(商品市況概況)
「景気悪化のストッパー」
昨日のコモディティ価格は軒並み買戻しによって上昇することとなった。個別の材料が出てくる商品もそれなりにあるのだが、はっきり言って株価が低迷し、信用収縮が本格的に発生している中、あらゆる個別材料は焼け石に水、の感は否めない。昨晩発表された米住宅関連統計は惨憺たる有様であったが、「どんな指標が出ても皆、驚かない状態」「良い材料が出た場合にその材料に対して懐疑的になる」、価格にとって負のスパイラルに入っているようだ。
原油の価格はこうした景気の悪化とセンチメントの悪化を受けて大幅に調整しており、とうとうOPECが減産にむけて動き出さんとしている。しかし、OPECが価格に対して強気のオペレーションを取れるのは世界GDP成長率が3.0%を上回っているときのみであり、恐らく今回減産を行ったとしてもその価格下支え効果は殆ど見込めないだろう。
今後はどこの国、どこの地区が「景気悪化のストッパー」になれるのか、ということが注目されることになると考えるのだが、いろいろな状況を勘案するに、恐らく中国がストッパーの最右翼であろう。今後は中国関連の統計を慎重に分析して行く必要性があると考える。
いずれにしても世界経済が深刻なデフレに入らないことを祈るばかりである。皆さんご存知の通りインフレよりもデフレの方が厄介なのだから。
(経済関連ニュース)
・9月米CPI 前月比変わらず(前月改定▲0.1%)、市場予想+0.1%。コア指数 前月比+0.1%(前月改定+0.2%)、市場予想+0.2%。
・米週間新規失業保険申請者数 前週比▲16千人の461千人(前週改定 477千人(速報比▲1千人))、市場予想470千人。
・9月米鉱工業生産 前月比▲2.8%(前月改定▲1%(速報比+0.1%))、市場予想▲0.8%。稼働率76.4%(前月改定78.7%)、市場予想77.9%。
・8月対米証券投資 140億?の買い越し。
・10月米フィラデルフィア連銀指数 ▲37.5(前月3.8)、市場予想▲10.0。
・10月米NAHB住宅指数 14(前月改定17(速報比▲1))、市場予想17。
・9月日本工作機械受注 前年比▲20.1%(前月改定▲13.9%)。
・9月米住宅着工 前月比▲6.3%の81.7万戸(前月改定87.2万戸(速報比▲2.3万戸))、市場予想87.2万戸。住宅着工許可件数78.6万戸(市場予想84万戸)。
・10月米消費者マインド指数 57.5(前月改定70.3)、市場予想65.0。
・白川日銀総裁「世界経済が大きく下振れすれば、日本にも大きな影響。物価上昇には引き続き注意。日本の金融システムは全体として安定した状態を維持。建設不動産の倒産を背景とした信用コストは増加傾向にある。物価の上昇リスクが存在する中、景気の下振れリスクが高まっており、引き続き上下双方向のリスクに対処しなければならない」
・ドルは対ユーロで下落。米経済統計が悪化する中、バーナンキ議長が先々の利下げについて言及していることや、週末を控えたポジション整理などに押される形で小幅ドル安となった。対円でドルは大幅に上昇。略毎日チョッピーな展開が続いている。
・日本株は反発。連日の暴落に伴い絶対水準の低さに着目した買いが入ったようだ。また原油価格が景気悪化の影響で大幅に調整していることから電力・ガス、製造業全般に買いが入った。米株は下落。米経済統計が悪化していることを受けて幅広く売られた。前場はウォーレンバフェット氏の「株式買い推奨」コメント(個人的に私は株を買っている。相場が貪欲なときは警戒し、相場が貪欲でないときには積極的に)を受けて強含んでいたのだが、経済統計の大幅悪化がこれを圧倒した。
(穀物市場サマリー)
・大豆価格は上昇した。大豆の週間輸出が1百万Mtを超える増加となり、市場予想を大きく上回ったことが材料視された。ただし10日移動平均線で上値を抑えられており、極めてテクニカルな上昇であったといえる。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇。
・トウモロコシ価格も上昇。大豆と同様、輸出量が大幅に増加したことが材料視された。ただしこちらも大豆と同様に短期的な材料であることから10日移動平均線を上回る上昇とはなっていない。イールドカーブはパラレルに上昇している。
