(商品市況概況)
「そろそろ始めるべきでは」
 昨日のコモディティ価格はまちまちであった。注目の米雇用統計は市場予想を大きく上回る悪化となり、コモディティ市場ではこの統計を受けて下落することとなった。また米GMの資金繰り懸念報道といったマイナス材料も相場を下押しすることになったようだ。しかし面白い(といったら不謹慎だが)ことに、極端に悪い統計が発表されたことで「更なる景気刺激策」が打たれるのではとの期待感と、下げの速度が余りにも急であったことによる割安感からNY時間に株が反転したため、取引所がオープンしている時間がNYとかぶっている市場は回復、そうでない市場の価格は下落して引けることになった。
 いずれにしても日米欧政府は、経済対策、金融市場安定化策の立案と速やかな実行を行う必要があると考える。と、言うのも昨日の市場では「統計が悪すぎて買いが入る」という不思議な現象が起こっているからだ。このことは、オバマ次期大統領が大統領選を有利に展開すればするほど株が上がったのになんとなく感じが似ていると思う。現在の市場は将来の何かに対して「過剰に」期待感を抱き、その材料が終了するとまた「過剰に」売りで反応するという状態になっているといえる。そろそろ市場の要求が過剰になる前に速やかに対応すべき時期に来ていると考える。
 また、そろそろ目先のことに一喜一憂せず、中長期的な観点でリスクと向き合う準備(市場リスクマネジメントへの真剣な取り組み)をする時期に来ているのではないだろうか。価格が高いときよりも価格が低いときの方が景気が良くないわけだから。

(経済関連ニュース)
・韓国中央銀行 生産金利を25bp引き上げ、4%に。自国通貨防衛のため。
・10月米雇用者数 前月比▲240千人(前月改定▲284千人(速報比▲125千人))、市場予想▲200千人。失業率6.5%(前月改定6.1%)。
・9月米中古住宅販売 前月比▲4.6%(前月改定+7.5%(速報比+0.1%))、市場予想▲3.4%。
・9月独鉱工業生産 前月比▲3.6%(前月買い知恵+3.2%(速報比▲0.2%))、市場予想▲1.7%。
GM 今年の運転資金が不十分な状態になる可能性があると発表。Q308の決算は42億?の営業損失に。
筑紫哲也氏、死去。

・ドルは対ユーロで下落。ドルが対ユーロで大幅に買い進まれていたことからユーロが買い戻された。夜間に米雇用統計が発表され、予想を上回る悪化であったものの、統計発表後の為替の変動は然程大きいものではなく、むしろ追加利下げの期待感から株が上昇したためもみ合いながらの推移となった。ドルは対円では上昇。欧米追加利下げの可能性が高まる中、株式などを対象とするキャリートレードが復活するのではとの思惑から(しかし各国が金利を引き下げ続けると、キャリートレードも妙味が薄れてくる可能性が高い)。
日本株は大幅続落。世界的な金融危機、景気の悪化の影響を受けて各企業の業績悪化懸念が強まったため。自動車トップのトヨタ自動車が業績予想を大幅に下方修正したことが嫌気され、一時ストップ安となったことも、全体の地合いを大きく悪化させた。原油価格の下落で資源関連株も軟調となった。米国株は反発。早朝発表された米雇用統計は市場予想を上回る悪化であったことや、GMの資金不足懸念といった悪材料を受けて、米国政府による景気刺激策への期待と、FRBによる利下げへの期待感が強まったため。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は上昇した。前日のコーンベルト地帯西部における雷雨の影響で現物の受渡に影響が出るとの見方から買い戻しが続き、10日移動平均線をトライする動きとなった。その後の米雇用統計の悪化といったマイナス材料はあったものの、余り材料視されなかった。イールドカーブは全ゾーン上昇している。
・トウモロコシ価格は下落。大豆と同じく欧州時間からNY時間にかけて強含んだのだが、こちらは米雇用統計の悪化を受けた原油価格の下落等に押され、水準を小幅切り下げる動きとなった。イールドカーブの形状は略変わらず。
・小麦価格も下落。前日の流れを受けて上昇していたが、NY時間の米雇用統計を受けて上げ幅を削る展開となった。イールドカーブの形状はほとんど変っていない。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は小幅上昇。株価の下落を受けて取引序盤から買い進まれたが、夜間の米雇用統計の悪化を受けて「逆に米景気追加刺激策」への期待が高まり株価が上昇したことから、引けに掛けては軟調な推移となった。
 今後については、1990年台以降、最も急速な速度で進行するドル高が金価格の下押し材料になることが予想される。欧州景気も悪化し、同時にドル需給の経常的な逼迫がドル高をもたらしているためだ。ドル/ユーロ相場と金価格の一次回帰分析の結果、現在の価格はドル安に転じない限りは概ね90?程理論値から高い状態である。よってこのままのドル/ユーロ水準が続くのならば金価格は600?〜620?まで下落する必要がある。同時にETFの残高も減少しており、相場の下押し材料となると予想される。当面はリスク資産からの撤退の動きを受けて下値を探る動きが続くことになろう。
 NY銀は小幅下落。略金と同様の相場展開であったが、結果的に前日比マイナスでの引けとなった。"
 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが118,166(前週比 +528)、ショートが49,971(前週比 +10,648)となったことから、ネットで68,195(前週比 ▲10,120)となった。銀はロングが29,015(前週比 +528)、ショートが11,508(前週比 +10,648)となったことから、ネットで16,981(前週比 ▲5,125)となった。
"・NYプラチナは上昇。絶対水準の低さや、ドル安の進行を受けて欧州時間に掛けて上昇し、その後米雇用統計の悪化を受けて下落(工業品であるため景気関連の指標には比較的敏感)、しかしその後の米景気刺激策への期待感が逆に強まったことから買い戻しが入り前日比プラスで引けることとなった。引き続き10日移動平均線でサポートされている。
 急速に進行するドル高と経済状況の悪化を受けて、プラチナ価格は大幅に調整してきた。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考えているものの、現在の水準は売られすぎであると考えられ。プラチナ生産の70%を占める南アの電力問題は4-5年解決の目処が立っていない。一方でアジアを中心とした自動車需要は比較的堅調に推移すると見られ、環境面から米国もプラチナの消費を増やさねばならない(AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。)。こうした環境下、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えており、供給不足が地上在庫で相殺されると期待されるものの信用不安が高まる中供給途絶のリスクは高いと考えておくべきだろう。但しこのシナリオのリスクは自動車需要が予想を上回ってさらに悪化した場合である。
 NYパラジウムは小幅高。今後パラジウムの価格は低い水準で安定すると考えているが、中期的には地合いは改善すると見ている。環境規制の高まりから引き続きプラチナ・パラジウムの需要は堅調に推移すると見られること、プラチナ対比でパラジウム価格が割安なためである。しかしながら、チューリッヒ、ロシア、その他の地区の地上在庫が各々8百万オンス、10百万オンス、2百万オンス程度あると見られることや、ドルが上昇サイクルに入っていることが価格の上昇を抑えることになろうか。

