お化けの時間

(商品市況概況)
「軒並み下落」
 昨日のコモディティ価格は軒並み下落した。注目の米大統領選は事前予想通りオバマがマケインを破り、米国初の黒人大統領が誕生することになった。オバマ新大統領が米経済の建て直しのために大規模な景気刺激策を打ち出すと期待されているのだが、先週から今週に掛けて発表された米経済統計は決して良いといえる内容のものがなく、むしろ今回の大統領選終了に伴い、目先の大きな買い材料がなくなったため一旦手仕舞い売りが入ったものと考えられる。尚、この商品価格の下落は株の急落を受けての下落であり、引き続きコモディティ市場においても株価が景気の先行きを示すバロメーターであると認識されていることが再確認された格好である。
 今後は実際にどのような景気対策、株価対策が打ち出され、実行に移されるかを睨みながらの相場展開になろう。政治による景気刺激策・株価対策は商品市場にとってプラスのインパクトをもたらすが、実態経済は悪化が続いており来年も景気は低迷すると見られることから「政策に失望感が広がれば売りが入る可能性は高い」相場であると言える。

(経済関連ニュース)
・10月米ISM製造業景況指数 38.9(前月改定43.5)、市場予想41.0。
・11月米建設支出 前月比▲0.3%(前月改定+0.3%(速報比変わらず))、市場予想▲0.8%。
・9月ユーロ圏生産者物価指数 前年比+7.9%(前月改定+8.5%)、市場予想+8.0%。
・9月米製造業受注 前月比▲2.5%(前月改定▲4.3%(速報比▲0.3%))、市場予想▲0.8%。
・9月英製造業生産 前月比▲0.8%、市場予想▲0.3%。30年ぶりの7ヶ月連続悪化。
・9月ユーロ圏小売売上高 前年比▲1.6%(前月改定▲1.5%(速報比+0.3%))、市場予想▲0.4%。
・10月米ADP民間雇用者数 前月比▲157千人(前月改定▲26千人(速報比▲18千人))、市場予想▲102千人。
・10月米ISM非製造業景況感指数 44.4(前月改定50.2)、市場予想47.0。
バラク・オバマ、圧勝で大統領選を制す。米国初の黒人大統領に。

