コントローラー

(商品市況概況)
「下落」
 昨日のコモディティ価格は下落した。日本のGDPがマイナスになり、政府も景気後退についてコメントし始めるなど、「比較的悪くなかった」日本経済にもかげりが見え始めたことなどが悪材料視されたようだ。
 小さなニュースであるが、昨日、中国がアルミや鉄製品の輸出関税を引き下げる(12月より)と発表したことに私は敏感になっている。以前から複数のコラムでコメントしているように、「中国の需要が旺盛か、そうでないかの判断には、中国政府の関税政策の動向が目安となる」ためである。輸出関税の引き下げ、ということは一部中国が輸出を促進したいという意思が強いことを意味し、多くの商品(特に非鉄金属)の最大消費者でありかつ最大生産者である中国の輸出促進は、域内需給が緩和する可能性を秘めているためである。引き続き同国の関税動向に注目していきたい。

(経済関連ニュース)
・Q308日本GDP 前期比年率▲0.4%、前期比▲0.1%(市場予想+0.1%)。日本の景気は後退局面へ。
・Q308インドネシアGDP 前年比+6.1%(前期+6.4%)、市場予想+5.9%。
・11月ニューヨーク連銀製造業景況指数 ▲25.4(前月改定▲24.6)、市場予想▲26。
・10月米鉱工業生産 前月比+1.3%(前月改定▲3.7%(速報比▲0.9%))、市場予想+0.2%。ハリケーン通過後の設備稼働再開で。


・ドルは対ユーロで下落。NY連銀指数の悪化等が嫌気された。円は対ドルで小幅高となっている。
日本株は小幅高。米国株の急落を受けて輸出関連株が売られたものの、ディフェンシブ銘柄が買われた。米国株は続落。NY連銀指数の悪化や、シティグループの5万人の追加リストラ計画発表等が地合いを悪化させた。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は上昇した。米中西部で雨と降雪があり、収穫の遅れや単収の悪化が買い材料視された。これにより大豆価格は10日移動平均線のサポートを回復して上昇している。大豆輸出の増加も支援材料となったようだ。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。
・トウモロコシ価格も上昇。アジア時間は冴えない推移であったがNY時間に米中西部での降雨・降雪を受けて収穫や単収の悪化懸念が材料視された。イールドカーブは全ゾーン小幅上昇。
・小麦価格は大幅に下落。特段材料はなかったものの、4営業日連続で上昇した地合いを受けて30日移動平均線を上抜け下のだが、米株の下落等のマイナス材料を受けて調整売りで下落した。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は小幅安。経済環境が悪いことには大きな変化はなく、昨日に関してはドル安の進行などのプラス材料もあったのだが、総じて10日移動平均線を挟んでもみ合い推移することとなった。
 今後については、1990年台以降、最も急速な速度で進行するドル高が金価格の下押し材料になることが予想される。欧州景気も悪化し、同時にドル需給の経常的な逼迫がドル高をもたらしているためだ。ドル/ユーロ相場と金価格の一次回帰分析の結果、現在の価格はドル安に転じない限りは概ね140?程理論値から高い状態である。よってこのままのドル/ユーロ水準が続くのならば金価格は600?〜620?まで下落する必要がある。同時にETFの残高も減少しており、相場の下押し材料となると予想される。当面はリスク資産からの撤退の動きを受けて下値を探る動きが続くことになろう。
 NY銀も低下。銀に割安感が出ているとの指摘が多い一方で、経済統計の悪化や株価の下落といった、工業品へのマイナス材料をうけて10日移動平均線が上値として強く意識されている。"
 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが116,351(前週比 ▲1,815)、ショートが52,392(前週比 +2,421)となったことから、ネットで63,959(前週比 ▲4,236)となった。銀はロングが30,913(前週比 ▲1,815)、ショートが11,287(前週比 +2,421)となったことから、ネットで18,686(前週比 ▲2,454)となった。

