(商品市況概況)
「まちまち」
昨日のコモディティ価格はまちまち。金融政策が奏功し、各国株価は安定を取り戻しているものの、株の戻りを好感した買い戻しで商品価格も上昇していたことから週末を控えたポジション調整の売りに押される形となるコモディティが大半であった。足許、発表されている経済統計はお世辞にも良い、といえるものが少なく総じて世界経済は調整局面入りしているといえ、相場全体に下押し圧力がかかる状況が続いているが、以前の「極端に悲観的な状況」からは脱した、との印象を受ける。今後は欧米主要企業の決算が集中する11月、12月がヤマになると考えるが、この決算期を無事乗り越えることができれば、金融クライシスも沈静化すると期待される。ただし、欧米の多くの人々が極端に悲観的な見方をしており、そう考える人が極端に増加することで強いマイナスのバイアスがかかる可能性はあることは意識しておくべきであろう。
(経済関連ニュース)
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比+17%の476.7、借換指数 前週比+29%の1,489.4、購入指数 前週比+8.5%の279.3。
・9月米製造業耐久財受注 前月比▲1.1%(前月改定▲4.1%(速報比▲1.1%))、市場予想▲1.1%。
・10月独消費者物価指数 前年比+2.5%(前月改定+3.0%)、市場予想+2.6%。
・ブラジル中銀 政策金利は13.75%で据え置き。
・10月ユーロ圏小売業指数 44.3(前月改定46.2)。
・Q308米GDP速報 前期比年率▲0.3%(前期改定+2.8%)、市場予想▲0.5%。個人消費▲3.1%(市場予想▲2.4%)。
・米週間新規失業保険申請者数 前週比変わらず479千人(前週改定470.5千人(速報比+2.5千人))、市場予想475千人。
・FOMC、政策金利であるFF金利を0.5%引き下げ1.0%に。
・日銀、政策金利である無担保コール翌日物金利を0.2%引き下げ、0.3%に。先々の追加利下げに含みを持たせる。市場予想は25bpの利下げ。
・10月独小売売上高指数 前月比▲2.3%(前月改定+1.9%)、市場予想▲1.0%。
・10月ユーロ圏インフレ率速報 3.2%(前月改定3.6%)、市場予想3.2%と一致。失業率7.5%。
・Q308米雇用コスト指数 前期比+0.7%(前期変わらず)、市場予想+0.7%。
・10月米シカゴ購買部協会指数 37.8(前月改定56.7)、市場予想48.0。2001年以降で最低の水準。
・9月米個人消費支出、前月比▲0.3%(前月改定+0.4%)、市場予想▲0.2%。
・10月米消費者マインド指数確定 57.6(速報比+0.1%)、市場予想57.5。前月の70.3から大幅に悪化。
・インド中銀が緊急利下げ。レポ金利を0.5%引き下げ、7.5%に。預金準備率も1%引き下げて5.5%に。
・ドルは対ユーロで続伸。米経済統計は不冴えな内容のものが多いものの、米利下げの影響で株価が堅調に推移していることと、定常的なドル不足の影響で昨日もドルは強含むこととなった。ドルは対円で大幅に上昇。日銀が0.2%の利下げを実施したことが好感され、ドルに買い戻しが入った。
・日本株は大幅に下落。注目の日銀の利下げが20bpに留まった(市場予想は25bp)ことから、連休を控えていたこともあって利益確定の売りに押された。米国株は続伸。週間ベースでは1974年以来の最大の上げ幅となった。住宅市場の悪化の打開を目指してJPモルガンチェースが住宅ローンの条件変更に応じると報じられたことなどが材料になったようだ。
(穀物市場サマリー)
・大豆価格は下落した。米輸出統計は前週比大幅なプラスとなり、価格にとってもポジティブ材料であったが、ドル高の進行や米国景気の減退、収穫時期であることから総じて下押し圧力がかかり易いようである。イールドカーブは期近を中心に低下している。
・トウモロコシ価格も下落。輸出統計の悪化や収穫時期に当たっていることなどから総じて地合いは良いとは言えず、10日移動平均線を下値に軟調な推移となった。イールドカーブはパラレルに低下している。
・小麦価格は下落。輸出統計はプラスであったものの、総じて弱地合いが続いており、10日移動平均線を挟んでの推移となっている。イールドカーブの形状は殆ど変っていない。
(非鉄金属関連ニュース)
