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(商品市況概況)
G20を控え中国動く」
 昨日のコモディティ価格は軒並み上昇した。コモディティ需要増加への寄与度が世界で最も高い中国が、4兆元の大規模な経済対策を実施すると発表したことが素直に好感されることとなった。この規模は年間のGDPの5分の1に該当する規模であり、G20を控えて世界景気の下支えに積極的な姿勢を示さんとしたものである。
 今回の夏場からのコモディティ価格の下落は、(i)景気の後退による需要減少、(ii)金融システム不安を背景とした信用収縮の拡大、の影響によるものであり、今回の中国の対策は?に当たる。2001年以降のコモディティ価格の上昇の要因の大半は中国の需要増加によるものであったということを鑑みれば、中国の大規模な景気刺激策は明確にコモディティ需要の押し上げ材料となろう。
 しかし昨晩に関してはGMの業績悪化(材料(i))、AIGへの追加支援(材料(ii))、GMの業績悪化といったマイナス材料が後半、相場を押し下げることとなった。つまり中国の需要増加による相場下支え効果は大きいものの、依然として市場は米国要因の影響が大きいと見ているということだろう。中国が本格的にコモディティ需要の下支え効果をもたらすようになるには、相反するようであるが米国の動きに落ち着きが見られる必要があるということだろうか。

(経済関連ニュース)
・Q308日機械受注 前期比▲10.4%。9月は前月比+5.5%(前月改定▲14.5%)、市場予想+5.0%。
・10月中国PPI 前年比+6.6%(前月改定+9.1%)、市場予想+8.0%。
・10月英PPI 前月比▲1.0%(前月改定▲0.2%(速報比+0.1%))、市場予想▲0.5%。
・中国、総額4兆元の経済対策実施を発表。

・ドルは対ユーロで小幅安。先週末の流れを受けて、米国の追加利下げ観測が強まる中ユーロが強含んでいたが、英PPIがマイナスになったことが好感され、ドルが買い戻されることになった。円は対ドルで上昇。米株の下落を受けて再び資金が日本国内に還流したため。
日本株は大幅反発。先週末の米株上昇に加え、中国が4兆元の大型景気対策を発表したことが好感され、アジア・欧州株式は軒並み上昇することとなった。米国株は下落。中国の景気対策G20での対策期待から堅調な推移となっていたが、ゴールドマン・サックスGMの業績懸念で後場にかけて下落した。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は上昇した。中国の経済対策の効果により、需要が大幅に増加するとみられたことや、USDAの需給統計で、生産見通しが29.21億Buと、当初見通しの29.38Buから下方修正されたことも買い材料となった。結果、10日移動平均線でサポートされつつしっかりの展開となった。イールドカーブは全ゾーン上昇している。
・トウモロコシ価格は上昇。USDAの需給統計で、トウモロコシの生産高が120億2,000万Buと前回発表時から1,000万Bu引き下げられたことが材料視された。イールドカーブ全ゾーンパラレルに上昇。
・小麦価格は下落。USDAの発表では2009年5月末の在庫が603百万Buと34年来の最低の水準となった前年の306百万Buから倍増する見通しとなったことが地合いを悪化させた。イールドカーブの形状はほとんど変っていない。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は上昇。中国の経済対策実施に伴う株価の上昇によるセンチメントの好転と、ドル安の進行を受けて上昇した。しかし欧州時間に発表された英PPIの悪化を受けてドルが再び強含み推移したため、上げ幅を削る展開となった。
 今後については、1990年台以降、最も急速な速度で進行するドル高が金価格の下押し材料になることが予想される。欧州景気も悪化し、同時にドル需給の経常的な逼迫がドル高をもたらしているためだ。ドル/ユーロ相場と金価格の一次回帰分析の結果、現在の価格はドル安に転じない限りは概ね90?程理論値から高い状態である。よってこのままのドル/ユーロ水準が続くのならば金価格は600?〜620?まで下落する必要がある。同時にETFの残高も減少しており、相場の下押し材料となると予想される。当面はリスク資産からの撤退の動きを受けて下値を探る動きが続くことになろう。
 NY銀は大幅上昇。中国の経済対策を受けた株価の上昇を受けて、工業品としての銀は買い戻しが入ることになった。とはいってもそもそも10日移動平均線をサポートラインとして堅調な推移が続いている。"
 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが118,166(前週比 +528)、ショートが49,971(前週比 +10,648)となったことから、ネットで68,195(前週比 ▲10,120)となった。銀はロングが29,015(前週比 +528)、ショートが11,508(前週比 +10,648)となったことから、ネットで16,981(前週比 ▲5,125)となった。
・NYプラチナは上昇。中国の経済対策を受けた景気の下支え効果期待と、株価の上昇を受けて強含み推移したが、欧州時間に発表された英PPIの悪化を受けて再びドルが強含んだことからNY時間にかけては上げ幅を削る展開となった。足許10日移動平均線を下値として堅調な推移が続いている。
 急速に進行するドル高と経済状況の悪化を受けて、プラチナ価格は大幅に調整してきた。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考えているものの、現在の水準は売られすぎであると考えられ。プラチナ生産の70%を占める南アの電力問題は4-5年解決の目処が立っていない。一方でアジアを中心とした自動車需要は比較的堅調に推移すると見られ、環境面から米国もプラチナの消費を増やさねばならない(AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。)。こうした環境下、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えており、供給不足が地上在庫で相殺されると期待されるものの信用不安が高まる中供給途絶のリスクは高いと考えておくべきだろう。但しこのシナリオのリスクは自動車需要が予想を上回ってさらに悪化した場合である。
 NYパラジウムは小幅安。株の上昇を受けて上昇した後、ドル高の進行を受けてマイナスサイドに沈んだ。今後パラジウムの価格は低い水準で安定すると考えているが、中期的には地合いは改善すると見ている。環境規制の高まりから引き続きプラチナ・パラジウムの需要は堅調に推移すると見られること、プラチナ対比でパラジウム価格が割安なためである。しかしながら、チューリッヒ、ロシア、その他の地区の地上在庫が各々8百万オンス、10百万オンス、2百万オンス程度あると見られることや、ドルが上昇サイクルに入っていることが価格の上昇を抑えることになろうか。