・ドルは対ユーロで大幅に下落。米経済統計の悪化が続いていることや、オバマ大統領誕生で米景気刺激策、さしあたりFRBの利下げが実行される可能性が高まってきたことからドルが売られることとなった。ドルは対円でも下落した。
日本株は大幅に続伸。バラク・オバマ大統領が勝利した際の景気刺激策を期待した買いが入り上昇した。しかしながら実際にオバマ氏が大統領選を制すると材料で尽しから伸び悩んだ。米国株は大幅に下落。大統領選中に発表されてきた米経済統計は悪いものが多く、オバマが大統領選を制したことから逆に材料出尽くし感が強まり、手仕舞い売りに押されることとなった。
穀物市場サマリー)
・大豆価格は大幅に下落した。他のコモディティ同様米国株がNY時間の後場に材料出尽くしで下落したことを受けて、大豆にも換金売りが入ったようだ。この結果10日移動平均線を下回る水準まで下落して引けている。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。
・トウモロコシ価格も下落。下落の材料は大豆と同じく、株の大幅調整に伴う換金売りによるものであると見られる。結果、10日移動平均線を下回る水準まで下落して引けた。イールドカーブはパラレルに低下している。
・小麦価格も大幅に下落。NY時間後場に入ってからの急落が顕著であり、他コモディティ同様、換金売りによるものであると見られる。結果、10日移動平均線を下回って引けることとなった。イールドカーブの形状はパラレルに低下している。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は下落。ドルの上昇率と比較した場合の金価格はそもそも高く、ドル安が進むか金が下落しないとドル・ユーロ相場の水準からは説明できない水準まで上昇していたことから、今回の大統領選挙終了後に株式市場に一斉に利益確定の売りが入ったタイミングで、割高な金にも換金売りが入ったようである。
 今後については、1990年台以降、最も急速な速度で進行するドル高が金価格の下押し材料になることが予想される。欧州景気も悪化し、同時にドル需給の経常的な逼迫がドル高をもたらしており、このままの水準で行くと金は600〜620?まで低下してもおかしくない地合いである。同時にETFの残高も減少しており、相場の下押し材料となると予想される。当面はリスク資産からの撤退の動きを受けて下値を探る動きが続くことになろう。
 NY銀は上昇。対ドル比で割高な水準で金が取引されていることと比較した場合に、銀価格は一次回帰線上での取引となっており、相対的な割安感があることやチャート的に買いを入れ易い水準であることから買われたようだ。上昇した、というよりも下値が堅かったので買い戻しが優勢になったという見方の方が正しいか。"
 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが117,638(前週比 ▲8,313)、ショートが39,323(前週比 +12,574)となったことから、ネットで78,315(前週比 ▲20,887)となった。銀はロングが27,822(前週比 ▲8,313)、ショートが12,754(前週比 +12,574)となったことから、ネットで16,899(前週比 ▲1,360)となった。
"・NYプラチナは上昇。他の商品に換金売りが相次ぐ中、大きく水準を切り下げていたプラチナはテクニカルな買い戻しが入り上昇することとなった。昨日に関してはあくまでテクニカルな買戻しであると考えている。
 急速に進行するドル高と経済状況の悪化を受けて、プラチナ価格は大幅な低下が続いている。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考える。世界経済への影響が大きい米景気の悪化、自動車産業の景況感悪化に反映される自動車販売の減少に伴う触媒需要の減少観測を受け、このコラムで指摘してきた需要減少のリスク要因の影響が極めて大きくなってきている状況であるためだ。引き続き、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えているが、供給不足は地上在庫で相殺されることとなろう。長期的な観点に立った場合、米当局が環境面に配慮しディーゼル車の使用を推進、普及率を引き上げる見通しであり、AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。
 NYパラジウムも割安感から上昇している。今後パラジウムの価格は低い水準で安定すると考えているが、中期的には地合いは改善すると見ている。環境規制の高まりから引き続きプラチナ・パラジウムの需要は堅調に推移すると見られるためである。しかしながら、チューリッヒ、ロシア、その他の地区の地上在庫が各々8百万オンス、10百万オンス、2百万オンス程度あると見られることや、ドルが上昇サイクルに入っていることが価格の上昇を抑えることになろうか。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計 原油+0.1MB(市場予想+1.0MB)、ガソリン+1.1MB(▲0.7MB)、ディスティレート+1.2MB(+1.6MB)、稼働率±0.0%(+0.2%)。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。引き続き欧州地区での在庫増加が顕著で、欧州時間からNY時間に掛けて弱含んだが、オバマ大統領誕生に伴う景気刺激策への期待感からNY時間前場に掛けては買い戻しが優勢となった。ファンダメンタルズに立ち返れば、コンセントレートの継続的な不足や中国の需要が高い固定資産投資に見られるように堅調であることや、信用市場の収縮に伴う鉱山案件の資金調達難等から供給サイドも安泰ではないことから需給は中長期的にはタイトになると予想されるものの、景気の先行きの不透明感が強まっていることから上げ幅が限定される展開となっている。LME在庫は+5,825Mt増加、(FSCは4.9日)、(キャンセルワラント率は3.0%)。売買高は12,891枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近を中心に低下。C-3(Cash vs 3M Fwd)は4?コンタンゴとバックからコンタンゴに転じた。
 昨日の亜鉛価格は下落した。亜鉛はニッケル等と同様、売られすぎに伴う割安感が強い非鉄金属であることから下値堅い展開が続いていたが、昨日は大統領選終結に伴う目先の材料出尽くし感から株価が大幅に調整したため、亜鉛価格も調整を余儀なくされた。今後に関しては、足許の価格下落で多数の生産者がコスト割れになっていると予想されることから、一定の価格下支え効果が期待されるものの、実態経済の悪化観測を受けて株価が暴落、加えてドルが需給要因などで上昇している環境下センチメントは良いとは言えず、しばらくは低位安定するものと考えている。亜鉛は供給不足に陥るのは2010年頃からと予想している。LME在庫は▲225Mt減少、FSCは5.6日(キャンセルワラント率は1.7%)。売買高は3,511枚。イールドカーブは略パラレルに低下している。C-3は32?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は下落した。アジア〜NY時間に掛けて弱含んだものの、オバマ大統領誕生に伴う期待感とLME在庫の大幅な減少を受けてNY時間朝方に掛けて上昇、その後経済統計の悪化を背景にNY株が大幅調整したことから、鉛価格も調整を余儀なくされた。ただし、LME在庫のけ継続的な減少に反映されるように電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要は旺盛であると考えられ、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズは強相対的に強いことが鉛価格を高止まりさせており、昨日も10日移動平均線は下回らずに引けている。LME在庫は▲1,475Mt減少、(FSCは2.0日、キャンセルワラント率は12.5%。)。売買高は1,500枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。C-3は5?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のアルミ価格は下落した。アジア〜欧州時間に掛けては10日移動平均線のサポートを試す展開となったが、NY時間に掛けてはオバマ大統領誕生に伴う景気刺激策への期待感から買い戻しが優勢となり上昇、その後発表された米経済統計が悪化したことから、大統領選終了に伴う目先の大きな材料出尽くし感から株価が大幅に調整したため、アルミ価格も後場に掛けて調整色を強める展開となった。今後は金融クライシスが一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。ただし、コストベースで見た場合、限界レベルを下回るレベルまで価格が下がっていると見られることから買い戻しが入り易い地合いであったのも事実だろう。LME在庫は▲1,150Mt減少、(FSCは13.6日)。(キャンセルワラント率は1.2%)。売買高は7,863枚。イールドカーブの形状は略変わらず、期近が小幅低下している。C-3は55?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は下落した。相場展開は他の非鉄金属と同様で、欧州時間に掛けて下落、NY時間に掛けて上昇、NY時間の後場に掛けて下落、という展開であった。しかしながらニッケルは限界コストベースを下回って下落していたことから下値も堅く、足許10日移動平均線を下値に比較的しっかりした推移となっている。LME在庫は▲138Mt減少、(FSCは14.9日)、キャンセルワラント率は1.4%。売買高は1,030枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きい。C-3は172?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の錫価格は上昇した。非鉄金属の中で唯一上昇したのが錫である。相場展開は他の非鉄金属とは明らかに異なり、昨日は引けに掛けて袖手強含み推移している。LME在庫の減少傾向に全く歯止めが掛からず、在庫日数ベースでも3日程度の取引所在庫しか存在していないことから堅調な推移が続いている。インドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中需給はタイトであるといえ、今後も下値は堅いと見ておいたほうがよさそうだしかし、こうした価格上昇も不安定な株価動向に左右され易い地合いであることから、神経質な推移になる易いことは認識しておくべきだろう。LME在庫は▲25Mt減少、(FSCは2.9日)、キャンセルワラント率は4.28%。売買高は325枚。イールドカーブは略パラレルに上昇している。唯一バックになっている非鉄金属である。C-3は335?バックとバック幅を縮小した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は大幅に下落した。ここ数日の大幅な株価上昇を受けて原油にも流動性が回復、上昇していたのだが昨日の大統領選終結と、大統領選期間中(先週末〜今週に掛けて)発表されている経済統計が悪化していることから、逆に材料出尽くし感が強まり、株価が手仕舞い売りで急落したため原油価格もNY時間の後場に掛けて急速に弱含むこととなった。結果、10日移動平均線を割り込んで引けることとなった。夜間に発表された米在庫統計は略ニュートラルな内容であり相場に影響を与えるほどのインパクトはなかった。当面は政治に対する期待感と経済統計の悪化に伴う実体経済の悪化との綱引きが続くことになろう。期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニングしている。直近限月の騰落率はWTIは▲8.7%、Brentは▲8.0%。
 石油製品も下落。オバマ大統領誕生を好感して株式市場が強含んでいたが、結局後場に株が下落に転じたことからセンチメントが悪化し、RBOBも水準を切り下げる動きとなった。足許、ガソリン需要の後退懸念(といっても季節性は回復)を受けてクラックスプレッドはネガティブに推移しており、リファイナリの増産のインセンティブが低いことから結果的に需給がバランスする形となっている。イールドカーブは略パラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲8.2%。ヒーティングオイルも下落。相場展開は略同じであったが、冬場が近づいていることや米国在庫の水準が低いことから下げ幅は限定された。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率は▲5.5%。ICEガスオイルも下落。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率は▲3.8%。

