かみさま

(商品市況概況)
「軒並み上昇」
 昨日のコモディティ価格は軒並み上昇した。米シティの経営問題が取り沙汰されていたが、最近の米国でありがちな「週末〜週初の救済策発表」を受けて株価が大幅に上昇したことが地合いを好転させた。そもそもコモディティ価格の大幅な調整は「景気悪化が進行する中でのドル建資産の売却」が進行したことによるものであり、下げる速度、その幅とも大きく、どの水準で終了すべきか判断が難しい局面に入っていたが、市場参加者の感覚からすれば「短期的に下げすぎ」感が強いことは否めず、買い戻しの「切っ掛け」を探している状態であった。これは春先から夏場に掛けてWTIが120?を越えて150?に迫ったときと逆ではあるが、ロジック的には殆ど同じ相場展開である。夏場の下落は、FRB議長の景気後退発言、ビッグ3の経営状態の悪化、米可処分所得に占めるエネルギー関連支出が過去最大の8%を越えたこと、等があわせ技で下落の引き金となった。となると、買い戻しのタイミングは、大手企業の支援と11月、12月の欧米主要企業決算が無事に乗り越えられた後、ということになり来年以降の価格の上昇が予想される。しかし、今後更なる大手企業の経営悪化や政治の混乱といった材料が出てくればこの限りではない。

(経済関連ニュース)
・米週間新規失業保険申請者数 前週比+27千人の542千人。
・11月米フィラデルフィア連銀景況指数 ▲39.3(前月改定▲37.5)、市場予想▲35。
・Q308シンガポールGDP 前年比▲6.8%(前月改定▲5.3%)、市場予想▲6.3%。
・11月ユーロ圏 サービス業景気指数速報 43.3(前月改定45.8)、市場予想45.0、製造業景気指数36.2(41.1)、40.5、総合指数39.7(43.6)、42.8。
・11月独Ifo企業景況感 85.8(前月改定90.2)、市場予想88.7。
・10月米中古住宅販売 前月比▲3.1%の498万戸(前月改定514万戸(速報比▲4万戸))、市場予想500万戸。
・米政府、シティバンクの救済策を発表。資産29兆円に政府保証。

・ドルは対ユーロで大幅に下落。シティバンクの救済策発表に伴い、ドルの不安が後退急速なドル資産の現金化に伴うドルの上昇に一旦歯止めが掛かった様子。対円でもドルは上昇している。
日本株は上昇(金曜日)。米シティの再編報道を受けて金融株が上昇した。米株は大幅に上昇。米政府がシティグループの大幅な支援を発表したことで買い安心感が広がったため。欧米株は軒並み上昇している。

穀物市場サマリー)
・大豆価格は大幅に上昇した。米シティの救済報道で株価が上昇、ドル資産売却の動きに歯止めが掛かり物色されることとなった。しかし引き続き10日移動平均線を上抜けは仕切れず、このレベルを挟む展開となっている。イールドカーブは全ゾーンパラレルに大幅に上昇。
・トウモロコシ価格も上昇。決め手になる材料が乏しい中、株価や為替動向といった周辺材料の影響の方が大きく、買い戻しが優勢となった。しかし大豆同様10日移動平均線を上回って上昇する感じではなかった。
・小麦価格は急騰。景気の後退やドル高の進行、ハーベストプレッシャーといったマイナス材料をこなしながら大幅に水準を切り下げてきた中、米シティの九歳報道が発表されたことを切っ掛けにして大幅に買い戻しが進んだ。この上昇で10日移動平均線は上抜けしたが、30日移動平均線は上抜けできなかった。イールドカーブは全ゾーンパラレルに上昇している。

非鉄金属関連ニュース)
・NY金は上昇。シティバンクの支援報道を受けてドル安が進行(ドル不安の後退に伴う、ドル資産売却の動きが一服したためと見られる)したことから買いが入った。この結果、週末と合わせて50?を越える大幅な上昇となり、主要なチャートポイントは全て上抜けして引けている。
 今後については、1990年台以降、最も急速な速度で進行するドル高が金価格の下押し材料になることが予想される。欧州景気も悪化し、同時にドル需給の経常的な逼迫がドル高をもたらしているためだ。ドル/ユーロ相場と金価格の一次回帰分析の結果、現在の価格はドル安に転じない限りは概ね140?程理論値から高い状態である。よってこのままのドル/ユーロ水準が続くのならば金価格は600?〜620?まで下落する必要がある。同時にETFの残高も減少しており、相場の下押し材料となると予想される。当面はリスク資産からの撤退の動きを受けて下値を探る動きが続くことになろう。
 NY銀も大幅に上昇。シティバンクの政府による救済報道を受けて株価が大幅に上昇したことから、ドル建資産の売却圧力が弱まったため。また株価の上昇は商品市場にプラスのインパクトをもたらすことも支援材料となった。結果、50日移動平均線で頭を抑えられて引けている。
 先週のCFTCポジション報告によるNon-Commercialポジションは、金はロングが111,063(前週比 ▲5,288)、ショートが46,234(前週比 ▲6,158)となったことから、ネットで64,829(前週比 +870)となった。銀はロングが29,678(前週比 ▲5,288)、ショートが10,603(前週比 ▲6,158)となったことから、ネットで16,457(前週比 ▲2,388)となった。