・NYプラチナも下落。工業品としての色彩の強いプラチナは、株の下落といったマイナス材料を受けて水準を削る動きとなった。結果的に30日移動平均線で頭を抑えられている。しかし、信用不安を背景にする供給不安といった新たな相場へのプラス材料が台頭し始める中、800?を下値に底堅く推移している。
 急速に進行するドル高と経済状況の悪化を受けて、プラチナ価格は大幅に調整してきた。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考えているものの、現在の水準は売られすぎであると考えられる。プラチナ生産の70%を占める南アの電力問題は4-5年解決の目処が立っていない。一方でアジアを中心とした自動車需要は比較的堅調に推移すると見られ、環境面から米国もプラチナの消費を増やさねばならない(AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。)。こうした環境下、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えており、供給不足が地上在庫で相殺されると期待されるものの信用不安が高まる中供給途絶のリスクは高いと考えておくべきだろう。但しこのシナリオのリスクは自動車需要が予想を上回ってさらに悪化した場合である。
 NYパラジウムは小幅高。特段材料がない中、小動きの結果前日比小幅プラス引けた。今後パラジウムの価格はジリ高の展開になると考える。環境規制の高まりから引き続きプラチナ・パラジウム需要が高まりな需給の改善観測が根強い上、チャート的には10日移動平均線が30日、50日移動平均線を下から上に抜けており、チャート的にも買いサインが出ているためだ。しかしその上の雲は極めて厚く250?を上回っての上昇は考えにくい。また、チューリッヒ、ロシア、その他の地区の地上在庫が各々8百万オンス、10百万オンス、2百万オンス程度あると見られることや、ドルが上昇サイクルに入っていることが価格の上昇を抑えることになろうか。"