(ひとりごと)
オバマ大統領が誕生しましたね。
何かやってくれそうな感じがしますね。
でも、余りにも課題が多すぎるので、本当に大変だと思う。
私も頑張るので(何を?)、彼にも頑張って欲しいところだ。

さて。

子供が寝るときに、カミさんが絵本を読んで聞かせている
面白いもので、私が子供の頃に母に読んでもらったものと殆ど同じものが今でも読み語られている
例えば「お母さんお話聞かせて」とか「はらぺこあおむし」とか。
この辺はいわゆる子供向けの本の「古典の名作」ということになるんだろう。

その中で、夜はお化けの時間なので寝なくちゃダメだ
といった話が出てくるのだが、このあたりも子供の頃にさんざ聞かされた。

で。

それって、今でもなんだか記憶に残っていて、夜一人で寝ているとき(カミさんが実家に戻っているとき)に、突如思い出して
怖くなったりするんですよね。恥ずかしいことに。

「夜はお化けの時間」

そうなのか。ということは、お化けはその辺にいるんだろうか。
最近歳を取って分かったことだが、子供の頃に書いているお化けよりも、実体験で話を聞くお化けはもっと怖いしな

とか、考えると眠れなくなる。
と、思うと「お化けが出るから怖いから寝なさい」という教育は、実は間違えているのではなかろうか、と思う。
だって、今でも怖いんだもの。
しかも知識が増えているからいろいろ考えちゃうし。

と、以前(お化けの話はせずに)カミさんに、「最近考え事が多くて寝付けない」と相談したところ。

「あのね、布団に入って5分で眠れない、っていうのは不眠症って言わないのよ」

だって。
さいですね。
失礼しました。