に言われているほど、中国の経済指標が悪いとは思わない)、価格の下落と景気の悪化に伴う供給者の供給不足発生の可能性など、需給がタイトなままである可能性が高いことは忘れてはなるまい。LME在庫は+950Mt増加、(FSCは4.2日)、(キャンセルワラント率は4.9%)。売買高は7,188枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近が低下、ツイストする形でスティープニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は31?バックとバック幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は下落した。中国のGDPがスローダウンしたことが材料視された、と言われているがむしろ昨日についてはGDPはプラスに働き、後のドル上昇が材料視されたように見える。今後に関しては、足許の価格下落で多数の生産者がコスト割れになっていると見られ、一定の価格下支え効果が期待されるものの、実態経済の悪化観測を受けて株価が暴落している環境下センチメントは良いとは言えず、しばらくは下値余地を探る展開にならざるを得ないだろう。亜鉛は供給不足に陥るのは2010年頃からと予想している。LME在庫は▲75Mt減少、FSCは5.2日(キャンセルワラント率は2.7%)。売買高は4,696枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに小幅低下している。C-3は49?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は下落した。取引序盤は中国GDPがさほど悪い内容出なかったことから上昇したものの、欧州時間にかけてドルが強含んだことが嫌気され、鉛は売られることとなった。しかし下げ幅は限定されているとの印象は変らない。このコラムで指摘しているが、車の保有台数が増加していることや、電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要が旺盛であり、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズが強く、株等の周辺材料が落ち着けば買いが入り易い非鉄であるのも事実である。LME在庫は▲950Mt減少、(FSCは2.5日、キャンセルワラント率は17.7%。)。売買高は917枚。イールドカーブはパラレルに低下している。C-3は16?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は下落した。中国GDPのスローダウンをむしろ市場は「さほど悪くない」と捉えた模様であり、相場は統計発表後にジリ高の展開となったが、欧州時間のドル強含みとLME在庫の増加が材料視され、NY時間にかけて水準を大きく切り下げる動きとなった。中国統計発表後に10日移動平均線を上抜け仕切れなかったことも下げを助長したようだ。今後は金融クライシスは一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。また、生産者の価格下落リスクヘッジのための期先の売りが予想されるため、カーブはフラットニングすると考えている。引き続き、政治・金融当局対応を巡って神経質な相場展開にならざるを得ない。LME在庫は+5,100Mt増加、(FSCは13.2日)。(キャンセルワラント率は1.0%)。売買高は8,434枚。イールドカーブは略パラレルに低下。C-3は61?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のニッケル価格は下落した。中国GDPがさほど悪い内容ではなかったことや、株高、ドル高の進行といった強弱材料が混在する中、方向感が出にくい相場展開となった。LME在庫は▲132Mt減少、(FSCは14.2日)、キャンセルワラント率は1.5%。売買高は756枚。イールドカーブはパラレルに小幅低下。C-3は223?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は下落した。中国のGDPは余り売り材料にも買い材料にもならなかったようであるが、欧州時間早朝から始まったドル高の進行が相場を下押しすることになったようだ。但し、LME在庫の減少やキャンセルワラント率の高まりイ、ンドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中需給はタイトであり、他の非鉄金属と比してもファンダメンタルズは強く、一本調子の価格下落には余り賛同できない。しかし、不安定な株価動向や経済統計の悪化等の影響で下落に歯止めが掛からず、結局軟調な推移となってしまっている。LME在庫は▲40Mt減少、(FSCは4.9日)、キャンセルワラント率は15.48%。売買高は421枚。イールドカーブはパラレルに低下している。C-3は120?バックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は反発した。OPECが総会を来週に前倒して開催し、1.5〜2.0MBDの生産削減を行う方向性であることが示されたことが買い材料視された。7月から始まった価格急落の中で初めて出てきた明確に需給に影響を与える買い材料なので、市場は素直に反応することとなった。中国のGDPがさほど悪い内容ではなかったことも支援材料になったようだ。しかしその後、欧州時間にドルが強含んだことから一旦下値を試す展開となり、その後バーナンキ議長の追加景気策支持発言を受けて株価が上昇したことから、エネルギー価格も上昇するに至っている。但し、景気減速に伴う需要減少観測から上値も重く10日移動平均線を上抜けて上昇する地合いではなかった。イールドカーブは全ゾーン略パラレルに上昇している。Brentも同様に、OPECの減産で上昇している。直近限月の騰落率はWTIは+3.1%、Brentは+3.3%。
 石油製品も上昇。RBOBは取引序盤から堅調な推移であったが、欧州時間〜NY時間に掛けてはドル高を受けて軟調に推移、その後の株価の反発に伴う原油の上昇を受けて上昇することとなった。イールドカーブは期先を中心に全ゾーン上昇している。直近限月の騰落率は+3.0%。ヒーティングオイルも上昇。イールドカーブは期近の上げが大きい。直近限月の騰落率は+3.4%。ICEガスオイルも上昇。イールドカーブは期近の上げが大きい。直近限月の騰落率は+1.9%。

(ひとりごと)
この前、我が子が魚の絵を書いた、私の自作の茶碗を割ってしまった話をしたと思う。

昨日、体調が悪くて早退させてもらったのだが、おかげで久しぶりに我が子と夕飯を一緒に食べることができた。
この年齢の子供(1.5歳)の会話は連想ゲームである。
一つ言った言葉に関連する言葉を思い出して、次々といろいろな言葉が出てくるのだ。

で。

茶碗を見て。

「われちゃったね」

おお、覚えているのか。
と、思ったら

「ごめんなさいは?」

...あのね。君がごめんなさい、って言わなきゃならないのよ(がっくり)。
体調悪かったせいもあるが、非常にヘコむ夕飯であった。