・中国 12月より一部の金属に関して輸出税を引き下げる方針。アルミの合金線材や棒材の輸出関税は5〜15%引き下げられる見込み。鉄製品も同様。

(エネルギー関連ニュース)
OPECヘリル事務局長「減産は29日ではなく来月の総会で」

(非鉄金属)
 昨日の銅価格は下落した。日本経済がリセッション入りした可能性が高まったことから取引序盤から冴えない推移となり、LME在庫の増加やNY連銀指数の悪化といったマイナス材料を受けて水準を切り下げた。しかしアンガラ下値では安値拾いの買いも入り、比較的狭いレンジでの推移となった。ファンダメンタルズに立ち返れば、コンセントレートの継続的な不足や中国の需要が高い固定資産投資に見られるように堅調であることや、信用市場の収縮に伴う鉱山案件の資金調達難等から供給サイドも安泰ではないことから需給は中長期的にはタイトになると予想されるものの、景気の先行きの不透明感が強まっていることから低い水準で不冴えな展開が続いている。LME在庫は+1,800Mt増加、(FSCは5.5日)、(キャンセルワラント率は2.2%)。売買高は6,704枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは略パラレルに低下している。C-3(Cash vs 3M Fwd)は51?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の亜鉛価格は小幅下落した。週末、30日移動平均線を上回れなかったことや、日本のGDPの悪化といったマイナス材料を受けて取引序盤から軟調な推移となり、NY連銀指数の悪化や株価の下落といったマイナス材料を受けて水準を切り下げる動きとなった。しかし、足許の価格下落で多数の生産者がコスト割れになっていると予想されることや、価格の大幅下落で売られすぎの水準にあることも事実であり、10日移動平均線を下回るレベルでは安値拾いの買いが入り、10日移動平均線を維持して引けた。亜鉛は供給不足に陥るのは2010年頃からと予想している。LME在庫は▲75Mt減少、FSCは5.7日(キャンセルワラント率は2.3%)。売買高は2,629枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに小幅低下。C-3は14?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の鉛価格は下落した。日本のGDP悪化を受けて寄り付きから軟調な推移となり、NY時間の統計悪化を背景に終始軟調な推移となった。但し毎日繰り返しコメントしているが、LME在庫のけ継続的な減少(昨日も減少)に反映されるように電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要は旺盛であると考えられ、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズは強相対的に強いことが鉛価格を高止まりさせており、比較的堅調な推移となっている。LME在庫は▲275Mt減少、(FSCは1.9日、キャンセルワラント率は14.8%。)。売買高は982枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン低下しし、ベアスティープニングしている。C-3は18?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は下落した。日本のGDP悪化や、中国のアルミ関連製品向けの輸出関税緩和の報道を受けて軟調な地合いとなり、欧州時間のLME増加を受けて相場が急落した。しかし、何回かコメントしているようにアルミの価格はコスト割れレベルまで下落していることもあって、下値も堅くなっている状態であり、下げ幅は限定された。今後は金融クライシスが一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。ただし、コストベースで見た場合、限界レベルを下回るレベルまで価格が下がっていると見られることから買い戻しが入り易い地合いであるのも事実だろう。LME在庫は+10,000Mt増加、(FSCは14.7日)。(キャンセルワラント率は0.9%)。売買高は9,674枚。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。C-3は51?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は下落した。先週、Xstrataがニッケル鉱山のオペレーション前倒し停止を発表したものの、30日移動平均線を上抜けできなかったことから地合いが悪く、朝方の日本のGDPの悪化報道を受けて、水準を小幅切り下げることとなった。アルミや亜鉛と並んで限界コストの水準が低く(11,000?程度)、下値も堅いとの印象である。LME在庫は+414Mt増加、(FSCは15.5日)、キャンセルワラント率は1.0%。売買高は1,139枚。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。C-3は135?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は下落した。個別の新規材料に乏しい中、30日移動平均線を上値として軟調な推移となった。インドネシアや中国の生産輸出状況に改善が見られない中需給はタイトであるといえ、今後も下値は堅いと見ておいたほうがよい。しかし、こうした価格上昇も不安定な株価動向に左右され易い地合いであることから、神経質な推移になる易いことは認識しておくべきだろう。LME在庫は+30Mt増加、(FSCは3.3日)、キャンセルワラント率は3.21%。売買高は191枚。イールドカーブは全ゾーン低下。唯一バックになっている非鉄金属である。C-3は270?バックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
 昨日のNY原油は下落した。東京時間の朝方発表された日本のGDPが悪化したことで冴えない推移となっていたが、先週の安値である54.67?に近づくレベルではさすがに安値拾いの買いが入り上昇、但し10日移動平均線を上抜けすることができなかったことや株が軟調に推移したこともあって再び地合いが悪化し、下落して引けた。イールドカーブは期近の下げ幅が大きい。OPECが今月末の総会で減産を行わない見通しとなりつつあることも地合いを悪化させたようだ。Brentのイールドカーブも期近の下げ幅の方が大きくベアスティープニングしている。直近限月の騰落率はWTIは▲4.0%、Brentは▲3.8%。
 石油製品も下落。RBOBも日本のGDP悪化等の悪材料を受けて前日比マイナスで寄り付き、NY時間に買い戻され引けにかけて売られるという展開であった。地合いは良くない。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。今のところ10日移動平均線が上値として強く意識されており、明確なサポートラインがない中ジリ安の展開が続いている。直近限月の騰落率は▲5.8%。ヒーティングオイルも下落。イールドカーブは全ゾーンパラレルに低下している。直近限月の騰落率は▲2.3%。ICEガスオイルは小幅上昇。600?の心理的節目をトライする動きとなった。イールドカーブは期近が上昇、期先が低下。直近限月の騰落率は+0.3%。

(ひとりごと)
どこに行ったかしらないが、いつの間にやらテレビのコントローラーが見つからない
ごみとして出してしまったのだろうか?
テレビを買うとき「テレビもビデオもこのコントローラー1つで十分」と説明を受け
コントローラーが増えることを嫌がるカミさんは、No Timeでこのテレビを選んだのだが
なくしてみて初めて分かるが、「1つしかコントローラーがないと、最近のテレビは全く使えなくなる」のである。
基本、撮ったビデオは直近のものしか見れないし
デジタルとアナログも変更できないし
なんだか「メールが届いています」ってメッセージが出ても見れないし

全く。
と、思っていたら我が子がテレビをイタズラしていて、メールの画面やチャンネル設定の画面を出していた
どうやって!?
と、思ったのだが、彼に説明ができるはずもない。

そしたらですね
今度はテレビの画面が全く写らなくなってしまった
本体の電源は点くのだが、画面に何も映らないのだ

電気屋に、行こう。この週末。