(商品市況概況)
「せっかく当選したのに」
昨日のコモディティ価格は軒並み下落した。米大統領選でオバマが圧勝し、米国の改革、景気回復への期待が高まったものの、せっかく当選したのに「経験がないから無理なのでは」とか「オバマの景気対策では不十分」、といった先週の段階では余り指摘されていなかったようなことが材料になり、株価が下落。加えてIMFが日米欧の景気見通しをマイナス成長に下方修正したことも地合いを悪化させる結果となり、「価格があるものは売れ」モードに再び戻ることになってしまった。
昨日の下落で確実になったのは、結局政治動向を受けた株価の上昇はあくまで「期待値」での買いであり、実態経済という事実を突きつけられると力強く買いを入れられる環境ではない、ということだろう。ただし、こうした経済状況だと市場はダウンサイドに過剰に反応しすぎるきらいはあるため、売られすぎによって割安感が出る、といった相場展開は継続することになるだろう。
(経済関連ニュース)
・9月独製造業受注 前月比▲8.0%(前月改定+3.5%(速報比▲0.1%))、市場予想▲2.3%。1991年以来で最大の下げ。
・英中銀 政策金利のレポ金利を1.5%引き下げ3.0%に。
・週間新規失業保険申請者数 前週比▲4千人の481千人(前週改定 485千人(速報比+10千人))、市場予想477千人。
・Q308米労働生産性速報 前期比年率+1.1%(前期改定+3.6%(速報比▲0.7%))、市場予想+0.7%。
・Q308米単位労働コスト 前期比年率+3.6%(前期改定▲0.1%(速報比▲0.4%))、市場予想+3.0%。
・ECB政策金利を0.5%引き下げ3.25%に。市場予想どおり。
・ECBトリシェ総裁「ユーロ景気は著しく減速している」
・ドルは対ユーロで上昇。ECBが市場予想どおり利下げを行ったことに加えIMFが経済見通しを下方修正したことなどが嫌気された。BOEが1.5%の利下げに踏み切った一方でECBの利下げが0.5%に留まってしまったことがさらに失望売りを誘ったようだ。ドルは対円では下落。株価が再び不安定になったことなどからドル売り・円買いが進んだ。
・日本株は大幅反落。バラク・オバマ大統領が勝利したことで、目先の買い材料が一服、欧米経済統計の悪化の影響を受けて前日海外株が軒並み下落したことが嫌気され、日本株も売られることとなった。輸出関連株、金融株の下落が顕著。米国株は大幅下落。米週間新規失業保険申請者数の悪化を受けてオバマ大統領当選に伴う景気刺激策実行の期待感を完全に相殺してしまった。
(穀物市場サマリー)
・大豆価格は期近が反発、期先は下落。欧州金利引下げに伴うドル高の進行や株の下落に伴う地合いの悪化を受けて水準を切り下げる動きとなった。しかしながらコーンベルト地帯西部における雷雨の影響で現物の受渡に影響が出るとの見方から期近のみ強含んだようだ。イールドカーブは期近が上昇、期先が低下しツイストする形でフラットニングしている。
・トウモロコシ価格も下落。ドル高の進行やエネルギー価格の大幅調整、株価の下落といったマイナス材料を受けて10日移動平均線のサポートを割り込むに至った。しかしながらコーンベルト中西部の雷雨の影響を受けて引けに掛けては買い戻しが入り若干下げ幅を削った。イールドカーブはパラレルに低下している。
・小麦価格も大幅に下落。NY時間に入ってからの株価の急落や、ドル高の進行が地合いを完全に悪化させた。10日移動平均線を大きく下回って引けることとなった。イールドカーブの形状はパラレルに低下している。
(非鉄金属関連ニュース)
・NY金は下落。欧州の利下げの影響で、NYオープン時間までは軟調な推移となっていたが、米経済統計の悪化に伴う株価の下落によって金にも換金売りが相次いだ模様。
今後については、1990年台以降、最も急速な速度で進行するドル高が金価格の下押し材料になることが予想される。欧州景気も悪化し、同時にドル需給の経常的な逼迫がドル高をもたらしており、このままの水準で行くと金は600〜620?まで低下してもおかしくない地合いである。同時にETFの残高も減少しており、相場の下押し材料となると予想される。当面はリスク資産からの撤退の動きを受けて下値を探る動きが続くことになろう。
NY銀も下落。同様にNY時間に株価が下落幅を拡大したことから、先行きの景気悪化懸念が高まり手仕舞い売りに押されることとなった。"
先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが117,638(前週比 ▲8,313)、ショートが39,323(前週比 +12,574)となったことから、ネットで78,315(前週比 ▲20,887)となった。銀はロングが27,822(前週比 ▲8,313)、ショートが12,754(前週比 +12,574)となったことから、ネットで16,899(前週比 ▲1,360)となった。
"・NYプラチナは下落。ドル高の進行や株安といったマイナス材料が相次ぎ、前日の上げ幅を吐き出す形で水準を切り下げる動きとなった。しかしながら10日移動平均線ではサポートされて引けている。プラチナ価格の絶対水準の低さに着目した買いが入っているのは事実であり、比較的底堅い推移となっている。