・NY金は下落。米利下げの影響で米株式市場が堅調に推移していることや、一時期の極端なドル不安が後退していることから質への逃避先として買われていた金にキャッシュ化の動きが強まった。足許、金はドル・ユーロ相場の水準から見るに割高な水準となっている。
今後については、1990年台以降、最も急速な速度で進行するドル高が金価格の下押し材料になることが予想される。欧州景気も悪化し、同時にドル需給の経常的な逼迫がドル高をもたらしており、このままの水準で行くと金は600〜620?まで低下してもおかしくない地合いである。同時にETFの残高も減少しており、相場の下押し材料となると予想される。当面はリスク資産からの撤退の動きを受けて下値を探る動きが続くことになろう。
NY銀は小幅下落。取引序盤からドル高の進行もあって売りが進んでいたが、工業品である銀は株価の影響も受け易いため、各国株価が上昇する中引けにかけて買い戻しが入り下げ幅を削る動きとなった。足許10日移動平均線を挟んでもみ合いが続いている。"
先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが117,638(前週比 ▲8,313)、ショートが39,323(前週比 +12,574)となったことから、ネットで78,315(前週比 ▲20,887)となった。銀はロングが27,822(前週比 ▲8,313)、ショートが12,754(前週比 +12,574)となったことから、ネットで16,899(前週比 ▲1,360)となった。
・NYプラチナは上昇。ドル高の進行を受けて売りが進んでいたが、各国株価が堅調に推移したこともあって引けにかけては買い戻しが入り結局前日比小幅プラスで弾けることとなった。個別の材料に乏しい中、10日移動平均線を挟む推移が続いている。
急速に進行するドル高と経済状況の悪化を受けて、プラチナ価格は大幅な低下が続いている。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考える。世界経済への影響が大きい米景気の悪化、自動車産業の景況感悪化に反映される自動車販売の減少に伴う触媒需要の減少観測を受け、このコラムで指摘してきた需要減少のリスク要因の影響が極めて大きくなってきている状況であるためだ。引き続き、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えているが、供給不足は地上在庫で相殺されることとなろう。長期的な観点に立った場合、米当局が環境面に配慮しディーゼル車の使用を推進、普及率を引き上げる見通しであり、AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。
NYパラジウムはドル高進行はあったものの、株価が堅調であったことや価格水準の低さから買い戻しが入り小幅高となった。今後パラジウムの価格は低い水準で安定すると考えているが、中期的には地合いは改善すると見ている。環境規制の高まりから引き続きプラチナ・パラジウムの需要は堅調に推移すると見られるためである。しかしながら、チューリッヒ、ロシア、その他の地区の地上在庫が各々8百万オンス、10百万オンス、2百万オンス程度あると見られることや、ドルが上昇サイクルに入っていることが価格の上昇を抑えることになろうか。
(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油+0.5MB(市場予想+1.6MB)、ガソリン▲1.5MB(+1.2MB)、ディスティレート+2.3MB(+1.0MB)、稼働率+0.6%(+2.5%)。
・ベネズエラ チャベス大統領「OPECは1MBDの追加減産を実施する可能性がある。価格が安定するまで減産を続けるだろう。価格を押し上げるためロシアと協力」
・OPEC バドリ事務局長「原油安が一段と進めば、12月よりも早く総会を開催する可能性がある」
(非鉄金属)