・小麦価格も上昇。こちらの輸出統計は予想を下回る内容であったものの、大豆やトウモロコシの上昇、OPECの減産観測に伴う原油価格の上昇等が材料視されたようだ。ただし10日移動平均線を上回って上昇するほどの力強さは当然なく、小幅な上昇に留まっている。イールドカーブの形状はパラレルに上昇。
(非鉄金属関連ニュース)
・NY金は下落。株価の低迷が続く中、資金を確保する動きで金は売られている。また、素材価格が景気後退に伴う需要減少観測から大幅に調整しており、「インフレリスクヘッジ商品としての金」の需要が減少していることも相場の下押し材料となっている。また金ETFの換金売りも株式市場の低迷によって発生しており、様々な要因で金も調整を余儀なくされている。この下落によって金は一目均衡表の雲を下に突き抜けており、750?ラインが意識されることになった。
今後については、1990年台以降、最も急速な速度で進行するドル高が金価格の下押し材料になることが予想されるが、米景気の悪化と金利の引き下げ観測の強まりもあってこのままドルが一本調子で強含むことは考えにくく、一定の下支え効果をもたらすと予想する。当面は上にも、下にも行きにくい相場展開になるのではなかろうか。
NY銀は大幅に下落。経済統計の悪化に伴う景気悪化を受けて、資金確保ならびに需要減少に伴う買い意欲の低下によって水準を切り下げる動きとなっている。足許10日移動平均線が上値として意識されている。"
先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが131,093(前週比 ▲6,579)、ショートが24,268(前週比 ▲1,791)となったことから、ネットで106,825(前週比 ▲4,788)となった。銀はロングが28,140(前週比 ▲6,579)、ショートが11,218(前週比 ▲1,791)となったことから、ネットで18,546(前週比 ▲1,473)となった。
・NYプラチナは下落した。売買高を伴っているわけではないが、夜間に発表された米経済統計の悪化を受けた株価の調整といったマイナス材料を受けて力なく水準を切り下げる動きが継続している。足許10日移動平均線を上値としてだらだらと水準を切り下げる動きが続いている。
急速に進行するドル高と経済状況の悪化を受けて、プラチナ価格は大幅に低下している。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考える。世界経済への影響が大きい米景気の悪化、自動車産業の景況感悪化に反映される自動車販売の減少に伴う触媒需要の減少観測を受け、このコラムで指摘してきた需要減少のリスク要因の影響が極めて大きくなってきている状況であるためだ。引き続き、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えているが、供給不足は地上在庫で相殺されることとなろう。長期的な観点に立った場合、米当局が環境面に配慮しディーゼル車の使用を推進、普及率を引き上げる見通しであり、AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。
NYパラジウムは小幅高。特段材料があったわけではないが、10日移動平均線近辺で冴えない展開となっている。今後パラジウムの価格は軟調に推移すると考えているが、中期的には地合いは改善すると見ている。環境規制の高まりから引き続きプラチナ・パラジウムの需要は堅調に推移すると見られるためである。しかしながら、チューリッヒ、ロシア、その他の地区の地上在庫が各々8百万オンス、10百万オンス、2百万オンス程度あると見られることや、ドルが上昇サイクルに入っていることが価格の上昇を抑えることになろうか。
・ブラジルVale、2009年の事業継続と拡張に向けて142億?を投資する計画であることを発表。
・9月日本国内アルミ在庫 前月比+4.2%の255.6KMt(丸紅調べ)
(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油+5.6MB(市場予想+2.6MB)、ガソリン+7.0MB(+3.0MB)、ディスティレート▲0.5MB(+0.5MB)、稼働率+1.3%(+2.9%)。
・OPEC、11月に予定されていた総会を来週に前倒しすることを決定。価格の著しい下落に対し、価格維持政策が議論されるものと見られる。
(非鉄金属)