急速に進行するドル高と経済状況の悪化を受けて、プラチナ価格は大幅な低下が続いている。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考える。世界経済への影響が大きい米景気の悪化、自動車産業の景況感悪化に反映される自動車販売の減少に伴う触媒需要の減少観測を受け、このコラムで指摘してきた需要減少のリスク要因の影響が極めて大きくなってきている状況であるためだ。引き続き、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えているが、供給不足は地上在庫で相殺されることとなろう。長期的な観点に立った場合、米当局が環境面に配慮しディーゼル車の使用を推進、普及率を引き上げる見通しであり、AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。
NYパラジウムは小幅高。しかし相場展開は略同じで、NY時間まで強含んだ後、その後の経済統計の悪化を受けた株の下落によってセンチメントが悪化、上げ幅を大きく削り結局前日比小幅プラスまで水準を切り下げる動きとなった。今後パラジウムの価格は低い水準で安定すると考えているが、中期的には地合いは改善すると見ている。環境規制の高まりから引き続きプラチナ・パラジウムの需要は堅調に推移すると見られるためである。しかしながら、チューリッヒ、ロシア、その他の地区の地上在庫が各々8百万オンス、10百万オンス、2百万オンス程度あると見られることや、ドルが上昇サイクルに入っていることが価格の上昇を抑えることになろうか。
(エネルギー関連ニュース)
・IEA 2008年〜2015年の原油の平均価格は100?になる見込み。2030年の原油需要予想は106MBDとなる見通しであり、2030年までに200?に達する可能性。
(非鉄金属)
昨日の銅価格は下落した。前日の株安を受けて寄り付きから10日移動平均線を割り込んで寄り付き、その後の欧州利下げに伴うドル高の進行や、NY時間の株の大幅下げといったマイナス材料を受けて終始一貫して水準を切り下げる動きとなった。LME在庫の大幅増加も地合いを悪化させている。ファンダメンタルズに立ち返れば、コンセントレートの継続的な不足や中国の需要が高い固定資産投資に見られるように堅調であることや、信用市場の収縮に伴う鉱山案件の資金調達難等から供給サイドも安泰ではないことから需給は中長期的にはタイトになると予想されるものの、景気の先行きの不透明感が強まっていることから低い水準で不冴えな展開が続いている。LME在庫は+5,075Mt増加、(FSCは5.0日)、(キャンセルワラント率は3.0%)。売買高は12,313枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近を中心に低下。C-3(Cash vs 3M Fwd)は19?コンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。
昨日の亜鉛価格は下落した。亜鉛も銅と同じく10日移動平均線を割り込んで寄り付いた後、株安を眺めながら終始不冴えな推移となった。LME在庫に変化はなく、昨日は為替要因と株要因を受けたセンチメントの悪化で売り込まれた。今後に関しては、足許の価格下落で多数の生産者がコスト割れになっていると予想されることから、一定の価格下支え効果が期待されるものの、実態経済の悪化観測を受けて株価が暴落、加えてドルが需給要因などで上昇している環境下センチメントは良いとは言えず、しばらくは低位安定するものと考えている。亜鉛は供給不足に陥るのは2010年頃からと予想している。LME在庫は前日比変わらず。FSCは5.6日(キャンセルワラント率は1.8%)。売買高は3,992枚。イールドカーブは略パラレルに低下している。C-3は31?コンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。
昨日の鉛価格は下落した。材料は略同じで、前日の株安を受けて地合いが悪化している中、前日比マイナスで寄り付き、NY時間の株の下げを受けてさらに水準を切り下げる動きとなった。結局10日移動平均線は辛うじて維持して引けている。毎日繰り返しコメントしているが、LME在庫のけ継続的な減少に反映されるように電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要は旺盛であると考えられ、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズは強相対的に強いことが鉛価格を高止まりさせており、比較的堅調な推移となっている。LME在庫は▲625Mt減少、(FSCは1.9日、キャンセルワラント率は11.3%。)。売買高は2,171枚。イールドカーブは期先を中心に全ゾーンパラレルに低下している。C-3は6?コンタンゴとコンタンゴ幅を拡大した。