・米Freeport、Henderson鉱山の生産を減産することに加え、Climax Projectの遅延を発表。モリブデン価格の急落の影響で。

(エネルギー関連ニュース)
・米在庫統計市場予想 原油+0.5MB、ガソリン+0.5MB、ディスティレート+1.1MB、稼働率+0.2%
・イラン ノザリ石油相「12月17日の総会前に、必要であれば会合を開催する可能性がある」

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は上昇した。中国の大規模な経済対策の発表を受けて株価が上昇したことや、中国の非鉄金属需要が再び増加するとの期待感と、そもそもの割安感から買い戻しが優勢となった。しかし、欧州時間に発表された英PPIの悪化を受けてドル高が再び進行し地合いが悪化、10日移動平均線を一時回復していたが結局この水準を下回って引けた。ファンダメンタルズに立ち返れば、コンセントレートの継続的な不足や中国の需要が高い固定資産投資に見られるように堅調であることや、信用市場の収縮に伴う鉱山案件の資金調達難等から供給サイドも安泰ではないことから需給は中長期的にはタイトになると予想されるものの、景気の先行きの不透明感が強まっていることから低い水準で不冴えな展開が続いている。LME在庫は+6,050Mt増加、(FSCは5.2日)、(キャンセルワラント率は2.7%)。売買高は11,704枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期先を中心に上昇。C-3(Cash vs 3M Fwd)は31?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の亜鉛価格は上昇した。中国の経済対策発表を受けた地合いの好転で、割安に放置されていた亜鉛は買い戻しが優勢となった。しかし、欧州時間のドル高進行を受けて上げ幅を削り、結局10日移動平均線を下回って引けている。今後に関しては、足許の価格下落で多数の生産者がコスト割れになっていると予想されることから、一定の価格下支え効果が期待されるものの、実態経済の悪化観測を受けて株価が暴落、加えてドルが需給要因などで上昇している環境下センチメントは良いとは言えず、しばらくは低位安定するものと考えている。亜鉛は供給不足に陥るのは2010年頃からと予想している。LME在庫は▲125Mt減少、FSCは5.6日(キャンセルワラント率は1.6%)。売買高は4,082枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに小幅上昇。C-3は28?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は下落した。中国の経済対策を受けて取引序盤は若干強含んだものの、10日移動平均線のサポートラインを割り込んでしまっていることから地合いが悪く、欧州時間以降のドル高の進行もあって下値を探る動きとなった。昨晩に関してはLME在庫の減少や中国の経済対策といったプラス材料があったものの、チャート上のテクニカル要因が勝ったようである。毎日繰り返しコメントしているが、LME在庫のけ継続的な減少に反映されるように電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要は旺盛であると考えられ、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズは強相対的に強いことが鉛価格を高止まりさせており、比較的堅調な推移となっている。LME在庫は▲350Mt減少、(FSCは1.9日、キャンセルワラント率は12.8%。)。売買高は1,244枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーンパラレルに低下している。C-3は11?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は上昇した。取引序盤から中国の経済対策期待を受けた株価の上昇、中国の需要の増加観測を受けて堅調に推移していたが、欧州時間のドル高進行が嫌気され、NY時間の株の下落もあって引けにかけては地合いが悪化し、上げ幅を大きく削る展開となった。結局寄り付き比マイナス、前日比プラスで引けている。今後は金融クライシスが一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。ただし、コストベースで見た場合、限界レベルを下回るレベルまで価格が下がっていると見られることから買い戻しが入り易い地合いであるのも事実だろう。