昨日の銅価格は上昇した。金融危機は回避され、実態経済に焦点が当たる中実際に経済統計が悪化、株価の下落が続いているものの、価格の急落に伴う生産者の体力低下、新規鉱山案件の停滞、生産停止といった供給面のマイナス材料もクローズアップされるため、週末を控えて銅には買い戻しが入った。上海在庫が9,000Mtを上回る増加となっていたのだが、材料にはならなかった。ファンダメンタルズに立ち返れば、コンセントレートの継続的な不足や中国の需要が高い固定資産投資に見られるように堅調であること、価格の下落と景気の悪化に伴う供給者の供給不足発生の可能性など、需給がタイトなままである可能性が高いことは忘れてはなるまい。LME在庫は▲575Mt減少、(FSCは4.0日)、(キャンセルワラント率は5.1%)。売買高は10,364枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは略全ゾーンパラレルに上昇しているが、期先の上げ幅が大きいようだ。C-3(Cash vs 3M Fwd)は59?バックとバック幅を縮小した。
昨日の亜鉛価格は上昇した。景気悪化を背景とする株化の下落や需要減少観測を受けて水準を切り下げていたが、信用収縮懸念や価格の急落に伴う生産調整観測を受けて「値ごろ感」から買いが入ったため前日比プラスとなった。今後に関しては、足許の価格下落で多数の生産者がコスト割れになっていると見られ、一定の価格下支え効果が期待されるものの、実態経済の悪化観測を受けて株価が暴落している環境下センチメントは良いとは言えず、しばらくは下値余地を探る展開にならざるを得ないだろう。亜鉛は供給不足に陥るのは2010年頃からと予想している。LME在庫は▲200Mt減少、FSCは5.1日(キャンセルワラント率は2.7%)。売買高は6,509枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇している。C-3は46?コンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。
昨日の鉛価格は上昇した。取引序盤は連日の株価下落を受けたセンチメントの悪化から下げ余地を探る動きとなったが、欧州時間にはいってからのLME在庫の大幅減少とキャンセルワラント率の上昇を受けて上昇に転じた。このコラムで指摘しているが、車の保有台数が増加していることや、電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要が旺盛であり、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズが強く、株等の周辺材料が落ち着けば買いが入り易い非鉄であるのも事実である。LME在庫は▲1,650Mt減少、(FSCは2.5日、キャンセルワラント率は15.1%。)。売買高は2,149枚。イールドカーブは期先を中心に上昇し、ブルスティープニングしている。C-3は12?コンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。
昨日のアルミ価格は上昇した。価格の絶対水準の低さから、寄り付きから前日比プラスで寄り付き、10日移動平均線のレジスタンスを試す動きとなった。しかし昨日は欧州でLME在庫が大幅に増加したことから欧州時間に掛けて下落、NY時間にOPECの減産観測や週末を控えたポジション調整と思われる買いで原油価格が上昇したため、引けに掛けては水準を切り上げ、結局行って来いとなり、前日比プラスで引けることとなった。結局、現在のコモディティ市場は1にも2にも株価動向である。今後は金融クライシスは一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。また、生産者の価格下落リスクヘッジのための期先の売りが予想されるため、カーブはフラットニングすると考えている。引き続き、政治・金融当局対応を巡って神経質な相場展開にならざるを得ない。LME在庫は+11,800Mt増加、(FSCは12.9日)。(キャンセルワラント率は1.0%)。売買高は9,568枚。イールドカーブは略パラレルに上昇。C-3は62?コンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。