(エネルギー関連ニュース)
サウジアラムココノコフィリップスサウジアラビア国内に建設を計画している製油所(400KBD)の建設計画を延期。

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。取引序盤は先月の安値、3,590?に近づいていることから安値拾いの買いを受けて上昇したが、NY時間に発表された米雇用統計が非常に悪い内容であったことから急落し、結局前日比マイナスで引けることとなった。但し米株が追加景気対策期待で上昇したことは、価格に完全に織り込まないまま引けている。ファンダメンタルズに立ち返れば、コンセントレートの継続的な不足や中国の需要が高い固定資産投資に見られるように堅調であることや、信用市場の収縮に伴う鉱山案件の資金調達難等から供給サイドも安泰ではないことから需給は中長期的にはタイトになると予想されるものの、景気の先行きの不透明感が強まっていることから低い水準で不冴えな展開が続いている。LME在庫は+2,250Mt増加、(FSCは5.0日)、(キャンセルワラント率は3.0%)。売買高は8,641枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近を中心に低下。C-3(Cash vs 3M Fwd)は24?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の亜鉛価格は下落した。過去のデータと比較した場合、亜鉛は明らかに売られすぎの水準であることから、取引序盤から買いが優勢となり上昇、ドル安の進行も支援材料となったようである。しかしながらNY時間に発表された米雇用統計の悪化を受けてNY時間に下落しアジア〜欧州時間の上げ分を吐き出して引けた。今後に関しては、足許の価格下落で多数の生産者がコスト割れになっていると予想されることから、一定の価格下支え効果が期待されるものの、実態経済の悪化観測を受けて株価が暴落、加えてドルが需給要因などで上昇している環境下センチメントは良いとは言えず、しばらくは低位安定するものと考えている。亜鉛は供給不足に陥るのは2010年頃からと予想している。LME在庫は▲150Mt減少、FSCは5.6日(キャンセルワラント率は1.7%)。売買高は3,151枚。イールドカーブは期先の下げ幅が大きい。C-3は27?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の鉛価格は大幅に下落した。取引序盤は堅調な推移となっていたのだが、ここしばらくサポートラインとして意識されていた10日移動平均線を下回ったところから下げが加速し、その後NY時間に発表された米雇用統計の大幅な悪化を受けて下げが加速することとなった。後の株価上昇は殆ど織り込まれることはなかった。毎日繰り返しコメントしているが、LME在庫のけ継続的な減少に反映されるように電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要は旺盛であると考えられ、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズは強相対的に強いことが鉛価格を高止まりさせており、比較的堅調な推移となっている。LME在庫は▲1,075Mt減少、(FSCは1.9日、キャンセルワラント率は9.0%。)。売買高は1,911枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーンパラレルに低下している。C-3は10?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は下落した。取引序盤は割安感から10日移動平均線をトライする動きになったものの、その後欧州時間からドルが強含んだことから下落、さらに米雇用統計の悪化を受けて大幅に調整することとなった。しかしながら引けに掛けては株価の持ちなおしもあって若干下げ幅を削って引けている。今後は金融クライシスが一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。ただし、コストベースで見た場合、限界レベルを下回るレベルまで価格が下がっていると見られることから買い戻しが入り易い地合いであったのも事実だろう。LME在庫は▲400Mt減少、(FSCは14.0日)。(キャンセルワラント率は1.2%)。売買高は11,443枚。イールドカーブの形状は期近を中心に下落し、ベアスティープニング。C-3は54?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日のニッケル価格は下落した。欧州時間までは買い戻しが優勢となり10日移動平均線をトライする動きとなったが、その後この水準を上抜けできなかったことから下落に転じ、NY時間の雇用統計の大幅悪化を受けてさらに水準を切り下げた。但し、アルミや亜鉛と並んで限界コストの水準が低く、11,000?