・NYプラチナも上昇。シティグループの支援報道によって株式相場が堅調に推移したことが支援材料となった。また、ドルが下落したことも押し上げ材料になったようだ。これによりプラチナ価格は夏の米ビッグ3ショック依頼始めて30日移動平均線を回復した。
 急速に進行するドル高と経済状況の悪化を受けて、プラチナ価格は大幅に調整してきた。中期的な見通しについてプラチナは、低い水準で安定すると考えているものの、現在の水準は売られすぎであると考えられる。プラチナ生産の70%を占める南アの電力問題は4-5年解決の目処が立っていない。一方でアジアを中心とした自動車需要は比較的堅調に推移すると見られ、環境面から米国もプラチナの消費を増やさねばならない(AngloPlatの見通しでは普及率が5-8%であればさらに300キロオンス〜500キロオンスの需要増が見込まれる。)。こうした環境下、2008年、2009年のプラチナ需給は各々181キロオンス、458キロオンスの供給不足の状態になると考えており、供給不足が地上在庫で相殺されると期待されるものの信用不安が高まる中供給途絶のリスクは高いと考えておくべきだろう。但しこのシナリオのリスクは自動車需要が予想を上回ってさらに悪化した場合である。
 NYパラジウムは上昇。NY時間の株高とドル安が支援材料となった。しかし一目均衡表の雲厚く、この水準を上抜けすることはできなかった。テクニカルに上値は追いにくい。
 今後パラジウムの価格はジリ高の展開になると考える。環境規制の高まりから引き続きプラチナ・パラジウム需要が高まりな需給の改善観測が根強い上、チャート的には10日移動平均線が30日、50日移動平均線を下から上に抜けており、チャート的にも買いサインが出ているためだ。しかしその上の雲は極めて厚く250?を上回っての上昇は考えにくい。また、チューリッヒ、ロシア、その他の地区の地上在庫が各々8百万オンス、10百万オンス、2百万オンス程度あると見られることや、ドルが上昇サイクルに入っていることが価格の上昇を抑えることになろうか。

(エネルギー関連ニュース)
OPECヘリル議長「85?を下回る原油価格では、OPEC全体では7,000億?の収入減となるものの、世界経済の一助となる」
 「追加減産を議論するのは時期尚早。10月に決めた生産枠遵守を徹底したい。ただし来月の総会では、現在のデータを元にすれば1MBD程度の減産は必要」


(非鉄金属)
 昨日の銅価格は上昇した。米政府によるシティバンクの救済発表によって株価が上昇したことや、ドル資産の過度な売却圧力が弱まったため。上海の銅在庫が大幅に減少していることも地合いを好転させているようだ。この結果10日移動平均線を上回って引けている。ファンダメンタルズに立ち返れば、コンセントレートの継続的な不足や中国の需要が高い固定資産投資に見られるように堅調であることや、信用市場の収縮に伴う鉱山案件の資金調達難等から供給サイドも安泰ではないことから需給は中長期的にはタイトになると予想されるものの、景気の先行きの不透明感が強まっていることから低い水準で不冴えな展開が続いている。LME在庫は+1,275Mt増加、(FSCは5.6日)、(キャンセルワラント率は1.0%)。売買高は10,635枚(※現時点で確認できる前日の3Mの出来高)。イールドカーブは期近を中心に上昇し、ブルフラットニングしている。C-3(Cash vs 3M Fwd)は29?コンタンゴコンタンゴ幅を縮小した。
 昨日の亜鉛価格は上昇した。そもそもコスト割れ水準まで価格が下落しているため、割安感があることから下値では買いがはいっていたが、シティの米政府による救済報道が交換され、亜鉛も買いが優勢となった。結果、10日移動平均線が30日移動平均線を下から上に抜ける格好となり、短期的には買いが入り易い地合いとなった。しばらくは(限定的ながら)上値を試す動きになると考える。LME在庫は+2,825Mt増加、FSCは5.9日(キャンセルワラント率は1.5%)。売買高は4,236枚。イールドカーブは期先を中心に全ゾーン上昇。C-3は5?コンタンゴとバックからコンタンゴに転じた。
 昨日の鉛価格は上昇した。買い材料は明確にシティの救済に伴う株の上昇。この材料を受けて10日移動平均線を目指して上昇して引けている。鉛は足許10月24日の安値である1,145?を下値に堅調な推移が続いている。景気が悪化したものの、電気自動車、電気オートバイ、電気自転車向けのバッテリー需要は旺盛であると見られ、他の非鉄に比べて実際ファンダメンタルズは強相対的に強いためだ。今後も(市場のセンチメントを決定付けるため株式市場次第ではあるが)堅調な推移が続くことになろう。LME在庫は▲150Mt減少、(FSCは1.8日、キャンセルワラント率は3.1%。)。売買高は1,089枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン上昇している。C-3は11?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のアルミ価格は上昇した。米シティの救済報道を受けた株価の上昇と、原油高、ドル安が材料となった。但し10日移動平均線を上値として頭重い推移になっている状態には変わりはない。今後は金融クライシスが一旦回避されたものの、実態経済の悪化に焦点があたるため引き続き低い水準で冴えない相場展開になると見る。ただし、コストベースで見た場合、限界レベルを下回るレベルまで価格が下がっていると見られることから買い戻しが入り易い地合いであるのも事実だろう。また、中国がアルミ製品の輸出税を引き下げる見通しであることが、域内需給の緩和要因になることは要注意である。LME在庫は+1,925Mt増加、(FSCは15.7日)。(キャンセルワラント率は0.7%)。売買高は11,562枚。イールドカーブは期近の上げ幅が大きく、ブルフラットニングしている。C-3は49?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日のニッケル価格は上昇した。材料は株高とドル安である。10,000?の節目が近づいていることから安値で買いが入り易い中、シティの救済報道でセンチメントが好転し、10日移動平均線をトライする動きとなった。当面は、限界コストと見られる11,000?、心理的節目である10,000?を意識しながら比較的狭いレンジでの取引が続くことになると考える。LME在庫は+354Mt増加、(FSCは16.0日)、キャンセルワラント率は1.3%。売買高は727枚。イールドカーブは期近を中心に全ゾーン上昇している。C-3は120?コンタンゴコンタンゴ幅を拡大した。
 昨日の錫価格は上昇した。材料は他のコモディティと変わらず、シティの救済報道が好感された。結果、10日移動平均線まで上昇して引けることとなった。一時大幅に低下していたキャンセルワラント率が再び2桁台を伺う動きになっていることも支援材料。インドネシアや中国の生産輸出状況が徐々に改善し始めている可能性が出てきたことから、今後はまず、中国の輸出入統計に注目する必要があろう。とはいえLME在庫の水準は低く、需給はタイトであり今後も下値は堅いと見ておいたほうがよい。LME在庫は前日比変わらず。(FSCは4.2日)、キャンセルワラント率は9.91%。売買高は390枚。イールドカーブは手前の需給緩和で期近の上昇幅が大きく、ブルスティープニングしている。C-3は125?バックとバック幅を拡大した。