昨日の銅価格は下落した。寄り付き10日移動平均線を下回って寄り付いたことや、ドル高の経常的な進行を受けて大幅に下落。欧州時間に発表されたLME在庫が欧州で大幅な増加となったことが端的に嫌気され、大幅な調整となった。コストベースで見た場合、銅には下げ余地があると見られることから下押し圧力がかかってうる状態である。しかし、NY時間に入ってから株価が上昇したこともあって買い戻しが進み、下げ幅を削る展開となり、4,000?を回復して引けている。ファンダメンタルズに立ち返れば、コンセントレートの継続的な不足や中国の需要が高い固定資産投資に見られるように堅調であること(世に言われているほど、中国の経済指標が悪いとは思わないんですが...)から需給は中長期的にはタイトになると予想されるものの、景気の先行きの不透明感が強まっていることから上げ幅が限定される展開となっている。LME在庫は+6,775Mt増加、(FSCは4.6日)、(キャンセルワラント率は1.6%)。売買高は13,674枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期先を中心に低下。C-3(Cash vs 3M Fwd)は2?バックとコンタンゴからバックに転じた。
昨日の亜鉛価格は下落した。銅と同じく、10日移動平均線を下回って寄り付いた後、LME在庫の減少や株の上昇、ドル高の進行といった強弱材料が混在する中、小幅なレンジでのもみ合いとなった。今後に関しては、足許の価格下落で多数の生産者がコスト割れになっていると予想されることから、一定の価格下支え効果が期待されるものの、実態経済の悪化観測を受けて株価が暴落、加えてドルが需給要因などで上昇している環境下センチメントは良いとは言えず、しばらくは低位安定するものと考えている。亜鉛は供給不足に陥るのは2010年頃からと予想している。LME在庫は▲125Mt減少、FSCは5.6日(キャンセルワラント率は2.1%)。売買高は5,007枚。イールドカーブは略パラレルに低下している。C-3は30?コンタンゴと前日と変わらず。
昨日の鉛価格は下落した。取引序盤は他の非鉄金属と同様、前日比マイナスで寄り付くこととなったが、LME在庫が大幅に減少していることやNY時間の株の上昇を好感した買い戻しが入り、下げ幅を大きく削る展開となった。結局寄り付き比プラス、前日比マイナスで引けている。LME在庫のけ継続的な減少を背景とした需給のタイトさが鉛価格を高止まりさせている。また電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要が旺盛であり、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズは強相対的に強い。LME在庫は▲1,425Mt減少、(FSCは2.1日、キャンセルワラント率は15.5%。)。売買高は2,099枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。C-3は8?コンタンゴと前日と変わらず。
昨日のアルミ価格は下落した。ドル高が進行していることや、エネルギー価格の下落の影響で取引序盤から軟調な推移となり、アジア時間は2,000?の防衛線を試す展開となった。その後、LME在庫の減少等も手伝って不冴えな展開となったが、NY時間に入ってからの株価の上昇の影響もあって引けにかけては下げ幅を削る展開となった。今後は金融クライシスが一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。ただし、コストベースで見た場合、限界レベルを下回るレベルまで価格が下がっていると見られることから買い戻しが入り易い地合いであったのも事実だろう。LME在庫は+1,150Mt増加、(FSCは13.5日)。(キャンセルワラント率は1.2%)。売買高は10,867枚。イールドカーブの計上は略変わらず。C-3は51?コンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。
昨日のニッケル価格は上昇した。限界コストベースを下回ってニッケル価格は下落していたことから買い戻しが優勢となっており、昨日も10日移動平均線を下値に堅調な推移となった。またNY時間にはいってからのNY株の上昇も支援材料になったようだ。LME在庫は▲150Mt減少、(FSCは14.8日)、キャンセルワラント率は1.1%。売買高は1,818枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。C-3は169?コンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。