を下回って下落する展開にはならなかった。LME在庫は▲66Mt減少、(FSCは14.9日)、キャンセルワラント率は1.3%。売買高は876枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。C-3は163?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の錫価格は上昇した。昨日は特に売買高が少なかったのだが、欧州時間に掛けて上昇し、その後米雇用統計を受けて上げ幅を削る、という展開であった。チャート的には10日移動平均線が30日移動平均線を下から上に抜けており、こうした経済環境下でも買いサインが出てしまっている。また、インドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中需給はタイトであるといえ、今後も下値は堅いと見ておいたほうがよさそうだしかし、こうした価格上昇も不安定な株価動向に左右され易い地合いであることから、神経質な推移になる易いことは認識しておくべきだろう。LME在庫は+15Mt増加、(FSCは2.9日)、キャンセルワラント率は2.81%。売買高は152枚。イールドカーブは略パラレルに上昇している。唯一バックになっている非鉄金属である。C-3は365?バックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は小幅反発した。アジア〜欧州時間にかけては一時60?を下回ったものの、やはり60?を下回るレベルでは安値拾いの買いが入り反発、その後、NY時間に発表された米雇用統計の大幅な悪化を受けて再び急落し60?をトライする動きとなった。しかし、GMの決算の大幅悪化や今回の雇用統計の悪化に伴う、金利引下げや減税といった追加的な景気刺激策への期待感が高まり株価が上昇、原油価格もこれを受けて反発しもみ合い推移した結果、前日比プラスで引けることとなった。Brentも略同様の相場展開であったが結果的に直近限月は前月比マイナスで引けている。WTIイールドカーブは期先の上げ幅が大きく、ブルスティープニング。Brentのイールドカーブの形状は略変わらなかった。直近限月の騰落率はWTIは+0.4%、Brentは▲0.1%。
 石油製品も上昇。RBOBも米雇用統計を受けて水準を切り下げる動きとなっていたが、在庫統計速報のところでもコメントしているように「価格下落の影響でガソリンの季節性は回復」している状態であり、危機的、というレベルではない。またガソリンクラックがネガティブであることから割安感もあり、下値は比較的しっかりしたようだ。イールドカーブは期近の上げ幅が大きいが略全ゾーンパラレルに上昇している。直近限月の騰落率は+1.0%。ヒーティングオイルも略同様の相場展開で上昇。ディスティレート在庫の水準は今のところ十分であるものの、冬場を控えてかつ各企業の資金繰りが悪化する可能性がある中在庫の積極的な積み増しが行われているとは言いにくく、上げ幅はRBOBを上回ることとなった。イールドカーブは期先の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+1.8%。ICEガスオイルも上昇。イールドカーブは期近・期先の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+1.0%。

(ひとりごと)
レストランで食事をするときに。
時々思うことがあるんですが
何かというとですね
隣の席との距離が狭いときに

「どちらを向いて席に入るのか」

って、ことなんですけど。
これって結構自分にとっては大事なことなので、いつも悩んでしまう。
周りの人を見回すとどうも3種類の人がいるようである

1つ目
隣の席に背を向けて入る

2つ目
隣の席のほうを向いて入る

3つ目
どんなに狭くても体を斜めにし、まっすぐ入る


圧倒的に1つ目を選択しているのが多いのだが、ふと小学校の頃の学芸会を思い出す

「観客に尻を向けるな」

っていう、先生の指導を。
確かに大人が立ってテーブルを横切ると、丁度自分の尻の高さが先方の座っている目線に近くなり
どう考えても失礼なような気がしてしまうのだ。
向こうも私の尻など、見たくなかろう。

で。

じゃあ、尻を向けるのが失礼だとして、2つ目を選択するのか?というと
そういう入り方をしている人はまず見たことがない。
尻のみに力点を置けば、非常に丁寧でかつ、人としてあるべき席への入り方だと考えられるものの
いざ、本当にそれができるかといえばNoであろう。
隣の席の人だって、相当びっくりするに違いないし
間違いなく変態だと思われるだろうし。

で。

結局3つ目を選択している人がそれなりにいることは、驚きに値しなかった。
皆同じこと考えているのね。
と、思うと一番マナーでよさそうなのが、「一旦全員立ち上がる」ってことになるんだろうか。


人間、いろいろな局面で悩むものである(いつも0.1秒ぐらいだけど)
あ、そんなに悩まないですか、そうですか。