(エネルギー)
" 昨日のNY原油は大幅に上昇した。そもそも50?を下回ったことから割安感も強く、買いが入り易い地合いの中、米シティの救済策発表に伴う株価の上昇と、ドル安の進行を材料に10日移動平均線をトライする動きとなった。OPECが価格の急落を背景に減産に含みを持たせたことも買いを誘う結果となった。イールドカーブは期近が上昇し、ブルフラットニングしている。直近限月の騰落率はWTIは+7.7%、Brentは+8.1%。
 石油製品も大幅に上昇。材料はシティの支援策発表。RBOBは先週、節目の100セントを下回ったもののこの水準でサポートされたことから、シティの救済報道で上昇し、10日移動平均線レジスタンスを試す展開となった。イールドカーブは期先を中心に上昇している。今のところ10日移動平均線が上値として強く意識されており、下値はキリの良い100セントがサポートとして意識される展開。ただ、ガソリンクラックは引き続きマイナスの状態が続いており「より燃費の良い」ディーゼルへのシフトが鮮明になってきている。直近限月の騰落率は+6.4%。ヒーティングオイルも上昇。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+4.5%。ICEガスオイルも上昇。イールドカーブは期近の上げ幅が大きい。直近限月の騰落率は+5.6%。

(ひとりごと)
連休、家族で京都に行ってきた。
父が京都出身であるため、我が家の年中行事である。

今年も紅葉が遅れる、との見方から12月の上旬のホテルの予約が一杯で
11月の下旬はそれほど予約が一杯じゃなかったらしいんだが
この数週間の気温低下で急速に紅葉が進んだらしく、予約も殺到したらしく
尋常じゃない混み方であった。
足が悪い祖母が一緒なので車での移動なのだが
車が1時間動かず
道行く人にじろじろ見られる
というぐらいのどえらい混み方であった

でも、紅葉ってのは「夏場の降雨と日照」と「秋冬の急速な気温の低下」が綺麗に紅葉するために必須条件らしく
夏場の降雨が少なかった今年は、紅葉自体も枯れた感じであった。
なんというか、赤黒い感じの紅葉に。

それでも日本の秋はすばらしい
お寺がどうこう言う気はないが、神社仏閣の境内に紅葉が映える様は、他の国では見ることはできまい
「計算された不均一さ」に、日本の美意識を感じる旅行であった。
やはり年に1〜2回は仕事じゃなく、行くべきところであると再認識。


で。

旅行中びっくりしたのだが
錦の近くに本能寺(現在の移設後の本能寺)を通るときに、そこに立っている像を指差して
1歳9ヶ月の我が子に

「これはなに?」

とたずねたら

「かみさま」

といわれたこと。
特に育てる中で神様、という言葉を教えたことがなかったのだが...
前世は坊さんか何かだったのだろうか。
ちょっと不思議な感じがした一瞬であった。

おしまい