昨日の錫価格は下落した。前日比マイナスで寄り付いたことから地合いは良くなく、LME在庫の減少や株の上昇といったプラス材料はあったものの下値を探る動きとなった。錫は非鉄金属の中でも鉛と並んでファンダメンタルズが強い非鉄金属であるだけに、市場規模からして上昇時の上げ幅は特に大きくなり易い。このことは非鉄金属の中で唯一カーブがバックになっていることからも明らかだろう。LME在庫の減少傾向は継続しており、キャンセルワラント率も約23%まで上昇しており、インドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中需給はタイトであるといえ、一本調子の価格下落になりにくい非鉄金属である。しかし、こうした価格上昇も不安定な株価動向に左右され易い地合いであることから、神経質な推移になる易いことは認識しておくべきだろう。LME在庫は▲55Mt減少、(FSCは3.6日)、キャンセルワラント率は22.88%。売買高は549枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン低下している。C-3は240?バックとバック幅を縮小した。
(エネルギー)
" 昨日のNY原油は上昇した。取引序盤からドル高の進行を受けて軟調な推移となっていたが、NY時間に入っても株価が堅調に推移したことや米中西部での気温低下予報を受けて買い戻しが急速に入り、後場にかけて猛反発した。恐らく何かしらのオプション取引の権利行使に関わる買い戻しによって上昇したものと見られるが詳細は不明である(特段大きなニュースが発表されたわけではないのに大きく反発しており、テクニカルな買いもどしであると考えておくべき)。イールドカーブは期先の上げ幅が大きく、ブルスティープニングしている。直近限月の騰落率はWTIは+2.7%、Brentは+2.4%。
石油製品はまちまち。RBOBは限月後退に絡むポジション調整で直近限月のみ下落し、その他のゾーンは期先を中心に上昇する展開となった。足許のクラックスプレッドがマイナスになっている状況が反映しているように、米国内のガソリン需要は決して旺盛ではなく総じてガソリン価格には下押し圧力がかかり易い。直近限月の騰落率は▲1.8%。ヒーティングオイルは上昇。冬場が近づいていることや米国在庫の水準が低いことから総じてヒーティングオイルは堅調な推移となっている。NY時間の後場、原油価格が何かしらのテクニカルな要因で大幅に上昇したため、一瞬大幅な上昇を見せる局面があったが、その後は下落し10日移動平均線を下回るレベルで引けた。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+1.1%。ICEガスオイルも上昇。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+1.2%。
(ひとりごと)
いまどき流行らないが、私は喫煙する。
会社や町ではタバコが吸える場所は殆どなくなってきており
ウチのオフィスも喫煙室は地下までエレベーターを乗り継がなければ到達しない。
「そこまでして吸うのか?」
と、問われれば吸うのである。
今日も会社に来てレポートを書いているが、各商品のコメントを書き終えた後で
(概ね、非鉄・エネルギーを書き終えると一服するんだけど)
地下に下りた。
外で吸っても良いのだが、地下の喫煙室には自動販売機があるので
ペプシネックスを飲みながら、タバコを吸うのが楽しみなのだ。
デス・ノートでLも言っているように「頭を使うと糖分を使う」ので、糖分補給のためである
あ、ペプシネックスはゼロカロリーか。
まあ、いいや細かいことは。
で。
エレベーターを2つ乗り継ぎ
喫煙室に到着
財布を出して、さあ買おう
と、思ったら
ペプシネックス売り切れ
あああああああああ、時間を割いて降りてきたのに...
いいや、頭が疲れているから、糖分の入っているもので、さわやかなもの
そう、オレンジジュースも売っていたよな
と、思ったら
夏みかんのオレンジジュース売り切れ
...まぁ、夏じゃないから夏みかん、売ってなくても仕方ないんですけど
で、悩んだ挙句(0.2秒)、全く糖分の入っていない、甘い味もしないブラックコーヒーを購入
たいしたことじゃ、ないですけどね。
完全に敗北した感じですよね。
「こんな状態で予想を書けば、それは必ずベア予想。」