LME在庫は+11,125Mt増加、(FSCは14.1日)。(キャンセルワラント率は1.1%)。売買高は10,101枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに小幅上昇している。C-3は56?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は上昇した。欧州時間までは中国の経済対策期待で上昇していたが、ドル高の進行お受けて地合いが悪化し、30日移動平均線を上値として頭重い推移となった。結局前日比プラスで引けている。但し、アルミや亜鉛と並んで限界コストの水準が低く、11,000?を下値として堅調な推移となっている。LME在庫は▲24Mt減少、(FSCは14.9日)、キャンセルワラント率は0.9%。売買高は1,199枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇している。C-3は152?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の錫価格は下落した。昨日は個別の売買材料がなかったが、10日移動平均線が30日移動平均線を下から上にぬけていることもあって、チャート的にサポートされ易い地合いの中、10日移動平均線、30日移動平均線にサポートされて総じてしっかりの展開であった。また、インドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中需給はタイトであるといえ、今後も下値は堅いと見ておいたほうがよさそうだしかし、こうした価格上昇も不安定な株価動向に左右され易い地合いであることから、神経質な推移になる易いことは認識しておくべきだろう。LME在庫は▲10Mt減少、(FSCは2.9日)、キャンセルワラント率は2.49%。売買高は460枚。イールドカーブは全ゾーン小幅低下。唯一バックになっている非鉄金属である。C-3は365?バックと前日と変わらず。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は続伸した。中国の大規模な経済対策の発表が好感されたことや、OPECによる減産示唆などが材料視された。結果10日移動平均線レジスタンスをトライする動きとなった。しかし欧州時間に発表された英PPIの悪化に伴うドル高の進行が地合いを悪化させ、NY時間にかけて下落。60?を割り込む局面も見られたがさすがにこの水準では安値拾いの買いも入りやすく、結局小幅高で引けることとなった。世界の原油需要の伸びの大半を占める中国の景気刺激策発表は純粋に原油買い材料となる。WTIイールドカーブは期近が上昇、期先が低下し、ツイストする形でフラットニングしている。Brentのイールドカーブも同様であった。直近限月の騰落率はWTIは+2.1%、Brentは+2.8%。
 石油製品も上昇。RBOBも中国の経済対策発表を受けて10日移動平均線をトライする動きとなったが、欧州時間から米州時間に掛けてのドルの強含みを受けて水準を切り下げる展開となった。徐々にそこを打ちつつあるとの印象である。イールドカーブは略パラレルに上昇している。直近限月の騰落率は+1.3%。ヒーティングオイルも略同様の相場展開で上昇。イールドカーブはパラレルに上昇している。直近限月の騰落率は+1.8%。ICEガスオイルも上昇。イールドカーブは期近を中心に上昇して、ブルフラットニング。直近限月の騰落率は+1.2%。


(ひとりごと)
未だに外国の人は、日本に忍者がいると思っているらしい。
母親は本気で芸者だと思っている人もいるらしい。

まぁ。

そう思われても仕方ないだろうし、そう思いたい気持ちも良く分かる。
この前弊社のリサーチのM氏が日本に来たときにも、「まだ日本に忍者はいるのか」が話題になった。
基本、日本にいると思っているので夢は壊さないで上げたいところ、である。

M 「そもそも忍者と侍はどう違うのか」
私 「(どう違う、って根本的に違うんだけど...)特定の君主に仕えない、って言うところが忍者と侍の違いかしら」
M 「そうか。フランスの傭兵部隊みたいなものだな」
私 「まあ、そんなものだ」
M 「忍者と侍はどちらが強いのか?」
私 「忍者によるんじゃない?」
M 「そもそも忍者は日本にいるのか」
私 「いる」
M 「本当か?どこにいるんだ?」
私 「東京の北に、Nikko Edo ヴィレッジという村があって、そこに忍者はいる」
M 「そうか!次回の出張時には是非、行ってみたいものだ」

...僕は嘘をついたんでしょうか?