昨日のアルミ価格は下落した。相場展開はその他の非鉄金属と同様、前日の株安を受けて寄り付きから軟調な推移となり、原油価格の急落や欧州利下げに伴うドル高の進行もあって、10日移動平均線を割り込んで引けることとなった。LME在庫の積み上がりも地合いを悪化させている。今後は金融クライシスが一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。ただし、コストベースで見た場合、限界レベルを下回るレベルまで価格が下がっていると見られることから買い戻しが入り易い地合いであったのも事実だろう。LME在庫は+6,375Mt増加、(FSCは13.6日)。(キャンセルワラント率は1.2%)。売買高は10,566枚。イールドカーブの形状は期近を中心に下落し、ベアスティープニング。C-3は54?コンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。
昨日のニッケル価格は下落した。材料は他の商品と同じく、ドル高・株安によるもので、LME在庫の減少は殆ど材料にならなかった。但し、アルミや亜鉛と並んで限界コストの水準が低く、11,000?を下回って下落する展開にはならなかった。LME在庫は▲60Mt減少、(FSCは14.9日)、キャンセルワラント率は1.8%。売買高は1,234枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。C-3は168?コンタンゴとコンタンゴ幅を縮小した。
昨日の錫価格は下落した。昨日は株安やドル高を材料に他の非鉄金属と同様不冴えな展開であったが、LME在庫の減少傾向が持続していることなどの個別のファンダメンタルズ要因で、総じて10日移動平均線を下値に堅調な推移になっているとの印象である。インドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中需給はタイトであるといえ、今後も下値は堅いと見ておいたほうがよさそうだしかし、こうした価格上昇も不安定な株価動向に左右され易い地合いであることから、神経質な推移になる易いことは認識しておくべきだろう。LME在庫は▲25Mt減少、(FSCは2.9日)、キャンセルワラント率は3.49%。売買高は135枚。イールドカーブは略パラレルに低下している。唯一バックになっている非鉄金属である。C-3は350?バックとバック幅を拡大した。
(エネルギー)
昨日のNY原油は大幅に続落した。そもそも10日移動平均線を大きく下回って寄り付いた後、欧州利下げが予想の範囲内に留まった(英中銀は別)ことや、トリシェ総裁のユーロ経済に関する極めて悲観的な見方、NY時間に発表された経済統計の悪化を受けた株の大幅安が地合いを悪化させ、略終始一貫してじりじりと水準を切り下げる動きとなった。イールドカーブは期近の下げ幅が大きく、ベアスティープニングしている。直近限月の騰落率はWTIは▲8.1%、Brentは▲8.4%。
石油製品も大幅に続落。オバマ大統領誕生を好感して株式市場が強含んでいたが、経済統計の悪化を受けた株安の影響で再び商品に換金売りが相次ぐ中、RBOBも地合いを悪化させることとなった。そもそもクラックマージンがネガティブになっている段階で、ガソリンの地合いは弱い。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン低下している。直近限月の騰落率は▲7.1%。ヒーティングオイルも下落。相場展開は略同じであったが、冬場が近づいていることや米国在庫の水準が低いことから下げ幅は限定された。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率は▲6.1%。ICEガスオイルも下落。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。直近限月の騰落率は▲5.6%。
(ひとりごと)
家の近くのローソンが閉店してしまった。
もう30年近く愛用してきたお店である。
ローソンができる前には家の近くに、お菓子やとか、文房具やとかがあって
私がローソンで買い物をしていると、お菓子やのおばちゃんにすごい睨まれた記憶がある
そう。子供心には「ローソンで買い物することは悪いこと」と思っていた。
だって、ついこの前まで相当やさしかったお菓子屋のおばちゃんが、すごい怖くなるんですよ。
と、思い返すと近所のお菓子やってのはもう殆どなくなっていて、というよりも全くなくなってしまったようだ。
単価の安い駄菓子屋が早々になくなってしまった(あそこで販売されていたものは相当好きだったんだけど...それはまた次回)
知らないうちにコンビニに淘汰され、影も形もなくなってしまっている。
しかし、地域を席巻したコンビニにも淘汰の波が押し寄せ、どんどんなくなってきている。
そう。
滅多に食べないんですが、お菓子を買うところがなくなってきてるんですよね...
これって非常に問題なことだと思う。
このまま行くと、ネットでお菓子を買ったりしなければならなくなるのだろうか。
と、思ったら私の兄はネットでお菓子をダンボール買いしているらしいことが分かった。
時代を先取っているのね。あなた。