昨日のニッケル価格は上昇した。その他のコモディティと同様、非常に区切りの良い10,000?がとうとう視野に入る中、LME在庫の減少もあって買い戻しが優勢となった。とはいっても前日比本当に小幅な上昇である。LME在庫は▲312Mt減少、(FSCは12.9日)、キャンセルワラント率は1.4%。売買高は1,385枚。イールドカーブの形状は略変わらず。C-3は215?コンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。
昨日の錫価格は下落した。各国株価の暴落で水準を大幅に切り下げてきたが、昨日は前日比大幅プラスで寄り付いた後略一環して水準を切り下げる動きとなった。LME在庫の減少やNY時間にはいってからの各商品価格の上昇は殆ど材料にされておらず、錫はわが道を行く相場展開であった。尚昨日は出来高も伴った価格下落である。インドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中需給はタイトであるものの、株価の著しい下落に歯止めが掛からず、結局軟調な推移となってしまっている。LME在庫は▲145Mt減少、(FSCは4.9日)、キャンセルワラント率は13.39%。売買高は527枚。イールドカーブはパラレルに低下している。C-3は40?バックとバック幅を拡大した。
(エネルギー)
昨日のNY原油は反発した。OPECが総会を来週に前倒して開催すると報道されたことから原油生産の削減観測が強まり、買い戻しが優勢となった。と、言うよりも70?の節目に価格が近づく中、週末を控えたポジション調整等で小幅上昇したというのが正しい表現だろうか。とはいっても実態経済の悪化を示す経済統計が相次いで発表されており、夏場前の「良い材料と悪い材料がまちまち」といった状態ではなく「出てくる統計全てが悪化」という状況で、株価にとってはマイナス材料、ひいては原油にとっては売り材料が山積している状態である。イールドカーブは全ゾーン略パラレルに上昇している。Brentも同様に、OPECの減産や週末を控えた買い戻し等で上昇している。直近限月の騰落率はWTIは+2.7%、Brentは+2.5%。
石油製品も上昇。RBOBは取引序盤から軟調な推移であったが、OPECの総会前倒し開催等を材料にしてNY時間にかけて小幅上昇して引けた。イールドカーブは期近の上昇が顕著であるが全ゾーン上昇している。直近限月の騰落率は+2.6%。ヒーティングオイルも上昇。イールドカーブは期先の上げが大きい。直近限月の騰落率は+2.1%。ICEガスオイルも下落。イールドカーブは期先の上げが大きい。直近限月の騰落率は+0.5%。
(ひとりごと)
昔流行ったファミリーコンピュータ。
我が家にもあったが、壊れてしまいしばらく持っていなかった。
で。
大学生になったある時、「やっぱりファミコンがやりたい」という兄に連れられ、ファミコンを買った。
兄は相当嬉しかったのだろうか、エレベーターの中でスーパーマリオのテーマを口ずさみながら、跳ねた。
「この人は何でこんなことをするのだろうか?」
と思ったが、身内なので黙っていたのだが、このジャンプによって突如エレベーターが停止した。
「・・・・」
何で跳ねたのあんた。
結構ね。
エレベーターが止まると焦るんですよね。
実際経験してみて初めてわかったんですが。
その時に、どうでもいい事を結構考えたりする。
やっぱり消防署とか来るんだろうか?
とか
いや、やっぱりエレベーターの保守管理の会社?
いや
そもそもこの緊急通話装置ってつながるんだろうか?
とか
エアコンも止まっているので、このまま何時間も放置されると兄弟そろって酸欠で死亡?
とか
もし酸欠で死亡したら、その原因がスーパーマリオにあったとすると、あまりに情けないよな
とか
って、思っているうちに緊急電話取れよ。
と思ったがするするとエレベーターが下がり始めた。
さらに密室であることから余分なことを思い出す
そういえば、エレベーターが落っこちて後で落ちてきたケーブルに胴体が切断されちゃう映画があったな
オーメン最後の闘争だっけ
エレベーターの真ん中に立ってちゃ危ないんじゃないか
...結局何事もなくエレベーターは1階にたどり着き、無事ドアが開いた。
兄弟はスーパーマリオが原因で命を落とさずに済んだ。
時々この話を兄にするが、彼の中では「跳ねたのは私」ということに都合よく話が変わっている。
絶対俺じゃないんだけど(この前初めて、彼はそれを公式に認めたが)
跳ねる場所は考えましょう。